[ 金沢便り2004.2月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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2月29日(日) 網野善彦さん
かつて門前町で「日本海文化交流会議」という事業の手伝いをした。ゲストの候補に網野善彦さんをあげていたので、企画書をお送りして、電話でお願いしたことがある。その時はすでに予定が入っておられて、実現しなかったが、企画内容についてはよい評価をいただいたものです。企画のお手伝いをしたのは初回だけだったので、門前にお越しいただくことは実現しなかったが、時国家の文書の研究で度々、能登にお越しいただき、その成果もまとめられています。少数派であると自認されていたが、網野氏の歴史のとらえ方は、地域にこだわって企画をしているものにとって、常に刺激的です。門前にお越しいただいた森浩一さんもざっくばらんな人柄のよい方でした。お二人に能登で対談していただくという企画も面白そうでしたが、網野さんが亡くなられたので、それも夢と終わりました。網野さんの多くの著作を読み込み、これからの仕事に活かしてゆきたいものです。
2月28日(土) 北陸ツーリズム学校
北陸ツーリズム学校の第2講を3月13日に城端で行います。ゲストの木村宏さんは飯山市の森の家の支配人です。彼は本来、ペンション経営をしていたところをスカウトされて、支配人になった人です。公募で若いスタッフを全国から集め、地域のいろいろな方々に協力いただいて、沢山のメニューを実践されています。公の施設ではありますが、民間の発想が活きているところです。もう一人の佐々木豊志さんは、サラリーマン生活の後、独自に自然学校を設立され、今では全国からエコツアーや自然教育の担い手になりたいという方々が集まってきています。もちろん、自然環境を活かした多くのメニューを実践されています。このような事業をいかに経営するか、という観点でお話をうかがえればと考えています。
2月27日(金) 千の風になって
八尾での観光まちづくりシンポジウムにお越しいただいた新井満氏の『千の風になって』という本とCDはいいです。本は短い文章なので1時間もあれば読めます。CDには八尾でも披露していただいた朗読も含まれています。簡単な表現の中に深い意味が込められています。新潟の友達の奥さんが亡くなられたことに触発されて作られた作品ですが、葬儀の際にかけていただくとぴったりです。「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています」。私もお願いしておきたいものです。詳しくは新井さんのホームーページをご覧下さい。

千の風になって
2月26日(木) WTO石川会議
金沢のホテルで行われたWTOの会議に参加する。東京大学の西村幸夫教授、JTBの小林英俊氏、小布施のセーラさんにお会いすること、そして、八尾の福島会長のプレゼンテーションの応援の意味もあった。西村教授は分かりやすいお話をされる方です。3月27日の八尾での講演が楽しみです。小林氏は今後の温泉のあり方をデータを押さえてお話いただきました。北陸ツーリズム学校に是非御協力をいただきたいものです。セーラさんは相変わらず元気のいいお嬢さんでした。八尾でご一緒して以来でしたが、彼女の手掛ける事業は日本の伝統文化を活かしつつ、最先端の技術も組み合わせるという微妙なバランスの取り方が魅力的です。福島氏のプレゼンは、熱意の感じられるものでした。中国の方のプレゼンテーションも分かりやすくて、蘇州に一度行ってみたいと思わせられました。充実した内容の面白い会議でしたがフロアーとのやり取りは難しいものがありますね。

小林さんとセーラさん
2月25日(水) 何のための会議か
先日、八尾での伝統芸能会議の際に新井満氏も言われていたことであるが、会議の目的、どのような成果を期待しているのかを明確にして行うことが大事であると感じています。能都町で会った嵯峨氏も同じようなことを言われていた。無駄に他人の時間を浪費しないためにも、会議やミーティングの主宰者には、そのような意識をはっきり持っていただく必要があります。それと、会議が新たな知の創造やお互いにとっての気付きの場となるようにするためには、議論がかみあう、相互触発的な議論が展開されるようにコーディネートすることが求められます。そのような観点では、先週末の観光まちづくりシンポジウムのコーディネートは失敗したと感じました。とりあえず、異なる視点からのご意見をうけたまわるという意味では一定の成果があったかもしれませんが、参加されたパネリストの皆さんの相互触発的な議論まで発展しませんでした。今後はもっと、事前の打ち合わせの時間を十分とって、いろいろ議論してから本番に臨みたいものです。コーディネーターは難しい。
2月24日(火) 観光からツーリズムへ
観光まちづくりシンポジウムで議論すべきであったことの一つは観光からツーリズムへどのように展開できるかということ。観光という概念に伴う人が動くことを数量でとらえる傾向性をいかに、質的なものに転換できるか。もしくは、質を追求することが結果として一定の量にもなるということ。質を維持しつつ、可能な量はどれだけかを明確にすること。それが最大の眼目のように思う。よい状態でおわらを演じたい、観ていただきたいという地域の皆さんの願いをいかに満足させられるか。それは観光客の願いでもあるはず。ツーリズムという概念で意味しているのは、数少ない人に、質の高いことを提供し、交流を楽しむこと。交流すること、学ぶこと、対話することが楽しみのコアになっているような旅です。全てがこのようなスタイルに変わることはないでしょうし、あくまでも少数派かもしれませんが、継続する関係を追求するのであれば、このような型を目指すべきではないでしょうか。おわらの踊りや胡弓、三味線を個別指導で学ぶことはこの典型です。トレッキングで一人のガイドが5、6人を案内するような旅もそうです。まちづくりのためにすべきこととして、地域の資源、資産を再発見することがあります。その際も、外部の人間と一緒に地域を見て回ることで、新たな視点での評価が容易になり、価値の再発見が可能になります。20年近く前に福井の勝山で行っていた「探検隊」がそのような仕組みでした。福井県全域で行っておられた宝探し運動も同じですね。そこから得られた資源、資産を活かしてツーリズムのメニューにしていただくことが大事です。
2月23日(月) 今野由梨さん
先日の観光まちづくりシンポジウムに出られた今野由梨さんから電話をいただいた。あいにく、私は出かけていたので、お話は出来なかったが、自らお電話をしてこられるところがすごい。女性起業家の草分けとして成功された方は、心遣いが違います。懇親会の時に、おわらの踊りをその場で習って一緒に踊られたりする積極性と気配りのきめ細かさが素晴しい。島田晴雄教授が言っておられた通りの方です。少しでも見習いたいところですね。

今野由梨さん
2月22日(日) 民謡セッション
八尾での民謡セッションを拝見する。五箇山のといちんさ、麦屋節、こきりこ、それと、おわらの競演です。芸のレベルは高いので、よりよいステージづくりが期待されます。あれだけ大勢のお客さんが入ると、終始ざわついていて、気になるお客様も多い。単価を高めてもよいから、限られた人数でじっくり楽しめるようにならないかな。風情と情緒とはよくいわれることであるが、舞台づくりのためには、そのような演出も必要です。多様なメニューづくり、段階的な楽しみ方も検討されるべきでは・・・。練習を重ねた他所者も風の盆の際に踊れるようにできないかというシンポジウムでのアイデアについて批判もうかがったが、八尾に通い練習を重ねた度合いと芸のレベルを評価した上で、許可するということにすればよいのではないか。

五箇山の麦屋節

おわら
2月21日(土) 観光まちづくりシンポジウム
八尾で行われた観光まちづくりシンポジウムでコーディネーターをつとめる。まちづくりを進めることが通年観光につながるのではないかということがテーマであった。新井満氏から「野外劇」というヒントをいただいた。風の盆とはそもそも野外劇のようなものではないか。坂のまちアートもしかり。まち全体を舞台にどのような出会いと別れ、そして、未来につながる関係を創造できうるのか。まちづくりという中には、そこで、高齢者から子どもまでが暮らしやすい環境を整えることも含まれる。日々の暮らしぶり、おわらに対する愛着が徐々に形成されていくこともあるように思う。そのためには、他所者も積極的に受け入れる姿勢が必要だ。文化を磨くためにも、触媒として、まれびと、異質な存在が重要になるのではないか。島田晴雄さん、今野由梨さん、金沢悟さん、それぞれ人柄のよい方々であった。前向きなお話をしていただけたので、面白い場になったのではないか。いただいた種をいかに育てられるか。地域の皆さんの今後の活動にかかっている。

基調講演の島田晴雄教授

パネルディスカッション
2月20日(金) ネットワーク
北陸・東海の地域づくり懇談会が女性センターであった。いくつかのパートに分けて目まぐるしく、登場者を変えて活動紹介をしていただく。最初の「人的ネットワークによる地域づくり」というテーマでの議論に参加する。出会いの場を広域で作ること、そのような機会に突っ込んだ議論ができれば、継続的に連絡をとりあいながらどこかで連携した活動が可能になるのではないか。それぞれの活動の舞台を訪れ、何ごとかを感じることから議論することも必要でしょうね。初めて出会う方も多く面白い場になりました。
2月19日(木) シャルドン
羽咋のシャルドンというケーキ屋さんに取材に行く。昨日に引き続き、石川県商工会連合会の食の特産品紹介の冊子の取材である。ご主人は意欲的な方であった。地域の素材を活かしてケーキを開発されたばかりである。柳田のブルーベリーワイン、珠洲の梅ワイン、そして地酒を使ったケーキを作られています。POPも出来ていました。能登で作られているリンゴジャム、いちごジャム、いちじくジャムなども販売されています。職人の方も愛想の良い方で、作られるケーキも美味しく感じます。食べ物は人柄が出ますよね。店の一角にはテーブルと椅子もあって、その場でいただくことも可能です。

焼き立てのケーキ生地
2月18日(水) とちもち
とちもちづくりの取材のために、朝暗いうちに白峰村のしんささんにお邪魔する。さすがに、もちづくりを始められた7時くらいには明るくなってきたけれど、山の人の仕事は朝が早い。以前取材したことがある近所で堅とうふを作っている北野商店へは4時過ぎに取材に行ったことがある。えぐみの強いとちは、それを取り除くための前工程が長い。お湯に一晩つけた上で皮をとり、水に48時間さらして、さらに灰といっしょに煮込み、さらに寝かせてというような作業を行ったあとでないと、もちにたどりつけない。できたてのもちは柔らかくて美味しい。山里らしい食べ物です。とちの話しをうかがいながらいただくと、味わいが増しますね。天気がよくて、人柄の良い方々に出会えて気持ちのよい朝でした。

トチの葉ととちもち
2月17日(火) むらづくり会社
細入村の村営施設の経営統合委員会が夕方からありました。ほとんどの委員が参加され、関心の高さがうかがわれます。むらづくり会社の設立を目指していますが、委員の皆さんからいろいろアイデアを出していただくおかげで、事業のイメージが膨らみます。可能性の大きい会社であることを分りやすく説明できるためには、具体的な事業案にリアリティが感じられることが大切です。今日出していただいたアイデアは事業の柱になりうるものもあって、夢が膨らみますね。現状でも収支がとれていますので、経営改善と新たな事業開発により、さらに多くの村民が関われる企業になっていくはずです。
2月16日(月) 特産品懇談会
富山の特産品懇談会でコーディネーターをつとめる。今年は趣向を変えました。作り手がバイヤーを前にプレゼンテーションをしていただきました。自分の商品を簡潔明瞭に説明できるかどうか、そのことをトレーニングするねらいがありますし、このような機会を通じて、自らの商品を見つめ直していただくという意義もあります。最後には名刺交換会を設定しましたので、長い間続いていました。継続開催を考えるならば、事前の商品改良のサポートや新たな商品発掘が必要ですね。プレゼンテーションについてのアドバイスもできるとよい。説明の仕方で、随分印象が異なりますから。

特産品が揃う
2月15日(日) まんなか市
能都町のまんなか市の様子を見に行く。商店めぐりを初めて行ったので、それについて回る。大谷呉服店、田村陶器店、橋本貸衣裳店の中を拝見。それぞれ、こだわりがあって面白い。大谷さんは奥に喫茶カウンターがあり、お客さんにくつろいでいただくことに苦心されています。木目の出た内装が心地よい。田村さんところは珍しい食器もあって、発見の喜びがある。裏の蔵も内部を拝見してみたいものです。橋本さんの店は昔の大きな木のはりや柱を見られるようになっていて、うまく活かされています。新しさの中に古さが混在していた方が落ち着くという話しをうかがったが、言い当てているね。

橋本貸衣裳店を見学
2月14日(土) 突出と仲間づくり
小杉の森永酒店にお邪魔する。古い酒蔵の建物を活かして先進的にまちづくり、店づくりに取り組んでいるが、なかなか周辺の皆さんの参画、協力が得られないという。イベントを行うと多くの人は集まるようである。商店同士の連携が難しければ、異質な商売、仕事をされている方々を仲間にすることが有効なのかもしれない。商店街活動として、事業に取り組むというアプローチも重要ですが。夕方は、加賀のうるし蔵でのフードピア金沢のお手伝い。ここの食談は地元のコーディネーターがついて、最初にまとまったお話をしていただくというスタイルが続いています。草野仁さんがゲスト。テレビと同じ人柄のよい話しぶりです。コミュニケーションの重要性、特に家庭における親子、家族の話し合いが重要であるとのお話でした。立ち話でうかがったのですが、八尾で御一緒した蔭山さんとNHKでは同期とのことです。

森永酒店
2月13日(金) 門前で環境を考える
能都町にお邪魔した後、門前の手仕事屋で星野さんのお仲間と環境について語り合う。環境大学を創るという夢もあるようですが、研究室や講義室で学ぶ環境ではなく、地に足のついたところで活動している方々の暗黙知を引き出すことを核にした環境学を構築すべきではないか。炭焼きをしているおじいさんや田圃を耕し続けている人、森林の維持管理に関わっている人、海に漁に出ている方など、暗黙知をたくさんも持った方が多い。そして、総持寺という精神的なバックボーンを形成するための拠点もある。倫理的なものを追求するならば、ここを舞台にする素材は揃っているのではないか。星野さんのとうふでつくった鍋は格別に美味しかった。久し振りにビューサンセットに宿泊。

とうふなべ
2月12日(木) 受動的な知
由布院でのツーリズム大学での議論で気になったのは、極端に観光化された土産物屋街とのどかな田園風景の対比でとらえるアプローチである。土産物屋街が悪で、田園風景が善と位置付けられる。たしかに、このことは延々言われ続けてきたことであり、軽井沢・清里化として批判され続けている。しかし、我々がすべきは、この状況をいかに改善するか、よりましな方向にもってゆくために何をすべきかを考え、長期的な視点で新たな施策を生み出し、実行することである。そのためには、商業者、住民、行政も巻き込んで、活動しないとだめです。一旦、引いてもいいから、そのような議論の場づくり、新たな知を生み出す創造場の設定が必要なのではないか。一般的に言われている受動的な知は出発点ではあるが、そこに甘んじていては意味がない。
2月11日(水) 非日常と日常
昨日まで由布院にいたことから考えると、金沢に戻った今は、日常生活に戻ったということなのであろう。しかし、由布院の皆さんにとって、我々のような旅人が毎日のように訪れることが日常化している。それが観光ということ。他人様の非日常のお世話をするのが観光業の日々の仕事であるならば、そこには考えるべきことがたくさんあるのではないか。旅の人は確かに非日常を求めてやってくる、何を期待してくるのだろうか。その人の日常がどのような暮らしになっているかによって異なるであろう。もちろん、人によって旅することのねらいは異なっているであろうから、詳しくはその方が何を期待されているか、正直にうかがってみることも大切です。自らの暮らしや地域の有り様の価値や意義を再確認するために旅に出るということもある。そのような方にとっては、特別に賑やかである必要はない。重要なのは地域の歴史や文化、産物や人を活かした関わり方をしていること。無理のないスケールで、無理のない程度で一人ひとりの客人と交わることであろう。
2月10日(火) 由布院にいかに関わるか
朝、アトリエときに行き、その後は玉の湯でコーヒーを御馳走になる。「由布院のいろいろな人に会うことを楽しめるようにしましょう」という昨日の話しを実践すべく、玉の湯近くの日の春旅館のご主人・麻生さんを訪ねる。石川への研修旅行に参加されていたのでお訪ねしやすかったです。いい雰囲気の旅館になっています。玉砂利をひいた大きな露天風呂が魅力的でした。トーンをおさえた話し方をされる人であるが、内容は明解である。新しい人と出会うこと、そして、繰り返し訪ねることができるようになること。いつまでも、健太郎さん、薫平さん、和泉さん、米田さんではいけない。50代前後の中間世代の方々にも、いろんな場面に登場いただきましょう。観光総合事務所でコーヒーを御馳走になりながら研修中の青松さんと話した後、和泉さん、井尾淳さんと花野そばで昼食。再度、玉の湯でコーヒーを飲みながら、話し合う。井尾さんは由布院美術館の一角にお茶とお菓子がいただけるお店を開かれるとのこと。4月の開店が楽しみです。その後、由布院美術館で万華鏡を楽しむ。タクシーを呼んでいただき、無量塔に上がる。タンズバーでロールケーキを久し振りに試す。最後に井尾淳さんのお父さんに会いに井尾百貨店へ。いいタイミングで帰って来られたので、奥のサロンでしばしお話をうかがう。最後は駆け足であったが、いろんな方に会えていい旅になりました。これからは、中間世代や若い人達と話し合うことを楽しみに由布院を訪ねたいものです。そうすると由布院の多面性がよりみえやすくなるし、由布院の未来を創造することに少しでも関われるようになるのではないか。由布院というまちづくりの資産を食いつぶしてはいけない。

朝靄の金鱗湖

井尾さん、田代さん、桑野さん
2月9日(月) 主導と主動
ツーリズム大学の最終日は、愛媛県内子町の岡田文淑氏、飯田の高橋寛治氏、中谷健太郎氏、小国の宮崎町長がパネリスト、早稲田の宮口教授がコーディネーターをされてのパネルディスカション。「景観論、観光論」が主題。民間と行政の役割分担と連携の難しさが浮き彫りになる。単純化して言うと、行政主導の小国と民間主動の由布院。民間主動の由布院は、行政との連携が弱く、全体を主導しているわけではない。景観について民間でまとめたガイドラインも政策化されてはいない。そこに、由布院の課題がある。交通対策についても混雑はいつも問題にされながら、抜本的な対策はとられていない。年間380万人という観光客を受け入れるような場にはなっていない。いかに、総量規制をはかるか、その策も考えるべきであろう。田園風景を維持しながら、地の人、もの、環境を楽しんでいただけるような仕組みづくりを徹底して追求すべきではないか。夕方からは桑野和泉さんと、夜は中谷健太郎さん、岡田文淑さん、島根の原仁史さん、八尾の田代さん、米田事務局長と、いろんな話しをさせていただく。

料理長自ら取り分ける

内子町の岡田さん
2月8日(日) 由布院へ
朝早くに由布院へ山越えで向かう。クアージュ由布院で2日目が行われる。最初は飯田市産業経済部長の高橋寛治氏の「域産域消からみえるもの」という講演。次いで、由布院および交通実験についての概要説明。午後はまち歩きのワークショップ。2時間半ほどかけて、田園から最も混雑したゾーン、駅前通りなども歩く。班別にまとめをして発表。課題は明確で、どのような方向を目指し、どのような活動を展開していくか、もっと具体的に発想すべきだったかも・・・。夜は湯の岳庵で大交流会。中谷健太郎さん、溝口薫平さんも参加され、賑やかな場でした。玉の湯のニコルズ・バーで草庵秋桜の新江憲一料理長や若者達と2次会。新江さんはするどく面白い人です。

田んぼ越しの由布岳
2月7日(土) 九州ツーリズム大学
もう、うんざり!という感じですが、今朝もまとまった雪が積もっています。こんな中、朝早く出て、九州に向かう。小国、由布院で行われる九州ツーリズム大学に参加するため。小松空港に着いたら、由布院の米田事務局長から電話があり、大分自動車道が雪のためストップしているとのこと。福岡空港に着いたら、自動車道も再開されているので大丈夫との連絡が入る。城端からいらした3人と空港前のバスターミナルから杖立温泉行きのバスに乗る。杖立温泉からは、タクシーで小国町の木魂館に行く。すでに長崎県波佐見の深澤さんのお話が終了間近であった。安心院の中山ミヤ子さん、小国の北里香代さん、小国でワーキングホリデーを体験している羽田野昌子さんを交えての議論からうかがう。夜は辛島文雄さんのジャズピアノを挟んで交流会が続く。島根から参加された方々や懐かしい顔も多く、長く楽しい夜になる。

羽田野さん、中山さん、北里さん
2月6日(金) 雪、再び
今日も雪であった。7時には家を出て、八尾に向かう。2時間あまりで八尾に着く。町内は多くの人が外に出て雪かきの最中であった。役場で伝統芸能保存活用検討委員会の2回目の会合がある。富山県の観光課長もお見えでした。率直にお話をされる魅力的な方です。福祉畑が長く、観光は素人とのことでしたが、業界発想にどっぷりつかった人よりも、お客様の視点で発想しやすいかもしれませんね。新たな観光を創造してゆくためには、新たなアプローチが必要です。今日も議論は盛り上がる。全員の方に発言していただこうという会長の進行もあって、自ら発言する人も多く面白い委員会になっています。そういえば、観光課長は城端での北陸ツーリズム学校にも参加されていたとのこと、気付きませず失礼しました。
2月5日(木) 鳥越村三ツ屋野地区
鳥越村三ツ屋野地区の女性たちとにわか工房についての検討。メニューを決めていただき、接客の基本について話させていただく。3月は毎週土日に昼間だけ試験営業をするので、器を決めてすぐ発注していただくことに。スタッフのローテーションもほぼ出来ており、3月早々には集中的にロールプレイングもしていただこう。すでに、そば打ち体験の予約は入ってきていて、徐々に彼女達も本格営業に向け、エンジンがかかってきているようだ。女性達が中心になってどこまで事業化できるか、一つのモデルになるのではないか。公民館から出てきたら車が真っ白であった。
2月4日(水) 若手3人
夜、能都町でまんなか市の会議。中心商店街の若手3人をはじめ、新しい方も参加されていた。この町の面白いところは、常に新しいメンバーが参加されることである。特に若手3人は、お互いに連絡をとりあいながら、いろいろ相談されているようで、会議の場でも遠慮なく発言される。3人いるところがいいのかもしれない。地域づくりは1人すごい人がいればできるという人もいるが、やはり3人以上核になる人がいないと難しいのではないか。
2月3日(火) 合併を考える
細入村で村営施設の経営統合の件について議論。本質は村役場に代わる経営主体を設定することである。村役場が担っていた多様な役割、機能が果たせるような組織を創っていくことではないか。それもビジネスとして展開することである。合併によって行政はスリム化されるかもしれないが、地域住民が抱えている課題は多い。そのことをいかに解決するか。行政的な手法ではなくて、事業として展開することが重要になる。持続可能なシステムとは地域の素材、人材を活かしつつ、外からの人、モノ、組織の関わりもいただきながら、いかに自主的に回せる仕組みをつくるかである。
2月2日(月) リレーションシップ
関係性を重視した活動が重要である。価値のある良き信頼関係をいかに形成、維持、発展させられるか。そのためには、相手との接点を広げ、多様な対話を行うこと。マーケティングで言えば、店頭やサービスの前線が顧客接点として重視される。その先端において、お客様といかにコミュニケーションを行い続けるか。そのことをベースに、それ以外の面でもお客様との関係を意識した活動を続けることが大事です。関係は持続的な活動によってはじめて深化されるものなのです。
2月1日(日) 体験共有
『ファシリテーション革命』(中野民夫著、岩波書店)には、知識創造の理論と共通することが書かれていた。参加型の場づくりには、最初に体験や情報を共有することが、建設的な協同作業や創造活動の土台づくりとして重要であると。本題に入る前に、テーマにまつわる個人的な体験や思いを語り合っていただくことで、共感し、お互いを理解しやすくなる。パネルディスカッションやグループインタビューなどでも、最初に自己紹介とテーマについての印象や個人的な体験を語っていただくのは意味があることなのです。人と人が、認めあったり、学び合ったり、共に創っていくということが「人間の根源的な喜び」であるというのも正しい認識ですね。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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