情報誌「MyPage」バックナンバー
▼参加団体紹介
海外からゲストを迎える
フェアトレードくらぶ 

連絡先/コミュニティトレードの店「al」
石川郡野々市町本町2-1-24 〒921-8815
TEL 076-246-0617
http://www.h4.dion.ne.jp/~ftc/

MyPage12号に掲載(2003年3月発行)

インドからのゲスト
 フェアトレードくらぶでは、昨年2002年5月10日にインドのNGOの方を招き、講演会とワークショップを開いている。120名の参加者があった。地域づくり推進協議会(現・地域づくり協会)のコーディネーター派遣制度を利用し、講師謝金に充てた。この制度があったから実現できたと事務局スタッフの葛葉むつみさんは言う。
 講演会では、インドのフェアトレード団体「タラプロジェクト」代表のムーン・シェルマさんが、インドでの児童労働の現状と不法児童就労をなくす取り組みを語った。また、ワークショップでは、貧しい国の孤児になったことを想定したカードゲームを行いながら、児童労働について話し合った。ちなみにこのカードゲームは、フェアトレードくらぶのスタッフが開発したものである。

市民芸術村で開かれた講演会。
インドのNGO代表者が児童就労について報告。


ルカニ村から届いた感謝状。
フェアトレードとは
 フェアトレードとは「公正な貿易」と直訳できる。日本には途上国から農作物、繊維製品など、様々な物が輸入され、日本人の生活に不可欠になっている。ところで、それらの商取引はフェアに行われているのだろうか。途上国の生産者や工場労働者に、生活できないほどの低賃金で働かせているようなことはないだろうか。それらの情報を集め、アンフェア(公正でないこと)な状態をなくそうとしているのが、フェアトレードくらぶの活動である。
 「自分たちの暮らしと世界とのつながりを考える活動」と同クラブでは位置づけている。小学校や中学校、母親学級などに呼ばれて研修に出掛けることもある。そのときはカードゲームを使う。
 同くらぶの"兄弟組織"として、フェアトレード商品を販売する店舗「コミュニティトレードの店al」がある。コーヒー、紅茶、チョコ、衣類、布製品、装飾品など、カラフルな商品がにぎやかに並べられている。いずれもアジア、アフリカなどの途上国の"村おこし産品"である。お客さんには商品のいわれを必ず説明する。どこで造られ、その国はこんな状態で、売り上げはこういうことに使われると。
 楽しい話を聞いた。キリマンジャロのコーヒーを売っていたら、その産地のルカニ村から感謝状が送られてきた。村の社会福祉に貢献しているという理由だ。世界とのつながりを感じたという。

コミュニティトレードの店「al」

 
鳥越福祉会「青い鳥」の野菜チップスも販売。
同店の超人気商品でリピーターも多い。「最近、カジマートでも販売するようになりましたよ」と、わが事のように、葛葉さんは喜んでいる。
お金が廻ってこそ地域づくり
 物販は同くらぶの重要な活動である。途上国の貧しい人が生計を立てられるように、仕事をつくらなければ支援にならない、と考えているからだ。「お金が廻ってこそ地域づくりなのに…」。講演にからめて物販をしようとすると、お役所の人は営利事業とみなして公共施設を貸してくれないこともある。説明も聞いてくれない。"壁を感じる"という。
 地域づくり推進協議会については、やや遠い存在であるという。例えば、村おこしの議論に、フィリピンの村など途上国の事例が参考になると感じているが、その共通点を協議会のメンバーに理解してもらえるだろうか、と尻込みする。

 地域づくり推進協議会の事務局の人にも、活動にもっと関心を持ってくれたらという。「金銭面で助けていただくだけでなく、助成してもらった事業の成功を一緒に喜んでもらえるような、人と人とのつながりをつくっていけたらと思っています」。
 同くらぶにとって、地域づくりとは「顔が見える関係をつくること」。相手のことを気にかければ、キリマンジャロの村の人たちともつながりをつくることができる。関心がなければ、お隣さんとですら、関係をつくれない。自分の暮らしと人や物とのつながりを、感じたり、考えるようになり、何をするにも、そのような目でとらえる人が増えてくれば、地域はきっと変っていく。葛葉さんは語った。

 


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