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◎会期/ |
平成18年11月10日(金)・11日(土) |
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◎会場/ |
全体会・特別分科会…ウィルあいち(愛知県女性総合センター)
分科会…愛知県内17か所で開催 |
◆全体会
「人が輝く元気な地域づくり」と題して、中田實氏(愛知江南短期大学学長)が基調講演し、現代社会の歪みや阪神・淡路大震災の教訓の中から「コミュニティ組織(従来からあった町会、公民館などの組織)とNPO(新たに生まれたNPO、地域づくり団体)が連携する共感の場づくりが大切」と指摘した。地域づくり円陣のテーマ「域内交流で課題解決」と相通じる内容であった。連携のあり方を具現化することが重要である。
■第6分科会 「NPOネットワーキングと協働のまちづくり」(日進市) |
人口7万8千人、大学数7、名古屋市と豊田市に挟まれた田園学園都市。地下鉄の開通、土地開発などにより急激に人口が増加し、高学歴、高所得者が多く、小学校が足りなくなったという。この、他市との違いが強調されて、「なるほど」と納得。各種協働を進め、「市民交流センター・にぎわい交流館」の運営主体でもある「日進市民グループゆるやかネットワーク」副代表2名の方も、ご高齢の、いわゆる新住民。現在の市長は7年前まで旧住民だった市長に代わって、革新系市長として当選し2期目。しかし旧住民が多数の議会では否決が相次ぎ「にぎわい交流館」オープンまで2年半の歳月を要したという。また、発表のあった「自治基本条例」も前議会で否決され、12月議会可決を目指すという。また、今年5月、NPOと日進市長との「協働推進に向けた共同声明署名式」が行われ、現在70ものNPOが署名を交わしているという。
旧住民とはこの間、関係者による粘り強い人間関係づくりが続き、それがこうした結果として結実してきたと、これまで関わってきた愛知学院大学助教授の村田尚生氏は、最後の質疑応答で熱く語った。
「ルールブック」「条例づくりワークショップ」は、ワークショップ手法による市民と行政との協働によってつくり上げられている。これまでサービスの受け手でしかなかった市民が、何故このような意識の元に結集できたのだろうか?ここから先は推測だが、愛知県には名古屋市に理論的、先駆的活動を進めている「NPO法人市民フォーラム21・NPOセンター」があり、平成16年度には2回、職員研修に招聘されている。また、昨年12月には「協働ルールブック」のNPOと行政の合同学習講演会でも、こちらの後房雄氏の講演が行われている。その他、数名の大学関係者のお名前もお聞きした。
このような学識者による徹底したレールづくりの上に、市民が安心して走れる環境もあったのではないか。金沢市との違いを紐解くと、ここが根幹のようにも感じた。
初日の「ホストNPOとの交流」時には、次々と市民団体が目の前に現れ、また翌日の発表時には、廊下にも溢れんばかりの学生が駆けつけた。「人が湧き出すにぎわい」を実感させていただき、人との繋がりが仕組みをつくり、仕組みがさらに、人をつなげていくという、「人の元気が地域の元気」のテーマを、ストレートにくらった分科会であった。
(青海 康男 [(特)いしかわ市民活動ネットワーキングセンター]) |
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■第7分科会 「食・農・健康」(豊明市) |
第7分科会は「食・農・健康」をテーマに31人が参加した。
1日目は、分科会主催の『けやきの会』が活動報告したあと、参加者から自己紹介を兼ねた活動報告を行い、参加者から出された課題・問題提起に対して意見交換した。その後、私から「ふるさと農業体験」の事例を紹介しながらまとめとした。交流会では『けやきの会』のメンバーが日頃から作っている郷土料理を出し、食談をしながら参加者間で意見交換をした。途中、地元の祭りに作られる「おこしもの」の料理づくりを体験した。夜なべ談議では、参加者が持ち寄った郷土の名産品や酒を交わしながら交流を深めた。
2日目は、今年4月に稼働した「生ゴミ堆肥化施設」を視察した。『けやきの会』の地産地消の実践農場では「さつまいも掘り」を体験した。『けやきの会』の拠点施設「青い鳥けやきの森」では、施設設置の経緯やコミュニティ・レストランの運営、相談窓口などの活動内容が報告された。
『けやきの会』はJAから生まれた女性達の団体で、「助け合うネットづくり」が女性の特性をうまく生かしている。活動はJAの下請ではなく、自ら考え自立した運営を心掛けている。こうした動きの背景にあるのは、リーダーの姿勢と支えるメンバーのバランスの良さである。また、年2回は負担金を徴収して全国各地の先進事例を視察し、各地の良さを積極的に取り入れていることも成果に繋がっている。また、JAや市の協力関係も良い。
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■第12分科会 「アートの島おこし」(一色町・佐久島) |
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佐久島は保全している黒い板壁の続く家並みと路地風景にアート作品が点在しており、島とアート作品と村民が島のアートとなっているようであった。分科会で学んだことは次のようなことである。
1-企画サポート部隊(行政)、実行部隊(島民)、コーディネート部隊(コーディネーター、アート制作)と分担、連携での活動が必要である。
2-地域全体を巻き込んでの取り組みが必要である。島に住む子どもや老人、猫までが自然と溶け込んでアートになっていた。
3-島に何もないことは余分なものがないことにつながる。 |
4-危機感が活動意欲につながる。
5-企画するときは自分の想いより、地域が何を望むかを知ることが必要であり、企画者と地域が同じ想いを持たないと成功しない。
6-会の活動が経済効果を生むことにより定住人口を増やす効果がある。
7-少子化対策の一環として、小中学校の受け入れを校区外の生徒を入学させて交流を図る方法がある。
8-高齢化率49.4%の中、高齢者に生きがいを持てる手法をあみだした。
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■第15分科会 「伝統と文化の新たな創造」(豊田市) |
10年ほど前に私達の活動が始まった頃、まちづくりが盛んでお年寄りたちが活き活き働いていると聞き、「足助」は私達の憧れであった。
観光客で渋滞する道路を拡張することは、行政の力を借りれば簡単にできることだと思う。それをしないのが「足助らしい町並み」を残すこと。でも、たいていの所では、便利さ・お金のために、町を変えてゆく(そんな羨ましい悩みのあるところでは)。
歳をとっても誇りを持って働ける場所があるということは素晴らしい。でも、それを支えるのは、やっぱり若い人たちかな。いずれは自分のためでもある。合併によって豊田市となっても、足助地区としての活動は盛んである。
(濱田 みちる [西尾グリーン・ツーリズム研究会]) |
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