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  ▼交流とネットワーク
23 地域づくり団体・全国研修交流会 【沖縄大会】

■前夜祭から北部フォーラムまで

1.参加の目的と成果
・沖縄の地域づくりの活動や団体の様子を肌で感じてくること。
・全国からの参加者のニーズを肌で感じてくること。
・地域づくりのネットワークや支援の全国動向の情報を得ること。
 以上のような目的を持ち、同大会に参加してきました。

 沖縄の地域づくりは、この全国大会を準備することで、市町村と地域づくり団体との連携が非常に深まった、との感想を地元の人から聞きました。
 東村の分科会ではこの大会を契機にリーダーの若返りを図りました。見習うべきだと思います。
 広域圏市町村事務組合が地域振興に積極的に関わっていることも分かりました。沖縄独自のスタイルです。
 濱、高峰、赤須は北部広域圏フォーラムに大会終了後に参加しました。同広域圏では4つの分科会が開催されましたが、全国大会の成果を次の活動にどのように活かしていくかを、真剣に話し合っていました。結果報告会を広域圏で時間をおかずに行った点は大いに評価できます。巧い連携だと思いました。
 参加者は例年通り行政職員が多数を占めました。那覇の第8分科会では、主管したコミュニティ沖縄が、沖縄県地域づくりネットワークの事務局を引き受けているため、他県の担当者が“民間運営”の情報を得るべく、代表の石原さんを取り囲んでいました。全国的に県主導から民間への移行が検討されているようです。
 沖縄県地域づくりネットワークの事務局は、来年度から「調査隊おきなわ」という情報コンテンツ制作のNPOが引き受けることになっています。そのNPOの理事長にも会うことができました。これまでの中間支援とは毛色が異なるので、どのような事務局運営になるのか、要チェックです。
 新潟の事務局を担当していた「ニューにいがた振興機構」が、この3月で組織を解散し、地域づくりネットワークが県主導になることも分かりました。これも新しい動きです。

2.前夜祭
 石川大会が始めた前夜祭を、沖縄大会が受け継いでくれました。次回の愛知も行うと言っていましたので、前夜祭が準公式行事になるかもしれません。
 前夜祭の内容は歓迎パーティーの色合いが強く、情報交換会としては、やや不満が残りました。面白そうな参加者を探しているうちに、料理がすべてなくなってしまったのも、残念でした。
幹事を務めたのは経営者協会の異業種交流“かりゆし塾同窓会”でした。同団体はイベントに慣れており、運営はスムーズでしたが、それゆえに歓迎セレモニー的になったのかもしれません。

3.全体会
 時間の都合で基調講演を設けず、セレモニーに終始しました。そのため、地域づくりへの提言がなされませんでした。「いちゃりばちょーでー」という仲間づくりを呼びかけるスローガンはありましたが、仲間づくりはどちらかというと地域づくりの手段と考えられます。地域づくりの未来的な課題を、沖縄が提起し、それを参加者で話し合うといった構図が欲しかったところです。
 全体会で分科会ごとに沖縄の地域づくりをビデオでコンパクトに紹介したのは、全貌を理解するうえで有効だと思いました。

4.第8分科会 「時代が求めるネットワークとは?」
 1日目はベロタクシーの活動紹介、観光ボランティアによるまち歩きと交流会で終わりました。私は前日から市内のまち歩きはしていたので、ほとんど見たところばかりでした。ただし、まち歩きの間に他の参加者と名刺交換ができ、親しくなれたのは、その後の話し合いのプラスになりました。
 しかしながら、会場に選んだ栄町商店街のガイドをしてくれたほうが、2日目のワークショップに商店街の方も参加していたので、より意義のあるまち歩きになったと思います。会場の大道公民館に着いたら直ぐに交流会が始まりました。参加者による地域紹介などの工夫はありましたが、立食パーティーの雰囲気に終始し、まち歩きで疲れていることもあり、積極的に語り合うという場面はつくれませんでした。

 2日目はワークショップでした。沖縄の地域づくりの状況説明があり、鳥取、石川、新潟の事例紹介を行いました。石川の事例は私が全国大会の成果、コーディネーターの役割などについて話しました。これらの報告から、ネットワークづくりについて、いくつかのキーワードを見つけ出し、それらを共有するという進行になりました。
 参加者が想像するネットワークが必ずしも同じでないため、議論がかみ合うまでに時間がかかり、閉会間際に議論が盛り上がるという、いつもながらの光景が見られました。 課題として挙げられたのは「行政と市民との協働」「コーディネーターの育成」などです。行政の役割、市民の役割、コーディネーターの役割については、じっくり話し合いたい重要なテーマでしたが、表面的な理解にとどまっているように私には感じられ、時間不足を恨めしく思いました。
 分科会を主管したコミュニティ沖縄の石原絹子氏と地域協働クリエイト・スタディチームの阪井緩子氏は、コーディネートやファシリテートが巧みで、経験の豊かさや、地域づくり活動の質の高さを感じました。
(赤須 治郎 コーディネーター)

vol.18 「参加団体紹介」へつづく

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