since 16.JAN.2003
石川の方言 石川県のネイティブスピーカーになる! 方言会話マスター
石川県を旅するなら、地元生活者とのおしゃべりも楽しみに。
はじめは皆〜んなちんぷんかんぷん。
一日一言キーワードで方言を覚えていけば、
土着住民とのトラベル会話も、石川への移住ももう怖くない!

[とっさに一言]
No.001〜005

[子どものいる家]
No.006〜010

[リズムでノリノリ]
No.011〜015

[助けて!苦しー]
No.016〜020

[おしゃれ失敗!]
No.021〜027

[おしゃれ合格?]

No.028〜030

[少々がっかり]
No.031(03.05.08)
しょちびん

No.032
(03.05.09)
あいそんない
No.033
(03.05.12)
はぐちくう
No.034
(03.05.20)
がんちんくう
No.035(03.05.21)
しゃごめる

[ちょっと深刻]
No.036
(03.05.22)
むさい
No.037(03.05.23)
ばら
No.038(03.05.27)
やくちゃもねえ
No.039
(03.06.02)
てんな
No.040
(03.06.05)
かわいや

[欲張り大王]
No.041〜045


[お腹がなったね]
No.046〜050

[時間の約束]
No.051〜055

[ここで会えたら]
No.056〜060

[家に寄ってく?]
No.061〜065


[ノラもペットも]
No.066〜070

[ガンバレお仕事]
No.071〜075

[心がバイオレンス]
No.076〜080

[ママのキッチン]
No.081〜085

[畑で収穫]
No.086〜090

[ちがう!誤解だ]
No.091〜095

[ほっとひと息]
No.096〜100

[リピート擬態語]
No.101〜105

[自然が相手だ]
No.106〜110

[楽しい食卓]
No.111〜115

[テンパる現場で]
No.116〜120

[体がムズムズ]
No.121〜125

[モノは大事に]
No.126〜130

[動きDE表現]
No.131〜135

[バカにすんない!]
No.136〜140

[あぁ、新品が‥]
No.141〜145

[のめりこんでて]
No.146〜150

COMING SOON

[奮闘ホリデー]
No.151〜155


一覧
[少々がっかり]
No.031(03.05.08) しょちびん
「これっぽっち、ちょっぴり」の意。「少ない、小さい」ことを表すんですが、『ありゃっ?たったこれだけ?」と、軽く不満な、当てが外れた気持ちを伴う。対象となるのは、食べ物が多いような。語尾の「ん」が抜けて、『しょちび』とも。
さらに残念っぷりを強調したい時は、『しょっちびん』と撥音を入れ、かつ『しょっ』にアクセントを置いて発音しよう。

ex.1) 「有名なケーキ屋さんのお菓子あたったしと思て、喜んで全部に分けっか思たら、なーんしょっちび-んなげんぞ」
(有名なケーキ屋さんのお菓子いただいたからと思って、喜んでみんなに分けようかと思ったら、もう、ほんのちょっとなのよ)

No.032(03.05.09) あいそんない(あいそむない、あいそもない)
「物足りない」の意。今ひとつ食べ足りない時や、もっと楽しみたかった時など、意外にあっさりしていた時にどうぞ。何かが抜け落ちて足りない気がする時にも。
察するに、「愛想がない」から意味的変化を起こしたんでしょうか?「もうちょっと、何とかしてよ」ってことで。

ex.1) 「盛り付きゃ美しかったけど、上品すぎて何や、あいそんねーかったんな」
(盛り付けはきれいだったけど、上品すぎて何か、食べたぞ〜っていう満足感がなかったね)
ex.2) 「今日のステージ何曲やった?なんかあいそもなくなかった?」
(今日のステージ何曲やった?なんかあっさりしてなかった?)
ex.3) 「なんやらあいそもねぇ思たら、ストーブかたしたんか」
(何だか物足りない気がすると思ったら、ストーブを片付けたんだね)

No.033(03.05.12) はぐちくう
「はぐらかされる」に近い。でも重点は、はぐらかされた事自体より、その後の心の動きに置かれている。「(はぐらかされたり、行き違いがあって)ガクッとくる、ありゃ?ってなる」って感じ。
ちょっと、訳しずらいっすね。

ex.) 「そっちんおる思て持ってったんに、黙〜って行くさけ、こっちゃはぐちくうたがい!」
(そっちにいると思って持って行ったのに、黙って行くから、こっちが取り残されちゃったじゃん!)

No.034(03.05.20) がんちんくう
「行き違う」の意。これも前出『はぐちくう』と同様、行き違ったことだけでなく、それによって当てが外れて、ありゃ?、ガクッってなる感じも含んだ表現。

ex.) 「祭りの寿司持って行ったら、おらん間にこっち来とってんといや。ちょ〜どがんちんくうたんやんな」
(祭りの寿司を持って行ったら、いない間にこっちに来てたんだって。ちょうど行き違ったんだね。)

No.035(03.05.21) しゃごめる
「(やり場のない)怒りを感じる」といったところ。ま、ほぼ、現代語「むかつく!」にとって代わられている言葉。
でも、「むかつく」が発散型の怒りなのに対し、「しゃごめる」方が閉塞感がある気がする。ストレスが内向きに溜まりそう〜。

ex.1) 「夕方から全部で出るゆうてあったんに、まぁだ帰ってこんンみゃ。あ〜らしゃごめるんな〜」
(夕方から皆んなで出かけるって言ってあったのに、まだ帰って来ないじゃない。ああ全くもう〜〜)
ex.2) 「え〜んな!取れんがいや、しゃごめっりゃ〜!」
(ああーもう!取れないじゃん、むっかつく〜〜!)

[ちょっと深刻]
No.036(03.05.22) むさい
「ひどく心配だ、不安だ」の意。感嘆詞的に使うことも多い。。

「むさくるしい」と語幹が共通ですが、意味はだいぶん離れてます。ただし“むさいオッサン”と言った場合は「心配にさせるオッサン」ではなく、「むさくるしいオッサン」になるので、前後の状況からどちらの『むさい』か判断しましょ〜。

ex.1) 「どーする?今日のテスト、まぁええやろ思て何もしてこんだら、今んなってむそーなってきた」
(どーしよう?今日のテスト、まぁいいだろうって思って何もしてなかったら、今になって不安になってきた)
ex.2) 「あらむさや〜。傘持たんと出てったに、早やこんに真っ暗んなってきた」
(まあ大変。傘持たないで出ていったのに、もうこんなに暗くなってきた)

No.037(03.05.23) ばら
「大変な事態、状況」を表す言葉。形容動詞の語幹的な働きで、単独では用いず、助動詞を伴い、「えっ、そんなことになっちゃ〜大変!」などの不安や「そんなことになって可哀想」などの気持ちを含む。

大変度合いがより増すと、「大」が付いて、『だいばら』になる。

ex.1) 「あこの店ずっと休んどるが、だんなさん、奥さんの見舞いに行く途中追突されて、2人とも入院しとれんといや」
(あそこの店、ずっと休んでるのは、だんなさんが奥さんのお見舞いに行く途中で追突されて、2人とも入院してるんだってよ)
「ほんなん?ばらやんな」
(そうなの?ひどいことになってるんだねえ)
ex.2) 「隣の空き家、戸ふさいどいてって。近所のねんねら、入って遊んどらんてなけど、柱でも崩れてきたらだいばらやぞ」
(隣の空き家、戸でふさいどいてよ。近所の子どもたちが入って遊んでるみたいだけど、柱でも崩れてきたら大変なことになるのよ)

No.038(03.05.27) やくちゃもねえ
「大変な、ひどい、容赦ない」ぐらいの意味。「こりゃ、散々だ〜、許せ〜ん」ぐらいの気持ちを表すシーンに使う。

元はおそらく、『益体[やくたい]もない(=だらしがない、たわいもない)』でしょうか〜。意味は相当違いますけど。

ex.) 「あんのノラ猫、やっとやった餌の皿ひっくりかやいて、やくちゃもねえがにしていったざ」
(あのノラ猫、せっかくあげた餌の皿ひっくり返して、ひどい状態にしていったよ〜)

No.039(03.06.02) てんな
「大変な」の意。

自分では言わないんだけど、高校に進学して学習した言葉。『タイヘンな』が単純化を重ねた形でしょうか。字面で見ると、『てんぽな(No.004)』にも似てますな。

ex.) 「何かだんだん話でかなって、てんなことになってこんだけ?」
(何かだんだん話がでかくなって、大変なことになってきてない?)

No.040(03.06.05) かわいや
「かわいそうな、いじらしい」の意。感動詞的に使う言葉。

思わずかばってあげたいような気持ちや、心の底からの同情を表したいシチュエーションで、一言ポツリと使ってみましょ〜。詠嘆の終助詞だか反語の係助詞だか何だかの、『や』で投げかけて止める辺り、なかなかヒナびた雰囲気でよろしいですな〜。

ex.) 「これ全部やり直しになって、きんのの晩、一人でしとってんといや」
(これ全部やり直しになって、昨日の晩、一人でやってたんだってさ)
「あら、かわいや
(まあ、可哀想に。いじらしいよねえ)

まだ見っろ
(もっと見るぞ)

 ●これまでのワード●
No.001〜005[とっさに一言] No.006〜010[子どものいる家]
No.011〜015[リズムでノリノリ] No.016〜020[助けて!苦しー]
No.021〜027[おしゃれ失敗!] No.028〜030[おしゃれ合格?]