[ 金沢便り2004.12月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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12月31日(金) 大晦日
叔母さんを叔父さんのところに送迎する。正月を年配の兄妹でむかえていただくのもよい。川北の高齢者施設に迎えに行ったが、正月を施設で過ごす方も相当数おられるようだ。一人でトイレも食事も出来なくなった方を家庭で介護するのはたいへんです。その後、大晦日らしく、おせち料理の煮物と酢の物を作る。我が家では作る料理は役割分担がされています。いつものような大晦日が過ごせることを有り難いと思わないといけない。
12月30日(木) 年賀状
しっかりと雪が積もったので、車のタイヤを交換する。これまでで一番遅いかもしれない。その後、ようやく、年賀状を書く。毎年のことであるが、宛名を手書きすることに一定の意義があるのではないかと、時間をかけて書いています。いただいた年賀状の筆跡をみると、当人が思い出される方が何人もいらっしゃいます。年賀の挨拶だけでない何かが届くような気がします。便利なソフトもありますが、手間ひまかけるという人のソフトウエアに価値があることも多いのではないか。
12月29日(水) 八尾談議
八尾で福島観光協会長にお話をうかがう。今後の観光とまちづくりのあり方について、商工会の田代さん、観光協会の布谷さんも参加して話し合う。最初に将来イメージをお話しいただいたので、それに向けてのアプローチポイントが絞りやすかった。通年観光に向けてソフト事業を優先して取り組んできたが、これからは、ソフトのさらなる充実とともに、ハード整備にも力を入れるべきであるということ。おわらを本格的に学ぶことができる講座をしっかり設け、段階に応じて、本番や前夜祭で発表の場を設ける。地域の小学校から、高校まで一貫しておわらを学ぶことができるようにして、本番に参加してもらう等々、おわらに関することだけでも多くのことがあります。各町内におわらをよい状態で観られる場を設けること。電柱の地中化などの景観の美化促進。一方で商店の業態転換を促進しつつ、旅の人も楽しめる街づくりを進めたい。アートをテーマにした事業を深化していくことも大切なことです。
12月28日(火) 現場百回
『編集の学校』(講談社Web現代編)という本にあった表現。取材の基本は現場にあるということ。繰り返し現場を訪れ、雰囲気を感じ取り、景色を眺める。それの蓄積を通じて、確信がもてるようになることも多い。さらに重要なことは当事者、関係者の話を聞くこと。過去の記憶や伝聞情報だけでは、なんとなくのイメージで語ることになってしまうが、しっかりと自ら体験し、聞いたことを踏まえて考えたことは、より本質に迫る内容になりうるのではないか。同じまちに繰り返し訪れていることの意義はそんなところにもありそうです。
12月27日(月) 寒ぶりとくじら
魚の美味しいまちづくりを進める能都町に行く。魚屋の店頭には寒ぶりと鯨も売られていた。今朝、定置網に入っていた鯨が水揚げされたとのこと。新鮮なくじらは刺身でいただいても美味しいというので、きれいに切っていただいたものを土産にした。店頭にあったやりいかとあじも刺身にしていただく。こんなことができるところも港町の魅力です。能都町では「寒ぶりまつり」を1月下旬まで行なっています。昼食(3000〜5000円)、夕食(10000円)、1泊2食(15000円)と3コース用意されていて、町内の民宿や飲食店で楽しむことができます。2日前迄に予約の上、お越し下さい。ここのところ、寒ぶりの水揚げが続いています。年末ですが、魚屋さんの店頭で10kg30000円しませんでした。

店頭のくじら
12月26日(日) まれびと
まれびとピア懇話会の総会がホテル百万石であった。ダイニングの「大観」で会食しながら、次年度のテーマを検討。結論は「エコツーリズム」について実践的に学ぶことに・・・。鴨の観察やほたる見学なども行ってきているし、魚の話をうかがうことや、鹿島の森を歩くことも楽しめます。山に入り山谷草やきのこ観察も可能です。地域の人材や地域外からもゲストを招いて、地域資源を活かしたツーリズムを検討してゆきたいものです。小規模でよいから、ガイド付のツアーを実施できるように。食事や喫茶も含めたメニュー構成で楽しめる内容にしたい。加賀ではガーデンラリーという事業も行っていますから、そのような企画も活かせます。まれびとを招き、地域を相対的に評価し、触発的な効果を発揮すること、それがまれびとピア懇話会の基本の発想です。

越前かれいの煮物
12月25日(土) 風の盆ステージ100回記念公演
新潟県中越大震災チャリティステージとして開催した風の盆ステージを見に行く。90回以上ご覧いただいている長井御夫妻(金沢)に記念品贈呈が最初にありました。観光協会の布谷さんの解説付きでのおわらは分りやすかったですね。新しい趣向を常に取り入れようとしているところが面白い。これまで出演いただいた方々全員がステージに上がって大競演会として行っても良かったかもしれない。そんな機会があるとよいのではないか。顔見せ公演みたいなものと位置付ければ正月に行ってもよい。天気もよくて、絶好の「おわら日和」でした。早めについたので工業団地の展望台まで上がったが眼前に立山連峰がきれいに望めました。

風の盆ステージ
12月24日(金) 1章読書
最近の読書の仕方。目次を眺めて、これはという1章だけを読んでみる。最初か最後が定番であるが、それで面白ければ、他の章にも読み進む。このような方法で読んでいかないと、買い込んだ本は読み切れない。新規に買うことも多いので、買った端から読むと同時に、会社にある本をひも解いていかないと。今日は『異議あり!生命・環境倫理学』(岡本裕一朗著、ナカニシヤ出版)を最終章から読んだ。環境保護運動の背景にある政治的戦略が分りやすく書いてある。70年代の資源枯渇論から1988年スタートの地球温暖化論に変化したこと、クジラ保護運動が誕生したいきさつ、そして「アースデイ」がスタートした経緯も面白い。参考になる知見が多いので、思わず他の章も読んでいます。
12月23日(木) 天皇杯
能登半島の先端・珠洲市で農業に励んでいる有限会社すえひろの第四三回農林水産祭天皇杯受賞記念祝賀会が加賀屋であった。天皇杯を受賞したのは県内では4軒目とのこと。竹本さん、ぶった農産、林農産、そして、すえひろです。林農産が受賞してから12年ぶり。能登の農家では初めてです。この4軒の農家とも『味人めぐり』(平成10年3月発行)に参加いただいたところです。これだけの農業関係者が一堂に会した集まりに参加したのは久し振りです。『味人めぐり』の出版記念パーティを金沢全日空ホテルで開いて以来かも。すえひろの特長は3人の農業者が法人を作り、営農していること。スタッフも合計9名になっています。地域の多くの農地を耕作請け負いしており、石川県内でも屈指の農業法人です。NPO能登ネットワークに参加し、銀座のだらぼちを経営する(株)能登百正に出資。だらぼちではすえひろの米で作ったおにぎりなどが味わえます。グリーンツーリズムを実践している珠洲交流ビューローにも加わり、農業体験等の受け入れを行っています。農業研修生の受け入れにも積極的です。これからも次代を担う農家のモデルとして、美味しい農産物を育て続けて欲しいものです。いつもこのコーナーを読んで下さっているという発起人の番場睦夫さん、お疲れさまでした。

すえひろの仲間達

知事や代議士も加わって鏡割り
12月22日(水) 対話とひらめき
久し振りに細入村にお邪魔した。4月1日からは富山市になるので、行政としては、あと3ケ月の細入村です。楽今日館で昼食を食べ、土産物コーナーをチェック。次に天湖森を訪問。マネージャーと意見交換。大きな森と山を背後に持ち、資源は豊富にあるはず。これらを活かして商品開発を積極的に行うべきですね。木も山野草、きのこなど、いろんなものの商品化が可能です。地元の名人がガイドについて山歩きもいいですね。空いてるスペースがあれば、記念の森として花や実のなる木をお客様、住民参加で植えていきましょう。若いスタッフたちの能力をもっと発揮してもらわないと。その後、道の駅の林林に行く。事務所で状況をうかがう。台風災害の影響もそれほど出ていないようであるが、今の時期はお客さんが少ない。年末は休んでもいいから、正月は早々から開いて欲しいところです。最後に役場で、村長さんと今後のことについて相談。ソフト面の充実に向けて最後の3ケ月を有効に活かすことで合意。現場で、いろんなお話をしているとひらめくことが多い。
12月21日(火) 合併と自治
すでに合併した市町村の話をうかがうと、合併のいかんにかかわらず、住民自治を目指した取り組みの必要性を痛切に感じる。これまでは、なんだかんだといって、身近に役場があることで、いろいろと世話になってきた。そのことを当たり前のようにとらえてきたであろうが、合併したとたんに役場は遠い存在になりやすい。これからは自らが企画実行することを基本に考えていかないといけない。そのような住民主体の活動を行政がサポートするということが普通になっていく。住民の企画力、実行力が問われるということ。面白い発想をする人、他所ものを受け入れることを積極的に行わないと、新たなアイデアも知恵も生み出せないのではないか。そのような仕組みづくりが地域に求められています。自治とは自分達だけで行うということではなく、外に開かれた活動を展開し、それにより、地域の自治力が高まることを目指すことであろう。
12月20日(月) 福島(ふくじま)地区
八尾町の福島地区のまちづくり住民会議に参加。駅を核に新たな魅力づけをいかに図るか、おわらが演じやすい舞台づくりがポイントになっています。舞台としての空間は、おわら以外のことも可能ですので、富山方面から、若者や中高年者など、電車でお越しいただいて、すぐステージに立つことも可能です。鉄道を使った旅の企画を考える際も、駅前が魅力的であるならば、仕掛けをしやすくなります。駅前の商店の魅力アップも是非図りたいところ。今度は女性たちとのミーティングも行っていただきたい。店の名物メニュー、オリジナル商品をアピールして、旅のお客様も入りやすくして欲しい。
12月19日(日) 即興劇
即興劇というコンセプトも魅力的だ。閉塞状況を乗り越えるためには、舞台を広げて、新たな領域に踏み出す必要があります。そのために必要なことはやはり、現状を相対的に見つめ、未来へのビジョンをしっかり描く事です。そのようなビジョンを共有できるように表現しつつ、独自の実践活動を通じて理解者を増やしてゆく。そのような行いの蓄積で自信も増してゆくのではないか。過去の延長上に未来はないことを了解しつつ、新たな舞台装置を作り続けないといけない。大きくするということではなく、違う舞台を用意するということかもしれないし、逆に小さくすることも自らの存在感を高め、質のよいものを創造するためには必要かもしれない。いずれにしろ、時代は新たな舞台装置と新たな役者を求めていることはたしか。新たな即興劇を演じられる役者が必要です。一つの舞台の後ろには違う世界がある廻り舞台が良いのかも?
12月18日(土) 人生をデザインする
デザインの最大の課題は人生をデザインすること。『それは情報ではない』(リチャード・S・ワーマン著、金井哲夫訳、MdN)に出ていた話。何に興味があり、何がしたいか。昼何をして、夜何をするか、それを自ら描き、実践する。選択の連続として人生をとらえ、自らが選び続けられるようなデザインを有することが大切だ。事前に描き切るということでなく、常に新たな線や要素を加えながら、描き続けるということです。そして、自信をもって人生をデザインするために、学び続けなければならない。選択の前提に必要なことは関連した情報の収集と分析であり、自分の体験や当事者から話を聞くことの蓄積です。直感的に選ぶしかないことが多いのも人生の選択場面です。それを支えるものは何かということを考えないといけません。
12月17日(金) 能登島ガラス工房
商工会連合会の特産品紹介パンフレットの制作のために能登に行く。能登上布、中島菜ジェラート、耐熱耀変ガラスについて取材。能登上布は元気のよい御婦人たちが伝統を守り伝えるべく、機織に取り組んでおられます。町内からかき集めた高機が十数台並んでいました。のれんが一番きれいに上布を活かした作品のように感じました。中島菜ジェラートについては、中島菜を生産している農家にもお邪魔したが、貴重な専業農家でした。粉末にした商品も製造されています。最後にお邪魔した能登島ガラス工房では佐野さんにガラス作品を実際に作ってもらい、撮影させていただきました。間近でみると迫力が違います。熱や光の強さが実感できました。よい体験です。

ガラス制作
12月16日(木) 越中八尾駅は七尾駅
八尾でうかがった面白い話。現在の越中八尾駅は能登の七尾駅を移築したものとのこと。七尾が八尾になった。越中八尾駅は昭和2年(1927)9月1日開業ですから、80年近く営業してきたことになるが、それ以前は能登の中核都市七尾の玄関として活躍していたという。100年以上は経つ建築物ということになるのではないか。そのあたりの事情まではうかがっていないが、一度調べてみる価値がありそうだ。能登のものが富山に来ていたり、富山のものが能登に行ったりと、交流が盛んであったことがうかがえるお話の一つです。そのようなことを一つ一つ掘り起すことで、新たな物語を作ってゆくべきです。鉄道にまつわる話だけでもJRさんと一緒に整理してみると面白いかもしれない。
12月15日(水) コンセプト
コンセプトは私どもの仕事で最も重要な概念です。コンセプトとは事業や商品の核となる表現です。発想を広げる基点となり、商品や事業構成を検討する視点となります。新たな概念を導入することで、新たな価値を産み出す。それが、企画の仕事のコアにあることです。コンセプトとは何かを問い続けることも重要です。時代とともにコンセプトという言葉に込められる意味も変わってしかるべきですし、それが言葉の必然です。分りやすい例は、自動車というコンセプト。今では普通名詞のようになっていますが、自ら動く車という言葉は最初、極めて新しいコンセプトであったはず。2輪から3輪へ、馬車から動力付車へと、自動車というコンセプトに相応しい実体が作られていったのではないか。コンセプトが牽引する物づくりや事業構築があります。次代を切り開くためのコンセプトの一つは持続可能な地域づくりや持続可能なツーリズムです。次の世代の可能性を広げ、安心して引き渡すことができる構造、仕組みを創出してゆきたいものです。
12月14日(火) 繰り返し訪れるのはなぜか
繰り返し訪れているところがいくつかある。一つの大きな理由は知った方がいる、いろんな話しができる人がいるということ。由布院や島根などがそうですね。何かを観に行くというよりも誰かに会いに行くことが最大の魅力です。もちろん、立山や黒部のトロッコ列車のように景観がすばらしいのでそれを楽しみにいくということもありますが。それでも、繰り返し訪れたいと思うのはそこに知った人がいるから。国内外のお客様をリピーターにできるかどうかは、その人とどれだけ対話をしているかにかかっているのではないか。コミュニケーションが成立するような仕組みを作ることです。そのためには、言葉の問題をクリアすること。表現力も磨かないといけない。必要に応じて、通訳者・インタープリターに加わっていただくことも大切だ。多くを話すという事でもない。魅力的な店はコミュニケーションの仕方がさりげないところです。その一つが上平村の菅沼合掌集落の中にある「掌(てのひら)」です。
12月13日(月) 草だんご
山中温泉の奥にある大杉茶屋で草だんごづくりの取材。久し振りであるが、製造工程を一通り見せていただいたのは初めて。年内は12月20日までで、来春は4月20からの予定。天然のよもぎがある間は作り続けるが冬場は無理なので、草だんごづくりもお休みとのこと。理想は冬場の主力商品を開発して、通年で営業できるようにすることです。そうでないと若い後継者の発掘も難しいのではないか。茶屋としてそばやだんごなどの飲食が可能なようにすると、さらに魅力的な場になります。遠来のお客様にゆっくりしていただくためにも、休憩できる場が必要です。大杉をみながらくつろげるといい。お客様は地元や福井からのリピーターが多いとのこと。旅の人に気軽に試していただけるような仕組みも必要です。できたてを食べた草だんごはやさしい塩味がきいていて美味しかった。

大杉茶屋の草だんご
12月12日(日) 冬支度
天気が良かったので、冬支度をした。庭の数本の木に雪吊りを施し、垣根を作り替える。さらに障子紙を張り替えて、正月準備は整いました。雪吊りは真似事なので、枝が折れたりしますが、一応さまにはなっています。垣根は竹で作っているので、何年もたつと腐ってきます。すべてやりかえると気分一新です。一番面倒なのは障子紙の張り替え。朝一番にきれいに洗った障子戸をお日さまで一日乾かします。気温が低いせいかなかなか乾きません。それでも夕方にはほぼ乾き、急いで障子紙を張り替えると部屋が明るくなりました。毎年のことではないですがいいものです。師走らしい一日でした。
12月11日(土) 場の思想
先日、東京で買ってきた本の1冊が清水博著の『場の思想』(東京大学出版会)です。『生命と場所』や『生命を捉えなおす』『場と共創』などの著書で知られるが、徹底して場や創造について研究されてきた方です。新たな知をいかに産み出すか、そのような場として地域を構想することを考える上でおおいに触発される本です。まだ一部しか読んでいないが、その中から一節を紹介しよう。「実践の論理には、まず実現したい夢が必要である。夢を具体化しようと考え続けることから未来に関するイメージが次第に明確になり、やがて具体的な目的として共有できるようになる。夢のある明確な目標を共有し、それを実現するための舞台を想定することから変革のイメージが生まれ、そのイメージをビジョンにすることから戦略が生まれてくるのである」。持続可能な地域社会のより具体的なイメージ形成をはかる必要があります。
12月10日(金) 大学、学校を超えた存在を
次代のために必要なことの一つは学校や大学を超えた存在であろう。大学を超えた存在として大学院大学がすでに設けられています。より実践、実業を志向した研究開発、教育が行われているはず。学校ということでも、専修学校とは異なる、もっと実践、実務に直結した学びの場が必要ではないか。学校や大学という概念とは異なる概念を提起するか、内実を変えた存在を構築するか。校舎というハードではなく、学ぶ、新たな知を創出するというソフトな存在を目指す必要があります。それは、直接現場で、当事者の話をうかがい、体験できることは体験を通して学ぶ、そのようなアプローチではないか。学びたい人の好奇心を刺激し、出会いや体験を通じて、自らの知の体系を再構築するための契機になることが理想だ。学ぶとはまねぶ、真似ることからスタートするというが、仕事として行えるようになるためには、ソフトウエアの体系が必要だ。そして、それを再構築し続けることが学ぶということ。学ぶことが少なくなった人は同じ体系に基づいて仕事をし、同じような話をすることになるのではないか。新たなことやモノ、人に出会い、新たな知を創造することを生涯追求したい。そのような活動が可能な地域を目指すべきです。
12月9日(木) おすすめポイント
名古屋経由で帰る。小松空港に車を置いていたので、しらさぎを小松で下りて、タクシーで空港まで行き、高速で八尾へ。商工会女性部の研修会に参加。おすすめのポイントを紹介してもらう。既存のマップには載っていないところがいくつもあがった。中心街だけでなく、周辺にも魅力的なところがいくつもあるようだ。これらをマップ化し、実際に歩いて見るとよい。次回は女性部長が檀家である聞名寺に行きたいものである。これも実現すれば、初めてのことなので楽しみです。最後に、国土交通省でいただいた観光立国戦略のコンセプトについて説明する。コンセプトは分りやすくて、展開可能性が高い。
12月8日(水) 東京へ
久し振りに東京に行く。慶応大学の島田晴雄教授が主宰される研究会が国土交通省であった。北海道から岡山の方まで、島田教授の出会った中で面白い活動をされている人を集められたようだ。国際的に通用する観光地づくりをテーマに、それぞれの地域での今後の取り組みについて発表や意見交換があり、2時間はあっという間に過ぎた。継続的に行われると、新たな知を生み出す場としてもっと機能するのではないか。展開が楽しみであります。その後、ぶどうの木が銀座1丁目に出店したジャムの専門店コンフィルチュール・エ・プロバンスに寄る。定休日であったが、福田さんがいらしたので、2階のカフェも見せていただく。さらに、日本橋三越で行われていた「石川の工芸で正月を迎える」展をのぞきにいく。輪島の桐本さんや山中の針谷さんなども店頭で説明されていました。桐本さんは、常設コーナーももっておられます。夜は銀座の「のとだらぼち」で、リクルートの柴川さん、『旅』の竹内さん、『るるぶ』の日比野さん、NHK教育で「介護の達人」に出演している小谷あゆみさん(元石川テレビ)、そして、ぶどうの木の福田さんも参加して、賑やかに懇親会を行う。

ジャムの小袋

だらぼちの刺身
12月7日(火) リコール
湯布院町で町長リコールの申請が行われた。議会において合併議決が強行され、反対する中谷健太郎さんや前助役、元収入役さんが町長リコールの申請をされたと大分合同新聞が速報をネットに掲載していた。健太郎さんたちの合併反対運動も最終局面をむかえた。先日由布院にお邪魔した際には、最後の手段と位置付けておられた町長リコールです。観光関係者だけでなく、農村部の人達や一般住民の人達の賛同をどれだけ得られるか。それと、リコール運動を通じて、次なる首長や新たな議員候補を発掘していかないといけない。全国的にも注目されている由布院の地域づくりの新たな展開を期待したい。湯布院だけでなく、合併相手とされている町の住民の皆さんの理解を得る努力も必要だ。もともと、由布院と湯平が合併して湯布院町になったところ。3町でなく、隣の町とだけの合併が現実的な選択ではないですか。
12月6日(月) 持続可能な地域づくり
地域づくり推進協議会の今後について、運営委員長、副委員長、コーディネーターで議論しました。この間一貫して追求してきた「持続可能な地域づくり」を推進していただくための装置、場として機能するよう、事業を再構築したいものです。テストマーケティングとして地域づくりシンポジウムの分科会を企画実行していただくこと、その中でも、事業化を強力に進めたいと考えている団体や個人、地域について集中的にサポートする。特定のテーマや事例研究にも集中して取り組む。情報の受発進についてはより戦略的に取り組む。ネットワークの形成であり、触発的な機能を発揮できるような取材交流を重ねることです。早期に民間で事務局を行うことを目指しましょう。協議会として、持続可能な体制を作ることが大切です。地域で新たな仕事を生み出し、小規模でもよいから地域経済を創出するような活動でなければ、持続されない。プロとして関わるコーディネーターの課題は、地域づくりが収入のある仕事となることを目指さないといけないし、企業として関われる仕組みを追求しつづけることです。そうでなければ、後に続くものは出てこないであろう。
12月5日(日) 鴨池研究会
加賀の鴨池のあり方を研究する会があった。北海道のNPO法人ねおすの伊藤さんとくりこま高原自然学校の佐々木さんが来られたので様子を見に行く。ねおすの代表の高木さんに加賀にお越しいただいたのは3年前のこと。佐々木さんに白山麓にお越しいただいたのは一昨年、城端にお招きしたのは昨年のことです。継続しておつき合いできることが理想ですので、久し振りにお話をうかがえて良かった。佐々木さんのお話は徐々に面白くなってきています。経験の蓄積は重要なことですね。見習わなくては・・・。ねおすの伊藤さんも面白い人でした。エコツーリズムや自然体験学習の現場にいる人は人間的な魅力が大切です。ばん亭での懇親会ではかもではなく、イノシシなどをご馳走になる。

懇親会でのイノシシ肉
12月4日(土) 同窓会
高校のミニ同窓会がある。金沢に住んでいるメンバーを中心に加賀方面からも参加。14名での楽しい一時でした。同窓会ですので、高校時代の想い出話しに花が咲きましたが、高校時代の自己認識と他の人達の記憶している印象には相当開きがあったことに驚く。授業が終わればすぐ帰り、家か図書館で本を読んでいるという暮らしを続けていたので、友達付き合いもあまりなく、参加していたメンバーの多くと話した記憶もない。そのせいか、逆に皆さんの記憶に残っているようだ。新任の先生と喧嘩していたことを他のクラスの人まで覚えていたので驚いた。悪い事はするものではないね。話しが盛り上がり過ぎて、飲み過ぎました。
12月3日(金) 豊かさ
豊かさとは何か。関係の深さ、その広がりで評価すべきではないか。関わりのある自然や人、モノとの関係が徐々に深まっていくこと、一方で常に新たな出会いと継続する関係性が形成されてゆくこと。そのような開かれた関係の総和として人は存在しているのではないか。モノに関しては長く使う、利用することが基本であるが、その後は他の人に譲るか、自然に帰るというような存在を目指すべきであろう。それが、循環構造の基本です。一度しか出会わない人やモノ、自然もあるであろうが、その場合もできるならば濃密な時間を共有したい。そのような志向性をもって生きることが大切ではないか。政策投資銀行のセミナーでお話をうかがった星野リゾートの星野社長のアプローチの基本は市場調査。そして、顧客満足度と経常利益を重視した経営姿勢はお客様との関係性と事業としての継続性、深化を重視したアプローチと理解した。お客様の声を重視しつつ、コンセプト設定を必ず最初に行い、それに基づき事業構築を図る手法はベーシックであるが確実な方法ですね。
12月2日(木) 寒ぶり
能都町で寒ぶりを食べた。新聞に記事が出ていたので、昼食の際に試しにいただく。役場のそばの「割烹あたか」(0768-62-0517)で昼の定食とは別に寒ぶりの刺身を注文。うすく切られたぶりは美味しかった。1000円で寒ぶりが食べられるのは安い。先週末より「能登の寒ぶりまつり」が始まっているが、宇出津で昨日寒ぶりがあがったのは久し振り。寒ぶりまつりは町内の民宿や飲食店で昼食、夕食、宿泊つきで寒ぶりが味わえるというもの。寒ぶりが上がったらホームページにも掲載し、メールで案内するような仕組みを構築すべきですね。鯨についても同じような情報提供ができるとよい。ご主人曰く、ぶりは水揚げしてから2、3日したものが美味しいとのこと。そのような時にも是非味わってみたいものだ。

寒ぶりの刺身
12月1日(水) 存在意義
自らの存在意義、仕事の社会的価値を問い続けないといけない。どのような価値や魅力を他の人々に提供できるのか、そのことが明確に認識できないようでは、自信をもって仕事はできない。曖昧な状況のまま、ことに当ることもあるであろうが、自問を繰り返すことで徐々に明確になるはず。企業も商店も自治体も、お金をいただいて仕事をしている以上、そのような視点が必要だ。ボランティア団体についても同じようなことが言えるであろう。行政であれ、ボランティアであれ、地域の中に何らかの循環を生み出すことに貢献する活動であるべきだ。会費や税金の根拠はどこにあるか。例えば、安心して暮らせる地域社会を創造すること、地域における生産活動、経済活動の基盤整備を行なうこと、それが行政に課せられた役割であろう。そのために税金が住民から提供されるのです。そのような実体、成果が生み出せなければ、税金を納める根拠が失われるのではないか。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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