▼参加団体紹介
能美の里山ファン倶楽部
[事務局]
能美市役所中山間地振興課内
能美市来丸町1110 〒923-1297
TEL 0761-52-8006
FAX 0761-52-8020
辰口の里山の保全と活用を進めるために設立。炭焼きや森歩きなど、具体的な活動を通じてファンを増やすことを目指している。組織や事業としての自立が課題でもある。
MyPage19号に掲載
(2007年3月発行)
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里山の保全と活用がテーマ
能美市の約5割を占める里山地区。過疎化、高齢化が進んでいる。さらに、有休農地や林業の衰退により放置林が増えるなど、下流域の能美市全体への影響も懸念される状況である。そこで、地元の住民だけでなく、いろいろな方々に参加いただき、能美市里山振興協議会を組織し、里山地域の活性化を促進するための方策を検討してきた。その成果の一つが平成18年6月の「能美の里山ファン倶楽部」設立である。
◆炭窯づくりやかんじき体験
最初に取り組んだのは七ツ滝入り口での炭窯づくり。辰口の金剛寺町で炭を焼いている安田宏三さんを指導者に迎え、安田さんの炭窯で5年間働いていた中村外志雄さんに作り上げていただいた。りっぱな小屋も作られ、倶楽部の活動拠点となっている。既に炭焼体験も実施。今後も、周辺の雑木林から木を切り出して、炭を作る予定である。
かんじき体験も実施。かんじきの材料のクロモジやマンサクを熱湯で3時間かけて煮ることから始める。それを熱いうちに皮を剥き、型にはめて曲げる。それを1ケ月ほどかけて乾燥。馬蹄型に曲げた材木を組み合わせ、井桁状にロープをかけたものを作る。
それから、さらに2ケ月後、雪の積もった旧吉野谷村の白山里から瀬波キャンプ場までの往復約3kmを歩いた。雪の上には、カモシカやタヌキ、テンなどの足跡も見つかり、雪の上の散策の醍醐味を味わうことができた。
◆森の散策路づくり
市民の森づくり活動として散策路の整備にも取り組んでいる。いしかわサイエンスパーク緑地を活用して、市民の皆さんが里山に触れられる空間づくりを進めている。その際に間伐材を活用するなど、森林全体の保全が進むことも目指している。
自然散策会も4回開催し、延べ148名が参加。一方で、お金が回る仕組みも作らないと持続的な里山づくりにならないとの観点から、「里山物産市」も開催している。広報誌「ほっこり」も200円で販売し、活動資金に当てる予定である。
◆持続可能な里山づくり
里山資源を産業に結び付ける研究を北陸先端科学技術大学院大学、地域企業とも連携しながら進めている。
持続可能な里山づくり、多くの人が暮らせる里山づくりのための具体的な活動を、事業として展開していくことが当面の課題と言える。まずは森歩きのガイドツアーを継続的に行い、地域内外の方々に、能美の里山の魅力を実感いただき、継続的に関わる人を増やしていくことが大事である。
vol.19 「石川地域づくり協会の歩み」へつづく
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