情報誌「MyPage」バックナンバー
▼参加団体紹介
野鳥を通して、自然を考える
七尾西湾の自然にふれあう会
「散歩路」

代表者/時国公政 
連絡先/田島義久 
七尾市田鶴浜町二部260番地 〒929-2121
TEL 0767-68-6423

MyPage12号に掲載(2003年3月発行)

野鳥の宝庫
 七尾市田鶴浜地区は、豊かな緑の山々と波静かな七尾西湾を擁した野鳥の宝庫で、珍鳥クロツラヘラサギや天然記念物コクガンなどが飛来する。昭和58年には県が一帯を鳥獣保護区に指定したり、地区内の町立小学校を愛鳥モデル校とした。平成2年には能登で初めての本格的な野鳥観察舎を建設、同10年には田鶴浜野鳥公園が完成している。
 七尾西湾の自然にふれあう会「散歩路」は、そうした背景を受けて、平成11年に誕生。自然についての知識を深め、自然とのふれあい活動から次代を担う子どもたちの郷土愛を育て、未来に引き継いでいこうと、野鳥公園を拠点に活動を行っている。


クロツラヘラサギ

家族でできる活動を

ふれあい探鳥会の様子

 親子が一緒に参加できる行事として「巣箱づくり」、「ふれあい探鳥会」、教育委員会と共催の「星空の観察会」、「野鳥おもしろ講座」等を開催。また、会報「さんぽみち」を発行し、会員150名にバードウォッチングなどの情報を提供している。さらに、毎年7月24日を「七尾西湾の日」として、海岸清掃のボランティア活動なども行っている。地元では、平成5年から商工会青年部が、全国の野鳥愛好家を招き、バードウォッチングと野鳥クイズを解きながらのマラソンをミックスした「全日本バードソン大会in田鶴浜」を継続して開催している。


能登半島野鳥楽園化構想
 平成12年には「田鶴浜町野鳥楽園化構想推進協議会」を設立し、各種団体と地域住民の連携が図られた。冬季の休耕田に水を張り、シベリアから飛来するハクチョウやカモなどが越冬する環境づくりも行われた。また、行政エリアを越えた広域的な連携を図る、「能登半島野鳥楽園化構想」の実現に向け、広報活動も実施。行政と地域づくり団体が一体となって野鳥保護活動を進めている。こうした活動が認められ、毎日新聞の「地方自治大賞」奨励賞を受賞した。


全日本バードソン大会in田鶴浜


巣箱づくりは親子で楽しめる活動

人材育成が課題
 今後の課題としては、野鳥ガイドボランティアやナチュラリストの養成など、人材育成がある。これまでは、平成2年に常陸宮殿下より日本鳥類保護連盟総裁賞を贈られた、同連盟石川県支部長の時国公政さんの助言や功績に拠るところが大きかったが、施設の維持管理等も含め、時国さんをサポートしていける後継者の育成が求められる。
 また、活動内容がマンネリ化し、少数の愛好家を対象としたイメージになっている。能登空港、北陸新幹線などを利用した、観光の多様化が期待できる時代に、新たな体験型観光メニューとしていくためには、運営体制のさらなる見直しも必要となってくる。 


市町村合併により活動を広域化
 平成16年10月には、七尾西湾を囲む七尾市と中島町、能登島町、田鶴浜町の1市3町が合併し、より広いエリアでの自然環境保護活動ができるようになった。冬の探鳥会にも旧中島町や旧能登島町からの参加者も増えた。
 今後は、大切なことは継続し、また新しいことも取り入れながら、主催者側も楽しめる行事を開催していきたい。さらには、教育委員会、PTA、子ども会、公民館などと連携しながら、会員の拡大も図りたい。
 いずれ、子どもたちの中から、野鳥博士みたいな人が出てこないかなとも思っています。

自然や野鳥をテーマにした写真展


MyPageトップ(全号もくじ)へもどる