[ 金沢便り2006.6月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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6月30日(金) 出雲へ
今年度2度目の出雲行きです。朝の列車で金沢を出発し、午後1時には出雲市駅に到着。前回訪問していない商店を回り、7月29日の実験イベントで何を行うか、相談。夕方からは、八雲神社の祭礼を見学した。市長も参加されてのもちまきやビンゴもありますが、メインの楽しみは神楽の奉納。3つの演目が行われたが、一番分かりやすくて面白いのは「八戸(やと)」でした。須佐之男命(すさのおのみこと)の八岐大蛇(やまたのおろち)退治の物語です。出雲らしく、大蛇が迫力あります。子ども達も舞台の前に出てきてみていましたが、お好みのようでした。一見おそろしい姿をしているのですが、見慣れているのか出雲の子どもはちがいます。その後、松江から来てくれた松浦さん、綾仁さん、北村さんも一緒に、中央通商店街に新たに開店した「YAGURA」で地元の商店の皆さんと懇親会。結局、松江から来てくれた彼女たちとろくに話をしなかったな・・・。

神楽・八戸
6月29日(木) 近江町市場
午後から近江町市場に行く。久し振りのことである。ヤマカ水産にお邪魔してお話を伺ったのだが、その帰りに近江町をぶらぶらする。途中、ヤマカ水産が経営する「舟楽」という棒寿司の店を見つけた。昔風の建築で、近江町の中では新しいイメージの店づくりです。近江町の中ではさくらんぼやトマトなど赤味の食べ物が目立つが、相変わらずカニを売っているお兄さんたちが声を掛けて来る。地物と書いてカニを売っている店もあったが、いかがなものか。観光化が進んだ弊害が出ているようだ。

舟楽
6月28日(水) ひらめき
人と会って話すことの意義は、何かがひらめくことにある。話し合うことを通じて具体的なイメージが明確になることもある。質問されることで、細部をつめるということもあるだろう。対話を重ね、企画の重要部分を構想する。そのような場をどれだけ用意できるか。相手からヒントとなるような意見やアイデアを引き出すための問いかけができることも大切だ。昔から、三上(馬上、厠上、枕上)というように、一人でいる時にひらめくことも多いのだが、他人といる時にひらめくことも多いのではないか。自らがポジティブに生きていると同時に、そのような人と話すことだ。
6月27日(火) 初めて!
初めて出会う人と話すのは疲れる。相手の反応や心象がいかなるものであるかつかみづらいので、緊張を強いられる。初めての場所にいく際にも同じようなことがある。地理的な関係が把握できていないので、注意を集中していないと、自分の居場所が分らなくなりそうだ。動物的な直感で場所は分ることもあるが、それは蓄積した情報が機能している面もある。人の方が難しい。どのように反応するか、分らない人が増えているようにも感じる。人づきあいが難しい時代だからこそ、積極的に出会いを作ると同時に、継続する関係を大切にしていかないといけない。人は常に成長変化している面があることを想えば、常に初めての出会いのつもりで話すことも大切である。
6月26日(月) 産業観光
石川県商工会連合会の商工会観光・物産振興懇話会で産業観光の現場訪問を行う。最初に川北のハチバンフーズパーク。オリエンテーション映像を観た後、工場を見学。少し物足りない。試食や購入も可能な仕組みが欲しいところだ。それだけのお客が来ている訳でもないから仕方ないのかもしれないが、りっぱな研修用のサービス空間も用意されているから可能なはず。次に辰口の宮本酒造で美酒鍋をいただく。ここでは最初から若旦那が考案した食事をいただき、満足。素材も周辺の地域から調達していて、こだわりが強く伝わってきます。お庭もきれいで楽しめる空間です。最後に、川北の加藤和紙を訪ねる。ショールームになっている自宅を拝見し、その後、紙漉き場や材料倉庫、水車小屋(今は電動式ですが)などを見学し、お母さんのお話を楽しませていただく。お嬢さんは物産展に出掛けていて不在でしたが、母娘とも話が明解で面白いのが魅力。

宮本酒造
6月25日(日) アンビバレント
精神分析で有名なフロイトの人間理解のコア概念は「アンビバレント」ということです。二律相反ということを意味しており、人は強い面と弱い面をもっている、邪悪な精神と美しい精神を共に有している、状況によって、異なる側面が表に現れてくるのが人間であるというとらえ方です。学生時代に読んだ心理学や美学の本で学んだことなので、今では異なる理解がされているかもしれないが。人が生きていく上で、念頭におくべき重要な知見だと感じてきました。全否定か、全肯定かという、極端な評価ではいけない。良い面、悪い面が常にあり、相対的な評価が大切です。多神教に通じる発想でもあります。
6月24日(土) 宮口とし廸教授
午後に富山の宮口教授の家にお邪魔した。10月に石川にお越しいただくための打ち合わせに行った。市内の喫茶店で、金沢青年会議所の神さんと宮口教授、奥様を交えて打ち合わせを行う。その後、ご自宅にもお邪魔して、文書に印鑑をいただく。ご自宅は高山線の線路沿いにあります。細入村で生まれ育ったためでしょうか、高山線への思い入れが強いようです。ご自宅の玄関には奥様の作られたステンドグラスの作品が多く展示してあったが、教授を描いた作品は一見の価値があります。ワイン好きなことがよく分り、風貌も似ていて雰囲気が良く出ています。奥様も率直な物言いをされる魅力的な方です。

ステンドグラスの作品
6月23日(金) 釣りバカ日誌
能登町で打ち合わせ。その際にお土産にいただいたのが、「釣りバカ日誌」のカップめん。映画のキャンペーンでもあるが、能登町商工会で昨年から取り組んでいるいしりのブランド化にとっても重要な意味があります。「能登半島の魚醤使用」と表面にも書いていただいています。いしりはいろんな加工食品に使われていますが、分かりやすい例となります。すでに店頭販売が始まっているようですので、お試しいただければと思う。海鮮塩味と海鮮醤油味の2種類あります。

「釣りバカ日誌」のカップめん
6月22日(木) 講演
石川県商工会青年部連合会の研修会で講演。地域づくりについての話を1時間弱させていただく。時間が明確に切られていたので、早口で話したが、事例として語れることは3つ程度であった。企業経営をしっかりすることが一番の地域づくりであり、地域貢献であることも強調させていただいたが、ご理解いただけたであろうか。雇用を生み出し、地域経済を形成することが、地域の維持発展につながる。自治体も地域での経済活動や住民の存在が基盤となっている。これからを担うべき若手の活躍に期待したい。しかし、講演をすると疲れる。精神的なエネルギーを消耗しているのが分る。すぐには次の仕事に着手する気が起きないものだ。
6月21日(水) じょうるり
白峰に向かい、尾口の瀬女高原のトンネルを抜けて坂を上がる途中に「じょうるり」(白山市東二口町ウ116-1 TEL 0761-96-7817 11:00〜17:00、定休日:火曜、第1水曜)はある。かつて、創業者である先代の御主人が元気な時に取材をさせていただいたことがあった。今回久しぶりにお話をうかがう。途中、何度も食事に寄ってはいても、お話をしたことは無かった。先代が亡くなった後、しばらくは手打そばではなくなっていたが、お嬢さんがそば打ちを修行され、毎日手打ちのそばを出されるようになっている。試食もさせていただいたが、きれいな細いそばに仕上がっていました。最近は新たなメニュー開発にも取り組んでいるようで、「豆つゆおろししば」というメニューもありました。一番人気は、おろしそばセット1300円。白山麓に行かれる際には、是非お立ち寄り下さい。残された奥様と、二人のお嬢さんが頑張っています。

じょうるりのそば
6月20日(火) 山中温泉
山中商工会で打ち合わせ。その前に伝統産業会館を見学。新たな商品のテストマーケティングの場としての機能を期待して改装のお手伝いをした施設です。商品量が減っている部分もあるが、新商品をもっと盛り込んで欲しいところです。地域の商店も、来街者と地域住民をうまくお客にすることで、商売の幅を広げられるはず。基本スタンスは生活者を対象にした商品揃えでいいのです。そのお客が地域の人か、他所から来られた人か、いずれでも可能な商売を考えていただければと、常々提案してきた。今年度事業を進める過程で、商店街の皆さんとも議論を重ねられればと思う。道中流しや工房めぐりの促進のためにも、魅力的な商店づくり、商店街づくりが必要です。山中温泉は周りを森に囲まれたいい環境にあります。生活するにも、遊びに行くにも魅力あるまちを目指して欲しい。
6月19日(月) 素早い知らせ
中部経済産業局さんから連絡をいただいた。山中温泉での事業の委託先として選定されたとのこと。先週水曜日にプレゼンをして、本日の決定ですから素早い対応です。山中節と山中漆器を活かした振興計画の調査事業です。地元の意向のメインは道中流しと工房めぐりであるが、その他の可能性の検討も行うべきでしょうね。温泉を活用した健康・美容プログラムや周辺の自然等を活かしたツーリズムプログラム等の開発も行い、トータルに地域を楽しむ仕組みを構築できればと思う。奥の細道300年祭の時に、世界の子供達のハイク作品を日航さんから借りて展示する事業を行って以来のおつきあいであるが、まとまった仕事をさせていただくのは初めてのことである。大聖寺に住んでいた子どもの頃、電車で山中温泉に遊びに行っていたことが懐かしい。大聖寺川沿いの鶴仙渓やこおろぎ橋からの眺め、ゆげ街道、山中座、沢山の漆器工房、医王寺、無限庵、大杉茶屋など、魅力的なポイントも多いが、さらに山中温泉の価値を高めるお手伝いを目指したい。
6月18日(日) 茅場の草刈
五箇山・菅沼の集落の上にある萱場の草刈に参加する。昨年から、参加者を募って草刈を実施している。指導は森林組合の沼口さん。前半は育ってきている茅の回りの草や蔓などを刈る。休憩の後、茅が少ない斜面に茅の株を植える。そうやって、茅場を維持し、合掌造りの屋根の葺き替えに使う茅を確保してきたのです。菅沼集落は9軒の合掌造りが残っているが、高齢化の進んだ地元の人だけでの維持は難しい。世界遺産の保全にもっと多くの人の参加・協力をいただく方策を考えるべきであると思う。作業の後は集落の入口にある「与八」(9:00〜16:00、木曜定休、TEL 0763-67-3955)の座敷でそばをいただく。

茅を植えた後に水をやる
6月17日(土) 五箇山
留学生の高さんを再度、五箇山に案内する。観光協会の山崎さんに無理を言ってガイドしてもらう。相倉集落を最初に回る。観光バスがたくさん停まっていてお客さんも多い。ハイカラ建ちや原形的な合掌づくりなど、説明をうかがったのは初めてである。昼は上梨の拾遍舎(南砺市上梨747、11:00〜16:00、水曜定休、12月中旬から3月上旬は休み、TEL0763-66-2744)で手打ちそばをいただく。何度も上梨にお邪魔しているが、ここに入るのも初めてのこと。いつもお客さんが多くて、断念したことも何度か。そばだけでなく、山菜の天ぷらや、五箇山とうふの刺身、とうふステーキもご馳走になる。そばは細くてきれいな仕上がりで、とうふは喜平さんの作られたもの。聞けば、このそば屋のご主人は喜平さんの弟さんで、いつもこきりこ保存会で唄われている。次に村上家にお邪魔して、ご当主の語りをうかがわせていただく。ご当主の話もじっくりうかがうと面白いことを言われています。3階まで上がると歴史を感じることができますね。最後に菅沼集落を訪ねた。9戸しかない合掌集落であるが、落ち着くところです。最初に民俗館で北さんの奥様の解説をうかがう。次に、北さんのご主人とお嬢さんがやっている茶房・掌(てのひら)でコーヒーと手作りケーキをいただく。ご主人が会合に出掛けておられ、お客様が多くて大変そうであった。この店は一番雰囲気がよい。大きな窓からの眺めは抜群です。荒井さんのところにいたら、喜平さんが来られ、話が盛り上がる。話は尽きない。

拾遍舎のそば


掌の窓
6月16日(金) マニュフェスト政治
国際ホテルであった神奈川県知事・松沢成文氏の講演会に行った。37の具体的政策の実現を進めており、その達成度を評価委員会で評価してもらっているとのこと。具体的数字目標がかかげられているので、達成度の評価もしやすい。個々の政策についての説明も分かりやすくて、説得力がある。このような政治を実現できるのであれば、国会議員よりも首長が面白いと言われるのも、その通りだ。新たな政策は地域からということを何度も書いてきたが、まさにそのことを実行されている。多くの地域で、独自の政策を実行し、成果を上げていくこと、そして、そのような地域が連携することで、国全体の政策転換を促進することが必要だ。地域で取り組みべきことははっきりしている。その実現に、官民が連携して取り組んでいくべきですね。
6月15日(木) 高山線
高山線の高頻度運行社会実験についての八尾部会に出席した。運行そのものに2億円かけて1年間継続して行う事業である。確実に利用者が増えたという成果を出すためには、積極的に利用者を増やすことを仕掛けていかないといけない。地域住民の通勤・通学、子ども達の遠足や市役所職員の利用、イベント列車は当たり前で、地域外からでもお客様を獲得出来るような工夫が必要です。高山線に乗って八尾や沿線の町や村に遊びに来る、列車そのものに乗りたくなるようなことも考えないといけない。アート列車、各駅や沿線でのアート展「アートな高山線」、高山線で花を見に行く、高山線で紅葉を楽しむ、高山線雪景色ツアー、高山線沿線探検ツアー、高山線沿線ガイドツアー、高山線ウオークラリー他、いろんなことが可能です。そのような楽しみ方や沿線でのお食事処や温泉、魅力的なお店などを徹底して情報発信しましょう。Webでの発信、マップやガイドブック、情報誌での記事化、マスメディアでのパブリシティ化など、官民が連携し徹底して取り組むべきです。
6月14日(水) 加賀能登のれん会
加賀能登のれん会さんのお仕事をすることになった。グルーヴィとして仕事をさせていただいたのは20年以上前、そう私がグルーヴィに入る前です。30周年を目前に、過渡期にきていることを理解されている役員の方が、再度当社にお手伝いをして欲しいと言ってこられました。当時は、当社に在籍していた出島二郎氏がメインに仕事をさせていただいたようだが、今度は高峰が担当させていただきます。百貨店での物産展の再構築が必要ですし、会員の皆さんの意識改革も期待されているのかもしれません。1社1社でお話をうかいがいつつ、今後に向けてのビジョンを明確にしてゆきたいものです。
6月13日(火) 競争と共創
市場主義の基本原理は競争である。競争に勝った強者が権力を持ち、社会を支配する世界である。市場主義者は利益を上げたところが勝ち!の原理に依拠している。子どもや高齢者は利益を生み出さない存在として、隅に追いやられることになる。かつては女性たちもそうだった。しかし、時代は新たな原理を求めている。それは、一人ひとりの智恵を融合させることで、新たな知を創出し、これまでとは異なる事業や活動、地域社会のフレームを構想し、実践していくことだ。競争から共創へ!新たな原理の基本は全ての人に存在意義を認めること、共に触発しながら新たな知を生み出すこと、そして社会参画の可能性を追求することである。共創のためには、異質な人の存在が不可欠である。我々は異人として、触媒の役割を果たすと同時に、地域社会を触発し変革するために、他所から異人を招くネットワーカーの役割も果たさなければならない。役所のような組織においても同じようなことが言える。部局横断、異人の参画により、新たな政策形成を進めることだ。高齢者も子ども達も安心して暮らせる地域社会を創ることを目指したい。
6月12日(月) よいとこ井波
富山に行った帰りに井波に寄った。「よいこと井波」が3日にオープンしていたのだが、当日は足助に行っていたので行けなかった。1週間以上たって、落ち着いてきているようだが、お客が少ないとテナントの方々が感じていることは良いことです。もっと情報発信が必要ですね。ホームページもまだまだ情報が足りません。いい雰囲気の空間を作っていただいたのだから、もっとコンセプトを明確に打ち出して、しっかりお客様に理解していただけるような情報を多面的に提供していくべきです。もっと、お客様とのコミュニケーションを楽しんでいただきたいものだ。どちらからお見えになったかを気軽に尋ねることを習慣化して欲しい。作品、商品にまつわる話を加えていくことも大切です。作り手の想いが伝わるようなプレゼンテーションを心掛けてほしい。よいとこ井波の一角には、池波正太郎さんの記念館も入っています。池波さんの先祖は井波の出身の宮大工だったそうです。それで、何度も井波や利賀にお泊まりになっています。

よいとこ井波のショップ
6月11日(日) 珠洲が変わる
選挙資材の制作を手伝った泉谷満寿裕さんが珠洲市長に当選しました。これからが大変でしょうが、自ら選んだ道ですので、頑張って欲しい。課題山積ですが、地域経営の発想で、産業振興から、生活サポートまで、確実に新たな政策を実施していくことです。前回の選挙の際に、整理したポイントは今も有効なはず。のと鉄道は廃線になってしまいましたが、新たな交通手段も考えるべきです。産業振興については、農林水産業それぞれの再構築を図ることが急務です。付加価値の高い商品開発を進め、全国から担い手を集められるような仕組みを構築したい。一方で、「半島の先端から、時代の先端を開く」産業おこしを進めることも必要です。これが、かつて提案していたコンセプトです。交流を促進するための情報産業やツーリズム産業など、地域資源を有効に活用すれば、可能なことも多い。時間的余裕はないが、落ち着いたら、じっくりと話をしたいものです。
6月10日(土) 『ろーかるでざいんのおと』
東京でのスローライフ学会でお会いした鈴木輝隆さんから著書をお送りいただいた。『ろーかるでざいんのおと』(全国林業改良普及協会発行)です。全国の地域で活躍される方々への取材を採録された480ページの分厚い本です。北陸では、八尾の吉田桂介さん、利賀の中谷信一さん、加賀の丸谷誠一郎さんが登場。人が地域の魅力を形成する主役であることが基本になっていますね。鈴木輝隆さんは神戸市役所、山梨県庁、総合研究開発機構を経て、今は江戸川大学の教授をされています。鈴木さんのフットワークの良さに感心してしまいます。参考になるお話もたくさん含まれていますので、地域で活動されている方々におすすめです。帯に筑紫哲也さんの写真が入っているのは、筑紫さんが巻頭に推薦文を書いているからです。

ろーかるでざいんのおと
6月9日(金) 想像力
新たな事業を構想する上で、基礎的に必要な能力は想像力である。事業のプロセスや成果を想い描けることだ。事業の枠組みを構築するためには、そのようなイメージがわかないと、自信をもって取り組めないものである。例えば、観光を通じての地域振興ために必要なことは、旅人との交流をどこまで想定できるかである。一つのプログラムや商品、地域人のお客様との関わりの総体が、再び遊びに来たいと感じていただけるような内容になっているかが、問われている。一人ひとりのお客様との出会いと交流、そして、事後のおつき合いを描き切ることができないといけない。それは、地域の人をお客様にする場合にも、必要なことである。お客様との関わり方は、継続するプロセス形成ととらえる必要がある。想像力とは相手の期待を察することであり、それにどこまで応えていけるかだ。
6月8日(木) 交流から持続する関係へ
海外からのお客様との関わりの仕組みづくりについて議論する。一つは、留学生の方々に協力いただいて、情報発信から、ガイドにいたるフレームをしっかり構築することである。日本人が作った原稿を翻訳しただけの情報発信では弱いと言われ続けてきている。そこで、日本に滞在してくれている留学生に地域を観てもらい、地域の人々とも交流していただき、感じたこと、面白いと思ったことをホームページ等に蓄積していくことである。さらに、当人がアテンドしてくれるとさらによいであろう。必要経費はお支払いするとして、ボランティアとしての関わりを期待したい。地域のことをよく知っていただくことは、今後の継続する関係につながるはずである。少しずつ参加者を増やして、研究会および実験を行っていきたいものである。
6月7日(水) 青梅商店街
昭和の町をテーマに商店街の活性化に取り組んでいるという青梅に出掛けた。駅にあった看板をたよりに、町を歩く。映画の看板が沢山商店街に描かれています。赤塚不二夫さんの記念館や昭和商品館、昭和幻燈館など博物館が設けられている一角が中心になっています。赤塚不二夫さんの記念館は面白い。懐かしい作品の紹介や原稿の展示などもあって楽しめます。課題は立ち寄れる店を増やすことでしょうね。狭い範囲に集積しているのだが、気軽に入れる店がまだ少ないように感じた。ためせる商品を明示して、積極的にお客様を受け入れる姿勢を示すべきではないでしょうか。

赤塚不二夫会館
6月6日(火) スローライフ学会
東京のプレスセンターで行われたスローライフ学会の旗揚げパーティに出席。一昨年、地域づくり団体全国研修交流会・石川大会にゲストでお越しいただいた川島正英さんからご案内をいただいた。会長が筑紫哲也さん、学長が神野直彦さんです。ご両名ともお話をすることができました。筑紫さんとはフードピア金沢の事務局をしていた時に、ホテルで川島さんから紹介いただいたことがあっただけですし、神野先生にお会いするのは初めてです。神野先生は財政学を研究されていますし、多くの本を書かれています。政府の財政再建、景気回復、そして、地方分権を推進するために必要なことを説かれ続けています。『二兎を得る経済学』の中で次のように述べておられます。「人間は「学び」向上していくために生きている。経済成長はそのための手段にすぎない」。ホモ・ディスケンス(学びの人)という、魅力的なコンセプトを提案されています。

神野直彦氏と野口智子さん
6月5日(月) 新たな商品開発
商品開発は常に必要なことである。そのことにいかに取り組むか。異なるジャンルの人と議論することを通じて得られるヒントやアイデアも多いはず。目標を定めて活動することで、課題やテーマを絞り込みやすくすることも大切だ。そのようなプロセスに私どもが介在する意義はどのようなところにあるか。触発効果を発揮すること、具体的なアイデアを目に見えるように提示すること、そのようなことが期待されているように思う。そのためには、アンテナをはりめぐらし情報を収集していると同時に、多角的にものごとを評価してみることだ大切だ。そのようなことを職業として行うことは、結構たいへんだったりする。
6月4日(日) じっくり話す
旅館で温泉につかった後、同室になった先生と初めていろいろな話をさせていただく。高校時代はロクに口を聞いたことがなかったので、本当に初めてのことです。先生の言われていることは、ポイントをついたことが多かった。校長という立場を活かして、能登で積極的に発言をしていただきたいものだ。地域の中で、それぞれの立場から、地域をより魅力的な場に変えていくための努力をすべきなのでしょうから。能登の人たちの主体的な取り組み、自立を目指した活動を期待したい。そのためにも、もっと議論を重ね、具体的なプランを立案し、実行に移すことが必要です。
6月3日(土) 森の健康診断
森の健康診断に参加。足助だけでも130名ほどの参加があるとのこと。岐阜県恵那市、長野県根羽村と3会場で合計350名の参加があるとのこと。昨日の日経新聞の最終面・文化欄に代表の丹羽さんの原稿が掲載されています。午前に1つのポイントで活動をされたので、その様子を拝見した。基本的な活動の仕方はなんとなく了解できた。具体的に事業として行うとすれば、まずリーダーの養成が最初に必要です。さらに、行政、森林組合や地域の自治会等も参加した実行委員会を組織して、準備を行う必要があります。個人の所有地に入る以上、了解が必要になるはず。例えば、石川県で実施するとすれば、まずリーダー候補の方々に、実際の活動を体験していただくことが有効です。昼食をいただいてから、来た道を戻り、同期会が行われた湯涌温泉には18:00前に到着した。

最初に記念撮影
6月2日(金) 足助
森の健康診断の取材をするべく足助に行く。せっかくの機会だったので、早めに着いて足助の町を見て回る。足助屋敷周辺を最初に見て回る。足助屋敷の上にある曹洞宗の香積寺が風情がありました。もみじを植え続けて、名所を作られています。足助屋敷の中にはいくつもの手作りの工房があり、職人さんたちが仕事をされています。庭には鶏が放し飼いにされていたり、牛もいて、昔の農家の暮らしを再現してあります。古い町並みも見て回るが、小路に魅力があります。一通り見て回った後に、「塩の道づれ家」でそばをいただく。古い建物を改造したような雰囲気の造りです。夜は豊田市役所の足助支所で「森の健康診断」の代表をされている丹羽さんにお話をうかがう。役場の向かえ中華料理さんで役場の小山さんも交えて、食事を御一緒する。いろんなお話がうかがえて、いい出会いでした。

老舗のお菓子屋・両口屋
6月1日(木) 油谷遵さん
油谷遵さんが亡くなった。グループインタビューの専門家として長く仕事をされていました。羽咋駅前にあった呉服屋の息子さんでした。石川県の企業のお仕事をしていただいたり、グルーヴィで企画実施していたマーケティングデザインセミナーのメインの講師もつとめていただきました。マーケティングは心理学であるということを教えていただきました。『マーケティング・サイコロジー』は今でも貴重なテキストです。人は、お客は、自分が欲していることを正確には表現できないものである、ということを出発点にして、今後も仕事に取り組んでいきたいものです。私達は「持続可能な関係創造」を仕事としています。その深化を図るためには重要な視点です。相手をいかに知るか。油谷遵さんの御冥福をお祈り申し上げます。
さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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