[ 金沢便り2002.5月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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5月31日(金) 無量塔
由布院でお話をうかがった中で、写真でご紹介していなかったのが、山荘無量塔の御主人・藤林晃司さん。理路整然と考えを語ったり、文書にまとめられたりはされないようですが、実際に作られているものは素晴らしい。無量塔の空間のつくりは、ダイナミックできめ細かい。緑がふんだんに取り入れられていて、一つ一つの調度品も魅力的だ。ずっといたいと想わせられる場でした。それと、藤林さんの人柄、語り口の柔らかさがいいですね。一度、藤林さんがつくられた空間で彼の想いを感じ取ってほしいものです。

藤林晃司さん
5月30日(木) 「宇吉郎」届く
由布院で飲ませていただいた「宇吉郎」が届いた。亀岡酒造に直接注文しておいたのである。中谷芙二子さん(中谷宇吉郎のお嬢様)からも6月10日の東京での披露のご案内をいただいていた。中に入っていた印刷物をよく見ると、「中谷酵母」を採取したのは昨年、中谷健太郎さん(宇吉郎の甥)、中谷芙二子さん、それに亀岡酒造の社長と加賀で御一緒した翌日のことである。あの時は冗談のようにお話をうかがっていたが、今にして想うと、本当にお酒を造るために亀岡さんは一緒に来られていたのだ。御希望の方に飲んでいただきましょう。ひらめきを形にしていくのがうまい人たちである。軽く実践していくようなことが望ましいのかもしれない。大きなフレームを作って動かすのではなく、身の丈に応じた事業を企画し実行すること。それの繰り返しにより、地域の人々に浸透していく。それがひいては全国に知られるようになる。ゆふいん文化・記録映画祭は5回目であったが、カタログのどこかに、「これからである」との趣旨のことが書かれていた。10回、20回と重ねていってはじめて、価値が理解されるということであろう。夜は能都町で中心商店街活性化協議会の勉強会。グループワークで今後の商店街のあるべき姿を表現していただく。参加のまちづくりのきっかけを作っていけたらいいね。

「宇吉郎」
5月29日(水) 握手をしましょう!
中谷健太郎さんとの話を振り返って思うこと。人と人が出会う形はいろいろあるけれど、やっぱりいい記憶が残るようでありたいもの。繰り返し出会う場合も、そのたびたびが素晴らしい時間を共有することになりたい。関係の形もいろいろです。言葉を交わすだけの関係も多いでしょうが、可能ならば、握手できることを目指したいですね。手の温もりを感じられること、言葉でない何かが伝えられることが理想です。積極的に握手を求めてゆきたい。そういえば、湯の岳庵で健太郎さんと握手して別れました。午後、津幡の森林公園で「グリーンツーリズム推進研修会」があったので、コーディネーターとして参加。緑の中で、風が流れ、鳥のさえずりが聞こえて心地よい空間であった。

わざわざ名刺交換に来て下さった中谷太郎さん
5月28日(火) 由布院を想う
由布院でお話したことで、印象に残っていること。最初にお会いした桑野和泉さんも、最後にご一緒した中谷健太郎さんも共通して言われていたことがある。それは、由布院で同じ時間、同じ場を共有していただくことのお役に立つということ。そのために、精一杯よい場を作る、イベントも出会いの場として機能すればいい。由布院をメディアに人が出会い、新しいつながりを育てて行く。そのようなきっかけの地としての役割を果たす。それが、由布院の存在意義ではないか。たしかに、このたびの「ゆふいん文化・記録映画祭」で初めてお会いした方々がたくさんいます。由布院で活動されている若い人達にも会うことができました。これから先、おつきあいを続けられそうな人達です。一人一人とのつながりを細々とでも維持していけたらいいですね。それにつけても、観光総合事務所の米田事務局長にはすべての出会いをセットしていただき、たいへんお世話になりました。今度は、北陸に来ていただこうと思う。

米田誠司事務局長
5月27日(月) 健太郎さんと「宇吉郎」を飲む
昨日に引き続き、朝6時前にフローラハウスの温泉につかる。水田と由布岳を眺めながら、ゆっくりと半身浴を楽しむ。オーナーの安藤夫妻に織物体験についてうかがう。特殊な織り機で、大阪の城さんという方の考案による。研修を受け、システムを導入する条件で、1台10数万円の織り機を購入できるとのこと。40cm織って1000円は安い。宿泊も1泊5000円でした。チェックアウトして、玉の湯へ。溝口薫平さんにお話をうかがう。中谷健太郎さんとの明解な役割分担で、由布院で活動してこられたことがよく分かる。米田さん、志賀さんも同席される。その後、亀の井別荘の庭で中谷健太郎さんと話す。親類倶楽部は難しいようで、今は、車で90分圏内で手に入るもので料理を考えることを検討されているそうである。そのまま、湯の岳庵で昼食を御馳走になる。6月10日に東京で披露される予定の「宇吉郎」(中谷宇吉郎の生家の裏山で採集した菌で仕込んだ酒)もいただく。さっぱりとした飲みやすい酒に仕上がっている。名残り惜しかったが、1時には由布院を離れる。最後に健太郎さんと楽しい時間を共有できて幸いであった。金沢に帰り着いたのは5時でした。由布院で昼を食べていたのに、不思議な感覚である。由布院は遠くて近い。

溝口薫平さん
中谷健太郎さん
5月26日(日) 由布院人めぐり
朝一番に「無量塔(むらた)」の藤林晃司さん(観光協会副会長)のお話を上山市の皆さんと一緒にうかがう。事業へのアプローチの基本を教えていただく。10:00からは『のり平トラベル・マナー』『虹を編みましょう』『GO!GO!fanta-G』の3本の映画を観る。昼前に夢想園に行き「胡桃家」で昼食をいただく。13:00から夢想園の社長で観光協会長の志出淑子さんのお話をうかがう。地域の農家との連携は難しいようである。一昨年からの観光協会の組織改編の成果が楽しみである。その後、無量塔に足を運び、お茶を飲む。贅沢な空間とサービスに、このままずっといたいと思う。夕方には、由布院美術館にもお邪魔する。丁度、高橋館長がいらしたので、2階でコーヒーをいただきながら、少しお話をうかがう。一旦、宿のフローラハウスに戻り、タクシーで亀の井別荘の「湯の岳庵」へ夕食に。いろんなものを注文し、地ビールや焼酎などもいただくが、一人4000円ほどであった。最後に中谷太郎さん(健太郎さんの御子息)にくずきりを御馳走になる。亀の井別荘の横の川にはほたるがたくさん飛んでいた。由布院美術館まで川沿いを歩くが、ずっと蛍が光り輝いている。途中、暗がりの中、川越しに桑野さん、米田さん、国土交通省の皆さんに出会う。映画祭の反省会に途中から参加。最後は米田さん、仙台の東北地域環境研究室の志賀秀一さんと近くのスナック「星野詩」に行く。今日も帰ったのは1時半ぐらいであった。

志出淑子さん
高橋はとこさん
5月25日(土) ゆふいん文化・記録映画祭
朝9:25の便で小松から福岡へ。福岡からは高速バスで由布院に13時前に着く。バスターミナルに由布院観光総合事務所の米田事務局長が迎えに来て下さっていた。交通実験で、バスの走っているところが携帯電話で分かるようになっていたとのこと。隣の中央公民館へ。「ゆふいん文化・記録映画祭」の最中である。荷物を預け、ねんりんで昼食をいただく。午後から『椿山』という映画を観る。四国での焼畑を撮影したものである。午後4時半からは、城端のメンバーと合流し、玉の湯で桑野和泉専務のお話をうかがう。2月に八尾でご一緒して以来であるが、そばにいるだけでほっとする人です。夜は、『満山紅柿』という、山形県上山市の干柿の生産から販売までを紹介した映画を観る。21:00からの交流会にも参加。宿に戻ったのは0時過ぎであった。

桑野和泉さん
5月24日(金) 主体に出会う
夜、石引商店街の青年部のメンバーとミーティング。金沢市が予算をつけてくれた事業の進め方について検討する。無理をせず、楽しみながら事業を行うことで一致。正式な案内を全ての商店に出した上で、個々に相談にまわることにしよう。具体的に意見交換を行うことで、イメージがふくらむはずです。今年だけで終わらせるのでなく、継続的に発展させられるような事業に育ててゆきたいものです。その意味では、若手の方々と初めてまともに話ができて、今日の意義は大きい。柔軟に対応できそうな人たちなので、楽しみであるし、継続的におつき合いできそうなメンバーですね。今日は平野専務理事や市役所の柳澤さん、新保さんも来てくれて、多面的に議論できて良かった。
5月23日(木) 石川の森づくり
午前は地場産で(社)石川の森づくり推進協会の第9回総会が行われる。澁谷亮治会長が急遽、東京に行かれたので、協会の副会長であるナナオの高嶋会長が挨拶、議長をされる。最初にされた挨拶は、一経済人としての環境への想いを十分語っていただいた感じである。10年以上前に、別件でナナオに高嶋氏を訪ねた時に、環境問題のことを熱く語っておられたので、無理にお願いして役員に入っていただいた経緯がある。記念講演等がなかったので、丁度良かったです。総会の後、実行委員会を行い、春の育樹活動の日程等を決める。6月30日(日)に、白峰、津幡で、7月7日(日)に吉野谷の中宮で草刈りを行います。夜は、ホップホップでまれびとメンバ−と久しぶりに会食。6月2日午後に行う九谷美術館での作品解説について相談。今九谷元風窯・中村元風さんの裏話が楽しみだ。

挨拶する高嶋副会長
5月22日(水) 美術館のカフェ
久しぶりに富山市に行ったので、以前事務所につとめてくれていた朝子さんと昼を御一緒する。「無垢里(むくり)」(富山市布市725-5 TEL076-428-5995)というお店に案内してもらう。外観は簡単なつくりですが、中は大きな梁があり、木調の落ち着いた雰囲気の店でした。12時には満席になるくらいの人気で、大きなテーブルで家庭料理をいただく。その後、近代美術館のカフェに行く。2階にあり、眼下に公園が見渡せ、気持ちよい場所です。無料で入れるゾーンにありますので、もっと利用されてもいいのでは。午後は商工会連合会で打ち合わせ、夕方からは石引で打ち合わせ。

富山近代美術館のカフェ
5月21日(火) 実験レストラン Vo1.1
昼は、加賀のレザンで実験レストランの第1回目を行う。最初にぶどう畑でぶどうの花を見学。初めて見る人がほとんどではないか。レストランでの食事は、ぶどうジュース、サラダ、スープ、メインディッシュ、パン、デザート、コーヒーというメニュー構成。市長も交え21名のゲストに試していただきました。湯谷さんの魚にまつわるお話も堪能いただけたのではないでしょうか。次回は7月に山代温泉で行う予定です。地域の素材、食材だけでなく、工芸や繊維製品なども組み合わせながら、いかに楽しんでいただけるかを試してゆきたい。帰りに山代の総湯の横に6月2日にオープンする「はづちを」を見学する。いい空間に仕上がってきているが、問題はソフトウエアですね。

ぶどうの花を見る
5月20日(月) 一筆啓上賞
福井県丸岡町が行っている一筆啓上賞の中心人物が大廻さん。以前、お話をうかがった時に、究極の目的は芝居小屋を作ることと言われていた。それがようやく実現した。子供達の芝居を既に上演されたようで、新聞の人欄で紹介されていました。根気よく、続けてこられた事業の成果でしょう。分かりやすいテーマと、事業への参加しやすさ、作品集の読みやすさなどが、ここまでヒットした理由ではないでしょうか。それと、大廻さんの粘り強さも大きな要因のように思う。最初の作品集『日本一短い「母」への手紙』は角川文庫にもなっています。「お母さん、雪の降る夜に私を生んで下さってありがとう。もうすぐ雪ですね」。夜は城端で織物会館活用検討委員会。建物のレイアウトの件だけで、議論が終わる。
5月19日(日) レンタル型社会
松井孝典の『地球大異変』より。「レンタルが基本になれば、所有して豊かさを実感しようという意識はなくなる。地球から借りたモノやエネルギーは、人間圏に過剰にプールされることなく、すみやかにバックされるだろう。・・・するとどういう社会になるのかといえば、モノは消費する対象にならず、効率よく使うことが求められる循環型の社会となる」(220)。そのモデルは江戸時代であり、人口爆発もなく、消費エネルギーの増加もほとんどない。文化、芸術など人間の内面的な部分が発展し、経済も前年なみで十分であった。「今年を去年より良くしたいという期待は、現代社会で暮らす私たちにとってはあたりまえのものだが、安定した人間圏には危険思想だ」。今日も哲と二人でプールに行く。1時間以上歩き、身体が軽くなる。
5月18日(土) 島根県大社町
午後から金沢城の鶴丸倉庫で地域づくり推進協議会の総会が行われる。新しい運営委員の紹介や、緑関係の団体の活動紹介、コーディネーターのPRコーナーと盛り沢山であった。のどが痛くて話すのがしんどかったので、ペーパーを1枚用意しておいて正解でした。鶴丸倉庫は木の空間で気持ち良かったが、少し涼しかった。夜は島根県大社町の役場の俳句同好会の皆さんと「和だいにんぐ」(広坂1-6-8 TEL 076-233-1147)に行く。いたるの3号店である。いきがよくて気持ちいい雰囲気であった。大社町の皆さんも元気がよくて、魅力的な人たちです。出雲大社の神門通りの課題もよく理解されていた。俳句を楽しむという創造的な精神をもっているからかもしれない。最後に片町の藤井でそばをいただく。少しは金沢の夜を楽しんでいただけたであろうか。
5月17日(金) 佐藤耳鼻咽喉科
昨晩よりのどに違和感があったので、久しぶりに佐藤耳鼻咽喉科医院(長町2-1-11 TEL 076-231-2823)に行く。咽喉の右側の奥が腫れているようで、舌をひっぱり出されながら、薬を塗ってもらう。いつものように、吸入を2種類して、3日分の薬をもらってくる。例年、春に痛くなるのだが、講演などでのしゃべり過ぎが原因だろうと以前から言われている。極力しゃべるのは控えよう。この佐藤耳鼻科の院長はこのホームページをご覧いただいているようで、メールを下さったことがあります。お医者さんとしての評価も高いようで、いつ行ってもお客が多いところです。たしかに、話が明解で患者に安心感を与えてくれます。
5月16日(木) 我交わる故に我あり
松井孝典の『1万年目の「人間圏」』より。「生身の人間にとって我とは「我交わる故に我あり」と定義したほうがわかりやすい。交わるとはさまざまな関係を持つという意味で、決して艶かしいだけの関係や状態だけを意味するのではないのはもちろん、宇宙のあらゆるものと相互作用を行う存在こそ人間であることを表現している」。高峰がかねてより提案してきた「関係の総体としての人間存在」という考え方と同じ発想であろう。人が自らの存在を確認、意識できるのは他人やもの、あらゆる環境との関係においてでしかないのです。孤高の自我はありえない。積極的に関係を取り結ぶことにつとめたい。
5月15日(水) 城端曳山祭
朝6時に起きて、城端へ。役場の駐車場に車をとめ、曳山に神像をあげる作業を見て回る。山によって手順や像の造りがちがっていて、面白い。少しばかりすでに観光客が見学にきている。8時過ぎには、傘鉾行列があり、神輿巡行も行われる。10時には、善徳寺の前に、6台の曳山が揃い、山が動きはじめる。この段階ですでに多くの人で道路はあふれていた。午後は商工会が用意した「庵唄所望」の民家で、6つの庵唄を順番に楽しませていただいた。道路上で、庵屋台の後ろで聞くのとは大違い。座敷きで聞くのが一番ですね。夜はちょうちん山を見る。暗がりの中に曳山が浮かび上がった姿も雰囲気があっていいです。丸一日城端で過ごした高峰の誕生日であった。

善徳寺の山門と曳山
5月14日(火) 城端曳山祭宵祭
夕方めがけて城端へ行く。曳山祭の宵祭を、丁度1ケ月前のしだれ桜祭の時に善徳寺で出会った鈴木さんと見て回る。山宿と呼ばれ、曳山に登る神様を一晩お預かりする習わしがある。座敷の奥に町内によって異なる恵比須、大黒天、布袋、寿老人、関羽・周倉、堯王の御神像を飾り、周りに屏風を立て、ほおのきの大きな枝などを活け、空間を演出します。6つの山宿を見て回るのが宵祭の楽しみで、昨年より人が多かった。曳山会館前の特設ステージでは、庵唄の披露もあり、三味線や笛の音が町内に響き、祭らしい雰囲気であった。明日は、朝の7時過ぎには、山に神像がのる予定である。それも拝見しにゆきます。

西上町の山宿
5月13日(月) 城端のブナ林
午後、城端のブナ林を見に行く。縄が池に向かう途中の、つくばね森林公園の駐車場のすぐ横の細い小道をあがっていくと、一面にブナが生えているところにたどりつきます。道は急で大変ですが、苦労していっただけの価値があります。大木に成長したブナも散見されますが、細い木が林立しているところが多い。歩ける道のきわにブナが生えていますので、幹に直接ふれたり、聴診器をもってくれば、水の音も聞けそうです。往復2時間ほどあれば十分ですので、途中解説をしていただきながら、ゆっくり登って3時間から4時間コースのメニューが作れますね。頂上付近で気がついたのですが、縄が池の駐車場からさらに、平村に抜ける林道がそばを通っていることも分りました。普段は車が通れませんので、駐車場に車をとめて、あがってくる方法もありますね。それでも、森の中を歩いてきたほうが面白いような気はします。夜は、加賀で実験レストランの舌見会。

歩道のそばのブナ林
5月12日(日) 田植え
能都町の瑞穂で田植えをする。MY SAKE倶楽部の活動であるが、昨年に引き続き参加。酒造好適米の山田錦を植える。10月に稲刈りをして、酒に仕込む予定である。ころがしで升目に線をひき、その交差点に苗を植えるという懐かしい方法で手植えする。富山にいた小学校4年まで、続けていた作業であり、身についているものです。昔の方が苗をはずしやすかったので、もっと要領よく植えられたように思う。今の苗は基本的に田植機にのせやすいように根っこの部分がくっついている。緑に囲まれた空間で、素足で田圃に入って大勢ですると楽しい体験です。昼食はさんなみさん特製のほおばめしをいただく。

一列に並んで田植え
5月11日(土) 室井 滋
穴水の帰りに、『私は、おっかなババア』という室井滋の本を買った。富山の滑川出身の室井さんの文章は絶対面白い。同郷のよしみでほめるわけではないが、一家に一揃あると楽しめます。おすすめです。室井さんの身辺でおこる事件はどれもユニークだ。類は類をよぶで、変な友人知人が多いようだ。ほとんどの本をもっているが、老後の楽しみに読んでいない本もある。繰り返し読んでも、きっと楽しいので、一応読んでおこう。
5月10日(金) 深田久弥生誕100年
来年は深田久弥生誕100年である。深田久弥といっても、御存知ない人が多いと思うが、『日本百名山』と言えば、知っている人が多いであろう。その著者が深田久弥である。加賀の大聖寺の出身である。私が途中育った町の近所に実家の紙屋があった。小学校の廊下には深田さんの写真が中谷宇吉郎と並べて飾ってあったし、近所の江沼神社には碑があった。来年に向けて、企画を考えるためのミーティングがホテル百万石であった。まれびとピア懇話会の事務局会議である。ホテル百万石をはじめ、参加メンバーの企業でできることがたくさんあるが、是非できるといいのはNHKが持ってる映像ソフトをデジタルにして放送することである。山の価値、意義を再認識していただけるであろう。
5月9日(木) 語るは騙(かた)る
鈴木忠志の『騙りの地平』に面白い表現があった。「折口信夫によれば、語るとは相手の魂をこちらにかぶれさせる、だますの騙(かた)りである。演者の思い込みを感染させ、共通の雰囲気にまきこむのが、語り物の世界が意図してきたことである。そういう意味では、俳優とは騙りの人であり、いわば詐欺師である」。そして、他人をだますためには、自らがだまされなければならない。自分がその気にならないと、人もその気になってくれないということだ。一日出かけず、原稿をつくる。
5月8日(水) NPOと市民活動
奈良から大阪に移動。NPO政策研究所の木原勝彬さん、直田(すぐた)春夫さんにお話をうかがう。持続可能な地域づくりの課題について意見交換を行う。その後、直田さんの住んでいる箕面市に行き、みのお市民活動センターを見学。運営を受託している「市民活動フォーラムみのお」の事務局長の櫻井あかねさんから説明を受ける。市民活動の盛んなところで、登録団体だけで103もあるとのこと。NPOは少ないが多様な動きがあるようだ。交流の拠点として、市民活動センターがあるのはいい。

直田さん、木原さん
5月7日(火) 奈良の奈良町
午後、奈良の「奈良町」に行く。地域づくり推進協議会のコーディネーターの赤須さん、濱さんと、ならどっとFMで取材。奈良町のまちづくりについてお話をうかがう。昨年の地域づくりわんたたきにゲストで来ていただいたFMの金城真砂子さんにお会いする予定であったが、いろんなメンバーが集まってこられた。行政とのほどほどの関係、ほどほどの観光客という感じで、徐々にお店もお客も増えている。蔵を改装した「蔵部」で楽しい奈良の一時でした。

ならどっとFMの前の人力車
5月6日(月) プールでウォーキング
午前中は、野々市のプールで水中歩行を1時間以上行う。おかげで、身体が軽くなったような気がする。継続的に行けるといいのだが。健康のためにも続けたいもの。毎回同じような顔ぶれであるが、継続している人が多いということか。健康は運動の持続によってしか維持されないもの。夜は城端で織物会館活用検討委員会。強力な女性陣は素早い。すでにスタッフを見つけ、仮店舗での計画をまとめて下さっていた。彼女達の意欲を深化させ、実現にもっていくためには、面倒でも、議論を重ね、計画を鍛え、かつ分かりやすく実験を繰り返して、商品としての体験メニューを作り上げていきたい。もちろん、販売商品についてもテストマーケティングをしっかり行うべきである。
5月5日(日) 意味生成の記号学
デスクの横にあった丸山圭三郎の『文化のフェティシズム』から。「意味生成の記号学は、分節された言語・表象、文化現実と、未分節のカオスとの間の運動過程を照射する真のダイナミックスを有しているものである」(166)。難解な表現であるが、勝手な理解をすれば、すでにことばで表現されていることと、言葉では表現されていないけど、何かが存在している渾沌とした世界があり、その間の往復運動を意味生成の記号学は研究対象としている。重要なのは、まだ言葉で表現されていない世界から新たな概念や意味を取り出し、表現してみせ、共有できるように創造することである、というようなことかな。そのためには、常に新たな世界に入り込もうとする好奇心と、異質な人との出会いを恐れない精神が大切です。勝手な解釈で、今は亡き丸山先生に怒られそうかな・・・。
5月4日(土) 叔母さん夫婦と昼食
昼は小舞子の叔母さんの家で、一緒に昼食。すきやきを作る。90才近い叔父さんは食事の時は座って食べられるので、一緒に食卓を囲む。普段は病院で食事も制限されているためか、久しぶりのすきやきのためか、肉をたくさん食べる。結構食欲があるので、まだまだ大丈夫じゃないか。最近は1食100円の美川町の配食サービスを利用しているとのこと。町に買物にいくためには巡回バスを出して欲しいと今日も言っていた。高齢世帯にとって、日々の暮らしのためのサービス提供が不可欠になっている。
5月3日(金) 八尾曳山祭
八尾の曳山祭を観に行く。最初に滑川のほたるいかミュージアムを見学。ほたるいかが発光するシーンを見せていただく。本物のほたるいかがいるのは5月いっぱいとのこと。昼は上市の大岩でそうめんとところてん、白玉をいただく。スーパー農道を走って、八尾についたのは午後4時頃。町民広場に車をとめ、坂道を登る。西町で曳山に出会う。上新町の「風の館」の前で、商工会の中村さんを発見。諏訪町の山が事故をおこしたことをうかがう。若い衆だけでは微妙なコントロールがきかないのか。夜の雰囲気を楽しむため、遅くまで八尾に留まる。こんな場合、飲食店の多くが開いていないので困ってしまう。

夜の曳山
5月2日(木) 縄が池の水芭蕉
午前中、城端の縄が池の水芭蕉を見に行く。3日から道路を開通させるための事前検査ということで警察の署長さんや役場の土木の方がチェックして回るのに急遽参加。自称・にわかナチュラリストの岩田町長に解説いただき、池のまわりに群生した水芭蕉を拝見する。きれいな水が池に流れ込んでおり、新緑が周囲に展開していました。そんな中に水芭蕉が沢山咲いています。いろんな植物が楽しめるところです。心地よい空間で、また来たいと思わせてくれます。途中にあるつくばね森林公園の管理棟のそばの駐車場の近くから山に入るとブナ林に行けることも教えていただきました。こんどはブナに会いに行こう。

水芭蕉
5月1日(水) 現場で異質なものに出会う
引き続き辰濃和男の『文章の書き方』から。「現場を踏めば、異質なものに出あえます。異質のものに出あい、驚く。その驚きが深ければ深いほど、文章は力をもちます。異質のものに出あうには、たとえば雑談があります。違う分野の人と雑談をしているうちにひらめくものがある・・・」。現場で心を白紙にして、雑多な現実に触れること、それの繰り返しで観察力が鍛えられるのですね。知識創造に通じるお話です。来客お2人、どこにも出かけない珍しい一日。

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