[ 金沢便り2005.4月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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4月30日(土) 問う存在
「人間とは問う存在である」とは、O.F.ボルノー『問いへの教育』(川島書店)の一節です。人間は問いを立て、それに答えることにより、自分の世界を広げてきた。その繰り返しにより、知識を拡大し、自分の生の活動領域を広げることが可能になってきた。好奇心と言ってもよいのでしょうが、そのような興味関心が高まることが人生を豊かにする要因です。教育においても、対象となる人々を知的に刺激するプログラムを考えないといけない。さらに、観光などでのガイドについても、そのような配慮が必要だ。お客さまに質問を投げかけることを通して、対象に対する疑問や関心を持っていただく。個人としても、常に本質的な問いを抱き、それへの暫定的な答えを出し続けることが必要です。答えは常に暫定的なものでしかない。完璧な答えはあり得ないことを了解しておくことも大切です。
4月29日(金) スイーツ
武蔵が辻にあるエムザに朝一に行く。開店前に着いたので、3階でしばらく待っていたが、お客さんが多い。開店と同時に全員が8階に直行。8階の催事場では「北海道スイーツフェア」が行われており、お目当てのお菓子を買い求めるためにすぐに行列が出来ていました。恐るべし!スイーツの吸引力です。本来は違う目的で行ったのですが、つられて一緒に会場に行ってしまい、クッキーとロールケーキを買いました。小さな売場でのイベントですが、特長のあるものを用意するとお客様がいらっしゃるということですね。北海道から空輸している数量限定のケーキ類が人気のようでした。「北海道スイーツフェア」は5日まで開催。
4月28日(木) 国の公募事業
経済産業省の公募事業に申請書を出すための手伝いが完了した。サービス産業の創出を促進するため、その 初期段階の経費を助成するという事業である。申請書を一通り作ってみて感じたことは、このような作業を通じて、事業の具体的イメージが徐々に明確になるということである。現状認識からスタートし、課題を絞り込み、その解決策を推進するためのコンセプトを設定し、細部を描いてゆく。コンセプトとディテールの往復運動の中で、はっきりしてくることも多い。次に必要なことは実験的な試みを重ねていくことである。城端や南砺地域、能登、白山麓等でお手伝いしてきた体験メニューの実験も本格的な事業化に向けた新たな取組みが必要である。

吹きガラス体験(能登島)
4月27日(水) 地域づくりの未来
地域づくり推進協議会の運営委員会が地場産であった。持続可能な地域づくりの推進のためにどのような活動を展開してほしいか、提案する。継続する事業主体を形成し、お金が回る事業を行うこと、そして、そのような活動に仕事として関われるような構造を産み出すことが重要である。コーディネーターはボランティア的に関わっている面もあるが、基本的には業として関与しているのであり、対価がいただける状況を産み出すことを目指さないと、関わり続けることは難しい。そのためにも、事業主体を形成してゆくことが大切である。プロとして活動を行う主体が地域に増えることが魅力的な地域づくりになるのである。例えば、趣味の会としてそばを打つ活動を行っているグループと、仲間で金を出し合いそば屋を営業することでは、どちらが地域に貢献しているか。他所からお客を集め、従業員を雇用しつつ、そば屋を営業し続けることに大きな意義がある。それが、門前の手仕事屋の存在意義ではないか。

手仕事屋のそば
4月26日(火) 最大の森林問題
石川の森づくりの役員会があった。ナナオの高嶋相談役が言われていた通り、世代交代を進めるべきなのだと思う。新たな活動を展開してゆくためには、新たな人事が必要だ。継続的に活動するステージができることで、逆に運動が矮小化されていく面がある。森林問題の本質はどこにあるかがみえづらくなるおそれがある。日本における最大の森林問題は人工林の保全活用が滞っていることである。循環型社会、持続可能な森林のためには、国内産の樹木を活用する仕組みを構築する必要があるが、里山での活動に限定するような印象を与える運動になると、本質からづれていくであろう。里山の保全も重要な課題であるが、人工林の問題にも取り組むことが社団法人としての社会的使命であり、設立の経緯からしても必要不可欠なことである。ボランティア活動で解決できる問題ではないが、未来世代のために持続可能な森林育成を進め、環境を保全していくことを目的に設立された公益法人ならば、問題解決のための社会的活動を継続すべきであろう。
4月25日(月) 切実な問題
能登町でまんなか市の会議に参加。初めて参加されたであろう商店主からの問題提起で一気に議論が盛り上がる。鉄道が廃止されて、これまで週3回来ていたお客さんが1回しかこれなくなったという事例が出された。電車であれば、駅員さんが荷物を電車に乗せてくれたので、買い物しても大丈夫だったが、・・・。高齢化が進む地域にあって、商店街の生き残りのためだけでなく、地域の生活者の暮らしを支えるために、何が必要かをよく検討しないといけない。病院に来たついでに買い物しているお客が多いので、診療科が減るとお客も減るという現象もみられるとのことであった。買い物したものをお届けするサービスは必要ですが、お客様には買い物に来ていただくための交通手段の確保が不可欠です。買い物や病院に行くための乗り合いタクシーなどを考えていただきたいものである。
4月24日(日) 49日法要
先月亡くなった叔父の49日法要が小松のお寺で行われた。快晴に恵まれ、心地よい日和でした。お寺でお経をあげていただき、本堂の本尊の下に納骨。その後、墓地に行き、お墓に納骨する。お墓の構造が違うので、どのように骨つぼを納めるのか分らなかったが、ようやくみつけて無事納める。墓地でもお経を上げていただき、無事終了。列席者全員で昼食を食べることになり、中佐本店でいただく。お寺に納めたお骨は30年ほどは本堂に安置し、その後は境内の納骨堂に納め、いつかは土に帰ることになる。30年間の供養のために永代経を納めるとのことでした。今後の課題は一人になった叔母さんをどのようにサポートするかということです。
4月23日(土) 月と桜と合掌
夕方から五箇山の菅沼集落で過ごす。先日より桜の開花がすすみ、一段ときれいになっています。資料館の横の桜2本はこれからです。山の端にまんまるい月があがり、青い空に映えます。絶好の撮影日和で、カメラと三脚を抱えた人が多かった。与八で天ぷらうどんをいただき、荒井さんの店でコーヒーをいただく。明るいうちから、完全に暗くなるまでいたが、遅くまでお客さんが訪れていました。ライトアップは8時が目処になっているが、お客さんがいる間は点灯しているようだ。そこが小さな集落のいいところかもしれない。ただし、ライトアップの仕方をもっと工夫する必要があります。カメラにライトの強烈な光が入る場所が多かった。せっかくの桜がライトの光が明るすぎて飛んでしまいます。さらに、集落の中をもっと美しくしていけるといいですね。そうするとそこに住んでいる人も気持ちいいはずです。他所の人間もお手伝いできる仕組みを作りたいものです。

月と桜と合掌の館

暗くなって
4月22日(金) こたにあゆみさん
かつて石川テレビでアナウンサーをしていたこたにあゆみさんからメールが届いた。23日(土)20:00〜23:00にNHK教育で生放送される「ETVワイド・共に生きる〜できない子って言わないで〜」の案内です。こたにさんも出演するそうです。彼女はNHK教育で20:00から放送されている福祉ネットワークの司会をレギュラーでつとめています。福祉ネットワークは障害のある人が身近にいない人にとっても参考になります。今度の番組についての彼女のコメントです。「関係ある方はもちろん!関係ないと思われる方も、ぜひ、一度、ご覧になってみてください〜。 なぜなら・・・、他人のこと。家族のこと、自分のこと。いろ〜んなこと、そして、人生を考えるヒントにもなると思うのです。きょう、番組内容の打ち合わせをしながら、ほんと〜に心から、そう思いました。」
4月21日(木) クリエイティブ・シンキング
『クリエイティブ・シンキング』というタイトルの本を見つけた。松林博文著でダイヤモンド社から2003年に刊行されたものです。私どものような仕事にとって不可欠な話なのでとりあえず買い求めて、少しずつ見ているが、面白い。新たな事業や施策創造が必要な時代にあって、基礎能力として創造的発想力が必要だ。発想を縛っているものを解きほぐすためにも、このような本を参考に、当面する課題について考えてみていただくとよい。その上で、言葉ではなく、絵や図で表現してみてほしい。
4月20日(水) 桜咲く合掌の里
午後から城端で農家民宿についての相談があった。その間も激しい風が吹き荒れ、いろんなものが舞っていました。山裾典型の風のようです。その後、五箇山に行く。風は五箇山の人達にとっては強いようでしたが、城端にくらべればやさしい。菅沼の合掌集落では桜が咲き始めていました。取り囲む山の斜面には新緑がきれいに眺められます。桜は今週末がちょうど見頃かもしれません。北陸ツーリズム学校に参加してくれていた荒井さんの萱場に咲くカタクリも観に行きたいものです。彼の店には大きな写真が掲示してありました。

桜と菅沼集落
4月19日(火) ツーリズム
能登空港であった能登ネットワークの例会でツーリズム事業について説明する。ツーリズムの考え方とその広がりについて、少しはご理解いただけたであろうか。パワーポイントを使って、新たなに説明資料を作成して臨む。ツーリズムのコアにあることは、少人数で対話を重ねながら体験共有することで、共感が残ることである。例えば、一緒に飲食しながら、いろんな話をした人は記憶に残るものですし、何かあった時にも連絡がしやすくなる。最近の反日デモのニュースを見ていて思うのは、中国の人とどれだけ対話したことがあるか、いつでも連絡できる人を持っているかということ。個別・具体的な関係を蓄積していかないといけない。
4月18日(月) 散りゆく桜
事務所の前の弥生小学校の桜が散って、風に花びらが舞っています。春らしい風情です。雨は降らなくても、花びらは役目を終えて幹から離れて行くものなのですね。葉桜に様相は確実に変わっています。山野の落葉樹は緑の新芽を出しはじめています。これからしばらくは清清しい日々が続きます。季節の変化を満喫したい。
4月17日(日) 中国にとっての日本、日本にとっての中国
中国での反日デモが続いている。それは何故か、よく考えてみないといけない。中国が日本に攻めてきた歴史は元冦があるくらいか。これまでの歴史の中で、辺境の地・島国である日本にそれほど、中国の為政者は興味を示さなかったということかもしれない。日本の国際社会における地位や経済力が高まることで、中国にとっても座視できない存在になっているということか。軍事的には、日清戦争以降の戦争のように、中国と武力で戦うことは無理であろうから、それ以外の面での争いや関係が重要になる。「歴史認識」ということが要因となっているのならば、そのことをもっとお互いに明確にしていくべきだ。多くの人々が行き来し、それぞれに暮らしていることを前提に、為政者はもっと対話をしっかりすべきである。それが外交ということであろう。
4月16日(土) 四季の五箇山・春の宵
午後、富山に行く。松川での遊覧船の様子をみたかった。すでに散り始めた桜の花吹雪が舞う中、遊覧船がゆっくりと松川をいったりきたりする様は絵になっていました。富山城址公園の花も満開で花見客がいっぱいでした。その後、五箇山に向かうが、桜はまだでした。つぼみが開きかけた木もありましたので、来週末にはきれいな桜の花が咲いていることでしょう。夜は五箇山インターを下りて直進するとたどりつく合掌の里で民謡披露を拝見する。四季の五箇山・春の宵のスタートの日のイベントであるが、もっと魅力的な場にできうる事業です。春の宵の最終日・5月14日には、おわらとの競演も予定されています。食談議もあります。

民謡披露
4月15日(金) 港町の魅力
まんなか市があった能登町の宇出津に行く。「あたか」(TEL 0768-62-0517)さんという役場のそばの料理屋でお話をうかがうが、地物へのこだわりは強い。まぐろ以外は総べて地物とのことであった。まぐろもたまに地元であがるので、それを使うこともある。近くの漁港であるセリ(朝7時と午後3時、土曜日はない)にはすべて顔を出し、素材を選ぶ。予約いただければ、希望のものを仕入れて出すことも十分可能だ。ふらっと来られたお客さんにも、試していただきやすいように、「刺身定食1500円」や「コース料理3000円から」の表示をお願いする。最近は仕出しの仕事がある場合も昼は営業しているとのことです。港町で美味しい魚が食べたい時は、ここで試していただくとよい。新鮮な魚が食べられる店が多い事、そして、土産に新鮮な魚が買える紙子鮮魚店のような魚屋が多い事も大きな魅力だ。

あたかの刺身
4月14日(木) むらづくり
鳥越の直売所勉強会で講師をつとめた。今年初めての講演です。その前に、長助で一揆そばをいただく。10年以上にわたって何度も食べ続けてきたので、懐かしい味がしました。若旦那と少しお話ししたが、地域はそれぞれ自立を目指すべきとのご意見であった。その後、勉強会に臨んだが、昨年10月にも参加しておられたメンバーが半分以上参加されていて、出席者からの質問や意見もたくさん出ました。今後が楽しみになってきました。にわか工房のように、住民の皆さんが主体となった法人を設立いただいて、経営を進めていただきたい。とにかく今年から実験を繰り返し、実績を積む事が大事だ。
4月13日(水) 持続可能な地域づくり
持続可能な地域づくりと言い続けてきた。石川県の地域づくり推進協議会は100団体が参加しているが、活動テーマも組織レベルもさまざまである。参加団体に期待していることは、ステップアップして、持続可能な取り組みをして欲しいということ。純粋ボランティアで活動すべきこともあるかもしれないし、趣味の世界で留まることもあるかもしれないが、地域づくりを標榜するのであれば、地域をより魅力的な場に変えるための活動を継続してほしいし、後継者が生まれたり、専従として仕事ができるような状況を産み出すことに努力すべきではないか。地域に循環するものや仕組みを産み出してこそ、運動は広まるはず。我々がおつきあいできるのはそのような志向性をもった団体だ。
4月12日(火) 満開の桜
桜がほぼ満開です。残念ながら午後からは雨が降ってきて、きれいな写真をとりそこないました。それでも、まだ開ききっていないのか、花は散りません。明日も大丈夫でしょう。短い花の命を思いながら、窓外の桜を眺めて過ごした一日です。昨日、スタッフが事務所の中の階段を滑り落ちたので、手すりをさっそくつけた。初めて救急車を呼ぶ騒ぎになったので、すぐに対応しました。
4月11日(月) 葡萄夜
新人研修会の後、歓迎会を鰯組で行う。皆で来るのは久しぶりのこと。春らしい山菜の天ぷらなどもあって、楽しませていただく。そのあと、新人スタッフが学生時代にアルバイトしていた「葡萄夜」(片町2-8-18 中田ビル1F 076-263-0106 日曜定休)というスナックに行く。経営者もスタッフも総べて金沢美大卒業生や現役生だ。香林坊109の裏通りにあって、分りやすい。この手の店としては外から何となく中が見えて入りやすいかもしれない。経営者は学生時代、緊縛を研究していたというが、明るく会話が楽しめていい。

葡萄夜の春らしい一皿
4月10日(日) 花見
兼六園、金沢城の花見に出かける。香林坊から広坂通りの桜を眺めながら歩いて兼六園へ。兼六園は大勢の人で賑わっていました。石川門から金沢城の中へ。お城の中にも桜があります。老木に混じって若い木も植えられています。世代交代を進めているようです。体育館の横の坂道を下り、中央公園を横断して、うつのみやへ。中谷健太郎さんと辰巳芳子さんの『毛づくろいをする鳥たちのように』を見つけて購入。新しい本に出会うと、世界が広がります。異常に暑い日でしたが夜には雨が降り始め、冷えてきました。

石川門と桜
4月9日(土) 金沢でおわら
浅の川園遊会に越中民謡おわら保存会の皆さんが出演された。浮き舞台での公演の後、東茶屋街で街流しもありました。街流しの前後に、八尾の皆さんのところにお邪魔したが、さすがに寒かったようで、酒がすすんでおられました。昨年同様、箔座ひかり蔵の2階から眺めさせていただきました。金沢から八尾に通い続けている長井御夫妻と八尾・上新町の「つどい・おかめ」の谷井昭美さんも一緒でした。ご主人は胡弓をひいて街流しに参加しておられました。最後には谷井さん、長井御夫妻にひかり蔵の2階で踊りの手ほどきもしていただく。程よいお客様の数で、八尾から来られた保存会の方々も楽しんでいただけたようで何よりでした。八尾の皆さんをお見送りした後、茶屋街にある「まいまい」という店でメディアプロデューサーの金森千栄子さん、金沢工業大学の水野一郎さんたちと楽しい一時を過ごす。フードピア金沢の最初の頃の企画会議のようでもあった。

東茶屋街でのおわら
4月8日(金) 何のための交流か
緩やかでしなやかな関係性を保つこと。全ての人は旅人であり、まれびとであるという発想。出入りの自由がある「定住」=「準定住」でよいのではないか。固定的なイメージはよくない。外に開かれた地域づくりを進めることが、移住者の出現につながる。そのためにも、交流事業に取り組むべきである。狭い範囲で交流を考えても駄目。観光の深化のためにも、交流に主眼をおいた楽しみを創出することだ。光に圧倒されることでなく、光に触発され、新たなものを創出する力を地域が有する。そのような触発する力のある人を地域に集積すること。地域力とは、地域人の暮らしを育む力である。時にはネットワークで物事が産み出されることもある。環境に生かされていることを体感的に学べる場を用意することが大切だ。海も山も、気候も豊かであるからこそ、人を育み、古代から人が住み続けることが可能であった。地球環境があるがゆえに人は誕生し、長く命をつないできた。地球だけでなく、太陽をはじめとした宇宙とのつながりも重要だ。そのようなことも含めて出会えることで素晴しい舞台になる。それは、総合芸術と言ってもよいかもしれない。創造的な事業として交流に取り組むことが大事だ。
4月7日(木) 桜咲く
事務所の前の公園の桜が咲き始めました。お隣の中学校、小学校で入学式があり、春らしい雰囲気になってきました。市内を車で走っていても、半分以上咲いている桜の木を見かけたりします。毎日温かいので一気に花が開いています。金沢は今週末が桜の見頃です。土日と行われる浅野川園遊会が楽しみですね。土曜日の夜には東の茶屋街でおわらが見られます。昨年同様、今年度最初のおわらを金沢で拝見させていただきます。

咲き始めた桜
4月6日(水) 地域にとって必要なこと
地域にとって優先的に必要なことは何か。いろんな課題が山積しているが、どの問題解決を優先させることが地域を暮らしやすい場に変えることにつながるのか。大都会に一旦出た者も、その気になれば帰ることができ、他所の地域出身の人も移住してくることが可能な地域になりうるのか。そのためには、地域なりの生計が成立するような仕事や仕組みが必要です。大都会のような大きな収入は必要でなくても、子どもの創造性を育むことができること、老後も社会的な役割を果たしつつ、安心して人生を全うできることが重要です。その上で、生活を楽しむ場が必要だ。地域の資源や人材を活かした新たな事業開発、学習する舞台としての仕組みづくり、高齢者の社会参画と医療・福祉の充実が優先課題ではないか。
4月5日(火) 臨地まちづくり学
滋賀の織田直文さんから本が届いた。『臨地まちづくり学』(サンライズ出版)というタイトルです。名前に込められた意味は深そうですが、地域で地域の人々が主体となった活動を行うことがまちづくりであり、そのことにどのように外部の人間も関わるか。地域の人々の視点で見れば、自分達が地域の環境や人材、産業、歴史・文化等をベースにどう魅力的なまちづくりを主体的に進めるか。そのプロセスに内部の人間と外部の人間をどう巻き込むか。外に開かれた創造的なまちづくりを志向した活動を提案しているのではないか。織田さんは金沢出身で、長く滋賀県をフィールドに活動されてきた人です。フードピア金沢の事務局をしている時に取材に来られたのがおつきあいの始まり。最初に滋賀に呼んでいただいたのも、織田さんでした。
4月4日(月) じっくり読む
連日、定住促進施策の報告書の最後のまとめをしています。校正のためにじっくり読むと修正すべきところが多く見つかります。時間をかけてみないと駄目なものです。校正のプロがいるくらいですから、最後のフィニッシュワークとして、一番重要なプロセスです。しっかりチェックしておかないと、印刷されてから間違いが見つかると、その仕事そのものによい印象が残らない。せっかくの印刷物が使いづらいことになるので、夜遅くになっても、校正を続けています。
4月3日(日) 春を味わう
昼は石亭で天ぷらをいただく。目の前で揚げていただけるカウンターコーナーが設けられています。ささやかながら、4月下旬に高知に旅立つ吉村さんの送別会を浅田屋の大谷さんとしました。由布院で出会った学生インターンが縁で知り合ったのですが、地域づくり推進協議会の運営委員もしてもらいました。金沢大学の助手を辞めて農業を始めるというのが面白い。由布院に研修に行っていた角谷明美さんも農家の嫁になりましたから、新しい流れかもしれませんね。土に足をつけ、生き物と一緒に生きていることを実感できる仕事は人生を豊かにしてくれるはずです。

稚鮎の天ぷら
4月2日(土) 雪割草
門前の猿山岬にある雪割草の群生地を見に行く。10年ぶりぐらいであろうか。2度目のことです。星野さんに案内いただいて、見にいったことがあるだけでした。その際は歩道に柵もなく自由に群生地に入れましたが、さすがに今は歩道も整備され、柵も設けられています。幸いなのは歩道がないところにも雪割草が群生しているとこが多くあり、傾斜も急なので保全されそうなことです。残念ながら不届きものが盗んでいくようで、巡回指導員のような方もいらっしゃいました。自然に生えているものを取っていっても、うまく根付かないことが多く、種から鉢で育てたものの方がよいというのは重要な話です。植物も環境に順応して成長するのです。猿山岬の自然に生えた雪割草はあの場所で観るからよけい素晴しく可憐で貴重な存在なのです。

斜面に生える雪割草
4月1日(金) 新人登場
年度が新しくなって、我が事務所にも新人が入った。金沢美術工芸大学の卒業生です。2年続けて、新人が入るというのも珍しいこと。新たな事業展開を考えようという社長の意向が働いているようだ。これまでのグルーヴィにはいなかった性格の人です。何事にも積極的なところがよい。これから必要なのは、好奇心旺盛に新しいことに挑戦する気概と、回りの人間から吸収しつつ、自らのものを創造してゆくバランス感覚のようなもの。従来の仕事の仕方、事業内容を大きく転換すべき段階にきており、その意味ではぴったりの人材かもしれない。相互に触発されつつ、魅力的な地域づくり、仕事づくりを進めたい。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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