[ 金沢便り2002.6月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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6月30日(日) 石川の森づくり2002夏
白峰村での森づくりに参加。今回は草刈りである。過去3年間にわたり植えてきた、ぶなやみずならなどの植えてあるところで草を刈る。随分太くなっている木もあれば、雪で寝てしまっているけやきなどもたくさんある。お世話が必要な訳です。家族連れから若い人や年輩の人など、多様な方々にご参加いただきました。昼前に終わり、展望の湯に入る。その前に竹商店でとちもちを買う。竹睦子さんも元気に仕事をされていました。魅力的な人です。

草を刈る
6月29日(土) さくらんぼ狩り
朝から、市内を案内いただく。最初にマウンテンファームの山川喜市さんのお話をうかがう。美味しいヨーグルトのソフトクリームを御馳走になり、牧場の柵のところで、お邪魔したメンバー8人が手をつなぎ、電気を感じる。肩の力が抜ける感じであった。酪農体験を楽しませてくださるところでもある。やぎやロバ、うさぎ、にわとりなどいろんな生き物が共存している。次に、念願のさくらんぼ狩を体験。佐藤錦、ナポレオン、高砂などをお腹いっぱいになるまで食べる。楢下宿の街並や建物を見学した後、蒟蒻番所で昼食。こんにゃくのコース料理をいただき、ご主人のお話をうかがう。午後はまちづくり塾スペシャルセミナー、交流会とつづく。交流会はみつひろで行われたが、そば打ちの見学と体験もさせていただく。夜8時には出発し、金沢には2時前に着く。

そば打ち実演
6月28日(金) 初めての東北
5時半に金沢を出発、車で山形の上山(かみのやま)市へ向う。途中、北陸自動車道から上越自動道に入り込んでいたことに気付かず、1時間ほどロスする。それでも、午後1時には上山市役所に到着。まちづくり塾担当の企画財政課を訪問。その後は、夕方まで羽島さんにご案内いただく。昼は、ここが発祥の地という、冷し中華をいただく。冷たいスープがたっぷり入っていて、チューシューやしなちくも盛られているので、見た目はラーメンそっくりです。冷たくて美味しくいただけます。春雨庵、斉藤茂吉記念館、競馬場、タケダワイナリーなどを見学。ワイナリーでは専務に詳しく農場や工場を案内いただき、一番のワインを試飲させていただく。こだわりのほどがよくわかり、美味しくいただけました。夜は、カミンというショッピングセンターの2階会議室で行われたまちづくり塾に参加。熊本の小国町からも秋吉さんが来られる。多様な人が参加していることと、女性が多いことがよかったですね。交流会は高太郎という居酒屋で、0時過ぎまで続く。楽しい上山の夜でした。

ワイン工房
6月27日(木) 新しい事業
昼前に上市町商工会の勝原さんと上市高校に行き、高校生に参加してもらう事業について相談。進路指導部の先生は熱心であった。地域との関わりや特長のある活動が求められているのでしょう。驚いたのは進路指導室が大きく、何人も先生が常駐していること。昼はカミールのそばの華生(076-472-6990)で手桶膳をいただく。夕方から、松任市の職員施策提案ワーキングのプレゼンテーションを見学。今年のテーマは「中心市街地のバリアフリー」。1年で随分と進歩したものです。特別に見に来て欲しいと連絡してきた訳が分かったような気がする。昨年はプレゼン直前に、ゲストで呼ばれ、根本的な直しをしていただいたのだが、今年は自分達だけできれいにまとめていた。夜は井波で、まちづくり計画等策定事業委員会の初会合。一通り皆さんに発言いただくが、それぞれの視点から多様なご意見を出して下さった。今後の計画づくりのベースにさせていただこう。

華生の手桶膳
6月26日(水) 体験学習
『「まなび」の時代へ』(小学館、1999年)という本に、キープ協会の川島直さんのことが紹介されている。「参加者同士がいろいろ議論しながらひとつのことを決め、その中で新しい発見をしていく。納豆づくりというコンテントを学ぶと同時に、そのプロセスから学んでいく。体験学習とはそういうことなんです」。「体験学習の参加者が一番生き生きとした顔をするのは、「何をするか」を考えているとき。そして、やりたいことをやった瞬間」。体験学習においては何をしたかではなくて、何かをするためにいろいろ議論して準備をすること、そのプロセスが重要であるということです。結論ではなく、過程を共有することが大切なんでしょうね。人生も同じで、どれだけ資産を残したかではなくて、どのような人生を歩んだかが大切なのです。その過程で、どのような議論を重ね、どのような関係を結んでいるかがその人の人生を評価するポイントになります。
6月25日(火) 農泊の家族
朝も炉端でいただく。途中からは娘さんやお孫さんも参加。アンパンマンのビデオをみながら、本当に親戚の家で食事を御馳走になっている感じだ。娘さんも最初は手伝っておられたようで、如才がない。御家族に見送られて、中山家を後にする。安心院のグリーンツーリズムについては次のホームページをご覧下さい。http://www.coara.or.jp/~ajimu/。10回お邪魔すると近い親戚になるとのこと。繰り返しお世話になることが大切なこともありますね。福岡空港から飛行機に乗れば、昼には小松空港についていました。遠くて近い由布院や安心院に今後も再訪したいものです。

焼きおにぎり
6月24日(月) 安心院へ
フローラハウスで手作りの美味しい朝食をいただく。玉の湯の駐車場に車をとめさせていただいて、周辺を散策する。雨の中を「アトリエとき」までぶらぶら歩く。月曜日ですので、お客様はちらほら。11時からは玉の湯で桑野和泉さんとお話しする。いつも、明るく爽やかな印象を与えて下さる方です。今度は由布院のみなさんに城端にお越しいただこう。由布院駅に途中で帰られる今井さん、藤田さんを送り、「ねんりん」で昼食。午後は由布院の隣の安心院(あじむ)へ行く。役場のグリーンツーリズム推進係の河野洋一さんに案内いただいて、町を見て回る。直売場がたくさんあったが、どこもお客さんをしっかり集めているようです。夜は農泊のひとつ、中山ミヤ子さんのところでお世話になる。囲炉裏端で、楽しくお話をしながら、食事を延々いただく。最後は亀の井ホテルの温泉に行く。

中山さん御夫妻
6月23日(日) 再び由布院へ
福岡空港からレンタカーで由布院(ホームページ http://www.yufuin.gr.jp/)へ。今回も城端の皆さんと一緒です。最初に観光総合事務所にお邪魔して米田事務局長にお話をうかがう。その前に、湯布院を紹介したビデオを拝見するが、エンデの『モモ』をベースにした美しい作品に仕上がっていた。一旦、宿泊するフローラハウスに行き、安藤さんにお話をうかがう。奥さんがメインに織物体験や押し花体験をされているようであるが、ご主人の絡み方がさりげなくて面白い。無理がない感じです。夕方からは、亀の井別荘で中谷健太郎さんにお会いする。健太郎さんにお茶を入れていただきながら、楽しいお話をうかがう。そのまま、湯の岳庵で夕食。夜は無量塔のバーで藤林さんのお話を。いい空間で、いい音楽とお話を楽しむ。贅沢な時を過していると実感する。ゆっくりとした瞬間が続いているようだ。

フローラハウスの安藤さん
6月22日(土) 森づくり交流会
昼は名鉄エムザの地下に入っているぶどうの木でパスタランチにケーキを組み合わせていいただく。パスタランチについているパンを外して、代わりにケーキをいただくことが可能でした。11時過ぎに行ったので、空いていたが帰る12時ぐらいにはほとんど席が埋ってきていた。人気のスポットになっているのでしょう。この界隈では食事をするところが限られている印象があるので、情報が流れると、人が集まりやすいのかもしれない。午後は森づくり交流会。鶴来の樹木公園の中にある森林科学館で15団体ほどが集まる。森づくりに関わっていても、横のつながりは弱そうなので、いい機会であった。今後、情報を共有する中で、お互いの事業に参加できるといい。国土緑水の補助金をいただいた事業。

パスタランチ。
6月21日(金) 山中の手打ちそば
午後、山中町で打合せがあったので、昼はまちや(東町2-ツ24 TEL 0761-78-1266)でもりそばをいただく。めんの太さにばらつきがあるが、徐々に美味しくなっているように感じる。山中で昼食をいただく数少ない店の一つである。観光客とおぼしきシルバー・カップルが先客でいらしたが、それなりに楽しまれているようで、微笑ましい限りであった。

まちやのもりそば
6月20日(木) 実験レストラン Vol.2
梅雨に入って以降、まとまった雨は1度ぐらいである。確実に温暖化している感じだ。冷夏という予想もあるようだが、気温が高めで平均化しているのではないか。異常の常態化が進んでいるとも言える。ゆゆしきことであるが、いつのまにか日常化すると、異常さに気付かないし、あえて意識できない。夜は山代温泉のはづちを楽堂で食と工芸プロジェクトのミーティング。べにやの中道幸子さんの意欲が高いので、面白い実験レストランが出来そうである。7月31日(水)12:00から「はづちを楽堂」で行う予定である。
6月19日(水) トチノキの大木
石川・白山郷ブロック商工会女性部の事業で吉野谷村を見て回る。中宮のとうふ料理・むらうちで、とうふづくしをいただく。山菜も含まれていて、山らしい食事であった。一番最初に見学したのは、むらうちから歩いて行った笥笠(けがさ)中宮神社。境内に大きなトチノキが立っていて、見事でした。時の流れを感じさせてくれる樹です。写真に小さく写っているのは白峰村でとちもちを作っている竹睦子さん。似合っていますね。その後、加賀藩・天領境界の関所跡、仏御前安産石、佐羅早松神社、工芸の里、手取峡谷を見て回る。工芸の里の御仏供杉(おぼけすぎ)や佐羅早松神社の杉林など、魅力的な空間がたくさんあります。普段、なにげなく通り過ぎていますが、あらためて拝見すると気付くことも多い。

笥笠中宮神社のトチノキ
6月18日(火) こころの風景
氷見の高峯山光伝寺の住職・高峯正冏氏に『こころの風景』という著書がある。「行きずりの旅行者と、たまたま、「袖すり合う」ほどのはかない接触ですら「他生の縁」としての深いつながりを感得するのである。かくて、我あるがゆえに彼あり、彼あるがゆえに我ありという共存の意識からは、身勝手なひとりよがりや、我関せず式の無関心な冷淡さは表れてこないはずである」。人はいつでも、人との関わりの中で生きている。関係の濃淡や長い短いでなく、瞬間瞬間を大切に生きることである。積極的に他者とつながる気持ちが大切なのではないか。
6月17日(月) 本木という地区
夜は能都町の本木地区で古老にお話をうかがう。最初に八幡神社を見に行くが、100段の階段の下に用水があり、その周囲には蛍が舞っていた。社叢林のシルエットの上に月が浮かび幻想的な光景であった。社の中には9体の神様が安置され、珍しいものを拝見させていただきました。真ん中に本社の八幡神社があり、両サイドに4社づつ並んでいます。昔は集落ごとにあった神社をまとめたためとのことですが、バランスが悪いので、静岡から秋葉神社を招いたとのこと。一見の価値のあるお社です。一通りのお話をうかがった後、若い衆と一緒になったが、地区の名前の由来についても、良く知らない方もおり、家庭以外での交流の場が必要であることがよく分かる。さらに必要なのは、他所者と一緒に地区を見て回ることではないか。

山崎さん、小杉さん
6月16日(日) 加賀をめぐる
東京の「のとだらぼち」で知り合った「るるぶ社」(URL:http://rurubu.com/)の編集の方が遊びに来られたので、加賀をめぐる。ホップホップで地ビールとランチを楽しみ、かが旅まち・ネット(URL:http://www.tabimati.net/)で角谷明美さんと情報交換をしていただく。はづちを楽堂であらやの永井さんとべにやの中道さんを紹介、ソフトクリームのハーフサイズをいただく。メニューの作りを徐々に変えていることなどをうかがう。最後に平松牧場に行き、手作りアイスを試めしてもらう。ますます緑が豊富になってきていて、いい空間に成長している感じでした。こだわりをもっていいものを作っているとお客様はちゃんと来てくれるのですね。もちろん、それだけではないでしょうが。それにしても、いいスポットのひとつです。
6月15日(土) 明智と岩村
岐阜県明智町の大正村と岩村町に行く。大正村では、駐車場で車をとめ、大正村役場、絵画館、大正ロマン館、大正展示館、大正村資料館、逓信資料館、おもちゃ資料館、天久資料館などを見て回る。大正村資料館には天井まで届く土びなの段飾りがあり圧巻であった。管理も行き届いていて、気持ちよい空間でした。ここでの大きな楽しみは名物の五平餅。各家庭で作っていたものとのこと、それぞれの家のみその作り方に特長があったそうだが、今回は大正軒の味を楽しませていただく。1本で十分な大きさであるが、好きな人は2本食べるようである。自家製の漬け物がついて1本150円は安い。岩村に向う途中に、明知鉄道の終着駅・明智駅に行く。そこで教えられた話で良かったのは、お座敷列車を仕立てて、寒天料理とこんにゃく料理を楽しむ会を行っていること。岩村では日本三大山城の一つに数えられる岩村城に行く。駐車場から800m歩き、てっぺんへ。風が心地良かった。眼前には山並みが広がり、緑の空間に鳥のさえずりが楽しげであった。まちに下りてからは、まず、かんから屋で名物・かんから餅とたまごうどんをいただく。作りたてのもちにあんこをからめたものが2個、すりごまをまぶしたものが2個、そして、きなこをまぶしたものが1個が一皿に乗って、350円であった。きしめんタイプの細いめんが入った玉子うどんも400円と安くて美味しかった。土佐屋という江戸時代の紺屋を復元した館も見学。展示作品は城端での商品開発の参考になるものが多かった。「女城主」というブランドで酒を製造販売している岩村醸造の酒蔵を見学し、試飲させていただく。最後に松浦軒本店でカステラを買う。昔ながらの製法で作っている感じの素朴なイメージである。

土びな

五平餅
かんから餅
6月14日(金) 数馬家通夜
夕方から能都町を目指す。数馬さんのお父さんの通夜に出かける。能都町町長や興能信用金庫の理事長もつとめられた方ですので、参列者の数は並み大抵ではない。ホールから溢れた人々が玄関前にたてられたテントの中で大きなモニターで様子を拝見していた。能登の知り合いに一堂に会える場でもあった。人は死して関係を残すという感じであろうか。今日の日本海は穏やかであった。
6月13日(木) 広域と狭域
午後は富山県商工会連合会で広域事業のワーキング部会。観光をテーマにした事業の進め方について議論するが、意見がまとまらない。個々の町村でのメニュー開発会議が必要ですね。商工会のスタッフだけで検討しても、面白いアイデアは生まれないし、地域の人だけでも難しい。他所者にも参加してもらうことで、新しい視点を導入し、飛躍的なアイデアも生まれやすくなります。夜は城端で織物会館活用検討委員会。こちらは商工会女性部や織物に携わっている人など、多様なメンバーが参加しているので、議論が白熱するほどである。本音で語りあうことで、明確になっていくことも多い。参加していて学ぶことの多い場である。新しいことを創造するためには、狭いエリアでしっかり議論を重ねることが必要のようだ。八尾でTMOのプランを作った際も、上新町だけを担当したが、一つの商店街だけで議論しプランをまとめたから、リアルで実現性の高い計画になったのではなかろうか。
6月12日(水) こんにゃくそうめん「つるりんぱ」
夕方、上市町商工会で打ち合わせ。久しぶりにお邪魔したら、こんにゃくそうめん「つるりんぱ」が復活したとのこと。さっそく、勝原さんに案内していただいて、工場に赴く。人柄のいい藤田さんから「つるりんぱ]をいただく。名水百選に選ばれた穴の谷の霊水と地元産のこんにゃくいもから作られたこんにゃくそうめんです。さっと水洗いして、適当な長さに切って食べます。ホタテの貝殻の粉末で固めるそうです。お薦めの逸品です。夜は城端落語会。商工会青年部の主催、善徳寺本堂いっぱいの人であった。柳家小三治師匠の話は特に面白かった。

つるりんぱ
6月11日(火) 新しい仕事と出会い
山中と井波で新しい仕事のミーティングがある。新年度がいよいよスタートした感じだ。それぞれ、はじめて出会う方がいて、新しい仕事が新しい出会いをもたらしてくれることにつながっています。積極的に営業したわけではないが、継続的におつきあいする中から生まれてきたことで、私が理想としているパターンである。いずれも、確実な成果を生み出すことが期待されている事業であるので、地域の人々と議論を重ねながら、リアルなプランづくりと実行のお手伝いをしたいものである。朝7時に小松市日用の苔の園にガーデンラリーの撮影に行ったが、NHKで全国中継中であった。ちょうど通りかかったまちづくりリーダーの高さんに園主の大石さんを紹介していただき少しお話するが、晴天続きで苔の状態が良くなかったので、撮影は断念する。その後、ゆのくにの森にもお邪魔して撮影する。新滝室長もいらしたので、建物と庭についてお話をうかがう。
6月10日(月) 老いの様式
『老いの様式〜その現代的省察』(多田富雄・今村仁司編)に含まれている「家族の社会化と老いの行方」という今村仁司の文章は考えさせられる。「市場経済的人間をモデルとして家族的人間関係を処理しないこと、子供が早々と「市民化」することは精神に暴力を加えることだと確認すること、人生の晩期(「老い」)は「老廃した市民」でも「幼児的退行」でもなくて、それ自体の充実した宇宙とそれ特有の生産性をもつことを明らかにすること、これらのことは、「社会化」の論理とは全く異なる論理をもって考察されなければならない」(227)。教育も福祉も、生産も、社会システムの中に全てをゆだねるような生き方が結局、家族を解体し、精神的よりどころを希薄にしてしまうのではないか。社会の一般的価値観や評価を超えたところに、独自の価値や存在意義を見出せるようでないといけない。老いへの不安が徐々に高まっていくのは、肉体的に老いること、死に近づくことへの不安感だけでなく、社会的に価値や評価が下がってしまうことへのあせり、お荷物になるという認識からの精神的圧迫があるのではないか。老いを支える共同体的仕組みや家族的なフレームは解体してしまっている。それの再構築が模索されなければならない。
6月9日(日) 中谷宇吉郎随筆集
岩波文庫の『中谷宇吉郎随筆集』に、「由布院行」という文章が含まれている。大正15年に書かれたものであるから、その当時の由布院や亀の井別荘の伯父さんのことが詳しく書かれていて面白い。野菜や器 等も自分で作られていたようで、創造的な精神は健太郎さんに受け継がれているなと感じます。最後にその伯父さんの言葉が紹介されている。「何処にいるのも同じこった。来年の休みにはまた来い」。「九谷焼」という随筆には大聖寺の中村秋塘さんのことが紹介されている。小学3年生の時から英語を習いに通ったようだが、この秋塘さんは「まれびとピア懇話会」の中村元風さんの曾爺さんにあたる人である。昔の陶芸家は英語も出来たということである。
6月8日(土) あと何度、直接会えるだろう
人が生きている間に何らかの関係を結べる人は限られている。その中で、できるだけ充実した人生を送るためには、せっかく出会った一人一人とのつきあいを継続するとともに、お互いに触発的な関係であることを目指したい。そして、その頻度や時、場は違っていても、しっかりと記憶に残るようなことを積み重ねてゆきたいものです。あと何度、直接会えるだろう、ということを意識することも必要なのかな。
6月7日(金) 実験レストラン
昼はぶどうの木で、本さん、福田さんと打ち合わせ。久しぶりにパスタをいただく。みどりの鮮やかなぶどう園を眺めながらの食事はたしかに気持ちよい。本さんのぶどうの話も面白く、2時間以上すごす。夜は、山代温泉のはづちを楽堂で食と工芸プロジェクトのミーティング。会議前に、平松薫さんが特製ソフトの材料を持ってきてくれた。みんなで試食。平松牧場のソフトとは違う味に仕上がっているそうです。7月末ぐらいに、はづちを楽堂で第2回目の実験レストランを行うことに。ミーティングの最中も、観光のお客さんが結構、庭を通って散策されていた。ソフトクリームやビールなどをお出しすれば、喜んでいただけそうです。今日のメンバーの意見を聞いていて思ったのは、実験レストランなんだから、もっと自由に発想してほしいし、徹底していろいろなことを実験する場にしてほしいということ。そして、その過程にお客様も参加いただいたり、素材調達や調理にお客様が参加することがあってもよい。子供達を対象にした実験レストランがあってもいいし、おじいちゃん、おばあちゃんのための実験レストランもありだと思う。3年後には、加賀で食と工芸をテーマにした事業が定着しているようにしたいものです。そして、常に先進的な試みが行われている地をめざしましょう。

ぶどうの木のパスタ

平松さんと中道さん
6月6日(木) ガーデンラリー2002
ガーデンラリーin加賀の取材に回る。那谷寺、医王寺、はづちお楽堂、笹屋、桐と新規にご参加いただく会場にお邪魔して、お話をうかがい、写真を撮影する。那谷寺では特別拝観になっている名勝指定園を見学させていただく。医王寺さんも御住職の鹿野さんとはフードピア金沢の初回(1985)の時からのおつきあいだが、お寺にお邪魔したのは初めてでした。歴史のある空間は雰囲気が違います。はづちお楽堂は、これまでに2度見学しているが、庭について話をうかがったのは初めて。加賀市の住民から寄贈いただいた樹木を移植して庭が作られているとのこと。数十年前からそこにあるように見せているところが面白い。昼は笹屋(JR動橋駅前)さんで寿司をいただく。少しづつ工夫されていて美味しかった。料金が明示されていて安心して入れる店です。奥の座敷はそれぞれ庭が見られるようになっているので、雰囲気がよい。最後に、小松の8号線沿いにある「桐」(TEL 0761-21-0139 http://www.kiricoffee.com)に行く。喫茶店ですが、回りに庭がゆったりと作られています。田圃の中に作った店なので、全ての樹木、石は移植、移設されたもの。中庭を眺めながら飲むエスプレッソは贅沢な味わいです。ご主人の人柄も良かった。ガーデンラリーというイベントは新しい人や店、空間と出会わせてくれるいい事業です。

笹屋のにぎり

桐のエスプレッソ
6月5日(水) ごちそうさま!
能登島町商工会での広域の事業の打合せの後、民宿せがわ(TEL 0767-84-1022 http://www5.ocn.ne.jp/~segawa/)で刺身定食1300円をいただく。朝、水揚げされた魚を仕入れているとのこと。あじの刺身は美味しかった。向田の信号の角にあるのだが、昼の食事は酒の小売店の裏で提供しているので、ちょっと分かりづらいかも。夜は城端のかねしまでざる豆腐や湯葉のあんかけなどをいただく。こちらも、城端らしいメニューで特長があって美味であった。かねしま(TEL0763-62-0108 http://page.freett.com/kanesima/)は曳山会館の駐車場の続きにある。カウンターや小上がり、お部屋もあって、多用途に使える店です。安心しておすすめできるお食事処の一つだ。

せがわの刺身定食
6月4日(火) 鶴見俊輔
7月6日に加賀に講演のために鶴見俊輔さんがいらっしゃる。80才になられるはずであるが、元気だ。社長の部屋で『歴史の話』という網野喜彦氏との対談集を見つけた。哲学者の話は対談で読むとわかりやすい。西田幾太郎のことについても語っていて、ゆっくり読みたい本である。
6月3日(月) フラジャイル
昨日見つけた『フラジャイル』(松岡正剛著、筑摩書房)。その帯に書かれた言葉を紹介しておこう。「弱さは常に過激である なぜ、弱さは強さよりも深いのか? なぜ、われわれは脆くはかないものにこそ惹かれるのか── 薄弱・断片・あやうさ・曖昧・境界・異端など、従来かえりみられてこなかったfragileな感覚に様々な側面から光をあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。」弱音を吐くことをすすめるものではなく、弱音を聞くことを重視している。「強大な国家よりも弱小の民族が、強がりの競争よりも弱がりの文化が、完全をめざす組織より欠陥をいとおしむグループが、自信よりも危惧が、制圧よりも葛藤が、定着よりも遷移が、勝者の演劇性よりも敗者の物語性が、実は豊かな情報を含んでいる。」「事柄や現象の量の大小にかかわらず、「僅かな変化」に注目するということである。「近さへの冒険」をするということだ。」これからのことを考える上で基本に据えるべき視点かもしれない。
6月2日(日) はづちを楽堂
昼に山代の「はづちを楽堂」(山代温泉総湯横、TEL0761-77-8270 URL http://www.avanty.com/hadutiwo/)をのぞく。草餅ぜんざい500円をいただく。あずきがたっぷり入っていて、これだけでお腹がいっぱいになりそうであった。べにや無何有(むかゆ)の中道幸子さんに少しお話をうかがう。彼女のように地域のために頑張る人がいて初めて、まちは魅力的になっていくもの。今後の展開が楽しみだ。13:30からは九谷美術館で、中村元風さんによる作品解説を楽しむ。九谷焼を作っているが故に語れることも多く、特に収蔵作品を預かり、詳しく研究した体験に基づく話は面白い。最後はホップホップで夕日を浴びながら、地ビールと「宇吉郎」と美味しい料理を楽しむ。

はづちを楽堂の草餅ぜんざい
6月1日(土) 出会いとつながり
人と出会うことが人生を魅力あるものにする基本です。新しい世界は常に人との出会いによって開かれる。例えば、大学時代、最初にコンサートに連れっていってくれたのは国立市から通ってきていた同級生であったし、展覧会に誘ってくれたのは宮崎出身の同級生であった。おかげで、東京にいた間にコンサートや展覧会にたくさん出掛けたものです。そして、現在、心掛けているのは、一人の人、一つの地域とできるだけ継続しておつき合いすること。そのようなつながりを大事にしてくださる人や地域と関わっていきたいと考えています。意欲的に何かに取り組もうとされている人と一緒に行動することは、自分にとっても、すごく刺激的で触発されることが多いはずです。限定された時間をより充実したものにしたい。

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