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22 地域づくり団体・全国研修交流会 【奈良大会】

会期/平成17年2月17日(木)・18日(金)
会場/大淀町文化会館、奈良県内11ケ所

 昨年九月、石川県で開催された地域づくり団体全国研修交流会の主催地域として答礼のため、今大会には約三十名が参加した。
 全体会では、今や全国大会の慣例となった感のある地域芸能がやはり盛り込まれた一方、途中から県制作の地域紹介ビデオを流すなど、息を抜ける箇所も用意されていた。議論を重ね、参加意義のある全体会とすべくパネルディスカッションを組み、前夜祭の開催を初めての試みとして組み込んだ石川大会とは趣を異にしていた。
 分科会解散後、偶然再会した沖縄県からの参加者が、「石川大会は、前夜祭・全体会・分科会のどれにも力が入っていて感心した。とても真似ができるものではない」と述べておられたのが、印象的だった。(濱 博一 コーディネーター)

 多くの皆さんからレポートをいただきましたが、第10分科会に参加された柳田の谷坊さんと第9分科会に参加された七尾の竹内さんのレポートを紹介させていただきます。

<第10分科会>「何もない・・から、始めました」(黒滝村)

 大淀町よりバスに乗ること約30分、段々道幅が狭くなり、車の交差ができなくて山側の木の枝がバスの窓をカタカタ叩く音がするところを過ぎると、やがて山々に囲まれた盆地の中に、ぽっかりと施設の建物が現れました。
 迎えて下さった方々は、どなたも親しみ深くにこやかで、嬉しくなりました。歓迎セレモニー会場に入ると、正面に「何もない‥から、始めました」と書いてあり、何もないのは自分の村と同じやなぁと思っておりました。
 しかし、日程を消化していくうちに、「何もない」ということは、又「何でもある」に転換することが出来るのだということに気付かされました。
 迫り来る急傾斜の山の中、田らしきものも殆どない地域が活気ある村に変わっていくということは、どれだけの努力と忍耐の繰り返しであったろうかと推測します。村民一体となって何かをしなければ、という団結の心が結果を生み、明るい村というイメージを生んだのでしょうか。

■基調講演で学んだこと
  主題「もてなしの心」
1-地域を知ること (自分の地域だけでなく、他の地域を知ることが大切である)
2-人を知ること (まず言葉かけを行い、笑顔を持つこと)
3-人を認めること (相手の価値観を認めること)
外部に対して、均一化して何もかも見ないこと。他の町村と単に比較するというのではなく、良いところがあるのを見つけることが大切である。
何かをやろうという時は力を合わせ、価値観を共有することが、よい結果を生むということ。
以上の内容は、総て黒滝村の実践そのものであると感じました。

■交流会で学んだこと
1.「よもぎの里プロジェクト」
平成5年、平均年齢63歳でスタート。
こんにゃく、草もち、漬物の加工。
  (加工所と販売所は村が建てる)
過去にいろんな表彰を受賞。
種芋は村からの補助が出て、
  年々植える人が増加。
年々の売上上昇は目をみはるものがある。
  利益は均等分配する。
土・日は全員出勤、
  平日は輪番一人当たり週4日働き、
  パートを2人雇用するようになった。
2.「杉の里工房(草木染め)プロジェクト」
子ども達との交流と、観光客への研修の場を提供。
民芸品として、道の駅での販売。
会員相互の和と、地域の親睦を大切にしている。

3.「和太鼓プロジェクト」
何もないから、村長の提案でスタート。
指導者を招き、現在では
  村のオリジナル曲もできた。

4.「村づくりプロジェクトチーム」
林業の復活に力を入れる。
苗木の育苗。
特産品の生産。
イベントへの注力。

■地域の活性化につながったものとして(自分なりに)
1どのプロジェクトも横の糸でつながっていて、意見を出し合い、なにより協力を惜しまなかったこと。
2横糸の活動をまとめ、若者プロジェクトが縦糸となって、更に強固なものにしたこと。
3グループ活動に対して、村の行政が講師、指導者、必要な素材などを惜しみなく投入し、援助したこと。
4他人から強制されたものではなく自主的に参加し、自分がその一員であるという喜びを持っていること。
5交通は不便な過疎の村なのに、中心部へ就職した若者でUターンしてくる者が増えているということ。

 私は短い時をこの村で過ごし、本当に多くのことを知り、感動し、全ての面においてまだまだ好条件の我々は、もっと頑張る余地のあることを悟りました。
 川いっぱいに流れている美しい水と、清々しい村民の笑顔に、元気を身体一杯にいただいて帰ってきました。有意義な大会に参加させていただきました、県当局をはじめ、お世話くださったスタッフの方々に、心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。 (谷坊 貴美子/柳田村)



<第9分科会>「世界遺産・吉野のまちづくり」

 私たち「まなびめいと御祓」は昨年4月に発足したばかりなので、昨年の9月に開催された地域づくり石川大会第12分科会にお手伝いさせていただき、初めて全国から集まる研修交流会の存在を知りました。そして、研修交流会に魅せられました。あの余韻が忘れられず、今回の奈良大会に参加しました。

 神秘的な霊場「吉野・大峯」の大峯奥駈道が世界遺産になったことを契機として、小さな吉野の住民が「吉野のまちづくり」に一緒になって取り組んでいる姿が、とても活き活きとして映りました。
 自分の住むまちに愛着を持ち、この町に生まれ育ったことを誇りに思っていることが、分科会においての「まちづくり活動」の事例発表を聴いて、ヒシヒシと感じられました。
 この大会に参加して、「現状に満足せず、常にステップアップを図ること」、「観光による交流人口を増やすことばかりではなく、まず自分たちが住んで暮らしやすく、楽しい町にしていくことが大切」ということを学びました。「帰ったら自分たちも頑張らなきゃー」と心に誓いながら帰路につきました。有意義な研修交流会でした。 (竹内 登喜子 まなびめいと御祓)


vol.16 「参加団体紹介」へつづく

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