▼参加団体紹介 | |||
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◆福澤もろさんとの出会いからスタート 1996年、「コスモアイル羽咋」のこけら落としのため、福澤もろさんが細野晴臣さんたちと一緒に、初めて能登に来られました。それから時々能登で福澤さんのコンサートを行ったり、その後も能登の音源だけのヒーリングミュージックを作ろうということで福澤さんも能登にいらっしゃっていました。 福澤さんは37歳の時に心臓を悪くされて、「人間にとって一番大切なものは何だろう?」と考えたそうです。福澤さんはそれから生かされていることや命をテーマに創作活動をされるようになり、「能登には日本の原点が残っている!、能登には本当の文化があり、現代人が忘れかけていた日本人のスピリットが生きている!」と話しておられました。 「九十九湾にある蓬莱島で、男性神と女性神が夏に逢瀬をするんですよ」という美しいロマンス伝説を地元の方から聞かされたのはそんな頃です。能登には、男の神様と女の神様の逢瀬伝説が羽咋市や能登町、輪島市、富来町などにもあります。 それで、年に一度の逢瀬といったら七夕伝説にも通じるイメージがあるので、七夕ラブソングにしませんかと提案したんです。 ◆伝説で能登をひとつに! 地域は細分化されているけれど、伝説で能登を一つに結びつけられる、神々の逢瀬伝説で一つに結んだ能登を発信していけば、演歌や失恋のイメージを強く持たれている能登を、成就という美しいイメージに転換できると考えました。 能登は大陸との交流の玄関口で、多様な文化が栄え、まほろばの国と言われています。能登の伝説や歴史を、一部の人が知るだけでなく、私たちの日常生活に活かせるように、能登の発信ができないかということです。 私たちはあらゆる動植物の命とつながって生かされています。そんなアニミズム精神が私たちの中にあることで、すごく安心できます。日本のように一神教でない国は、曖昧模糊としており、自分たちの信ずるものというか、安心できる根っこがないと、とても不安になるんです。しかし、能登にはすごい日本のルーツがあると知れば、安心できるのではないでしょうか。私たちにはこんなにもすばらしい財産があります。あらゆるものを受け入れて、自然とともに生きて暮らしていた古代人の末裔であることを誇りとすべきです。 外の人たちも能登に来たら、豊かに暮らした古代人の息づかいみたいなものを感じていただけるのではないか。目に見えるものだけでなく、目に見えない心の財産をしっかりと受け継いで今に至っています。 それを紹介するために、音楽を作って発信していこうと思っていたのですが、福澤さんがお亡くなりになり、一時中断しました。 ◆『1000の星、1000の愛』出版 その後、紆余曲折はありましたが、詩人の堤江実さんに伝説をエッセイ風にアレンジしていただき、さらにいろいろな方々にも協力いただいて、「1000の星、1000の愛」というタイトルの本を平成17年3月に出版できました。一人一人お願いしてまわり、いろいろな人を紹介してもらいながら、協力いただける人の輪が広がりました。 私たちは伝説を紹介するだけでなく、融和、融合の精神、世界全体の平和を希求する心を伝えたい。熟成された関係が少なくなってきている時代に、苦しみや悲しみを乗り越えて成長させていくことの大切さを再認識すべきだと思います。本物に出会える喜びは、心の文化遺産、世界遺産になると考えています。 |
「織姫たちの語らい」での 桐島洋子先生 |
vol.16 「地域づくり談議」へつづく | |
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