「八尾・山田をたらふく味わおう!」全国展開プロジェクトおもてなし事業(越中八尾の料理人のご紹介)
伝統文化の香り高い越中八尾は、井田川の流れも穏やかな山裾のまち。
この街には、四季の恵みを生かした料理を作り、訪れる人々をもてなす料理人たちがいます。
目の前に運ばれてきた、この美味しそうなひと皿の料理が誕生するまでには、
さまざまな物語がありました。
普段はあまり自分のことを語らない料理人たちに、その横顔をうかがいます
ステーキ胡弓/澤井勉 食事処・合掌/山下信行 吉田屋/吉田竜三 エルバッチャ/松本吉信 料理旅館・北吉/北吉龍之 山元食道/山本玉子

魚屋をベースに、素材を生かした料理を追求
鮮魚・貸席・仕出し「吉田屋」/吉田 竜三 [お店の情報]
鮮魚・貸席・仕出し 吉田屋
〒939-2364 
富山市八尾町上井田1495-2
TEL 076-455-2554
【営業時間】
 11:00〜22:00
【定休日】 無休
 ※電話にてご予約ください

◆前身は大正時代の魚屋
 うちは、もともとは魚屋です。大正時代にスタートし、私は4代目に当たります。八尾の町は山裾にあり、当時は鮮魚を海まで買いにいくことは無理だったので、塩引きした魚がほとんどだったそうです。塩引きの鱒は、北海道から多く仕入れていました。昔から富山と北海道は北前船の往来で行き来がありましたからね。北海道との縁で言うと、富山は全国的に昆布を多く食べることでも有名ですが、その昆布も北海道のものが富山では盛んに利用されています。塩引きの魚は、昔は天日干しで時間をかけて干していましたが、今は乾燥機が普及しているので時間をかけずに作ることも可能です。
 昔から魚屋をメインに仕出しもしていましたが、新しい橋の架橋や道路拡幅などに伴って店を移転することになり、その際に貸席スペースを設け、店内でも食事ができるようにしました。それからすでに6年が経過しています。

店主の吉田 竜三さん。ラグビーで鍛えた大きな体がトレードマークです。

◆仕出しは、和洋折衷で要望に応える料理へと変化した
 これまでの貸席のお客様は、冠婚葬祭や法事が中心でした。冠婚葬祭はお客様の世代の幅が広いので、お年寄りから若い人までに対応しないといけません。いずれの皆さんにも満足していただくためには、個々のお客様に応じたきめ細かさが求められます。お年寄りは脂っこいものを好まれないし、若い人は「変わったものも欲しい」との要望が強い。和洋折衷にせざるを得ませんね。
 近年は、法事をフレンチで行うお客様もおられますし、新しい趣向で取り組まれるようになっています。冠婚葬祭の料理も、徐々に従来とは異なる料理を出すようになっており、変わってきています。

◆料理の広がりを求めて、洋食の修業も
 大阪の辻調理師専門学校を卒業後、少し大阪で修業し、さらに東京のイタリアンの店で修業させていただきました。料理学校時代に和・洋・中を勉強し、イタリア料理についても学んだら、そちらの方に行きたくなったんです。ちょうど高校3年の頃に、テレビ番組「料理の鉄人」が人気を博していて、それまでは「料理と言えば和食」のイメージしかなく、「洋食といえばフレンチ」という印象だったのが、カジュアルイタリアンのブームが来た頃でした。実際に料理を食べて、おいしいと思いましたし、ウサギやカエルもその頃に初めて食べました。
 「和食には無い"広がり"がある」と感じました。

◆将来は、キトキト魚の居酒屋も?
 「気軽にお客様にお越しいただけるような店」を作りたいと思っています。もともとは居酒屋をやりたかったんです。富山の人は、「富山の魚でないとダメだ!」という人が多いでしょう。脂の乗りが悪い時でも、地元の魚を優先して利用するのが富山の常識になっている面があります。一方で、富山湾は暖流と寒流の潮の流れがぶつかって停滞するので、うまい具合に生簀状態です。
 しかも、富山の良い点は、山と海との距離が近いこと。海のプランクトンは、山が供給する水に含まれている栄養分で豊かになります。それを食べる魚も当然、栄養状態が良い。
 山と海をつなぐ越中八尾の土地で、八尾らしい食を作っていければと思います。

◆地元の農家とのおつきあい
 農家との行き来はまだまだ少ないですが、地元では、越中八尾でのリンゴ栽培の草分けである澤井正治さんとの付き合いが昔からありますので、提供いただいて、地元のリンゴをコンポートにしたり焼いたりして使ったりしています。澤井さんのリンゴは蜜が多いので、美味しいんです。

◆仕出しを通じて交流の場を演出する
 まずは、地元の方にお店を知っていただき、評価されることが大切だと考えています。冠婚葬祭というのは、親戚同士の交流の場でもあり、遠方から来られた方にも、地元の方にも店を知っていただくうえで、良い機会です。遠方から来られる方に「どこか良い店は?」と聞かれた際に、お祝いの席であれ、観光であれ、吉田屋をご推薦いただけるようになるには、まずは地元の方に評価していただくことです。
 ですから、地域のお客様にもっと試していただきたいです。

◆個人のお客様も個室で気軽に
 これまで冠婚葬祭がメインできているので、少人数で行ってはいけないお店というイメージがあるようですが、個人のお客様にも利用いただければと思います。
 個室も用意してあります。さらに、事前にご予約いただければ、腕によりをかけて料理を作らせていただきます。遠慮なくお越しいただきたいですね。
(インタビュー/2011年1月) 

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(やつお食談議ブログ)
問合せ先 富山市八尾山田商工会 TEL.076-455-3181
www.yy-toyama.jp FAX.076-455-0606
※参加申込みは、富山市八尾山田商工会 または、各会場へ