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◆せっかくの街並みと雰囲気を残したい 活動の主な内容は、街並み保存です。住んでいた人が「1人だけだから」と居なくなったりして、家がだんだん抜けていく。家を売るときには更地にして売って行くのが普通ですが、それでは勿体ない。今、せっかく家並みが揃って、何とも言えない雰囲気を醸し出しているのだから、ぜひ残したいということで保存のための活動を始めた。 今、すでに住んでいない家も多少あり、去年だけでも物件が2件動きました。そのうち一つは、「売地」という広告が出ていたのを、近所の方が買われて残しました。「うれしやな」と思ってみていました。街並保存の話が出た途端に広告が出ましたから、「困ったな。もう少しすれば不動産屋さんに話をして、更地ではなく住むという条件で売るように提案したいな」ということまで考えていたんですが、幸いなことに買ってくれた人は残すという気持ちでいらっしゃいました。
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◆法的規制のクリアがネック 地域住民の皆さん向けの説明会もしています。ゆくゆくは街並みの整備、家屋の整備も少しずつやっていきたい。家屋については、個人財産に「こうしなさいよ。ああしなさいよ」とは絶対に言えませんから、直される時に相応の援助ができないか、行政にお願いしたい。 今、問題なのは、直したくても木材で復旧ができない法的規制があること。昔のように直したいが、一時改造して準防火の建物にしてしまうと、「改造はまかりならん」ということで、今、迷っていらっしゃる方がいる。これを法的にクリアするのが難しいので、困っている。 金沢市や京都の街並み保存の動きも踏まえ、検討する余地があるのではないか。これについては、行政にも支援の方法を検討してもらっている。
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◆住民の高齢化と景観保存の兼ね合い 防音で工事をして、下水道でも工事をしていますが、外観は変わっていない。中だけを適したように変えるということは、皆さん理解してやられると思います。できるだけ外は手を加えてほしくない。まして、何も無くなるのはちょっと困るなということです。 実際に住んでいる方々は、かなり高齢です。若い世代が一緒に住むというのは、プライバシーの問題もあって難しい。
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◆街並み保存は曳山の文化をも伝える 『歴史文化街道づくり』と打ち出しているのは、小松の曳山の一つがこの町内にありますので、それに合った街並みを維持していきたいということ。ビルの狭間にあっても、あまり絵になりませんので。 理想としては、無電柱化ができれば、さらに良いとも思っています。実は、ここでは70年ほど前、昭和5年に道路拡幅の申し合わせとして、まちづくりの協定をやっており、古くから景観保存への素地がある地区です。 今、小松の旧市街の建築の様式を勉強しています。勉強すれば市民の皆さんに愛着も湧くと思いますし、格子や屋根の勾配など、保存のマニュアルとしても活かせないかと考えています。街をブラブラ歩いて楽しむ人が増えれば、自ずと人も戻ってくるのではないか。 外を見に行くことで、「こんなところがこれだけ評価されるのなら、自分たちの所の方が良いんではないか」と、地元が見直された部分も多くあります。その上で、景観まちづくり条例などにつなげていきたいと思っています。
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