[ 金沢便り2004.10月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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10月31日(日) 幻想としての概念
構造改革とか、市町村合併とか、政治的には着実に進んでいるようだが、実体はよく見えてこないことが多い。概念だけが先行していて、本当にそうなのか、ということを考えてみるべきではないか。構造改革によって国民の暮らしや仕事がどのように変化しそうなのか、市町村合併によって、住民にどのような影響がでるのか、明確に示して検討されないと、出来上がってからでは遅い。曖昧なまま、まあいいかと進めてしまうと、大きな影響が出そうだ。例えば、合併のことについては、すでに合併した市町村の方々の声を集めてみるといいのではないか。概念に惑わされてはいけない、政治的概念は幻想性を帯びやすいものです。
10月30日(土) スローライフ
金沢市が行うスローライフフェアのオープニングのシンポジウムを見学に行く。午前はスローライフに取り組む自治体のサミットも行われていました。全てを聞いてはないが、20数名で議論することは無理であろう。このような会議の限界ははっきりしていて、状況説明で終わりそうです。少人数で議論したことを発表することの方が会議としては有効です。午後は五木寛之氏の講演とパネルディスカッション。五木さんの本は沢山読んできたが、講演をうかがうのは初めて。湿式工法と乾式工法の違いの話は面白しろかった、さすがですね。スローライフとはどのようなことをいうのか、もっと考えてみる必要があります。ファーストな暮らし、経済を追求してきたことを根本的に見直そうということを意図するならば、都市の真ん中でこのような事業を行うこと自体が間違っているように感じる。本質的な価値の実現を目指すのであれば、事業の構築の仕方、実施の仕方がすべからくスローであるべきだ。山里の古い民家の囲炉裏端で議論するというイメージでないですか。

五木寛之氏
10月29日(金)小規模、多様性、世代複合
これからの地域づくりのキーワードは3つ。小規模な事業でスタートすればよい。質のよいものが集積することで、地域全体のイメージが高まり、繰り返し訪れていただける人が増える。小規模であれば、お客様とのコミュニケーションも取りやすいので、リピートしやすくなる。多様性とはいろいろなものが複合して共存できる地域の包容力が求められるということ。異質な人を受け入れることが出来ない地域は衰退していく。常に新たなコトやモノを生み出していくことが重要だ。世代複合で意味していることは高齢者の培ってきた技や知恵を活かすことを若者がプロデュースするような事業を仕組んでいかないといけないということ。森を歩くツアーや文化を楽しむことも、それに永年関わってきた人達の語りが魅力になる。事業化はエコツアーやツーリズムの担い手になりたいと考えている若者達を受け入れてくだされば、どんどんメニューが立ち上がってゆくでしょう。高齢者も生涯現役で活躍できる地域でありたい。午前は珠洲で何人かの方にお話をうかがう。午後は輪島の中浦屋本店の輪風庵(わいち商店街、TEL0768-22-9555、)で白玉ぜんざいをご馳走になる、美味しかった。

輪風庵の白玉ぜんざい
10月28日(木)夜のまち歩き
八尾町商工会女性部の研修会で夜の街を歩く。地元の方でもあえて夜のまちを散策しないもの。どうしても灯りのことが気付きの対象になりやすい。昼は感じない事でも、夜だとはっきり分かる。月明かりのまちは違う顔を見せてくれることもある。まち歩きの後、グループに分かれて、意見を出し合っていただいたが、いろんなアイデアが出て、良かった。何か一つ、皆さんの意見の中から実現できることを絞って試せるとよい。そのような実践活動を通じて学ぶことも多いはず。参加した議論の中から、ことが立ち上がってゆくこと、それが参加意欲を高め、次なることにつながりやすくなるであろう。次回は昼のまち歩きを楽しみたい。まずは体験です、そして感じること、気付くこと。気付いたこと、感じたことを表現することで、共有可能になる。その中から、実験的にできることをまとめ、試してみる。そのような活動を繰り返すことで、知のレベルは高まり、深化していくはずです。参加の地域づくりを実践することだ。

光による演出
10月27日(水) 独歩炎
穴水と能登島にお邪魔した。能登島では農業を行っている高さんに久し振りにお話をうかがう。数年前に林農産で会ったことがあるだけですが、しっかり農業で生計を立てておられます。野菜をつくり、地元のスーパーなどでもコーナーを作ってもらい、仲間達と通年で野菜を販売しているとのこと。ネギや大根、イモ、カボチャ、キャベツなど、いろんなものを生産することが農業の基本です。その後、能登島商工会で教えていただいた独歩炎の藤井博文さん(能登島町曲10-3-1 TEL0767-84-1197)を訪ねた。藤井さんも高さんの話を聞いて感心したと言っておられました。地域で活躍している人はどこかでつながっているものです。藤井さんは工業デザイナーを辞めた後、瀬戸で修行し、中学卒業までいた能登島に戻ってこられたとのこと。工房は水族館の近くの集落に中にありますから、辿り着くのは大変かもしれませんが、一見の価値はあります。東京などでの個展中心に活動されていますが、地元では七尾のギャラリー葦に作品があります。奥様は青白磁を作られています。

自宅前の高さん

独歩炎の作品
10月26日(火) 持続可能な地域づくり
夜は地場産で石川県地域づくり推進協議会の運営委員会。全国研修交流会の反省が主であったが、最後に今後に向けての話をさせていただく。テーマは「持続可能な地域づくり」。それぞれの地域や事業の持続性を念頭に活動を展開してほしいものです。後継者が生まれてくるような組織体制、事業を通じてお金が回り、地域で暮らし続けられる人が増えてゆくようになることを目指さないといけない。既存の事業を深化させるとともに、新たな事業展開を考えられないか。給与をいただきながら関われる人を増やす事だ。行政も地域の中にそのような活動を行う個人や団体、法人が育つことを目指すべきでしょう。地域外の方々をお客様にしたツーリズムの事業を重層的に構築したい。体験交流、飲食、直販、宿泊、情報など、多様なことが可能だ。小規模であっても、それが増えてゆけば、集積効果が働く。事務局に専属スタッフを雇用したという穴水のカヤックのグループはよいモデルになるかもしれない。今後に期待したい。
10月25日(月) 山と海
能登は半島だから海に囲まれ、海とともに生きてきた歴史がイメージされます。一面では確かにそうなのですが、山の上に登ってみると、広大な山並が広がっています。そして、山奥にも人は住んでいるのです。ぞれぞれの歴史を背負いそこに住まう事になられたのでしょう。一見、海沿いの暮らしが楽なように思えますが、どうもそうではない価値判断をした人が祖先にいるということ。山の幸を確保し、燃料にも住まいのための材料にも困らないということでは山の中も暮らしやすい場であったのかもしれない。最近の台風や地震の情報に触れるにつけ、何処に住んでいいのか判断が難しいと思う今日この頃である。平地や海の近くは水害に見舞われ、山の集落は地滑り等で押しつぶされたりする。適地を選ぶための知識の集積が必要だ。
10月24日(日) 台風そして地震
台風の後は地震と、天災に見舞われる年です。今年がそうだということで、済ましていいのか。世界的な傾向として、継続的にとらえていかないといけないのではないか。最近気になることの一つは、海沿いの地域で海水面が上昇して、水があふれてきているという情報があること。富山湾では能都町や新湊市でそのようなことが繰り返し起こっています。夏場の気温も確実に高くなっているのではないか。一つひとつの事象を積み重ねて考えていくアプローチも大切。地球全体が温暖化し、万年雪や氷河が溶け、さらに海水温が高くなることで、水面も上昇しているということが進行している。気温が高くなると同時に気象も変化し、今年のように台風がたくさん日本に上陸するようなことも起こるのではないか。因果関係の特定は難しいでしょうが、確実に変化していることはたしか。いかに、それに対応するか、人間同士の争いを防ぐと同時に、自然とのつきあい方を考え直さないといけない。人間のライフスタイルの再構築が必要だ。
10月23日(土) 森づくりin白峰
白峰村の西山地区で森づくりの植樹を行う。ブナ、ミズナラ、トチを植えた。参加者も多かったので1時間程度で終了。それでも、天気が良かったことと、土地が荒れていたので、汗をかきました。事前に穴を掘っていただいていても、それなりに大変です。一番最初に白峰で植えた時は穴を最初から掘ったので大変であったことが思い出されます。作業の後、白峰で最初に植えた場所や今回植えた所よりさらに上にある数年前からブナ等を植え続けてきたところも見てきたが、相当大きくなっていました。森と言えるようになるにはまだまだ年月がかかりそうですが、気長に草刈りに行くことが大切ですね。帰りに、鳥越村の出合の道の駅で行われている「ふれあい市」をのぞく。地域の人々が手づくりされたものを販売されています。一角にはそばを食べることができる店もありますので、それを目当てに来ているお客さんも多い。ふれあい市は明日もあります。昼食は近くにある脱サラでそば屋を始めた「おきな」(TEL 0761-94-2775)でそばをいただく。月曜日の勉強会に参加いただいていました。唐変木の橋本さんに教わったそばはきれいでした。集落の中にあって分かりづらいが、店の中は落ち着いた雰囲気で心地よい。

大勢で植樹

おきなのそば
10月22日(金) 習慣
人が生きていく上で、大切なことの一つが生活習慣です。食事のとり方や酒の飲み方、タバコ、夜の過ごし方、いつ頃寝て、いつ起きるか、休日の活動など、多くのことがあります。その中で最も重要なことは飲食ではなかろうか。何をどのように食べるか、何をどの程度飲むか。それによって、病気になったり、ならなかったりします。もちろん、基本的な身体の強弱があるから、全く同じような病気になるわけではないが、傾向や確率は高くなるということ。そのようなことから、生活習慣病という概念が出てきているのではないか。病気に倒れる確率を下げるためにも、よき生活習慣を実践したい。選びとれることは、よき選択を重ねないといけませんね。人生とは選択の連続です。自らの意志で選べなければ、人に頼んででも無理矢理そのような状況に置く事です。
10月21日(木) 企画から政策へ
七尾で市町村職員研修所の企画力講座。企画入門の話をさせていただく。後は実際にグループワークで企画づくりを体験学習する。少しヒントを提供することで、体系的にまとめることができるチームもあった。事業について普段から考えているメンバーがいると違うのかもしれない。いずれにしろ、異なるセクション、自治体のメンバーが一堂に会して議論することから、何らかの企画をまとめるという作業を経験したことを、今後の仕事でも応用してみてほしいものである。そのためには、プロジェクトチームを自ら組織して、新たな事業を構想し、実現するという手法を自治体の中に根付かせるようなことを首長も推進してくださらないといけない。新たな施策、政策を市町村レベルから創出するのだという意欲をもってほしい。

食祭市場の寿司屋で昼食
10月20日(水) 台風
午後からどんどん雨風が強くなり、夕方には、強風が吹き荒れていました。車で走っていても、ハンドルがぶれて、飛ばされそうです。歩いている人も傘をさしていると、風のせいで歩くのが大変。前進できずに、立ち往生している人も。道路には木の枝やゴミ箱がころがり、車で走っていてもあぶない。強風で車がひっくりかえるという話もうなずける風の強さです。台風が過ぎた後の風がやはり強くて夜半過ぎまでうるさかった。我が家は被害もなく無事でしたが、全国では多くの被害が出ているようです。自然には勝てないということを実感するためには、こんな日に外で過ごしてみるといいのかもしれない。
10月19日(火) しらいみちよさん
能都町の数馬酒造で行われたしらいみちよさんの酒蔵コンサートに行く。地元の子供達と「地球(ほし)にかえろう」を合唱して下さいました。全国各地の子供達と歌っていただくことが、博覧会会場で歌うことよりも尊い感じですね。レクイエムロードの桜の植樹6500本の目標達成も神戸市内の学校にも植えていただけることが決まり、来年には可能とのこと。全国各地に植えられた桜のマップが出来るといいですね。しらいさんの植えた桜の道をたどる旅というのもいいかもしれません。旅をした際に、その地にある桜を見に行くということでもよい。一つのことを継続して行うことの意義を感じたコンサートでした。しらいさんをゲストにした酒蔵コンサートも6回目、継続は力なり。

しらいみちよさん
10月18日(月) 自治
鳥越で直売場についての勉強会。これからの地域にとって重要なことは徹底して自治を目指す事。地域で新たな仕事を生み出しながら、地域で暮らせる人を増やすことが大切です。規模は小さくてもよいから、お客様に喜んでいただける商品やサービスを提供し、食べていけるようにすること、それも、後からの人も参加しやすような受け皿づくりを進めることです。自分達だけでは難しい事は外の人とネットワークを組んで一緒に創造する姿勢も必要です。狭い地域内では、話がまとまらない事も、外部の視点を入れることで、発展、深化しやすくなるものです。自らが財源を生み出し、仕事も創造すること、そして、生涯現役で生きられるような地域づくりを進めて欲しいものです。
10月17日(日) 森づくり
金沢の郊外、大乗寺山で行われた森づくりに参加。晴天に恵まれ絶好の日和でした。会場は眼下に金沢市街や遠く日本海も望める高台です。最初にしらいみちよさんのミニコンサートもありました。子供達と「地球にかえろう」も唄って下さいました。この曲は愛知万博のフィナーレでアジアの子供達と一緒に唄われるとのことです。植樹は狭いエリアに少ない本数の苗木を植えましたので、すぐ終わりました。しらいさんが植え続けている桜も10本植えました。阪神・淡路大震災で亡くなった方々の鎮魂のために、6500本を目標に桜を全国で植えています。すでに5300本以上植えられたようです。しらいさんは、火曜日には能都町の数馬酒造で酒蔵コンサートを行われ、金曜日には市民芸術村でコンサートが予定されています。

子供達と一緒に唄うしらいみちよさん
10月16日(土) 蔵王
最後のプログラム、現地見学会で蔵王に行く。寒かったが、頂上付近は雲もなくて、火口湖「お釜」を存分に見る事ができました。裏側からも拝見させていただきましたが、そこからの眺めも素晴しかった。2本の滝があり、紅葉した森が一層映えてみえました。ライザレストランで釜飯をいただき、クロスカントリーコースの森を散策する。ライザレストランはスキー場に併設されたレストランですが、メニューを充実させることで、蔵王の訪れる観光客の格好の昼食処になっています。家族連れで遊びに来ている人もいましたから、通年でお客さんに来ていただくためには重要な施策ですね。クロスカントリーコースも同じ事が言えます。冬場以外でも散策コースとして活かすことを促進すればよい。最後は農産物直売場をのぞく。珍しくなつめを売っていたので、試しに購入して、下田の楠山さんたちとかじってみたが、懐かしい味がしました。かみのやま温泉駅まで送っていただき、駅前で運営スタッフの皆さんと最後のご挨拶。上山で目にした不思議な風景の一つが、たんぼの中の藁積みの林立。柱にからめて藁が積んであります。地域によってちがいますね。

蔵王の火口湖「お釜」

わら積み
10月15日(金) 全国街道交流会議
全国街道交流会議の本番。午前10時から楽屋で延々打ち合わせ。分科会が始まるまでに十分議論ができました。だいたい、事前の打ち合わせしたことの一部を語ることになるものです。基調鼎談と分科会、そして交流会と続く。分科会は参加者の方からはほめていただきましたが、消化不良でしたかね。気仙沼でスローフードに取り組んでいる菅原さんと、鰤街道に取り組む高山の片岡さん、会津で干物問屋の歴史を活かし「渋川問屋」という名前のレストランを営む渋川さんというメンバーでした。素材の食物を旅をさせないで、人に旅をさせることをめざすスローフードと、旅をする鰤やたら、にしんなどを比較して見えてくるものを明らかにできると良かったのですが・・・。人を旅させることはよい、伝統的な技で加工した食べ物も新鮮な素材も活かして、美味しいものを味わえる地域にしていただきたいということ。さらにそれらが連携して、地域を旅する楽しみの相乗効果を発揮してゆくことが大切です。交流会ではラフランスを皮ごと食べさせていただきましたし、最後に手打ちそばを食べて満足しました。旅館に帰ってからの懇親会からが長かった。3次会までおつきあいして、部屋に戻ったのは2時過ぎでした。

事務局の面々

交流会でそばを打つ
10月14日(木) 上山温泉へ
全国街道交流会議のために山形県の上山温泉に行く。小松から羽田経由で山形へ。2度目の上山です。空港には事務局の石井さんが迎えにきて下さいました。おかげで、わがままが言えました。昼食に名物の冷やしラーメンを食べようとラーメン屋に連れて行ってもらいましたが、残念ながら9月いっぱいで終わっていました。仕方がないのでラーメンをいただく。冷やしラーメンは普通のラーメンのような外観ですが、スープが冷たいのです。上山ではおすすめのメニューの一つです。その後、名月荘に案内いただきく。上山の中では最も質のよい旅館です。2階建てで宿泊室はすべて1階にあり、お部屋に温泉がついています。山裾の緑豊かなところでゆったりとした時間を過ごすことが出来ます。売店に置いてあるものも、展示の仕方も違います。別棟の談話室では毎月コンサートも開かれます。エントランスで薪をたいているとことも、懐かしい雰囲気を演出しています。スタッフの接客もしっかりしており、一度は泊まってみたい宿です。プレイベントの特別講演「イザベラ・バードの歩いた世界」をうかがった後、居酒屋「高太郎」で食事をいただく。あけびの皮をご馳走になりました。

名月荘のエントランス

あけびの皮の料理
10月13日(水) 夕日
井波からの帰り、夕日がきれいであった。富山方面からの帰り、石川県との県境にある山の端に沈んでゆく夕日が眺められることが多い。朝は立山連峰から登る朝日も美しい。それでも、印象に残るのは夕日ではないか。能登有料道路から眺める日本海に沈む夕日も美しい。去り行くものが最後に大きく輝いて見せているようで、いとおしく感じるのは私だけであろうか。自然の変化に何事かを感じ取る、そのような暮らしを続けたいですね。そして、北陸はそのようなことが日常的に可能な場所です。もっと、自然を感じることを心掛けたい。

沈みゆく夕日
10月12日(火) 動きながら考える
何事も体系的に考えて、実行することが理想。しかし、現実は思いつきで走ることが多い。あまり考えすぎると、実行できなくなる。その意味では深く考えずに、動きながら考えるというタイプがよいのかもしれない。いろんな現場を動き回りいろんな人と話す中からひらめくことも多い。話が飛ぶ人、多くを語らないがキラリとひかる言葉を発する人、・・・いろいろいるが、対話している人を触発する力があれば充分である。何事かを感じ取り、それを自ら再構成することができればよい。街道などというコンセプトもどのように展開するかは様々に可能だ。日本人の主食となっているコメも海外から渡ってきたものだ。もちろん、人と一緒に伝わったものでしょうから、人もモノも移動することを前提に考えるべきでしょう。定住などという概念も考え直す必要があるのかもしれない。新たな定住観を提起すべきではないか。個人がそこにいられるのはせいぜい、70年、80年のことですから。
10月11日(月) 坂のまちアートin八尾3
朝一番に魚津に打合せに行き、昼前に八尾に戻る。観光会館の近くで午後の会議に参加する赤須さんと出会ったので、西上町にあった臨時のそば屋でざるそばをいただく。午後は街道交流会議の下打ち合わせ。歴史街道を活かすことも考えつつ、テーマに応じて新たな街道、道を模索してゆくべきでしょう。魅力的なものをつないで、遠方からお客様を引き付けられる道を構想すること。途中の街道の基本テーマは花と景観ではないかと思う。歩いて楽しい、走って美しい街道が期待されます。陸上だけでなく、空や海、川を移動することも念頭に置きたい。

野の花を活ける
10月10日(日)坂のまちアートin八尾2
今日は事務所の八尾出身のスタッフを連れて八尾へ。駅前の作品を見て回った後、商工会の横に車を止め、旧町のいくつかの会場をぶらぶら。昼過ぎには宿泊予定の北吉別館(ビジネスホテル)にチェックインし、車もおいて、桂樹舎までのルート上にある会場を拝見。初めて入る家もあり、いろんな楽しみ方をされていることがよく分かりました。木をふんだんに使った贅沢な家が多い。、いったん、上新町に上がり、おかめでラーメンをいただき昼食とする。水上の味噌屋さんで冷たい甘酒、おおつか茶舗で中国茶をいただく。散策の途中に休憩処、お茶ができるところがいくつもあると助かります。そのようなお客のニーズを感じ取っている方が多いのか、喫茶コーナーが増えていましたね。着実に進歩しています。井波町の方々が視察にお見えでした。夜は福島地区でのまちづくりフォーラム。問題は住民の皆さん、商店の皆さんの参画意識が高まること、自らが新たなことに取り組む気運を醸成することがポイントです。

月をイメージした水上味噌店での作品展示

おおつか茶舗の中国茶
10月9日(土)坂のまちアートin八尾
台風の影響で雨が降る中、坂のまちアートin八尾を見に行く。金沢美術工芸大学の学生諸君が滞在しながら、住民も巻き込んで作品制作をしてくれた駅前の福島(ふくじま)地区にまず行く。駅舎の中やまわりにも作品が展示されていて、普段とは異なる姿になっていた。もっと作品があってもよいくらい。駅の方々の参加もあってよい。電車で通った時に印象に残るような作品があるとさらによいね。駅のホームに野の花を活けることがもっとほしい。駅前通りの商店では野の花を活ける店も多く、新たなお客様と出会うきっかけづくりになるはずです。マップには入っていない店のショーウインドをのぞいたら、まんだらが展示してあった。説明に出てこられた女将さんいわく、息子さんがインドで求めてこられたまんだらと、むすこさんが描かれた作品とのこと。店内には息子さんが創られたという彫刻作品も置いてあったので、傾いた椅子の作品を店前に出させていただいた。説明を付けていただけるとさらに分りやすくなりますが、女将さんが説明されるのもそれはそれでよい。燃料品店さんの絵手紙展は女将さんが自ら絵手紙を創られているので、いろんな絵手紙が届くようだ。駅前通りが歩いて楽しい通りになれば、JRで八尾にやってきて、旧町まで歩いて行く人がもっと増えるであろう。このような事業はまちの新しい表情をつくるよいきっかけになります。個々のお店のディスプレイをいかに変えるかを相談して回るような活動もあるとよい。普段と異なる印象を与えることができれば、地元の人ものぞいて見たくなりますし、外からこられたお客様にもアピールできるはずです。雨が降り続いていましたが、ぶらぶら歩いているお客様も多く、たいしたものです。

まんだらと彫刻作品のある店

花を飾られた食料品店

店内いっぱいの絵手紙
10月8日(金) 図を描く
自治研修センターの政策形成研修の3回目。模造紙に政策をまとめていただき、プレゼンを行う。5日間もかけて行ってきたが、一つの政策だけをまとめるのでなく、3回5日間かけるのであれば、3つの政策を創る事にしたほうがよいかもしれない。どのみち研修として行うのであれば、発想方法、考え方、まとめ方をしっかりみにつけていただくことを優先すべきでしょう。研修から活かせる政策を導き出そうとしても無理があるように思う。そのためには、別途政策プロジェクトを設けるべきではないか。それと図解することの意味を考えていただくとよい。構造を理解し、認識を共有するためにも、普段から仕事の仕組み、意義を図解してみることだ。

最後の講義での図
10月7日(木) ニ三味珈琲
八尾にタペストリーの追加分を届けた後、珠洲に向かう。芋菓子屋の泉谷さんに案内してもらいニ三味珈琲を初めて訪ねた。能登人の間では話題の人であり、あちこちでコーヒーは飲んでいましたから、興味がありました。それと、東京からUターンして舟小屋を改装して培煎の仕事を始めたというところもユニークです。場所は木の浦海岸で能登半島の先端部分です。たどり着くのに苦労するところですね。それでも、お客さんはひっきりなしに来られます。僕らがいた間にも10人は見ました。珠洲市の中でもこんなにお客が来る店は少ないのでないか。行き止まりの場所に人を集めるだけの力を有する店があるというのはすごい。全国から注文が来ており、発送作業に追われているとのこと。飲ませていただいた「いいなぎブレンド」は飲みやすくて美味しかった。挽いていただいて土産にしたが、車の中にコーヒーの香りが・・・。鉢ケ崎ふれあい市場も見学、さつまいもやトマト、干物などを購入。元気のよい奥様が運営されています。暗くなってからすえひろで末政さんと今後の展開と研修生の受入について意見交換。スタッフも増えて全員で9人とのこと。最後にIターンしてこられたという瀬戸口さんが経営するカレー屋「ろうにんあじ」(珠洲市上戸町寺社TEL0768-82-5383)に立ち寄り、ご主人にお話をうかがう。全国を転々とされた料理人は経験が豊富です。釣りが趣味とのことで自然についても詳しい。

舟小屋を改装した小さな店

くいもんや「ろうにんあじ」
10月6日(水) グラン・ツーリズム
18世紀、イギリス貴族の子弟が世界的教養を身につけることをめざし、文明の先進地イタリアやフランスを長期にわたり訪問した「大修学旅行」のこと(『2004レジャー白書』)。学びを柱にした、長期の、個人的な旅が増えることが予想される。団体から個人、仲間、家族旅行が増えているのはたしか。そのようなお客様の動向に応えられるところが継続的にお客様を集めることになるであろう。学び、健康、交流、自然が志向の柱になっている。情報はネットを介してダイレクトに収集する人が増えているので、地域独自の情報発信と旅をサポートする体制づくりが必要である。それが、ツーリズムという概念ですすめている事業複合体のイメージである。
10月5日(火) 企画
新たな事業や商品を構想し実現すること、それが企画。企画と名のついた組織は多いが本当に企画らしいことをしているところは少ないのではないか。行財政改革や地方分権の促進のために必要なことは地域での企画開発力を高めることである。企画の出発点は、企業も行政も、異なる組織の人々と一緒になって、現場を見て、当事者の話をうかがい、その上で議論すること。そのような活動の積み重ねから、新たな事業企画、施策を生み出していただきたいものである。そのようにして組み立てた企画には、関係した人々の参画も得やすい。縦割り組織に未来はない!、その事への認識がない以上、新たなことがうまく実現されることは期待できない。お客の立場にたって、ものごとを組み立てるという発想をすれば、組織的な都合でものごとを語れなくなるはず。組織をいじる程度では難しい。他の部課のことにもあえて関わる、というような運動を行わない限り難しいのではないか。企業は顧客を巻き込み、行政は民間の参加も得て新たなサービス、商品を構想すべきであろう。
10月4日(月) 周縁部から
次代への変化は周縁部から。中心部へは求心力が働き、多くの人、モノ、情報、金が集中してゆく。そのために、中心部での渦巻き現象が加速し、のがれられない力が働く。それが一つの方向性、スタイルを描くことになる。東京一極集中とはそのようなことの典型。そこで進行していることとは異なる動きを創ろうとすれば、周縁部でスタートさせることが理想であろう。そこから、新たな概念、スタイルを構築し、中心部に投げ込む。そのことに感応した人々が周縁部に出てくることを目指す。物も、人材も周縁部から供給し続けてきた歴史を振り返る時、逆方向の動きを生み出すためには、質的に価値のあるものを周縁部で創造してゆくことです。そのためにも、異質な存在を受け入れ、触発的な場を継続的に用意することが重要であろう。交流という概念のもと、他者を受け入れることを継続する中から、地域に出てくる人を増やすことも重要なアプローチだ。
10月3日(日) 月見のおわら2
月見のおわら2日目。雨も落ちず、よい状態で楽しむことができました。近畿日本ツーリストのお客様も昨日よりは少ないとのこと。諏訪町通りの上で最後のおわらを見ましたがざわつきも少なく、フラッシュ撮影をするお客もあまりいなくて、理想的なおわらでした。午前中から午後にかけて、八尾で一緒に行動した星野リゾートの星野社長、慶応大学の島田教授との話の中で出てきたことをいかに考え、実践してゆくか、検討すべきことは多い。おわらの本質的価値をいかに守り伝えるか、八尾全体の魅力の高め方、通年でお客様にお楽しみいただける仕組むづくり、そして、地域の自立の追求。おわらの本質的価値は、八尾町民の楽しみである、街流しが基本である、風の盆は夏の風物詩である、新たな要素を常に加えてきている、ということであろうか。そのようなことを確認し、今後の展開を考えたい。

諏訪町通りでのおわら
10月2日(土) 月見のおわら
八尾で月見のおわらが行われた。近畿日本ツーリストの旅行商品であるが、一般のお客も鑑賞可能。あいにくの雨で、井田川沿いの町民広場の特設ステージで行われる。すぐ横に観光バスが待機しているので、疲れたらバスに戻り休憩して、また出てくることも可能。そうはいっても、雨に濡れたお客様は一旦戻るとそのままということであったかもしれない。最初から最後までみていた人は少なかった。藤棚の下を流したのはよい演出でしたが、踊り手が水をはねながら踊っていたのは可哀想でした。空間づくりにもっと工夫が必要だ。五箇山のように、客席を覆う仕組みも考えるべきかも。雨天の場合も、街を歩いてもらうのであれば、おわらを感じられる場をもっと街中に設けてゆくことが大切ではないか。月見のおわらは3日の晩も行われる。街流しが観られる事を祈っていよう。

大勢のお客様とステージ
10月1日(金) 新しい旅を
人は常に旅を続けている。同じ人たちと仕事や暮らしを共にしているようでいて、お互いに本当は違う存在になっている。日々生成変化しているのが生き物の常態だ。常なるモノであり得ない、変化しつづけることが人間の基本であろう。そのような前提で、日々のことをとらえるべきではないか。同じ事を繰り返しているようで、実は昨日の自分と今日の自分は違う。そうであるが故に、どんなにいやなこと、苦しいことがあっても、生き続けられる。新たな旅に出ることを考え続けたいもの。そこに、一緒に何事かを行うことも可能な人との出会いの可能性がある。自らが旅人であるという意識をもって、旅の人と出会おうではないですか。この世を去る時に楽しい人生であったと思えるのは、素晴しい出会いと濃密な時間を共有したという記憶がある場合ではないでしょうか。交わる時はしっかり交わること、共に意味のある時間を過ごしたい。自らの意志で選びとることが可能なのが人間ですから。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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