[ 金沢便り2005.1月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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1月31日(月) 雪道は危険がいっぱい
能都町でミニ食談があったので、朝から出かけたが、2度事故に会いそうになる。最初は金沢市内でトラックに追突しかけた。トラックが急停車したので、こちらもブレーキをかけたが、ハンドルを切って、何とかぶつかるのを回避できました。次は能都町の愛菜市場を過ぎてしばらく行った坂道を登り、カーブしながら下りになるところで、対向車線にはみだし、ハンドルを切ったら、180度回転し、雪の積もった側面にきれいにぶつかってしまいました。対向車も後続車もいなかったので、衝突事故は免れました。それと、雪がかなり積もっていたので、道路からはみだすこともなく、助かりました。坂道でしたので、前輪をまっすぐにして、ゆっくり後退して、抜け出すことができました。雪道ではスピードに注意していないと危ないですね。食談は田の浦荘で漁師の方のお話をうかがいながら、鰤料理などをいただきましたが、面白い話がいっぱいでした。実際に魚をとっていた人の話は魅力的です。
1月30日(日) 須佐神社
セミナーに参加されていた郵便局長御夫妻の秦さんのご自宅にお邪魔する。庭の梅の木が300年以上とのことで、歴史のあるところにお住まいです。出雲神話に登場する神々をまつった須佐神社が近くにあったので、そこにも連れて行っていただく。本殿の建物が高く、これが出雲の神社の造り方の特徴なのでしょう。不思議な集団がお参りにきていました。出雲の7社めぐりでもされている雰囲気でした。樹齢1000年以上の杉が裏手にあり、歴史を感じさせてくれます。出雲は語るべき歴史に満ちた場所です。最後に寿司をご馳走になり、帰途につく。帰りの電車は寝てきました。

須佐神社の本殿
1月29日(土) テストマーケティング
セミナーで立てた企画を実行していただく本番です。先週に行ったチームもありましたが、4つのプログラムが同時進行で行われました。少しづつ拝見して回る。平田の木綿街道では街並散策を行っていた醤油屋さんでは、こびんの醤油を購入、造り酒屋ではにごり酒を買う。狭い街に造り酒屋が二軒、醤油さんが3軒も集中しています。次に築地松こたつ談議を見学。豪農屋敷にこたつを持ち込み、一番若い陰手刈り職人さんの岡さんを囲んで築地松について話し合いが続いていました。昼にはおしるこタイムもあって、和気あいあいとした雰囲気です。スタッフももんぺ姿で張り切っていました。次に大社に行き、街並散策と番内衣裳体験・門前市を見学。番内衣裳を着けて鳥居の下に立っているだけで、バスの観光客が手を振ってくれていました。記念撮影だけでも十分楽しんでいただけそうです。最後は出雲市駅前のホールでまとめのミーティング。

陰手刈り職人・岡さん
1月28日(金) 出雲へ
今年度最後のセミナーのために出雲に行く。朝一番のサンダーバードで出発。出雲市駅には12時半過ぎに着く。7時間の列車の旅です。電車の中でも「風便り」の校正を続け、途中からメールで修正を指示、便利なものです。出雲市ではまず出雲そばをいただく。割子(わりご)そばが定番です。次に県の出雲総務事務所で所長さんにご挨拶。ざっくばらんな方です。ここは部長もそうですが、よい人柄の方に恵まれています。県庁も人次第ですね。次に、大社町に行き、日常的に行っている活動を見学。須谷旅館さんの前が一番きれいであったし、お客様との接点になっています。観光客が記念写真をとって行かれるそうです。九州出身の女将さんたちの意欲が感じられます。夜は小田温泉に泊まる。

須谷旅館の縁台
1月27日(木) 大きなちがい
午後、城端と福光に行く。車で1時間もかからない距離にあるが、風景は全然違う。水田は雪に覆われ、真っ白です。裏道に入ったら、車の底が雪にこすっていました。天気が良かったので軽い気持ちできたら、驚かされてしまいました。福光のラモベールでお茶をいただきましたが、窓外の風景も雪景色です。除雪されていない道路もあって、冬本番という感じです。ところが、金沢はほとんど雪がありません。水田の隅に少し残っている程度です。そんなに山でもないのに、砺波平野の山裾は雪がいっぱいでした。
1月26日(水) 森づくりの新たな展開
石川の森づくりという運動体に関わりはじめて10年以上になる。ようやく、次なるステップに進めそうです。ボランティア活動としての森づくりを継続するとともに、地域の森林問題の根本的解決のための政策誘導をすすめること。それが公益法人としての社団法人石川の森づくり推進協会の社会的使命であると考えて、いろいろ提案してきた。水源の森づくりや郷土樹種による森づくりの提案など、事業としての取り組みが始まっていることもある。しかし、森林問題の本丸としての人工林の問題へのアプローチは弱かった。ようやく、新たな政策づくりの動きが出てきた。森づくりの協会が主導しているわけではないが、役員の有志が積極的に動くことで、新たな展開が見えてきました。そのような動きとも連動して、石川の森づくりとしても、新たな活動を進めないといけない。持続可能な森づくりは永遠のテーマです。森林の保全と活用の循環構造を構築することで、森林事業に関わる人材や法人を育成すること。地域の森林資源とその産み出すものを有効に活用して、持続可能なライフスタイルの構築を進めることです。森づくり協会の企画検討会議があった。夜明け近くまでデザイナーと事務所に居た。一旦家に帰り一眠りして、10時からの会議に出たが、さすがに眠かった。午後は早々に帰る。
1月25日(火) 新しいアイデア
夜、能都町でミーティング。最初は盛り上がりにかけたが、最後には積極的な意見が多く出た。前回もそうであったが、寒ぶりまつりと連動させた企画にすることで、一気に多くの町外からのお客様が来て下さった。それも会議の最後に一気に出た話しをまとめたものでした。事前に地元新聞に書いていただいたことで、効果が明解に分りました。寒ぶりは強いインパクトがあります。継続することで、定着を図りたいものです。魚の美味しいまちのイメ−ジづくりは着々と進んでいます。
1月24日(月) 参加のプロセス
仕事や組織の運営の仕方についてどのように修正変更を加えてゆくか。リーダーが独自の判断で計画をまとめ、それをおし進めることも多いであろう。しかし、ことの正統性や参加協力意識を高めるためには、実際の現場で動くメンバーの参画を得てどのように改善するかをまとめ、ともに推進していくというアプローチの方が、よりうまく動きやすい。午前中、細入村の楽今日館で研修を行なう。職場単位でグループ分けして議論してもらい、最後にグループごとの議論の内容をまとめて発表いただいたので、よい気付きの場になったはずです。繰り返し行なうことで、提案の質も高まり、相互理解と協力意識が高まることが期待出来ます。
1月23日(日) 中西陽一知事の言葉
フードピア金沢の初期にグルーヴィで制作していた『フードピア金沢』という小冊子がある。現在、制作を進めている『八尾風便り』の原形となるメディアであるが、その創刊号に今は亡き中西陽一知事のインタビュー記事が出ている。文化に造詣の深かった知事の言葉は味があります。知事室で何度かお話をうかがったこともあったから、お話になる口調が想像されます。素材ではなく、器や空間、それらをうまく組み立てる心が大切であることを語られています。洗練、滋味、心ということを噛み砕いた表現で語られています。再読味読の価値のある記事です。
1月22日(土) 出渕家訪問
米田誠司事務局長と小松空港の近くの出渕さんのところに行く。由布院に研修に行っていた明美さんが産休で家にいるというので、赤ん坊の顔を拝見に!出渕さんの御両親は合鴨農法で米づくりに取り組んでおられます。合鴨だけでなく、やぎや烏骨鶏なども飼われています。庭にはいろんな果樹が植えられており、懐かしい農家の暮しがあります。神社の参道をはさんで畜舎と家があり、桜の時期には参道にトラックをとめて花見を楽しむとか。韓国や中国では集落単位で合鴨農法に取り組んでいるところがあるそうです。政府の姿勢が違うようだ。韓国ではグリーンツーリズムについての研究も盛んだが、一次産業を重視した政策がベースにあるようですね。

出渕家のやぎ
1月21日(金) 米田さん来沢
由布院観光総合事務所の米田誠司事務局長が金沢にいらしたのでご一緒する。福井での講演があったので、午前中に那覇から福岡に飛ばれ、福岡から小松にこられた。講演後の懇親会にも出られた後、金沢に着かれたのは20時過ぎで、それから、柿木畠のいたるに行く。浅田屋の大谷瑞江さんにもおつきあいいただく。大谷さんは、学生時代にインターンとして何度か由布院に行かれていたので、米田さんのお世話にもなっていた。いたるで、地魚やかにをいただく。その後、藤井でそばを。いっぱい日本酒を味わい、楽しい夜でした。

いたるのかに
1月20日(木) 高峯一愚氏
東京の大学に入る際の保証人になっていただいたのが氏であった。ご挨拶に世田谷の自宅にお邪魔した時、お祝にとモンテーニュの『エセー』をいただきました。おかげで、その後、パスカルやカント、ショーペンハウエル、ニーチェなどの本をみるようになりました。ご自宅のトイレにも本が置いてあり、トイレでも思索にふける哲学者という印象がありました。氷見の高峯山光伝寺の出であるが、寺に養子に出されたところを逃げ出し、東大を出て大学教授になられました。長くカントの研究家として活動されてきていましたので、その世界では著明な方であるが、個人的には、気さくな面白い方でした。先日、98才で亡くなられた。御冥福をお祈りいたします。
1月19日(水) いわし丼
八尾に行った際、久しぶりに中村事務局長と昼食を一緒にいただく。天気もよかったので、ぶらぶら歩いて、郵便局の前のビストロ館まで行った。人気メニューのいわし丼をいただく。当初から名物メニューにしようと取り組んでこられたものです。ご飯のうえに大葉を細切りにしたものや海苔をのせて、その上に鰯を焼いたものがのっています。見た目よりはさっぱりしていて食べやすい。もとは食料品店だったところです。カウンターだけからスタートし、今ではすべて飲食店になっています。

いわし丼
1月18日(火) あやめ餅
高松のお菓子屋さん・白千鳥神保で取材。あやめ餅という商品を商工会連合会の特産品パンフレットの掲載商品に応募され、優秀賞を受賞されました。開発したのは27才の息子さんです。若いですが、和菓子に取組んでいるというのが面白いです。お店ではケーキも作られています。あやめ餅は五郎島金時を素材にあんを作り、まわりは紫芋であやめの紫色をつけたもち皮でくるんであります。指でおさえて花の形に成形するという一見簡単なお菓子ですが、アイデアが面白い。高松インターを下りてすぐの交差点を左に旧道を走ると、農協の手前に店はあります。海のそばですが道路のまん中に用水が走っていて風情のある界隈です。

あやめの形に成形
1月17日(月) 若狭路観光研修会
小浜のせくみ屋で観光研修会。旅、るるぶ、じゃらんの編集者とJTBの方にパネリストになっていただいて、若狭地域で何を売りにしていただくかを議論する。後半は参加者を4つのグループに分けてグループディスカッション。かにやふぐを売り物にするにしても、地域性のある食べ方や調理法などを活かすか開発する必要があります。さらに、民宿が北陸の中でも一番多いということを活かしたお客様の受け入れ方を連携して考えていただくことも必要でしょうね。若い人達が沢山参加してくれていたので、彼等が連携して事業を構想して実践してくれるようになることを期待したい。

名物・若狭かれい
1月16日(日) 若狭路へ
ぎりぎりまで寝ていて、ようやく起きて金沢駅に行く。特急電車で敦賀へ。敦賀駅で、明日の研修会のゲストと合流、敦賀路を観光して回る。最初に連れて行っていただいたのは気比神宮。さすがにりっぱな空間です。次に越前かにと名前を最初につけたという相木魚問屋の壁下 誠さんにお話をうかがう。戦後、東京にかにを売りに行った際に、はじめて越前かにと名前をつけて売られたとのこと。そのヒントは東京に向かう電車の中から見えた富士山の裾野にある越前岳(静岡県裾野市、標高1504m)からえたと言われていました。ちなみに、越前と名前のつく山はこにしかありません。故郷を遠く離れたところで越前と言う名前を聞いた時の感動。それが原点にあるという素晴しいお話でした。壁下さんはほんとうにお話の面白い方でした。一度、越前という名前のつくものを集めてみる必要がありますね。次に美浜町日向(ひるが)の水中綱引きを見学。勇壮な様に感心する。最後にレインボーラインと熊川宿に行く。熊川宿では葛の店で手づくりの葛餅をいただく。温かくて美味しかった。地元の方の話がうかがえると楽しみが増しますね。夜は駅前のだるまという地魚の店で交流会。水産物加工の仕事もされているご主人の大沢高則さんのお話も面白かった。ご馳走になった若狭かれい(笹かれい)はピンク色の子がきれいでした。

壁下 誠さん

水中綱引きでまず放水路に飛び込む
1月15日(土) 風邪が直らない
熱があるだけでなく、頭痛もひどかったので、今日はさすがに出かける元気はなくなった。近所の医院でみてもらったが、のどが真っ赤なので、安静にしているようにとのことでした。おとなしく家で汗をかきつつ寝ています。夜中に向けて3度汗をかいて、着替える。それでも食べて薬を飲まないと、快方に向かわないと思い、煮物を作っていただく。
1月14日(金) 花のあるまち・城端
城端の中心商店街での勉強会で1時間少々話す。城端町のお邪魔するようになって5年ほどになる。一貫してご提案してきたことは「花のあるまち」にしましょうということ。一輪挿しに花を活けておられる店や住宅も多くみられますし、歩道や店の前にプランターで花を育てているところも増えています。店の中に華やいだ部分を作っていただくこと、そして花のある人が増えることが重要です。幸いこのまちは曳山祭で庵唄を演奏し、唄う人が多いので、芸事に長けた人が多い。そのことをもっと活かすべきではないか。
1月13日(木) まちづくり会社
井波であった会合だけ出かけた。まちづくり会社の発起人会があった。株主も公募し、会社設立が目前に迫っています。体制が整わないと具体的な話はなかなかつまらないもの。しばらくは様子を眺めているしかないかな。会社が設立されてしまえば、事業の内容について議論が進むであろう。行政が建てる建築デザインは修正すべきですが。
1月12日(水) ヒアリング・コミュニケーション
工業試験場であったデザインカレッジで講師。朝まで熱があったので、1シートを用意し、なじみの佐藤耳鼻咽喉科で診てもらってから出かけた。ヒアリング・コミュニケーションという難しいテーマであったので、どのように話を進めるか・・・。デザインだけでなく、その前提にある、企画や経営という観点を踏まえてデザインすること。そのようなアプローチが、デザイナーにも求められます。出来上がったデザインについても、しっかりとした意味付けや説明が加えられるかで、採用・不採用が左右されるということもあります。お客様の想像を超えたものを提案しないと評価されない。そのためには、周辺情報を収集し、デザイン採否の責任者からも話をうかがって、好みを把握して望まないといけない。コミュニケーションの基本は対話であり、半分は話をうかがうことに費やし、半分は何らかの新たな知を触発するような話ができないといけない。そのためには、自分を磨き続けることです。本を読んだり、いろんな現場を体験し、いろいろな方の話をうかがうこと。それが、一番可能性を広げることにつながるであろう。
1月11日(火) 風邪
福井県庁に夕方お邪魔する。地下駐車場は5時45分で閉鎖されるとのこと。7時過ぎに下りていったら本当に真っ暗でした。徹底して省エネに努めておられます。帰ってきたら、熱が出てきた。喉と関節が痛くて、寒気がした。体温計で計ると、徐々に上がるので、途中でやめて寝ます。こんな時は寝るのが一番です。
1月10日(月) 雪かき
本格的な雪が降った。自宅のまわりと、事務所の前と、両方の雪かきをしたので、いい運動になりました。雪国のよいところはこたつであったまっているだけでは太るだけだが、寒い外で、雪かきに汗を流すところではないか。普段の運動不足の解消と肥満防止に役立つ。そして、近隣関係を構築してゆくよい機会です。雪かきをしていると普段は顔を見た事もないような近所の方々と声を交わしたりするものです。多く降りすぎるといやになるが、程々に降っても大丈夫ではないか。
1月9日(日) 空と夢
ガストン・バシュラールの『空と夢 運動の想像力にかんする試論』(宇佐見英治訳・法政大学出版局)を久し振りに読んだ。25年以上前に買い求めた本であるが、今でも多くのヒントを与えてくれそうです。あちこちに線がひかれていて、最初から最後まで読んであります。当時の興味関心が分かって面白い。想像力について考えていた時であり、想像力がタイトルについた本を何冊も読んだものです。コリン・ウィルソンの『夢見る力』やサルトルの『想像力の問題』など、今でも持っています。想像力と創造力を語る上で、避けて通れない著作ですね。『空と夢』の中に次のようなくだりがあります。「真に想像するためには、力動的な想像力はつねに働きかけ、つねに攻めこまなければならない」。積極的に動くことこそ想像力の源泉です。
1月8日(土) 先例から新しいモデルを
先に紹介した塩野七生(ななみ)さんの『ローマの街角から』に次のような一節がありました。「役人は先例がないと動けない。行政事務を担当するのだから、これで当然である。しかし、先の例というくらいだから、誰かが例をつくったのである。それをやるのは、政治家だ。全責任を負う覚悟もなくて政治家を勤めるのでは、ヤクザの組長以下である」。残念ながら、多くの政治家は自ら政策を構想するということになっていない。実態は官僚達がまとめた案を検討し議会で通している。先例もその意味では、官僚たちが作っているのである。末端の役人たちは忠実に執行しているかもしれないが。これからは民間発の政策や企画が、先例となっていくことも期待される。官民が連携して新たな施策を構想し、実現してゆきたい。モデルとなることを創造していかないといけない。
1月7日(金) 炭焼
辰口の安田宏三さんの炭焼工房を取材。白山カントリーの前を通り過ぎて更に奥に入った山裾に工房はあった。背後には杉林が迫っているが、炭にしているのは広葉樹だ。乾燥のために窯で火を焚かれている前でお話をうかがう。炭焼を始められて15年ほどとのことです。以前は国鉄に勤めておられたということもあるが、科学的に炭焼に取り組んでおられます。お茶用の炭としても人気があるようで、茶道の師匠さんがわざわざ炭を求めにいらっしゃるとのこと。最後の仕上げ段階のガス抜き工程に時間を掛けているので、燃やした時に臭くないようだ。森のこと、生活文化のことを語っていただくと、いくら時間があっても足りないという感じです。石川の森づくりの事業でもお話しいただくとよい方です。

安田宏三さん
1月6日(木) 天湖森
細入村で村長さんも交えて議論。4月の富山市との合併を前にできること、特にソフト面で可能なことを集中的に行うことにする。スタッフの研修、特産品開発ミーティング、観光パンフレットの制作。スタッフ参加型の進め方を基本に、参画意識を高め、3つの核施設の相互理解を促進することがねらいです。天湖森は赤字施設ということで、他の施設のスタッフからはあまりよい評価をされていない面もあるが、いい設備や空間をもっているし、スタッフも若い人たちなので、エコツアーや体験メニュー、そして、オリジナル商品の制作なども行っていけば、確実に売上も利益も生み出せるはずです。独自のホームページも立ち上げてくれています。今年からは提案してきた通り、通年で営業をはじめています。雪の中で一晩過ごす体験もよいもの、2月までの間に一度泊まってみよう。午前は寺井で九谷焼の取材、夜はテルメ金沢で地域づくりの運営委員会。ひどく疲れた一日であった。
1月5日(水) 世界を肯定する哲学
ちくま新書に保坂和志著の『世界を肯定する哲学』がある。タイトルが気に入って買い求めた。内容はよく理解していないが、とにかくネーミングがよい。all or nathingで極端に評価が分かれるとらえ方が多い中で、世界を肯定的にとられ、アプローチするという発想は貴重だ。その中に次のようなくだりがある。「<問い>が常に<答え>を持っているとはかぎらない。<問い>はただ<問い>で、ぶっきらぼうに投げ出された思考なのだ。思考とは、<答え>を導く以前に、<答え>の保証のない<問い>を作り出すことなのだ」。成果の想像がつかない課題を設定して取り組むことが重要なのではないか。多くの人が難色をしめして、不可能だと言われることに挑戦しないと・・・。事業の採算性がはじけて、成功する見通しがたつことしか取り組まないということでは新しい時代は開かれない。
1月4日(火) 静かな正月
今日まで事務所をお休みにしたので、静かであった。来客も2人のみで、電話も少なく、メールも数件いただいた程度。正月ぐらいゆっくり休むのが正解ではないか。日本社会の課題として長期休暇制度の導入が必要であるが、数日の連続休暇を頻度よくとれるようにすることも重要である。心身、頭脳をリフレッシュするためには休む事、遊ぶことが不可欠である。働き続けていては、新たな知恵やアイデアも生まれづらいのではないか。「考えずに待ち続ける。そうすれば発想は涌いてくる」という趣旨のことが布施英利著『電能版文章読本』に書かれていた。ただし、正確には問題意識を抱いて、関連情報や現場体験、当事者の話を聞いた上で、待つということであろう。もしくは、仕事とは関連のない体験をすること、自然に分け入るとか、異なるジャンルの人と話すとか・・・。何もない状態では発想も出づらい。素材になるものを入れないと、新たなものは生まれない。
1月3日(月) 初詣
午前中に鶴来の白山さんに初詣に行く。さすがに車が多くて道は渋滞していた。抜け道を通り、下の駐車場に入り、雪の積もった長い階段を登る。長い参道を歩いたり登ったりするのが、本来のお参りの仕方ではないか。しかし、除雪してあってもよいとは思う。微妙な雪の残り方ですべりやすい。境内も多くの人で溢れかえっていた。破魔矢とお守りを求め、たき火に当って、長い階段をおりる。上りよりは下り方があぶない。帰りには手打ちそばの「しば野」でもりそばをいただく。正月らしい過ごし方です。

白山さんの境内
1月2日(日) 人間性
人間性の向上改善は可能か。塩野七生さんの『ローマの街角から』(講談社)というエッセイ集にマキアヴェッリの人間理解の話が紹介されています。「1000年もの間キリスト教で指導してきたのに人間性に少しも向上も進歩も見られないのは、人間自体がもともと、宗教によってさえ変わりようもないほどに「悪」に対して抵抗力がないからである、と考えた」。キリスト教だけでなく多くの宗教が活動してきたし、共産主義の実験も経験してきた。多様な哲学も語られてきたが、人間の行いのおぞましさは大同小異の状況にある。したがって、必要なことは差異を認めつつ、多様な人々や文化が共存するための法を構築してゆくことではないか。国家を超えたところで通用する法体系が必要なのかもしれない。法的に制限することでしか、コントロールがきかない人間存在の行いが目立つ今日このごろである。それも幻想かもしれないが・・・。権力は人間を堕落させ、人間関係を構築できない人は犯罪に走りやすい。小規模なコミュニティ、事業体の活動を見直すべきなのかもしれない。大きなスケールで社会を一気に変えようなどと考えてはいけない。一人との関係を大切にすることからすべては始まる。
1月1日(土) あけましておめでとうございます
新年を迎えたころは、雷や風が強かったが、雨模様でした。雪は朝になってから降りはじめてきました。ライブカメラで拝見すると富山は雪が積もっていますね。年の初めに行うべきことは、一年の計画を立てること。もっと長期的な展望を描くことが必要なのかもしれない。天変地異や暴力・武力による衝突が続く時代にあって、どのような仕組みを作るべきなのか。より生きやすい社会をどう創造してゆくか、課題は尽きない。新たな知を創造する場を用意することを続けないといけないし、相互を知る機会を継続的に設けることだ。正月早々、エンデの『モモ』を読んで感じたことは、まず話を聞くことの大切さです。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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