◆地域づくり「椀たたき」がきっかけ
協議会を作ったのは、数年前に地域づくり「椀たたき」が輪島で開催されたときに、急遽分科会を設けて追加で参加したことがきっかけになっている。その後に、役所から「ここには格子戸がいっぱいあるし、整備しよう」と話が来た。実はその数年前から、幕とか、奴提灯とか、みんなで出して、「ちょっこり頑張ろ」という気運があり、よいタイミングでした。
◆街並保存が基本
メインの活動は、この格子戸の通りを大事にするとか、ここにある文化を大事にすること。伝統のある良いものを活かしながら、「何か、このまちを変えてみよう」というのが、一番の目的です。去年から石畳も整備してきています。
◆石畳の通りで「三夜踊り」を
去年は、石貼りが出来上がったということで、通行止めにして三夜踊りをやりました。驚いたのは、これまで積極的でなかった方々も踊ってくださって、非常に賑やかにやれたこと。三夜踊りは輪島の街中で、お盆の14・15・16日に行われる踊りです。
三夜踊りは意外と難しい。我々は、昔から知らない間に覚えてたけど、一回一時間を3日くらいやれば踊れるかな。全く知らない人が、輪に入って踊ろうと思っても踊られない。地方(じかた)は保存会があります。この通りだけでも何人かは歌えるし、太鼓も叩ける。小学生対象に教えることも毎年しています。
◆地域のみんなで支える「いろは蔵」
今は協議会のメンバーがボランティアで、「いろは蔵」に出ています。去年の11月から、毎日交替で午前が9時から12時まで、午後は14時から17時まで。水曜日が定休日。
いろは蔵の名前は、たもとの橋が「いろは橋」だから。輪島に人が住み始めた最初の地区だから、「いろはにほへと」のスタートで、「いろは」という人もいます。
蔵長さんの小田原毅さんがすごく頑張って、毎月必ず何か展示や絵の展覧会をやっています。絵描きなので、チラシも手書きで作ってくださっています。「いろは蔵」が活動の中心というわけではないのですが、みんな仕事を持ちつつ、頑張っています。
◆塗師屋のまちの古い文化も大切に
伝統的な文化として奴提灯と幕があります。大きいのが奴提灯(やっこぢょうちん)。水幕っていうのは、神様をお迎えしたり、目出度い時に出す。幕はそれぞれの家で、昔から伝わっているもので、この通りは模様が家々でみんな違う。去年新しく作られた方もあります。
奴提灯は塗師屋さんが、年季明けの目出度い時やお祭に出したもので、輪島塗でできた立派なものです。この地域には塗師屋さんが多く、3割ぐらいがそうです。昔の塗師屋造りの家も何軒もあります。
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