情報誌「MyPage」バックナンバー
▼参加団体紹介
美しき農村風景の中で楽しむ
やすらぎの里 金蔵学校 

代表者 : 石崎英純 
連絡先 : 長楽寺
輪島市町野町金蔵 〒928-0236
TEL 0768-32-0891
URL http://po5.nsk.ne.jp/~gakkou/school.html

MyPage12号に掲載(2003年3月発行)


新しい学校を創る
 
「金蔵小学校」が閉校になったことを契機に、「あなたが先生、私が生徒。私が先生、あなたが生徒」をスローガンに、「金蔵学校」をスタートさせる。地域を再発見する活動を続け、5ケ寺を中心に「やすらぎの里」づくりを進めている。金蔵小学校は体育館だけが残っているが、秋のアート展のために、その前2ケ月くらい美大生の創作の場として使っている。岐阜の白川郷で創作活動をされている作家の方々が夏場、金蔵の空家を借りて、創作活動をしたいという申し込みも入っている。
 2003年夏頃のNPO法人化を目指して申請の準備を進めている。着々と体制固めも行っている。

3回目のアート展
 5ケ寺を会場に絵画、書、水墨画などの作品を展示。絵画では美大にきている韓国からの留学生の作品なども展示。穴水や能都町の作家さんにも参加していただく。期間は2週土日を入れて設定し、週末には芸能も盛り込んでいる。琴、能、詩吟、剣舞、平家琵琶などを披露していただく。参加者からは地元に表現の場があることが非常に良かったと言われている。

万燈会
 昨年2002年、5ケ寺の境内にワンカップのグラスの中にろうそくを入れて火をともして配置する万燈会を行う。毎年8月16日に行うことに固定。昨年は5000個を設置したが、平成15年は15000個を目標に行う。昨年は火をともすのに、約70名に参加いただき、見学に来られた方も200名程になる。
 その際に、室町時代にあった町野の合戦で、畠山氏に焼き討ちされたことを偲んでということを物語としてつけていたら、東京の畠山家の会から、連絡があり、「焼き討ちの史実は事実です」というお話をいただき、一度こちらにお越しになられたいと、新しい関係がうまれつつある。

金蔵米
手書きの金蔵米の袋
 「金蔵米(きんぞうまい)」というのも評判になっている。金蔵学校に申し込みがあるのではなく、直接個々の農家に問い合せがあり、流通しているようである。輪島市内の米屋さんでも「金蔵米」として販売しているところもある。町野の農協でも、別に保管していただいている。底上げ効果は十分あったと思っている。固定客は少ないが、愛知、京都、金沢から1年間、定期的にお米を送って下さいというお客さんもある。
 環境ビジネス研究会の方々が見学に来られた際に、田圃一枚を指定して契約し、買い上げていただいた。稲刈りにも参加していただき、おにぎりをほおばりながら、田圃で語り合った。その後、10月には収穫祭をやろうということで、食談議を行う。金蔵米、山菜、つけもの、焼き豆腐、きのこ汁ともちつきなどを楽しむ。

ツツジ千本計画から桜千本運動へ
 3年計画でツツジを千本、お寺の周辺の土手などに植えてきた。平成15年4月に完了。少子高齢化にともなって荒廃していく地域の環境整備をしようと、学校立ち上げと同時に里づくり構想を作成。まず、お寺の周辺の崖をきれいにしようと千本運動を始める。千本運動の目標は達成したけれど、まだまだ足りない。
 第2弾として、桜千本運動を企画。((2007年追記:オーナー制でスタート。500本くらいはすでに植えた。)桜の並木ではなくて森をつくろうと考えている。さらに、我々の集落の水の源となっている「保生池」の整備も計画中。この池の周辺の山には針葉樹が6割ぐらいの面積に植えてあるのですが、それを枝打ち間伐して、整備したい。広葉樹をはさみながら、道路には桜並木を作ろうという計画になっている。5月の下旬ぐらいから整備活動をスタートさせたいと考えている。

 雑木林もツルを切ったりしないといけない。来年の春には桜を植えたいと考えている。土地改良の「水と土のふれあい事業」が入っている。道路鋪装と同時に森で楽しむための散策道路の整備も同時に行う必要がある。みんなで森をつくろうという参加型の運動として展開したい。
 金蔵は高台の盆地で川がないので、貯水池が命の池になっている。その周辺の整備は集落の人間にとっても重要であると同時に、森や水の重要性を体験しながら知っていただくために、森づくりの体験ができるとよい。川で遊ぶ、森で遊ぶ、農業体験などいろんなメニューが可能です。

[掲載以降、2007年までの活動状況]
 上記のように、掲載時に企画していた桜千本運動が実際にスタートしているほか、金蔵の米で仕込んだ地酒“米蔵金(まいぞうきん)”を、能登町の数馬酒造で作ってもらい販売しています。また、お寺カフェを開設。2007年4月には、金沢大学とのタイアップにより「金蔵自然文化研究所」を設置しました。


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