さわやかいいね金沢は会員制の助け合い組織である。例えば、ひとり住まいのお年寄りから要請があれば、掃除、洗濯、買い物、食事の用意などの手助けを行う。これがホームヘルプ事業。このサービスの利用者も、手助けするボランティア・スタッフも、ともに会員である。利用者は受けるサービスに対して決められた利用料を支払い、ボランティア・スタッフは決められた金額の報酬を受け取る。いわゆる有償ボランティアによる助け合い活動である。
□任意団体からNPOへ 同団体は平成14年10月に任意団体からNPO法人に切り替え、組織を強化した。法人になってからの半年間の活動状況は、ホームヘルプの利用が106件、移送サービスが21件、ふれあいサロンの利用者が197人、託児が124人。
移送サービスとは、病院に自力で通院できないお年寄りや障害者を、病院と自宅の間を車で送迎すること。ふれあいサロンとは、同団体の事務所を使って開講する各種教室のことであり、リースづくりや押し花細工などを、会員で教えあっている。また、事務所の一室を利用して託児も引き受けている。 金沢市横川町にある事務所の予定表には、ホームヘルプ派遣などの予定がぎっしり書き込まれている。事務所の中は静まり返っているが、実際は何人ものボランティア・スタッフが地域のどこかの家庭で助け合い活動をしているわけである。 同団体のサービスを利用する人が約70人、ボランティア・スタッフが約60人。これをコーディネートするには、専従の事務職員が不可欠である。しかし、利用料収入だけで事務職員の給料を捻出することはできない。多くのNPOが抱えている財政面での問題に、ここでも突き当たる。収益を改善するため、介護保険指定事業者になる準備を始め、平成16年1月15日に訪問介護指定業者に指定を受けました。
□公募事業への企画提案 昨年度、さわやかいいね金沢では公募事業に企画を提案した。金沢市には「ボランティア養成塾」の開講、石川県には「コミュニティ図書館」の起業を提案し、事業を委託された。委託事業だから財政的にゆとりは出なかったが、知名度が上がり、地域の人たちとのつながりも生まれた。 「ボランティア養成塾」では、講師になってくれたNPOのリーダーの人たちと知り合え、ネットワークが広がった。