情報誌「MyPage」バックナンバー
▼参加団体紹介
こまつ町家再生を考える会
曳山が似合う街並づくりを進める

代 表/関戸昌郎
小松市材木町60番地 〒923-0916
TEL&FAX 0761-22-1309

事務局/中田吉彦
小松市小馬出町91 〒923-8650
TEL 0761-24-8099 FAX 0761-24-8189
mail ynakata@city.komatsu.ishikawa.jp
お旅まつりの呼び物、子供歌舞伎。地元の子でも一生に一度しか舞台に立てないしきたりを今も守っている。2〜3ケ月の練習で、観客を感動させられるだけの演技を披露できることも素晴しい。「伝統的な芸能文化を守り伝えてきたまち」という誇りを持つ人も多い。
その大切な街並を形成している町家が危機的状況にあるとの認識から、保存が緊急の課題と、活動を始めた。

MyPage15号に掲載(2004年9月発行)

多くみられる町家の典型 蔵が道路に面してある商家 独特の構造

多様なメンバーが集う
 勉強会の講師役になれるような方々が、面白いと集まってくれた。建築家や都市計画の専門家、観光ボランティアの方など。
 材木町の文化回廊のまちづくりを進める中で、いろいろな問題を全てまちの方にやっていただくのは難しい。そこで、サポートの会として組織した側面が強い。現段階では、材木町の協議会と表裏一体だが、将来は材木町で一つのモデルをつくり、周辺のまちにも広げてゆきたい。
 舗装のあり方についても検討している。石畳が増えているが、日本のまちに似合うかどうか疑問を呈する専門家もいる。年寄りの方は膝が痛くなると批判的。アスファルトでも特徴の付け方があるはず。

ファッションタウン構想も
 経済産業省の事業で、繊維産地の活性化の施策「ファッションタウン構想」にも、商工会議所が中心となって取り組んでいます。桐生とかで成功例も見られる。繊維だけがファッションじゃなく、まちもファッションというとらえ方をしています。

道路に面した蔵も多い繊維の街ならではの蔵
 街並の中で目立つのは蔵。道路に面して建つ蔵は、商品保存に活かされていた。多くの蔵には地下室があり、もちろん生糸の保存に使っていた。これにまつわる話も面白い。湿度が高いと糸が水分を吸収して、重さが増す。
 水路が街の中をめぐり、商品を運ぶ重要な役割を果していたことも特徴的。

まずは地元の住民の評価を変えること!
 観光客を呼ぶ為に事業をするわけではなく、結果としてそうなればよい。小松には寺も多く、街並そのものに魅力がある。
 残すためには、その価値を評価しないといけないが、地元の方々の認識は薄い。価値を感じやすくする仕掛けがいるのでしょうね。他所の人と一緒に街を歩いて回る活動を継続すると、地元の人も認識を改めやすくなります。

蔵を活かして造られた、宮本三郎記念美術館市の事業も追い風に!景観から
 中心市街地は人口流出と高齢化の進行で一見、元気が無さそうに見えます。しかし、よく見つめてみると営々と積み重ねられた暮らしの年輪が感じ取れる空間でもあります。歴史を感じさせる町家や町並み、景観は「ほっ」とさせてくれます。そのような場を未来につなぐことで、人は何かを学び、未来を創造する糧を得られるのではないか。
 「町家再生」というテーマは、古い家の再生活用だけでなく、歴史を未来につなげる新たな回路づくり、先輩たちの生き方を子孫に伝えるメディアの開発でもあります。



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