◆「はりんこ」とは
トゲウオの仲間のトミヨのことを、地元では「ハリンコ」と呼んできた。年配の人にうかがうと「昔はハリンコなんか、うじゃうじゃおった」と言われるくらい、身近にたくさんいた。しかし、ここ20〜30年くらいの間に、川の水質が悪くなるとともに減少してきています。石川県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。現在では、志賀町、美川町、根上町の一部にしか生息しておらず、手取川扇状地が南限とみられています。
形態的には体長5〜6cmで、鱗を持たず、せびれに8〜9本のトゲがあり、はらびれ、しりびれにも各1本のトゲを持つため、ハリウオ、トゲウオとも呼ばれる。
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◆通年での生息調査の実施から
平成8年には1月から12月までの延べ12回に及ぶ現地調査を実施。正確な実態を把握することから、具体的な提案を行う。提言の柱は2つ。一つは天然記念物の指定、もう一つが河川管理の徹底と保護増殖のための池の設置です。池は町が県の稀少生物の保護事業の補助金をもらって安産(やすまる)川のそばに作った。 平成9年に提案して以来、6年かかっているが、平成15年ようやく町の天然記念物に指定される。平成9年に発表したトミヨの生体調査報告書のタイトルが「天然記念物指定を目指して」となっていた。美川町としては初めての指定である。もちろん指定されたからと言って喜んでばかりもいられないので、次は県の指定になるのかどうかはわかりませんが、これを一つのステップとして活動を深めていきたい。
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◆はりんこ自然教室 美川町が行っている社会教育活動「みかわ学園」で「はりんこ自然教室」という講座を担当している。年間5、6回の講座を企画し、はりんこ塾塾生やいしかわ動物園の職員、日本野鳥の会会員等に講師をお願いしている。はりんこ塾の塾生は参加者であり先生役で関わっている。 8月に行う「手取川親子ふれあい自然観察会」がメインの行事。実際に親子で川に入って魚を捕まえて観察します。いしかわ動物園の淡水魚の専門の方に来ていただき、魚の特徴とかをお話しいただきます。この活動は5、6年は続いている。塾生が小学校からの要請を受けて、まちの先生として教えに行くことも多い。
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◆安産川の清掃 ハリンコのいる安産川の草刈りとか、ゴミ拾いなども定期的に実施。地元の人達が行われる活動にも参加している。最近、川がきれいになってきているためウグイが増えてきています。ウグイはハリンコを食べるのではないかという話があるので、安産川でのウグイの生息調査も実施しています。 冬場は川に入ることができないので、野鳥観察会を例年行っている。手取川の河口は野鳥の宝庫でもあるので、バードウォッチングに適しています。会員の友人知人に日本野鳥の会の会員がいらっしゃいますので、解説をお願いしています。
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自然体験教室を多く開いている |
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◆新たなステージへ はりんこ塾のメンバーは15人と少ないので、活動には限界がある。そこで100人規模の大きな団体を組織して、新たな活動にも取り組んでゆきたい。美川町周辺の自然環境の保護などの活動をやっていきたいと考えている。それとは別個に地域づくりのテーマがないか、ということについても検討してゆきたい。昨年から何度も議論を重ねているが、なかなか結論は出ていない。それでも、平成15年度の間には新たな組織を立ち上げたい。
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