[ 金沢便り2007.11月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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11月30日(金) 若い世代へ
50歳を越えた段階から意識していることは、いかに次代を担う人たちと関わるかということ。地域は年輩者から子どもたちにいたる多様な世代の人たちで構成されているから、それぞれの役割と存在感があるであろうが、核となるのはどのような人たちか。地域社会の重要なことを決定しているのは年輩者であろうが、新たな事業や施策を考える核には若手になっていただきたいものである。そのような若手が地域で活躍することのお手伝いをすることが年上の者に課された責任ではないかと思う。先日の政策形成研修もそうであったが、明日行う「地域づくり円陣」特別分科会に若い人たちを誘ってきたのは、そのような問題意識からである。能登で活躍する若手のネットワークづくりの機会であり、彼らが当面している課題を出していただき、今後の活動のあり方を考える場にもできればと思う。早く我々が退場しても、若手の皆さんが地域の担い手として動きやすい仕組みを構築していくことが重要だと考えている。例えば、「地域の担い手事業」ということで、業種横断、地域横断で継続的に学び合う場を設けるとか、個別にも経営サポートを継続的にする体制を作ることも必要かもしれないと考えている。
11月29日(木) コミュニティ
神仏をまつる場があるところがコミュニティの基本ではないか。日本の伝統的な村落の一角にはお宮があった。お宮では毎年、伝統的なお祭りが行われてきた。その際は住民が協力し、モノもお金も出し合う。祭の基本は神々への感謝であり、祈りであるが、いただいたもの、ためこんだものを使うことにも意義があった。そのことは文化人類学において、「蕩尽」(参考ページ)という概念で語られてきた。金を稼ぎ貯めることに多くのエネルギーを注ぎ込んでいるような現代社会の主流の価値観に違和感を覚える。少なくとも日本の伝統的な村落・コミュニティを維持していく上で、核にある祭の構造に反する価値観である。お金や財は回すもの、使うためにある、活かすためにあることを明確にすべきであろう。金を生むために使うということだけではダメである。祭で一気に使うことで、リフレッシュされ、神々の加護も得られるという発想が大事なのかもしれない。儲け過ぎ、溜め込んだ企業や人は崩壊せざるをえない。そして、人は確実にすべて死ぬ。どこでどのように死ぬかも考えないといけない。
11月28日(水) 政策形成研修
政策形成研修の最終回が県庁であった。県庁の関係部局の人にもプレゼンを聞いていただこうという主旨であるが、県議会中ということもあり、参加者は少なかった。それでも、研修生は事前の練習と本番と2回、プレゼンを行ったので、少しは分かりやすくなったのではないか。いずれにしても、これからの地域振興の担い手は今回参加してくれていたような若手である。今回のようなアプローチを是非実務でも活かしながら、より地に足のついた政策づくり、事業の推進を図ってほしいものである。夜は問屋センターでの青年部の例会につきあう。県庁商工労働部から施策の説明におこしいただいたが、今後の継続的な関係構築に期待している。
11月27日(火) 山岸果樹園
午後から能登町内浦庁舎で雇用創出事業の会議があったので出かけた。途中、内浦放牧場の近くにある山岸政盛さん(自宅は能登町字合鹿 TEL 0768-76-0284)の果樹園を訪れる。3度目であるが、ご主人もいらしたので写真を撮影させていただく。ちょうど、樹上でさわした柿の収穫中であった。収穫してからさわす方法と樹上でわさす方法とあるそうだが、樹上でさわす方がしゃきしゃきした食感になるとのこと。小さな袋に固形アルコルーを入れて青いうちに袋で一つ一つを覆うそうである。手間のかかる仕事であるが、美味しい果物を作るためにはいろいろな工夫をされているものです。りんごと柿がメインであるが、栗、銀杏、ブルーベリーも少し栽培されていて、楽しい果樹園です。作業小屋の横では鶏も飼われています。りんごと柿は不動寺の「おくのといち」でも販売されていました。

柿を収穫する山岸政盛さん
11月26日(月) 中山間地域
中山間地域は農業をするには条件不利地域ということでいろいろ支援策が講じられてきた。しかし、そろそろ視点を転換して見る事も必要ではないかと思う。小さな田んぼや棚田が多く、水田耕作には非効率的であるのは確かです。それでも、手間ひまかけて、米を作ったり、いろいろな種類の野菜を栽培するのには向いている面もあるのではないか。日照や水、風の問題等もあることはたしかですが、中山間地域の寒暖の差の激しいところであれば、野菜や果物の甘みが増したり、色づきも良かったりもする。土地の構造や気候条件を活かした農産物づくりで付加価値を高めることができないであろうか。手間ひまかけた野菜や米、果物などを地域の飲食店や宿泊施設、お菓子屋さんなどが活かすことで、ぞれぞれのサービスや商品の価値を高めることができれば、相乗効果が出るというものだ。あえて地域の不利な条件を最大限に活かした事業展開を考えるのが、これからの地域振興の柱となるべきである。
11月25日(日) 帰り
朝7時には朝食をいただく。シジミのみそ汁が出雲らしい。松浦さんに出雲市駅まで送っていただくが、定刻に出発した特急が濃霧のため、ゆっくり運転であった。岡山駅には20分遅れで到着。予約してあった新幹線は行った後で、最初にやってきた「のぞみ」に乗り、立ちながら京都まで行く。京都駅で急いで乗り換えたら、予約してあった「サンダーバード」には間に合いました。いずれの列車も混んでいて、余計に疲れた帰り道でした。

シジミのみそ汁

旅館すたにの庭

濃い霧で太陽が月のように見える
11月24日(土) 神在月サミット
神在月サミットが行われた。旧出雲大社駅に9時に集合。駅舎の中にテーブルと椅子を並べ設営を行う。白布も用意されており、それらしくなりました。その後、荷物を「旅館すたに」に預けに行くが、出雲大社周辺は大渋滞でなかなかたどり着けない。裏通りを旅館から戻る途中に、中学のそばの「森お好み焼きや」で焼きそばをいただく。油分が少なく、薄味なので食べやすい。何度もいただいているが美味しいですね。一旦、旧出雲大社駅に戻り、分科会の様子を見に出かける。少し時間があったので、出西窯で行われていたまつりを見学に行く。多くのお客様でいっぱいでした。それでもマグカップと皿を買わせていただき、豚汁とおにぎりもご馳走になりました。その後、「牛飼いに会いに行く」という分科会の会場である小林牧場に行く。牛舎を見学し、牛乳も試飲させていただく。小林さんご夫妻の頑張りが報われる方策を考えないといけない。お客様と直接出会える場を作り、ソフトクリームからでもいいからスタートすべきではないか。次に、鵜鷺地区での分科会の会場へ。まち歩きを終えて、廃校を利用した鵜鷺コミュニティセンターでグループワークが行われていたのでそちらへ。いろいろアイデアを出していただいていたので、地元の人にとっても役立つ場になっていましたね。当方も最後にコメントをさせていただく。出雲大社の裏山の先にある集落であり、北前船の寄港地です。もっと再評価されるべきです。夕方5時からは全体会議が旧出雲大社駅で行われた。4つの分科会からの報告の後、「まれびと」からのコメントもいただき、最後に少しお話をさせていただく。まれびとを迎えての議論を重ね、地域振興のあり方についての具体的提言や企画をまとめ、実践につなげる場として定着を図りたいものです。将来は地域が連携しての政策提言ができるようになりたいものです。交流会では、釣り宿の幕島荘(泊めていただいたことがある)の刺身とオードブルがメインであった。さすがに美味しい。最後は旅館すたにに戻り二次会、11時過ぎには寝る。充実した一日でした。協力いただいた皆さん、参加いただいた皆さん、ほんとうにありがとうございました。

「森お好み焼きや」の焼きそば

旧出雲大社駅

小林牧場で最初に説明をいただく

鵜鷺地区での話し合い

分科会報告

コアメンバー+津和野の斉藤さん
11月23日(金) 神在祭の出雲
神在祭の様子を観に出雲大社に行く。出雲市駅より一畑電車で向かう。途中、川跡(かわと)という駅で乗り換えるが、のどかな出雲の田園風景が広がり、特に乗り換えて出雲大社に向かう途中に見える山の様子はいい雰囲気です。電車に乗っているのは若い女性が多い。「神迎の道」では、空き店舗などを使ってイベントを行っており、各家々には竹で作った「潮汲み」に花が生けられています。お茶屋さんでぜんざいをご馳走になり、出雲大社に向かう。大社さんの中は人でごった返していたが、神官たちが執り行う神事を拝見できた。神在祭ならではですね。両脇にある八百万の神々が滞在しているという「十九社」は戸があけられ、供え物がされていて、多くの人がお参りされています。砂利が敷かれた参道を歩いて戻る。再び一畑電車で出雲市駅に戻り、商店街を見学して回り、あおいやさんでお茶をご馳走になる。夜は「こん吉堂」さんでいただく。

一畑電車の車内の様子

一畑電車の車窓の風景

神迎の道での催し

潮汲みに生けられた花

お茶屋さんでのぜんざい

神官たちの行列

十九社の前の人々

神官たちも祈る

こん吉堂の明石焼き
11月22日(木) 出雲へ
神在月サミットのために、出雲に行く。23日に行くつもりでしたが、列車の指定席の予約がとれないので、22日の最終列車にしました。金沢での仕事を終えてから、6時過ぎのサンダーバードで出発。京都で新幹線に乗り換え、岡山で特急「やくも」に乗り換える。いずれも混んでいた。出雲着は0時40分であったが、多くのお客様がいて、ホテルで一緒にチェックインしている人がいました。
11月21日(水) 積極的な関わり
一度案内しただけでは、人は動かない。新たな試みについては特にそうだ。よっぽど魅力があれば別だが、積極的に呼び掛けないと反応していただけない。そのような前提で、来週末に迫った「地域づくり円陣特別分科会」に参加して欲しいと考えて、事前にメールやファックス等で案内してあった人に電話をかけた。電話で再度説明することで、参加して下さるとの返事がいただけるものです。20名以上にはなりそうです。会場も大きくしていただかないといけないかもしれませんね。当日いきなり来る人もいるでしょうから。当方が担当する分科会は正式プログラムではなく、案内パンフレットにも記載されていません。50分刻みで、セッションを行うというアイデアであったので、それでは報告はできても、十分な議論はできないと反対。折衷案ということで、当方の担当するセッションだけを特別分科会として外に出した形だ。当方の企画は、顧客ターゲットを絞った事業こそが価値を持つとの認識が前提にあります。しかし、セッションの形を保ちたいという意向を受けて、最後だけシンポジウムのセッションに参加することになっています。問題は既存の仕事の可能性を検証することと、新たな仕事としてツーリズムなどの可能性を感じていただくことです。じっくり「森の家」の取り組みを紹介いただき、それを踏まえて能登での今後の活動を語り合いたいものです。意欲高い人たちが集う場になり、新たなネットワークの形成と、それを活かした事業展開が可能になるとうれいしいですね。
11月20日(火) 人の誘致
地域の未来開発にとって重要なことは人の誘致である。新たな価値や事業を創造するのは人である。持続可能性を考えると若い人が優先されるが、一方で熟練の技や知を活かすという観点で、中高年の方々に期待される役割も大きい。蓄積された知を有する中高年と新たな発想で果敢に取り組む若手が一緒になって活動することで、新たな事業や価値は生まれやすくなるのではないか。能登町での会議で、自分たちでは加工は難しいという話もうかがったが、商品開発についての知見を有する人の誘致や連携を考えるべきではないか。数馬さんではないが、専門家の活用も考えるべきだ。中途半端に補助金をあてに事業をすべきではないが、自立するためのきっかけづくりとして有効に活かせるものは使えばよいのではないか。
11月19日(月) 可能性の追求
地域の可能性はどのようなところにあるか。夢を描き、希望をもって、地域での日常活動を展開し、新たな活動にも取り組む。地方ほど一人の人が担っている役割は多いでしょう。そのことをいかにとらえるか。多様な役割を面倒くさいととらえるか、存在感の確認であり、人生の充実と感じれるか。単機能化、専門化し、都市で生きるか、多くの役割を担いつつ、多様な機能を果たせるようになることで生きやすくするか。地域においても多様な人が共存でき、異質性を保ちつつ生きられる。新たな知や価値の創出が持続的に行われる場となること、そのためには魅力的な人が存在し、触発力を有する人がたびたび訪ねて来る。豊かで多様な自然環境が保たれ、産業バランスがよくて、自立的に運営可能なエリアとなること、それが地域で目指すべき姿ではないか。過疎化、高齢化が進んでいるという能登に、よその人が移り住み、出身者が戻ってくるようになりたい。すでにその動きは感じられるようになっている。能登は全国のモデルとなる地域を目指すべきではないか。次なる時代はそのようなことが可能だし、そのようにしないといけない。適度な人の分散居住こそ、持続可能な社会となる。半島の先端から時代の先端を拓く気概が必要だ。
11月18日(日) バランスのよい産業構成
地域の強みはどこにあるかを考えているのだが、一つはバランスのよい産業構成ではないか。どこかに強みを作るという発想もあるが、数少ない企業や事業者、住民の皆さんの意欲を喚起するためにも、どこかに特化する以前に取り組むべきは、既存産業のバランスのよい発展ではないか。農林水産業をベースに、付加価値化を図るものづくり、地域の産品を活かす飲食や宿泊などのサービス産業、そして、魅力的な産物を遠方にまでお届けする商業など、連携して地域で事業を営むことで、地域の発展は可能となるのではないか。どこかに極端に沢山の雇用は生まれないかもしれないが、持続的な地域形成が可能となるはずだ。そのようなコンセプトでの地域の将来像を描くことも大切ではないか。
11月17日(土) 奥能登経済塾
山中から再度、能登に向かう。早めに能登入りできたので、道の駅桜峠と夢一輪館で雇用創出事業について説明、可能性をうかがう。道の駅は空間を広げることができれば、雇用を確実に増やせそうです。夢一輪館では新たな人財を以前から求めているとのことです。能登に魅力的な飲食を増やすためには、育成研修という意味でも、若い人を受け入れて欲しいものです。午後は興能信用金庫本店で「奥能登経済塾」。岡山商科大学の多田教授の講義、数馬さんのお話の後、能登ネットワークのコンセプトや、新たな知の創出についてお話をさせていただく。興能信用金庫さんには地域振興、地域の産業創出、情報発信、さらに、奥能登のような過疎地域の信用金庫さん等とも連携しながら、新たな政策提案や事業開発を進めていただきたいものだ。能登からの帰り、山の中では道路が白くなっているところがあった。冬が近づいているようだ。

昼食にいただいた風来坊の刺身
11月16日(金) 雇用創出
朝から能登に出かける。最初にのと森林組合で雇用創出事業について意見交換。やはり、新人研修段階での経費が課題であることがよく分かる。林業技術が簡単に身に付くはずもなく、長期的な研修が必要だ。新たな事業についても提案させていただく。森林をフィールドにした事業は多面的に展開可能だ。そのあたりは、12月1日の地域づくり円陣の特別分科会でイメージをお伝えしたいものです。その後、柳田庁舎で広報誌の取材。能登町の広報誌はずば抜けて充実した内容です。若い二人が中心になって編集しており、彼らの意欲と企画力は素晴らしい。素晴らしい人財がいる町です。午後は内浦庁舎で雇用創出の会議。先週の最初の会議からさらに多くの人が参加されて、徐々にイメージをつかんでいただいてきているようだ。皆さんからの要望を踏まえた制度設計を行いたい。その後、山中に移動し、かよう亭でミーティング。久しぶりにかよう亭の夕食をご馳走になる。さらにラウンジで心地よい時間を過ごす。忙しかったが、充実した一日でした。

柳田での秋景色
11月15日(木) 深化する産業観光
加賀能登のれん会で産業観光のミーティング。理事長や副理事長も参加して議論しているので、会としての方針設計にとって重要な意味をもつ場になっている。議論するたびに、曖昧な部分が明確になっていくようでうれいし限りです。可能性は確実に広がっているし、モデルとしての意義はますます高まっているようだ。実験を通して、次につながるような成果と評価を得られるようにしたいものである。真っ当な価格を設定し、お客様評価をしっかり得られるようにすべきである。モニターということで安く価格設定をすべきではない。価格以上のサービスを提供すること、質的な充実を図ることに注力することを優先すべきであろう。
11月14日(水) オルタナティブな生き方
競争優位に立つ事で豊かな人生を実現しようとしてきたと言える従来の生き方。それに変わる新たな生き方、価値観を明確に主張していくことが必要である。大都市への行政機能や情報、お金、そして、人口の集中は、相対的に地方独自の文化、存在意義やそこでの暮らしの価値を下げてきた。大都市の様子を発信し続け、地方での暮らし、そこでの人生を否定することで、都市への人口の移転を促進してきたとも言える。これまでのそのような動きに変わる新たなコンセプトが必要だ。小さいことに価値を見いだし、自然とともに生きること。「スモール・イズ・ビューティフル」とは、70年代に活躍したシューマッハーのコンセプトであるが、現代においても価値を有しているように思う。再評価とその実践が必要なのではないか。オルタナティブな生き方の提案は、実践者の暮らしぶりを伝えることで、理解が深まるはずだ。地域にあって、環境との関係を意識しつつ、創造的に触発的な人生を送っている人は美しい。そのような人との出会いと継続する関係を重視して、地域を歩きたいものである。
11月13日(火) 能登の未来開発
能登の未来開発のために何が必要か。そのことをどこまで見極めることが出来るか。何度も書いていることであるが、明らかに優先すべきは若い人財の地域への移転である。このことにどれだけ集中して取り組めるか。持続可能な地域とは次世代が確実に登場してくることが基本要件となる。部局の垣根を越えて、このことにエネルギーを注入できれば、展望を開くことが可能になるであろう。既存の事業や他の部局の取り組みとの連携、相乗効果を発揮する方向で、施策を考えるべきである。既存施策が不完全であるから、成果も薄く、今の状況がある。このことをもっと真剣に反省すべきではないか。行政、自治体職員の大きな課題は、選択と集中による新たな発想、取り組みができるかどうかにかかっている。民間サイドからの提案を繰り返していくことも重要なことであろう。その役割に存在意義を見いだして仕事をしていきたいものである。若い人財移転は仕事づくり、既存産業の振興や新たな産業創出によって可能となっていく。その可能性をまず明らかにしていきたい。
11月12日(月) コンセプト
企画の核になる概念をコンセプトとして設定することの必要性を語り続けている。最初は曖昧な部分がありつつも、設定したコンセプトを基点に事業のフレームを考えていくと、徐々に明らかになっていくことも多い。そのような構築プロセスを経る事で、鍛え上げられ、体系的な知に編集されていくとも言える。コンセプトの語源は懐胎することであると書物に書いてあったが、育てるつもりで体系化を図る作業が必要なのだと思う。関係者が共有し、ともに商品や事業について考えるためのよりどころになる概念として重要な意味を有している。今日もコンセプトを語り続けた一日であった。これからの地域にとって重要なことは自ら政策を創出し、それを実現することである。そのためには政策体系への配慮がいると同時に、新たな政策としての明快さが必要だ。
11月11日(日) 楢下宿と山元地区
「上山まちづくり塾」の山口登市さんに案内いただき、楢下宿を見学に。あいにくの雨模様でしたが、茅葺きの館で餅つきが行われ、囲炉裏で焼いた納豆餅や大根汁なども提供されていました。地元で作られている野菜やラフランス、漬物などの販売もありました。囲炉裏で薪を焚いているので、館全体がいぶされ、よい具合でした。楢下宿は茅葺きの館が点在し、古い石で作られたアーチ橋、昔の宿場町の風情を残す街並など、魅力的な場です。必要なことは飲食や地域の産品を購入できる店でしょうね。空き家を市が買い上げているようだから、その建物を活かして飲食や物販の店にしていただくことだ。次にお邪魔したのは、白鷹町に抜ける峠道の途中にある山元地区。まちづくり塾のメンバーの一人、大風正明さんの地元で、来週行われる「そばまつり」の試食会に混ぜていただきました。太い麺と細い麺、そばがき、薬味もねぎ、だいこん、なめこと用意されていて、いろんな味を試す事ができました。試食後は、いきなり地区の将来についての意見交換会になったが、中山地区と同じく、手打ちのそば処と直売所を設け、地元の人たちがローテーションを組んで関わり、少しずつ収入も得られるようにすることだ。今年で24回目というそばまつりの実績を活かす道はそれが一番ではないかと提案させていただいた。地区の皆さんの活躍を期待したいところだ。

畑に干されている紅柿

楢下宿の茅葺きの館

山元地区でいただいた手打ちそば
11月10日(土) まちづくり元気塾3
まちづくり元気塾の3回目である。旧中山小学校の活用についてアイデアを出し合っていただく。その前に、濱さんからはこれまでの整理と課題を、高峰からは事例報告として、白山麓のにわか工房とせせらぎのことを紹介させていただく。さらに、東北芸術工科大学の学生諸君からの提案もしていただきました。昼は餅つきをして、つきたての餅をおいしくいただきました。午後のグループワークの前に、学校を再度見て回り、気付きの促進を図っていただくプログラムになっていました。事務局の大木さんの企画ですが、当方が常々お話ししていることを踏まえてくれています。最後に2つのグループから発表いただきましたが、それぞれ、「学校」がタイトルについた案になっており、皆さんの愛着が表れているようです。今回の意見を踏まえて最終案をまとめたいものです。その後、上山に移動し、商店街の若手や「上山まちづくり塾」のメンバーと懇親会。お宿に帰ったのは0時過ぎでした。

旧中山小学校での元気塾の様子
11月9日(金) 山形県白鷹町中山地区
まちづくり元気塾のために、地域づくりコーディネーターを一緒にしている濱さんと白鷹町に行く。途中、小国町の「りふれ」という施設を見学にいくが、季節はずれということもあり、閑散としていた。しかし、まわりの山や環境はきれいで、魅力的な空間のように感じた。夏場は多くのお客様が訪れるのであろうが、紅葉の時期も森歩きは楽しそうである。森林セラピー基地として登録された場所もあるようだが、予約制となっており、事務局に電話した雰囲気ではお客様は少ない感じでした。夜は白鷹町の旧中山小学校で若い人たちとの懇談会。問題点と魅力に感じている事を書き出していただき、整理してみたが、地域の魅力をしっかり把握されている人も多く、心強く感じた。今後が楽しみです。
11月8日(木) 政策形成研修2
今日は一日、自治研修センターで政策研修であった。最初にプレゼンをしていただき、それぞれについてコメントする。1グループ15分の予定が時間オーバーが続出で、4グループでありながら、1グループにそれぞれコメントをさせていただいたこともあり、2時間半近くになってしまう。午後はグループワークで作業を進めていただくが、途中グループを回りながら、アイデアや情報提供を続ける。おかげで、今日も足がだるくなってしまいました。今日は少し主観的な話し、参加メンバーへの期待を語り過ぎたかもしれないが、実際に彼らの活躍が新しい地域社会をつくることにつながるはずである。テーマを絞った大胆な提案を期待したい。その後、加賀能登のれん会の事務所で産業観光についての打ち合わせ。魅力的なプログラムづくりは、手間ひまかかるものです。
11月7日(水) 加賀の店めぐり
午後は「まちづくり人材育成塾」の2回目があった。午後2時から、参加メンバーの店を見て回る。山中温泉の商店からスタートし、山代、分校、永井、大聖寺と10数店舗を見学したが、メンバーにとって初めて知ったというところも多く、よい出会いでした。お互いを知る事が、連携、ネットワークの出発点だと考えているので、ちょうどよい機会となった。店や工房で迎えていただき、お話をしていただくだけでも、今後につながる可能性もありそうです。何度か、このような会を重ねるだけでも、確実に連携した事業が動き出しそうな感じでした。最後は山中温泉文化会館で気付いたこと、今後へのアイデアを出し合っていただきました。現場を見た上でのアイデアの方がリアリティアが感じられるものですね。

店頭にあった香箱カニ
11月6日(火) 雇用創出
朝早くに家を出て能登へ向う。最初に富来で寺岡さんと意見交換。まず、本業をしっかりして、業績を上げる事で雇用も増やす努力をすることが基本である。その上でネットワーク活動や地域づくり活動もあるのではないか。本業に良好な影響が期待できる活動であれば、本業のための販売促進という意味で行う価値はあるであろう。ネットワークは新たな事業開発の孵化器としての役割を果たすことが重要だ。午後は能登町で雇用促進のための会議に参加。ここでも、それぞれの企業や団体が新たな事業に挑戦していただくことを前提にした人材獲得と、後継者育成のための研修生の受け入れを大きな柱にして活動を行いたいものである。地域に若者を増やすための事業として、地域全体にインパクトを与えられないかと考えている。そのためには、新たなコンセプトの提起が必要だ。
11月5日(月) 奥能登流仕事おこしネットワーク講座
午後から金沢大学の地域経済情報センターの碇山教授たちと打ち合わせ。11月17日(土)に行う「奥能登流仕事おこしネットワーク講座」の内容について意見交換を行う。ネットワークを活かした事業開発、新たな事業を興すためにもネットワークの形成が重要であることを伝える内容にされたいようであるが、この講座を通してすぐ事業が立ち上がることを期待するのは難しいかもしれない。相当な議論を重ねないと事業の創出は難しいのではないか。すでに具体的なイメージを持っており、それなりのシミュレーションを行っている方が主体であれば可能であろうが。いずれにしろ、今後の奥能登での最大の課題は仕事創出であるとの認識では一致している。
11月4日(日) 白山麓
白山麓に出かける。紅葉のシーズンで天気も良かったのでお客さんが多い。来週末、白鷹町で紹介するための写真撮影も兼ねて、にわか工房に最初に行く。昼前であったが、大勢のお客さんで満席、順番待ち状態です。開業して3年半たつが、三ツ屋野地区の奥様方が頑張っておられます。次に工芸の里を見学。鶉荘での展覧会を拝見。館長から説明をいただく。2階からながめる御仏供杉が素晴らしい。工芸の里を散策後、食彩館せせらぎの様子も見学に。手打ちのそば屋は満席で順番待ち、直売所も商品が売り切れ状態でした。近くの「おきな」も満席でした。帰り道の途中にある「唐変木」でそばをご馳走になって帰る。

大きな御仏供杉
11月3日(土) いたる
午後から、門前出身の坂さんと「地域づくり円陣」や昨日県庁で議論していた件などについて打ち合わせ。今後の能登の振興課題についても多面的に語り合う。夕方からは柿木畠の「いたる」本店で夕食をご一緒する。ベニズワイやおつくりなどをいただくが、金時草も久しぶりに食べた。土曜日ということで、いたるは予約と早めに来られるお客様で6時には満席状態でした。いたるは早めに出たが、家に帰り着いたのは1時過ぎであった。長い片町の夜でした。

いたるの金時草
11月2日(金) 地域振興を議論する
昨日に引き続き、能登の振興策について、朝から県庁で議論する。論点はいくつかあるのだが、交流人口増が目的なのか、定住人口増を目指すのか。事業の継続のための主体としてどのような人や組織を想定できるか。自立を目指す活動として、どのような事業を柱にしていくか。そして、産業振興をベースにした震災復興事業としてどのようなステップを描くか。地域の人々のニーズを踏まえてということはもとよりであるが、新たな事業提案も加えながら、事業のフレーム、推進体制を構想すべきである。思い切って絞り込んだ提案が地域の人を動かしやすくすることもあるであろう。
11月1日(木) 能登の未来開発
能登の未来をどのように構想するか。本来は能登に住んでいる人たちが描くべきビジョンであるが、能登に関わり続けている人間にとっても重要なテーマである。一つの地域はそこに暮らす人たちだけのものではなく、すべての人にとっても影響のあることであり、関わる事が必要なことでもある。優先順位はあるかもしれないが、問題提起はゆるされるであろう。周りに被害を及ぼすおそれのある施設を作ることは周りの住民も反対する権利を有するであろうし、その地域が衰退することで周りの地域も衰退したり、営めることが限られるようになる場合は、積極的に関与すべきであろう。例えば、水源エリアで集落が崩壊し山が放置されるならば、下流域の人々にも多大なる影響が予想される。そのような場合は下流域の人も水源エリアにいって山の保全活動をすべきである。ひるがえって能登半島のことを考えてみると、能登は海の産物の宝庫であり、金沢の住民の食卓にも多くの魚を提供してくれている。山国として材木やきのこ、山菜なども供給している。一方で人材を全国に派遣してもいる。そのようなことを振り返ると、金沢の人間も、全国の人も能登に関わるべきである。豊かな自然環境の中で育った人材を育てているということは日本の将来にとって重要なことかもしれない。能登は人材育成や人を癒す、健康を促進し、心身ともに美しくする舞台として機能することが理想ではないか。健康によい食を提供すること、地域でその季節にとれたものから料理を構成し、器も空間も地域の産物が盛り込まれていること、そのようなサービスを提供する施設が多くなることを促進すべきでしょう。能登の山野を歩き、海を眺め、多様な生き物たちに触れ、そして地域人と交わることで、あるべき人間関係に気付く、そのような場にできればと思う。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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