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シーサー ▼巻頭特集-02
事業主体を増やす地域づくり「沖縄の地域づくりの現状と展望から」
沖縄県庁取材記 沖縄県庁舎
沖縄県は、県庁内に嘱託としてコーディネーターを配置し、全国に先駆けて事務局を民間に任せるなど、先進的に地域づくりに取り組んできた。沖縄県庁の地域・離島振興局の地域・離島課で、石川春寿主幹にお話をうかがった。

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■嘱託としてのコーディネーター
石川沖縄も当初の担当課は地方課です。平成6年、当時の自治省の事業としてスタートし、平成7年にはコーディネーターの設置規定を設けて、コーディネーターを県の嘱託として任命。費用弁償も予算化。石原さんは二代目のコーディネーターで、その後のコーディネーターも石原さんが理事長をしているNPO法人「コミュニティおきなわ」の理事が務めています。
赤須コーディネーターの役割はどのようになっているのでしょうか。
石川当初からこうしなさいよという役割があった。地域づくり団体の巡回相談や、地域づくりの活性化です。 コーディネーターの報酬は年間で200万円以上、費用弁償も30万円以上を予算化。その範囲内で自主的に動いてもらう。週に1回は業務予定表を出してもらっています。コーディネーターと事務局の業務は、明確に分けています。
 今年度は全国大会が沖縄でありますので、全国大会の事務局は県で行うことになっていますが、地域づくりネットワークの事務局は全国大会についての事務はしないという申し合わせをしています。
赤須事務局を移管されたのは?
石川平成14年4月に事務局移管しました。それまでは運営委員に旅費を払ったり、県内・県外での交流会等に参加するための出張旅費を払っていた。事務局移管に伴い、旅費規程も見直しました。

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■行革の一環としての事務局移管

赤須事務局を外に出したねらいはどういうところにあったのでしょうか。
石川平成12年に行革大綱が出来て、事務事業の見直しが行われ、その一環として、地域づくりネットワーク事業の事務局も、平成14年度までに市町村側に移すことを持ち回り等も含めて検討すると打ち出された。これは、市町村でできることは市町村が行う、との行革の理念を反映したものだった。この行革大綱を受けて、市町村や広域事務組合に話を持ちかけたが、全県的なことだからと引き受けていただけなかった。
 そこで、民間団体を含めて事務局移管先を検討したところ、当時地域づくりコーディネーターをしていた石原さんが「3年なら自分のところで行ってもよい」ということでお願いすることになった。
赤須民間に事務局を移した段階で、ネットワークの予算は減ったわけですか。
石川ネットワークの予算は減りません。県の負担金、市町村の負担金、会員の負担金はそのままです。ただ、県が事務局を持つのと民間が持つのでは、県が事務局をする時は事務局経費が要らないという違いがあるんですね。職員とコーディネーターがいますから。民間にお願いすると、その分事務局経費が増えます。

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■予算確保のための負担金制度

赤須負担金という考え方は一貫しているわけですか。
石川負担金については、県も市町村も毎年予算化しています。平成17年度から団体の負担金も3,000円から5,000円に増額されました。
 行政は、「負担金」というと毎年予算化され、請求書がくればぱっと支払えます。これが「補助金」だと執行手続で法令等による制約が生じます。負担金は請求書だけで支出ができるけれど、委託費や補助金だと報告書を取るとか補助対象事業を細かくチェックするとか、ややこしいのです。
赤須地域づくり団体が自主的に活動していくことが基本でしょうが、県の意向なども多少はあるのではないかと思います。その辺の意志の疎通と言いますか、「県としてこういうふうにやって欲しい」という思いと、民間の事務局がやっていくことの調整などはどのようにされているのでしょうか。
石川意志の疎通は普段から図っていますし、コーディネーターも県にいます。事務局の中身もよく知っていますので、理解は図られています。ネットワークの運営委員会には課長が入っていますし、会長は振興局長です。事務局で決めたことも、決裁は県で行うわけですから、例えば、総会にかける事項は調整しますし、予算案や事業計画は会長決裁です。
赤須民間に移したことで、これは良かったなということはありますか。
石川行政がやりますと、毎年同じようにやってマンネリ化しやすい。それが民間に移ると、自分たちでやっていこうと運営委員会も活性化しますし、活動が活発化してきました。自分たちの意見を出して、自分たちで決めていく。行政は意見を聞かれたら答えるという程度です。
高峰アドバイザーとコーディネーターは、明確に位置づけが違うんですね。
石川コーディネーターは県にいます。アドバイザーは登録しておいて、団体からの要請があれば派遣します。
赤須新規参加団体には、傾向などはありますか。
石川ツーリズム関係が多いですかね。エコツーリズムやグリーンツーリズムが増えています。継続していくためには、自分たちで財源的なものを稼ぐことが必要です。

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■財政支援は継続的に必要

赤須石川県で、事務局を民間に移すことを考えているのですが、「これだけは」ということがあればお教え下さい。
石川どちらにしても、行政の財政的な支援がないと継続はできないですよね。実際に沖縄では、これでも「少ない」と団体の方々から言われています。県が「負担金」とした段階で、「この金額だけは継続的に確保する」という方向性が明確に出ているので、少なくとも減額するという考えは今のところ無い。
赤須事務局を民間に移す場合、どのような組織が望ましいと考えられますか。
石川石原さんのところには、全国研修交流会が終わるまで事務局をお願いしていますが、その次を考えないといけない状況になっています。石原さんのNPOは地域づくり団体をコーディネートすることが事業内容になっていて、ネットワークと重なるから丁度良かった。
 同じような団体で、「出来る」という方が会員の中にいらっしゃれば、NPOにこだわらずにお願いしていきたい。

vol.16巻頭特集03 「やんばる自然塾」へつづく

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