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<レポート01>
◆素敵なおばあさん達との出会い
母さんが麻糸つむぐ、一日つむぐ・・・・と、歌にはあるけど、実際に見たことがなかった糸つむぎ、機織り。布ワークショップに参加し、目の前で糸作りを見せてもらい機織りをさせてもらった。
一見、隣近所のどこにでも居そうな気さくで陽気なおばあさん達がワークショップの先生。「私らみーんな若い頃は、こうやって糸を作ったんや」「もう50年もやっとらんから出来んわいね。今日は皆さんと一緒に勉強させてもらうわ」と謙遜しつつ、器用に左手でよりをかけながらリズミカルに糸を巻つけていく。その姿はまるでマジシャン。 |
麻を水につけて皮にして………と、糸にするまでの数々の工程を詳しく説明して下さる。今の時代には考えられないほど時間と手間がかかるらしい。糸の繋ぎ方、こよりの方向等親しみと温もりがこもった方言を交えながら滑らかに動く手。
今つむいだばかりの麻糸で機織りに挑戦してみた。手と足を交互に動かしトントン…と、これが結構面白い。しかし、これが反物になるまでを思うと気が遠くなる。
こうして手間暇かけて出来た作品も展示されて居て、使い古したボロボロの野良着一枚にも物を粗末にしない心や愛着が読み取れる。 |
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機織り体験も楽しかったが、私には何よりもおばあさん達との出会いが嬉しかった。また来年あの明るく生き生きとしたおばあさん達の笑顔に会いに行こう。(砂山芳子/志賀町国際交流の会)
<レポート02>
◆内川鎮守の森ギャラリー
機織り体験の後、いよいよ「内川鎮守の森ギャラリー」巡りに出発。あいにくの小雨模様の散策となりましたが、落葉が舞う風情あふれる豊かな自然の中、まずは"九万坊"と地元で親しまれている「黒壁山薬王寺」へ。アレッ?!木々の間から見え隠れしているカラフルな布は何?と近づけば、野外芸術ギャラリーの作品!! 石段の脇には陶器で作られた友禅流し風の作品もあり、遊び心いっぱいの作品が、おおらかな自然の中で、それぞれに自己主張していました。 |
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その後、よく手入れされた明るい竹林を見ながら瀬織津姫神社へ。陶芸、漆芸、ガラス工芸、染織をはじめ、花を漉いた手すき和紙や風情あるランプシェード、竹を生かした花器等、いろんな分野の作品が数多く並んでいました。
展示即売もあり、作家さんとの会話も楽しみでした。向かいのテントの「いっぷくや」では、地元の主婦が作られた、きのこめし、おはぎ、ころ柿、梅干し、漬物等が格安で並んでいます。その自然派志向の素朴でなつかしい味に、豊かな内川の自然とぬくもりをしみじみと感じました。 |
その他、三子牛町八幡神社、蓬花町諏訪神社等にも多くの作品が展示され、地元のご年配の方々との交流もほのぼのとした雰囲気で、古き良き日本の風景に出会えたように思いました。
今回、時間の関係で参加できませんでしたが、薩摩琵琶奏者・寺本挙嶺氏をゲストに招いてのワイワイ交流塾等、10月31日から11月3日の4日間にわたる多彩なイベントでした。
この幅広い催しは、地元のお年寄りと若者の交流や、古里再発見の場となっているようで、皆さん活き活きとしていらっしゃいました。 |
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金沢から車で20〜30分で行ける場所とは思えないほど、内川はその自然の豊かさ、大切さ、素晴しさを実感できる里でした。そして、実行委員長の山田一二さんをはじめ、この活動に携わっていらっしゃる方々の熱意と実行力から、ふるさとを愛する想いがひしひしと伝わってくるように思いました。本当に素敵な「内川鎮守の森ギャラリー」でした。
来年の第6回が早くも楽しみになってまいりました。皆様も一度、お出かけになってみて、内川の魅力に触れてみませんか?
(林 弥子/まれびとピア懇話会) ※平成9年11月に取材しました。 |
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