「八尾・山田をたらふく味わおう!」全国展開プロジェクトおもてなし事業(越中八尾の料理人のご紹介)
伝統文化の香り高い越中八尾は、井田川の流れも穏やかな山裾のまち。
この街には、四季の恵みを生かした料理を作り、訪れる人々をもてなす料理人たちがいます。
目の前に運ばれてきた、この美味しそうなひと皿の料理が誕生するまでには、
さまざまな物語がありました。
普段はあまり自分のことを語らない料理人たちに、その横顔をうかがいます
ステーキ胡弓/澤井勉 食事処・合掌/山下信行 吉田屋/吉田竜三 エルバッチャ/松本吉信 料理旅館・北吉/北吉龍之 山元食道/山本玉子

色々な料理屋で修業し、越中八尾にたどり着きました
料理旅館・北吉/北吉 龍之 [お店の情報]
料理旅館 北吉
〒939-2341 富山市八尾町鏡町997
TEL 076-455-2024
 http://kitayoshi.jp/

◆月の光に輝く投網の鮎漁
 井田川は、越中八尾の中心部を象徴的に流れる川ですが、その井田川で捕れる地元の鮎を料理に使っています。鮎は自分で捕ってきて使うこともあります。
 投網で捕ります。投網は常に場所を移動しながら行わないといけません。神通川で、下流から上流に向かって移動しながら鮎漁を続けることもあります。仕事を終えてからなので、夜しか行きません。夜中に漁に出かけ、朝まで行っていることがあるので、へとへとになります。9〜10時頃から、夜中の2時、3時まで行います。
 夜中でも網にかかると、鮎一匹一匹のからだが月の光に輝くので、それが美しく、魅力的です。
◆地元の食材を意識して使う
 越中八尾は山間の土地柄ですから、春には地元の山に出掛け、ワラビやウドなど、山菜を採ってきます。

八尾で古くからの歴史を伝える宿の主人であり、料理長も務める北吉 龍之さん。
 秋には八尾の山でもキノコが採れますが、私はキノコ採りには行かないです。若い時に山で熊と遭遇した時の体験がトラウマになっているようで、熊が怖いのです。そのほか、普段からショッピングセンターに行くと、地元の野菜などを集めたコーナーを見にいきます。季節のものが出ているので、それを仕入れてきます。

◆工業系出身だけど料理人に
 富山の高岡の生まれで、砺波工業高校の機械科を出ています。高校の3年間はラクビーに夢中で、就職が決まったのが最後でした。大阪万博の年に大阪でテントを作っている会社に就職したのですが、1年もせずに退職。そして職安に相談に行っていた時に、「板前に向いているのではないか」と勧められたのが、この世界に目を向ける最初のきっかけになりました。

◆いくつもの料理屋を回り、経験を重ねる
 そこで、料亭に面接を受けに行ったりしましたが、やはり全然分からない世界でしたから、いったん田舎に戻り、職業訓練校に通って設備関係の勉強をしていました。
 ところがここでも、「板前に向いているのではないか」と言われ、訓練校で知り合った人の紹介で、富山の「金茶寮」に勤めることになりました。
 そこで6〜7年お世話になり、金沢に移って、「かわ新」、「茶屋旅館」、「白雲楼」、「サントス」などを回り、経験を積みました。その後富山に戻り、「名鉄ホテル」、「松屋」、高岡の「大野屋」などで修業させていただきました。
 最後に紹介されたのが、八尾の「北吉」だったんです。

◆30歳で越中八尾へ
 「北吉」に来て2〜3年経った頃に、「北吉」の三女と結婚。その頃に、「北吉」が仕出しを辞めるという話があったので、仕出しをすることにしました。もともと自分の店を、仕事をある程度覚えた段階で持ちたいと考えていました。
 自分の描くイメージで自分の料理を作り、どこまで通用するか試してみたかったのです。

◆仕出し屋「たつよし」で自分の店を持つ
 そこで、かねてから自分が買い取ってあった店舗を活用し、「たつよし」という仕出し屋を10年ほど営業してみました。小さな座敷があったので、会食も受けていました。しかし、仕出し屋もお客様の意向に沿って仕事をせざるを得ず、"雇われ"で仕事をしていることと変わらないと感じるようになりました。
 その後、北吉そのものを我々夫婦で営業していくことになりました。
◆仕出し屋の食事と、旅館の食事のちがい
 仕出し屋は、指定の時間までに全てを揃えて持っていく訳ですが、旅館であれば、お客様が来られているので、温かいものは温かい状態で出せるし、お客様の食事の進み具合を見ながら料理を出せます。そこが大変な点でもありますが、おいしく召し上がっていただきやすい。

◆料理は一生勉強、努力の道がまだまだ続く
 今回の事業(八尾食談議2011)に参加したことをきっかけに、地元で素材を作っておられる方々の現場にお邪魔したいですし、意見交換などもしていきたい。厨房で下向きで仕事をすることが長かったので、お客様と話をするということが考えてみれば今まで無かった。お客様と対面で仕事をすることは、難しいですが今後は取り組んでみたいです。
 料理は一生勉強なので、これからこそ頑張ってまいりたいと思います。
(インタビュー/2011年1月) 

八尾食談議2011TOPにもどる 農家と協力した八尾山田の「名物レシピ」開発プロジェクトのようすはこちらから 北吉-1 
(やつお食談議ブログ)
問合せ先 富山市八尾山田商工会 TEL.076-455-3181
www.yy-toyama.jp FAX.076-455-0606
※参加申込みは、富山市八尾山田商工会 または、各会場へ