代表取締役社長
上野 謹一(うえの きんいち)さん
金沢や野々市、かほく、県外も含め「もりもり寿し」を10店舗以上経営。平成28年3月に、社長の出身地・能登町に「もりもり寿し能登総本店」を開店。客席数は約80席、スタッフは30名ほど必要になります。新たな店で一緒に活躍してくれる人財を募集中です。(2015年12月15日)
業界に入られたのはいつからですか?
18歳の時に板前として就職したのが、回転寿司チェーンでした。現在49歳なので、もう30年以上前のこと。そこにいたのは1年弱で、その後は和食、洋食、テイクアウトのお店など、いろいろなところで経験を積みました。平成4年に野々市の店を開店、回転寿司の店でスタートしました。江戸前のカウンターの寿司店でも良かったが、人に着く商売より、店に着く商売がいいという考えがあり、回転寿司にした。
人に着く商売というのは、マスターがいないと商売にならない。創業当時は、接客も丁寧にできるでしょうが、何年も経ち力も着いてくると、「最近マスター愛想が悪いのではないか」とか言われやすい。そこで、店に着く商売である回転寿司をした方が良いと判断した。元気な板前が居て、おいしいな、家からも近いし、いいんじゃないかということで来ていただけるお店、それが回転寿司だと思います。それが自分の性分にあっていたということです。
多店舗展開のねらいは?
生活を豊かにするために、店舗を増やしてきた。経営者もスタッフもより豊かな暮らしを実現するためには、会社も豊かにならないといけない。そのために、新たな出店をしてきました。自分の人生としては、いろいろやらせていただいたので、これからは、従業員やお客様にお返ししたい、地域の皆さんにお返ししたいと考えています。経営ということに力を入れられるようになったのは、経済的にゆとりが生まれてきた結果でもあります。
「能登総本店」ということで宇出津(能登町)に出店される意図は?
能登に私の原点があります。価値観や思想、五感で感じることで形成されたものがいろいろあります。私の人間性を作り上げてくれた土地ですから、そこに戻って、50歳にして見直すべきこともあるでしょうし、教えられることもあるでしょう。少し成長したことでお役に立てることもあるのではないかということで、総本店とさせていただきました。
結果として経済活動は損得なので、あまり好きではない。でもボランティアでは生きていけない。そこは経営者としても一人の人間としても歯がゆいところです。不幸な人がいるから、全部手を差し伸べて幸せにできるのかと言われれば、それはできない。10人が一斉におぼれています、全部を救えるだけのパワーがあるのかと言われれば、それほどでもない。それでも、少しずつですが、損得とか、自分のことだけでなく、人様のことも少しは考えて、事業を行う力をつけさせていただいたので、能登に恩返しができればということです。
人口減少や高齢化が進む地域の将来のためには、仕事を作り、若い人を増やさないといけないという地域の切実な課題もあり、我々の出店計画を好意的にとらえていただき、地域の皆様に応援していただけるという、よいタイミングなのだと思う。
出身の方に地域で新たな商売を始めていただけるのはありがたい。
地元の近しい方々は心配してくれます。宇出津に店を出して大丈夫?と言ってくれる同級生もいますが、能登総本店は我々の事業の土台を強くしてくれるのではないかと期待しています。ブランドもストーリー性も上がります。これまでは、一番北でもかほくにお店がありましたが、能登に総本店があることで、会社としてのブランド力が磨かれるのではないか。そういう戦略的なねらいもあります。
能登で教わったことが今の私の生きることに影響をあたえているのは間違いないので、その能登へ、何がしか私ができることで何かお役に立てることが出来れば、私もうれしい。そうは言っても結果を残さないと、次に続きづらくなりますので、商売としては軌道に乗せることを最優先で考えています。
お寿司だけのお店になるのでしょうか?
20名ほど入れる座敷(小上がり)は作ってはいますが、居酒屋のようにするつもりはありません。宴会需要もあると想定していますし、そのような期待を言われる方もいらっしゃいます。6人掛けを3つつなげるような設計にしてあります。回転レーンのまわりには60席あまり座れるようにしてあります。子どもさんは寿司が流れているところがいい、新幹線が来るところがいいと言われます。
募集職種は?
調理やサービスなど、いくつかの職種で募集していますが、いろいろな仕事を試してもらい、経験を積み、よりふさわしい仕事についていただければと思う。80席ある店ですので、パート、アルバイトも含めて30名ほど採用させていただかないと、シフトが回せないと思います。
営業時間は11時から21時までを予定していますが、中休みをとるかどうかはまだ決めていません。営業時間についても、お客様の動向をみながら対応を考えたいと思います。
調理の経験が無くても大丈夫ですか?
調理ができなくても大丈夫です。一から教えて育っていただきます。最初からできる人は一人もいません。できないことは何もないです。遅いか早いか、その人の体質とか、向き不向きもあります。身体で覚える仕事ですので、技術的なことは、数をこなせば、時間でおぎなえると思います。だれでもできるようになります。
何事でも極めて行くという面では、答えのない仕事ですので、職人としてどういうものを求めるかということを突き詰めると、死ぬまで修行です。しかし、それらしくなるまでには、それほど時間はかからない。一通りの寿司が作れるようになるためには1年もあれば、できるようになるのでは。仕入れとか管理とか、知識も必要ですし、そのようなこともトータルにできるようになるためには、3年ぐらいは必要ですかね。厨房を管理している人が仕入れの注文をしますし、スタッフのシフト管理も行っている店もあります。大きな店では、店長が厨房の責任者とは別にいて、店長がシフト管理、売上管理を行っています。板前が必ずしも店長になる必要はありません。ホールをマネジメントできる人間が店長でも構わない。そこは業務がうまく回るように役割分担ができればよい。
店舗運営の基本は?
お店の売上目標は設定していない。目標を設定すると無理に売り上げを創ろうとしたりします。それは結果としてお客様に負担をかけ、お客様との関係を悪くする原因となりかねません。今日お越しいただいたお客様に満足して帰っていただくこと、それが一番大切です。今日出た数字は今日の結果ではありません。あくまでも3年、5年営業した先の今日の数字の結果です。本当に結果が出るのは、2年後であったり3年後であったりします。山に雪が降り、森や地中に蓄えられた水が川になり、田を潤し流れ下って、それが私たちの水道の蛇口をひねって出てくるようなイメージです。今日の数字に一喜一憂する必要はない。今日の数字よりも、今日一日どんな仕事ができたかということの方が私は大切だと考えています。現場の人たちには美味しいものをお出しして、喜んで帰っていただけるように心がけて欲しいということを常に伝えています。
野々市のお店も24年目に入りますが、そこでの営業数字がかわらない。お客様との信頼関係が出来上がっていて、商品を変えなければ、これからもよいお取引をいただけるのではないかと思う。
事業データ
企業名:株式会社ウエノフーズサービス
代表者 代表取締役社長 上野 謹一
所在地:〒921-8063 金沢市八日市出町900番地
連絡先:TEL 076-259-1094 / FAX 076-259-1095
まずは、上記連絡先または能登定住・交流機構事務局までお問い合わせください。