第
3
章
いしりの製造時には、樽の上層部に油脂分や魚骨残査分の層ができます。これが蓋の役目をして密閉貯蔵され、嫌気的発酵が進み、熟成します。
つまり高濃度の食塩の添加により、腐敗細菌の繁殖が抑制され、自己消化酵素によるタンパク質の分解や自然発酵がなされて、独特の香気や旨味成分が生成されるのです。
いしりには、抗酸化性を示す物質が含まれていることが明らかになっています。その他、タウリンや、低分子のペプチドも多く含まれ、また血圧上昇抑制物質の存在も確認されています。
表2から「いしり」の主な有機酸は乳酸であること、表3から旨みの素である遊離アミノ酸が非常に多く含まれていることが分かります。(資料提供:道畠俊英)
<参考文献>
・・・いしりのプロフィール第1章〜第3章
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佐渡康夫「能登の魚醤(イシル)」伝統食品の研究 No.16(1996)別刷
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道畠俊英・佐渡康夫・矢野俊博・榎本俊樹「イシル(魚醤油)の遊離アミノ酸,オリゴペプチド,有機酸,核酸関連物質」
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「魚醤文化フォーラムin酒田」幸書房
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「石川県大百科事典」北國新聞社
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