田舎のお金じゃない豊かさ

写真:野菜のおすそ分け、野菜の種類で誰が置いていったか分かるから不思議~

2021年6月、夏至

北陸も、梅雨入り。
年間降水日数一位を獲得したこともある石川県ですからね、こちとら「梅雨入り」と聞いても、へぇそうですか、ってなもんですけども、
今年の梅雨は気温が下がらず、なんとなく蒸しっとした、もやっとした毎日が続いています。

さて、今日は田舎の人付き合いについて、書いてみようと思います。
昨年来、ありがたいことに「能登に住んでみたい」とおっしゃっていただく方からの相談が増えております。
移住希望者さんが知りたいことの基本は、住まいとお仕事と、そして「田舎での人付き合いについて」。

確かに、田舎での人付き合いは、都市部とのそれとはだいぶ違いますな。
「土地の人」が大多数なココでは、縁続き、同級生、先輩後輩、仕事の同僚などなど、人のつながりが無限大です。
職場のあの人は、最近お友達になった子の義理のお兄さんだった、とか。
よく行く食堂のご主人が、仕事先のちょっと苦手なおじさんと同級生だった、とか。
そんな人間関係が、そことこに広がります。
誰かが誰かのお知り合いの社会では、人間関係を把握するまでは迂闊な発言には要注意ですよ、気まずくなりますよw

そして、田舎には相互扶助の関係性があります。昔からある、おあいこの助け合い精神。
今でも、野菜のおすそ分け合いをしたり、漁師さんが知り合いの農家さんにお魚を分けてあげて、その農家さんはお米を分けてくれる。
祭りに人手が必要なら男衆も女衆も出張って働き、自分の祭りの時にはお返しに手助けに来てくれる。
草刈りが大変と聞けば、草刈り機をしょって手伝いに行って、お礼にビールをもらって帰る。

田舎は金銭的に豊かじゃないかもしれないけれど、人と人とのつながりと信頼があれば、物々交換的経済が生活を豊かにしてくれて、お金の介在しない社会的サービスを交換しあうことができるんだなぁと。すごいぜ、相互扶助的関係性。

「田舎の人付き合いはちょっと・・・」という気持ちも分かります。
地元の人は、何代かに渡って築いてきた人間関係があるから普通にやってますけれど、移住者にとってその関係は不思議ワンダーランドで、馴染めないこともあるかもしれません。

馴染めなくても、暮らしていけばそのうちなんとかなる、というのが私の持論です。
田舎では、地域の活動が必ずあります。まずはそこに参加して、自分の顔を売って自分を知ってもらいましょう。
何度か参加すれば、お互いの顔と名前を憶えていくし、何をしている人か、なにが好きなのかなどわかってくれば、話題も広がっていきます。
なにもしなくても、自分のことが田舎の無限大の人間関係に徐々に伝わっていって、いろんな人たちとの付き合いが自然に始まっていきますよ。
付き合いしてみて、馴染めないわぁという人がいたら、少し遠のけばいいこと。
地元の人だって、「あいつとは付き合いしない」って表立っていう人も結構いますから、そこは気にせずにいればいいんです。

ただし。最初のウチは、先制攻撃が激しいのは覚悟してください。
みんな、あなたを構いたくて仕方ないんです、色々教えてあげたいんです、助け合い精神満タンでいつも助けてあげたいって思ってるんですもの、ほっとくわけないじゃないですかw
何かと世話を焼かれるのにびっくりし、傍若無人な質問攻めに辟易とするかもしれませんが、時間が経てば収まってきます、一過性の発熱のようなものだと思って下さい。
そして、こういった彼らの行動は、あなたを歓迎していますという、ストレートな愛情の表れなのです。
お互いの程よい距離間が分かってくれば、良いお付き合いをしていけるようにキットなりますから。

何卒、是非とも、ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。