「揚げ浜式」とは、海水を汲み、「塗浜(ぬりはま)」と呼ばれる塩田に撒いてかん水を採り、大釜で煮詰めて塩を作る、藩政期以来の伝統的な塩づくりの技法。「潮汲み3年、潮撒き10年」といわれ、熟練した技術を要します。
昭和の時代に一度は消えかけた製塩の技を、ずっと守り続けてきた角花(かくはな)家。通常は塩づくり体験などの受け入れを行っていません。貴重な機会です。
満喫point!
角花家は、昭和30年代に日本国内唯一の「揚げ浜式」製塩の担い手となり、伝統技術を守り伝えてきた家。それら技術は、平成20年より国指定重文。平成に入って国が塩専売法を廃止すると、日本各地で塩づくり復活の動きが起こりましたが、海水による製塩の中でも「揚げ浜式」が行われるのは、今も日本国内で奥能登のみです。
2015年のNHK朝ドラ「まれ」では、ヒロインが住む家の塩田としてロケ地になりました。
ガイドさんはこんな人!
角花 洋さん(かくはな・ひろし)
角花家の6代目「塩士」(しおじ)兼「浜士」(はまじ)。5代目の父・豊より塩づくりの技を受け継いだ。家族で塩づくりを行っており、たとえ引き合いが来ても生産量を増やすことが困難な貴重な塩となっている。現在は高級料亭やレストランなどに卸している。「能登のはま塩」は、塩田横の直営ショップでも購入できるが数量限定。
クラゲくん
この角花家さん、昭和30年代から平成10年頃まで、日本中で1軒だけ「揚げ浜式」製塩をやっていたおうちって本当?
カモメさん
そうそう。昭和30年代に日本の法律で海水からの直接製塩が禁止(イオン交換膜製塩以外)され、珠洲で3軒だけは伝統技術保存のために残されたんだけど、昭和35年頃に2軒が廃業、残ったのは角花家だけになったんだ。
クラゲくん
えーっ。そこから40年間以上も一軒ぽっちか。「この地域独自の伝統技術を残さなければ」っていう使命感がよほど強くないと、できないことだねえ。
カモメさん
さしずめ、日本の、「ザ・ラスト・塩士(しおじ)」だったんだな。
クラゲくん
いろんなお話、聞いてみたいなあ。ともあれ、高級料亭やレストランから注文がくるっていう稀少な塩。その味わいのほうも、断然気になっちゃう。
menu
催行時期 | 5月頃~10月中旬 |
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所要時間 | 約90分 |
集合場所 | 道の駅塩田村上の駐車場 |
コース | 塩田作業見学、塩田の作業についての話、タイミングが良ければ釜焚き見学 ※ただし、雨天、曇天の場合は作業が行えないこともありますので、ご了承ください。 |
体験料 | 1人:1,500円(税込,塩の土産付き) |
事前予約 | 1週間前までに要予約 |
問合せ・お申込み先
能登のはま塩(角花 洋) TEL.0768-87-2857
石川県珠洲市清水町1-58
もしくは、(株)ぶなの森 高峰まで TEL.090-3294-1581