八尾散策ガイド
[おおつか茶舗B]

◆ひとつの地域ではひとつの種類を使うんですか。
龍井村の人は龍井茶しか飲まない。自分のところのお茶が一番美味しいと思っています。他のお茶はお茶じゃないと思っているらしいですよ。
◆地域によって違う種類のお茶の木を植えているし、土地の地力みたいなものもありますから、どういう自然条件で育つか、ということで味や香りが違ってくるということですか。
だんだん、それで種が変わってきますから。そこの地域にあったようなお茶を作ってきていますね。
◆こちらで扱っておられる中国茶は何種類あるんですか。
置いているのは50種ぐらいです。日本茶が10種程度、紅茶も何種類かあります。販売用よりも飲んでいただくものが多くあります。
◆初心者がお邪魔した時に試してみればよいというものはどれでしょう。
メニューには書いてありませんが、ご相談いただければ、お選びして楽しんでいただいています。
◆中国茶の道具を一式揃えるといくらになるんですか。
最近、揃えた友人は必要最低限の茶器を1万円ほどで揃えました。煎れ方は実際にやってみていただければ、そんなに難しいものではありません。茶器は温めること、茶葉は適量を入れること、沸騰したお湯を使うこと、これらを守れば、おいしいお茶を楽しめますよ。
◆茶杯は盃のような形をしているんですね。唇に当てた感触がとてもいいです。
茶杯というのは、もとは酒器の盃からきているようです。小さな急須も習字の際に水を入れるための器だったそうです。中国で最初にお茶を楽しむようになったのは文人たちで、書を書く人たちがものぐさで、わざわざお茶を用意したりするのが面倒だから、急須に適当に茶葉を入れて、口から吸って飲んでいたのがはじまりのようです。その時に友人がやってきて、「美味しそうだね」と言ったので、それならと、そばにあった盃に入れて飲んでもらったのがはじまりだったんじゃないかとのことです。

◆蓋をかたげてお茶を入れるやり方は昔からそうなんですか。
蓋碗(がいわん)という茶器を使うんですが、地域によっては、そのまま口をつけて飲むところもあるんです。また、急須の代わりにしているところもあり、いろいろな使い方があるんです。
◆急須ではなくて、この蓋碗にした方がよい点はあるんですか。
蓋碗はほとんどが磁器なんです。ですから香りが移らず、いろんなお茶が楽しめます。
急須は茶壺というんですが、ほとんどが素焼きです。素焼きの器はお茶のえぐみとか渋みをとってくれる特徴がありますが、香りが移りやすいので、いろんなお茶を楽しむことができません。
中国の茶藝というのは、どうやったらお茶が美味しくはいるか、ということだけに気をつかいなさい。飲む方は、どうやったら美味しく飲めるかということだけに、気をつかいなさい、という言い方をしていて、形にこだわっていません。細かいことはあまりいいません。
◆小さな器で何杯もいれて飲むのも楽しい秘けつかも知れませんね。
いいお茶だと10煎ぐらい、おいしくでるんですよね。トーンが変わらないで、美味しく飲めます。飲み干した後に、ほのかな香りも楽しめます。
いろんな人に出会えるから、やってて楽しいです。心がお茶に向いていない時はお客さんが来ない。吹っ切れた後、いきなりたくさんのお客さんがいらしたことがあって、とてもうれしかった。
◆サロンですよね。気軽に立ち寄れるお店が少ないですからね。
それはよく言っていただけますね。八尾に来た時に、「大塚さんのところに寄っていこう」と言っていただけるのがうれしいですね。
◆店の構造も開放的で入りやすいですよね。
地元の人は、見えるといやがられることもありますが。通りを通る人や車を眺めながら、お茶を飲むのもいいものです。一方通行を逆走する車もいますよ。

おおつか茶舗・最初のペ−ジ

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