「八尾・山田をたらふく味わおう!」全国展開プロジェクトおもてなし事業(越中八尾の料理人のご紹介)
伝統文化の香り高い越中八尾は、井田川の流れも穏やかな山裾のまち。
この街には、四季の恵みを生かした料理を作り、訪れる人々をもてなす料理人たちがいます。
目の前に運ばれてきた、この美味しそうなひと皿の料理が誕生するまでには、
さまざまな物語がありました。
普段はあまり自分のことを語らない料理人たちに、その横顔をうかがいます
ステーキ胡弓/澤井勉 食事処・合掌/山下信行 吉田屋/吉田竜三 エルバッチャ/松本吉信 料理旅館・北吉/北吉龍之 山元食道/山本玉子

武者修業の末に、父親とは異なる料理を提供し始める
和食処・合掌/山下 信行 [お店の情報]
和食処 合掌
〒939-2364 富山市八尾町水谷2040
TEL 076-455-1020
【営業時間】
 11:00〜21:30(ラストオーダー20:30)
【定休日】 月曜日
 www.alpha-net.ne.jp/users2/tomojun/

◆子どもの頃から夢だった料理人
 小学生の時から調理人になることを夢にしていました。小さい頃から調理場に入って手伝っていて、それが楽しかった。小学生になる前から、エビの殻をむいたりしていました。今思えば、父親と一緒にいられることに喜びがあったのかもしれません。
◆料理屋で修業、金沢から富山へ
 しかし、学校を出て金沢の料理屋さんで修業した頃、自分には向いていないのではないかと不安になり、自信が持てなくなっていったことがありました。家に戻って父親を手伝うようになってもそれはぬぐい去れなくて、何度か修業に出してもらいました。最後に行ったのが、富山駅近くの料理屋さんでした。

店主の澤井 勉さん。
店は八尾中核工業団地にほど近い高台にあり、見晴らしもよい。

◆親方との出会いで扉が開く
 その店の親方との出会いが、料理人としての人生を開いてくれました。何が一番の勉強になったかと言うと、「素材について徹底して研究しろ」と叩き込まれたことです。そこから再度、一から勉強するつもりで、素材辞典を自分で購入し、ノートを作るようになりました。その習慣は今でも活きていて、毎日の献立を記録しています。献立を考える場合も、すべて書き出し、盛り付け等も絵に描いて検討しています。

◆父から店を任される
 最後に修業に行った店から戻ってほどなく、父から急に「後を譲るから任せる」と言われました。父は23歳頃に前の店を始め、さらに今の店を作ったのですが、60歳を目途にその店の引退を言い出したのです。と言ってもまだ62歳ですので、夫婦二人で小さな店を別の場所で始めました。実は、一緒に厨房に立っているときはお互いに遠慮があったのですが、その後は時々お客として来てくれて、感想をいろいろ言ってくれるようになり、こちらも素材のことや調理方法などを相談しやすくなりました。父親とお互い別の店で仕事をしている今、却って前より良い関係になっていますね。

◆地域の素材を深く知るきっかけに
 今回の事業(八尾食談議2011)を通じて、地域の農家さんなどを知ることができ、そこでコミュニケーションを取ったことで新たな可能性を感じました。素材を知るという意味では、地元の素材についての研究がこれまでまだまだ足りていなかったのだなぁと思いましたね。これまで仕入れていた問屋さんからは、地元の野菜についての情報をなかなか得られませんでしたし、魚なども地物が手に入りづらくなっています。氷見産の魚は、ベニズワイなどが揚がれば富山にも流れてきますが、基本はまず東京に出荷されるようで、地元に回りにくいのでしょう。
 米はこれまでも地元富山の米を使ってきましたが、メインに富山の食材を使うのは初めてのことです。地元でよく採れる食材・産物を知る事から、基本となる料理を四季折々に構成できることを目指します。これまでも季節の変わり目には市場に足を運び、どんなものがあるかを見に行っていましたが、まだまだ勉強が足りません。

◆父の頃とは全く異なる料理を提供
 今後は、まず地元の方々に知っていただきたい。父親がメインでやっていた時とは全く異なる料理を出していますので、まず、そのことを地域のお客様に知っていただきたいですね。私は現在37歳で、最近は若いお客様が増えてきています。昔からの常連さんからは、「料理が変わったね!」と、良い感想を言っていただけるようになっています。もちろん毎日勉強ですが、徐々に自分のカラーを出していければと考えています。

◆シンプルに勝負
 店では自分でできる範囲でメニュー構成を考え、料理を提供していますが、もっと幅を広げていきたいとも考えています。仕込みをしながら考えることが多いです。創作にこだわってはいなくて、煮物なら煮物、焼物なら焼物と、シンプルでよいのではないかと思います。地域の伝統的な料理の仕方も勉強していきたいですね。
(インタビュー/2011年1月) 

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(やつお食談議ブログ)
問合せ先 富山市八尾山田商工会 TEL.076-455-3181
www.yy-toyama.jp FAX.076-455-0606
※参加申込みは、富山市八尾山田商工会 または、各会場へ