新型コロナウイルスを踏まえ、次代を描く

高峰がフェイスブックで発表してきた提言をまとめました。

1 これからの地域社会の在り方を構想すること【200415】
新型コロナウイルス感染症の拡大で、大都市およびその周辺にいることが危ないことははっきりしました。人口分散を図ることが基本施策とならなければなりません。従来の発想では、これからの時代を生き延びることはできないかもしれません。これまでにまとめられたプランや生き方のラインを大胆に変える必要があります。
どのような地域社会を構想し、それに向けての優先取り組み事項をまとめていくこと、そのことに多様な方々の意見やアイデアを出し合う場を設けていくことが大事です。Webもありますが、対面で議論しても感染しないような場をいかに創れるか。
大勢で集まり議論することなく、新たな知を創発できるようにすべきです。エコツアーやグループインタビュー、グループセラピーで導入されてきたスケールが理想でしょう。すなわち、5,6人で行う活動を基本にすべきです。

2 創造人財の誘致【200416】
地域の未来を構想し、具体化するために不可欠だと考えているのは創造人財の育成、誘致です。創造力を高めるための保育や教育を家庭や地域で行い、さらに触発効果を期待できる外部人財の誘致にも積極的に取り組むべきです。多様な視点から地域の現状を評価分析し、活用可能な地域資源を発掘するために、地域外の人は貴重です。常に地域を相対化できる異人を積極的に招くべきだと考えています。
地域づくり活動の延長で移住促進活動に取り組み始めた意図はそのようなところにあります。地域の現状を突破するためには、地域を外に開き、新たな風を吹き込む必要があるのです。というわけで、優先すべきは創造人財の誘致です。

3 コミュニティの規模【200420】
地域コミュニティの住民構成も再検討すべきです。基礎自治体が住民向けの行政サービスを維持していくうえでどれだけの人口が、どのような人口構成が理想なのかを明確にしたい。地域内にどのような仕事を担う人がいてほしいか。スキルをもった人がいることで、暮らしやすさは各段に違うはず。基礎的な食料を生産してくれる人がいること、自給農業が広く行われている集落は、今のような時に安心感があります。例えば、家の建設や修繕などの建設業や食料や衣類などの製造業など、基礎的な生活基盤を形成する上で必要な仕事の担い手もいて、はじめて生活が成り立つのではないでしょうか。さらに、若い人たちが安心して子供を産み育てられる社会にすべきだし、そのことを支える社会の仕組みが必要だ。産婦人科(助産師)や小児科の先生がいて、さらに、創造力を育む保育が実践される保育施設があることも理想。一方で、非正規労働が増え、個人に責任を負わせるようなことになっているから、結婚も出産も断念せざるを得ない人が増えているのではないか。この状況を打開するための施策として何をすべきか、どのような新たな施策が必要か。既存の施策だけでは足りないから、状況が変わらず、ますます少子化が進み、一方で高齢者比率が高まっているのではないか。そのことへの反省、総括をした上で、新たな政策形成にもっと真剣に取り組むべきです。(→正社員化促進を!)

4 先人の知を受け継ぎ、新たな知を付加【200430】
 自然災害が頻発し、目に見えないウイルスに対処することを強いられている現在こそ、自然に近い所で生活することが大切ではないかと思う。先人たちが培ってきた生活知を学び、自然観察を継続することで、知を深めていくこと。そんな生き方が可能な地方に移転することがますます必要になっているのではないか。より安全に、危険を分散させるためにも、移住を考えるべきです。
 一方で、田舎で生きることそのものが、想像力、創造力を発揮して生きることなのではないか。創造人財ということを言い続けてきたが、自然を相手に生きている人ほど、環境に創造的に関わり、仕事をし、暮らしているのではないかと感じています。
 例えば、農業は生物学、化学、生態学、土壌学、気象学、土木工学、経済学、遺伝学、IT・AIなども駆使して行う仕事であり、総合知が求められます。気候変動や自然災害についての情報を常に収集し、対応策を考える必要があります。先人たちが蓄積してきた知に、観察や経験を積み重ねることで、新たな知を付加しながら営む仕事です。  能登事務所の窓外に広がる水田、畑、森、それぞれで営まれていることは先祖代々受け継がれ、土地改良も加えて今に至っています。山からの水を、水田にくまなく入るように水路を作ることで広い土地が水田として保たれています。その水も上流域の森が保たれていることで、安定して水が流れ出てきて、水田を潤すことにつながっています。治山治水とは的確な表現です。
 一番奥にある鉢伏山の頂上エリアをブナの森に再生する試みも、山全体の保水力を高め、下流域に安定的に水を供給し続けられるようにすることを意図しています。水をめぐる知を把握することで、今後何を優先して行うべきかが明確になります。

5 小規模分散開放型社会を目指して【200514】
ポスト・コロナで最優先に取り組むべきは、地方への人口分散です。新型コロナウイルス対策で繰り返し言われてきたのが、3密を避けること。そして、今後の新しい生活スタイルの提案の根幹に据えられているのも、3密を避けることです。その具体化のために、まず取り組むべきは、大都市から地方に人が分散し、過密にならないで日々暮らせるようにすること。満員電車に揺られて通勤、通学することになじめない人も多いはず。自分自身もそうであったが、そのことの異常性を感じている人から、そこから脱出すべきです。大都市とは異なる生活実践の場を地方に求めていただきたい。
一方で、私が田舎を離れて東京の大学に行き、8年間過ごすことになった理由は、2つあり、一つは田舎の閉鎖性が嫌だったこと、もう一つは適当な仕事が見つけられなかったので、正社員で就職せずに学生時代も含め8年間、東京で過ごすことになった。
 石川県に戻って最初にさせていただいた仕事は、人材の地方移転のお手伝いです。地域振興のために、地域の企業へ付加価値を生む人材を誘致することに意義があると感じていた。それは、今も変わらない価値があると考えています。そのために必要なことは、地域の企業や仕事の魅力、そして地域での暮らしの楽しみを、人を前面に出して、多面的に伝える活動です。それが、移住サポートで繰り返し取り組んできたことでもあります。 もう一つの課題と感じている地域の閉鎖性をいかに変えていくか、そのためには段階的な活動が必要であり、まずは地域外の若者と交流していただき、新しい刺激を得、それが楽しみとなるようにすべきなのかもしれない。能登でも加賀でも、学生諸君が地域で活動することが増えており、そのような活動を通じて、地域が外に開かれることを促進できればと思う。その上で、地域への移住者が徐々に増えて、新たな活動が少しずつ生まれ、新たな事業や仕事が創造されていくことが期待されます。急激な変化を好まない地域の生活者も多いと想像されるので、少しずつを念頭においた取り組みが大切だ。もちろん、そんな余裕はない集落は思い切った施策も必要でしょうから、その際は異なるアプローチも考えるべきでしょう。
首都圏や大都市圏への人口集中から、地方への人口分散へ! これが最優先テーマだ。
地域企業の付加価値化を促進するために、優先すべきは創造人財の誘致です。新たな事業や技術、製品、商品、サービス、情報などを創出できる人財(人材から人財へ、新たな価値を生み出しうる人を人財と表現したい)を誘致、育成することです。そのためには、企業全体で創造を生みやすい組織化を図り、そのような場を柔軟に設けることができるようにすることが大切だ。一人の人間ができることは限られるので、社内においても社外においても、競争から協創へ!発想の転換が必要です。
そのような動きを社外から、組織外からでもコーディネートすることに社会的役割と意義がある。まずそのような人を誘致・育成することも地域全体の優先活動となります。
 地域への人財移転を促進する上でポイントとなるのは、すでに地域で活躍している人との出会いです。そのことを促進するための事前の情報発信と、出会いの場の設定が必要です。能登ネットワークの皆さんと「能登人」というタイトルで冊子を作り、石川県の事業で「能登人と過ごす能登時間」という体験交流型のプログラムを発信する活動を続けてきたが、新しいテーマ設定での「○○人と過ごす○○時間」のプログラムづくりができればと思う。私が石川県に戻りやすかったのは、その前に地域で活動している人たちと知り合っていたことがあります。これから地域を目指す人たちのために、そのような機会を積極的に作っていければと考えています。

6 衣食住とエネルギーの自給率100%以上を【200516】
何があっても、生き延びられるための基礎として必要なのは食料であり、人々の暮らしを守る住宅、寒さや熱から体を守るための衣料です。例えば、石川県はそれを100%以上自給可能ではないか。農林水産業が盛んで、米、野菜、果物、海藻・魚・貝類も豊富に生産されています。森林も多く、林業や製材業も健在で、建設業も多く、地域産材で家を作る事業も広く行われています。電気やガスに関する事業体も県内各地で活躍されています。昔から伝統的な織物や繊維産業が盛んで、基礎的な衣類を生産することも可能なはず。地域産のもので、生活の基本を確保できることで、安心して生活できます。次に考えるべきは、エネルギーの自給です。水力発電やバイオマス、ソーラー、風力はもとより、新たな発電やエネルギーを生み出し蓄積する技術、システム開発を積極的に進め、エネルギーの地産地消を目指し、100%を超えた分は周辺に提供することを進めていただければと思う。
自治体としても、衣食住やエネルギーなどの自給率100%以上を目指すことを打ち出し、そのことに関わりたい人財集積を図るべきです。それこそが政策であり、新たな仕事を創りだすことにつながります。小規模で循環型の仕組みを考えて欲しいものです。例えば、風力発電も、効率が悪い巨大なものでなく、小規模なものを開発できませんかね。風の強い能登事務所のある谷筋では小さくても、風のエネルギーを取り出す仕組みが構築できそうですが、一緒に考えていただける人や企業はありませんかね。水力にしても、昔は家の近くの用水に螺旋式の水車が設置されていて、そこから動力を取り出して、脱穀機などを動かしていた記憶があります。小水力発電の研究も進められています。大きな川が無い能登においてこそ、そのような技術開発に取り組んでいただければと思う。海岸線が長い石川県では、海の波動からエネルギーを取り出すことも可能なはず。里山里海エリアでは、そのような身近な自然資源を活かしてエネルギーを活用できるはずです。次代においても持続可能な生活の仕組みづくりを、地域から構想し、実現できればと考えています。一緒に取り組んでくださる方の参画を期待しています。

7 未来価値【200516】
現代を生きる一人の人間として、共に生きる人々の幸福を追求すると同時に、次代を生きる人々(まだ生まれていない人々)の幸福に資することを残していくことも念頭に置くべきです。未来世代にとって価値あることは何か、それを「未来価値」という概念で考え続けてゆきたい。その時代にならないと分からないのかも知れないが、現代においても想定できる指標を設定して評価することは可能ではないか。
(1)可能性を広げるための資源を残すこと
将来世代が新たなことに取り組む、新たな生活資材を生み出すために活用可能なものを残しておくことです。自然環境の保全や生物多様性、長い年月をかけて生み出し保全してきた水田や耕作地、森林などもそのような存在かもしれない。
(2)将来世代にとって負担となりそうなものは残さないこと
財政赤字なども典型かも知れないが、保管し続けなければならない廃棄物などもそうであろう。体内に蓄積される化学物質もそうです。現代世代の幸福追求のために生み出したものが、将来世代に負担をかけるようであってはいけない。そのことへの想像力が必要です。自分の幸福のために利用したものが将来世代に災厄をもたらす恐れがあるなら、その利用は控えるべきです。
先般拝見したNHKのテレビ番組「欲望の資本主義」の中で、ジャック・アタリは、
「将来世代のためになることをすることが自分を利する。まだ生まれていない世代のために何かをなすことが自分の将来のためになる」と語っていた。
そんなに新しい発想ではないが、現代こそ、もう一度この発想にたって何をするかを考えるべきかもしれません。

8 健康長寿の推進【20200525】
新型コロナウイルスは、健康の大切さも教えてくれています。日本全体の健康増進施策は「健康日本21(第二次)」(平成25年度〜令和4年度)にまとめられています。「全ての国民が共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現」を目指して、健康寿命の延伸・健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防・重症化予防、社会生活機能の維持・向上、社会参加の機会の増加、健康のための資源(保健・医療・福祉等サービス)へのアクセスの改善と公平性の確保、生活習慣の改善(リスクファクターの低減)、社会環境の改善などがまとめられています。こころの健康、次世代の健康、高齢者の健康について具体的な目標が設定されています。一人ひとりの生活の中では、栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康の重要性が示されています。自治体においても、その具体化の施策がとりまとめられているはずです。健康長寿な生活習慣の実践がしやすい環境で暮らすことが大切であり、地域においては、自然環境を活かした健康増進プログラムづくりが期待されます。効果的な活動として、水中運動と森歩きを提案してきましたが、そのための場の整備とソフトウエアを提供できる人財育成・集積が不可欠です。水中運動は、足腰の痛い人や肥満傾向のある方にお勧めしていますが、筋力をつけ、バランスを鍛え、体脂肪率を下げる効果が期待できます。森歩きについては、足元が柔らかいところを歩くことが、足腰にも優しく、運動負荷も高めて、水中運動と同じように、バランスと筋力を鍛える効果も期待できます。そのようなフィールドを身近な場所に用意することが自治体には求められます。森歩きを楽しめる散策路をあちこちに設けていただき、屋外で3密にならずに、健康維持を図れるようにすべきです。海岸や川べりなども有効に活用できます。
運動習慣を身に着けると同時に、食習慣や飲酒・喫煙の見直しも重要です。喫煙習慣のある人は重症化しやすいと言われている新型コロナウイルスです。この機会に禁煙に取り組む人が増えることを期待しています。

9 文化の伝承と創造【20200614】
 地域には長い年月にわたって受け継がれてきた民俗文化や祭りなどがあります。人口減少が進む地域では、それらが消滅しかかっていたり、形が崩れてきたりしています。地域の担い手の減少とともに難しくなっています。それらの文化財についての再評価を進め、それが次代に受け継ぐべき価値の高い存在であることを地域内外に発信すべきです。地域の人々だけでは難しくなっている行事には、すでに地域外からの参加者も受け入れています。能登の祭りではそのような動きが各地でみられるようになっています。その際に、その祭りや民俗文化の価値や魅力をしっかり語っていただきたいものです。
但し、民俗文化財については、練習に相当な時間がかかることもあり、数日の参加では担うことが難しい面もあります。継続的に地域に通い、地域の人々と一緒に練習を積み重ねて当日に臨むような参加の仕方を用意すべきかもしれません。

10 観光=交流産業の振興を【20200622】
観光事業のコアは人との交流です。宿泊業、交通事業、飲食業、物販業、体験交流プログラム提供者、そして、地域住民もお客様との交流を楽しんでいる必要があります。楽しくない人がいると、お客様に伝わります。
日本一と評価される加賀屋さんが提供している価値のコアも「おもてなし」であり、いろいろな役割を担うスタッフのお客様と関わるスキルを高めることへのたゆまぬ努力の成果ではないでしょうか。
地域性を感じられる空間づくり、地域素材や伝統工芸品などを活かした食事も大切な要素ですが、それを提供するスタッフの身のこなし、表情、言葉づかいなどで評価は大きく異なります。
地域住民も他所から来られたお客様と関わることを楽しんでいただくことが大切です。住民同士が挨拶するように、旅の人にも声をかけまししょう。少しの時間でも地域の話題を提供して差し上げることが、お客様の印象を良くします。景観維持のための日常的な管理を続けます。素晴らしい地域とは、そこに住まう一人ひとりが、景観を形成されることに参画している地域です。家の前を通る人も楽しめる場所に草木を植えられていることが素晴らしい。その維持のために草をとり、掃除を日課とされている方がいる地域は魅力的です。
能登ネットワークの皆さんとの議論の中での結論は、「地域の魅力のコアは地域で暮らす人である!」ということで、「能登人」という冊子を編集することになりました。このコンセプトは不変のものであり、どの地域においても通用することではないでしょうか。能登人で紹介させていただいた方は普通に地域で暮らす人々です。地域で暮らす一人ひとりをクローズアップするような活動、一人ひとりが担う仕事の意義などを再評価する活動が、観光=交流産業の振興の基本に必要なことではないでしょうか。



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