いしりのプロフィール 第2

いしりとは、石川県の奥能登地方に古くから伝わる魚醤油。


いしりの製造法 
新鮮な原料を高食塩濃度の環境のもとで『自然熟成』させてつくられます。
晩秋から初冬(11月頃)にかけて仕込み、翌年の晩夏から初秋にできあがるのが一般的ですが、商品として生産されるものは、通年仕込んで通年店頭に並ぶようになっています。

原料がイカの場合
イカのゴロ(内臓)に対し、18%位の食塩を加え、時々撹拌を行い、約1〜2年間桶の中で熟成・発酵させます。(原料の脂肪分がイワシより多いため、食塩濃度が低い)
原料がイワシの場合
イワシを丸ごと使用し、20%位の食塩を加えて時々撹拌を行い、約半年から一年間桶の中で熟成・発酵させます。
生成したイシルは桶の下層に溜まるので、桶下部の栓を抜いて取り出し、出た液を煮沸して殺菌と除タンパクを行い、ろ過、冷却・ビン詰めします。




いしりの生産量 
2〜3世代前までは、奥能登の各家庭で小さな仕込み樽に漬け込んでつくっていたと思われますが、現在は主に企業の手で生産されており、企業や個人の約12カ所(平成12年時点)で生産されています。
昭和62年の調査では、年間生産量は33トンとされていましたが、その後食文化の多様化や魚醤の見直しによって、平成12年には1社で約180トンを生産している会社もあります。




いしりの料理 
刺身や浅漬けのつけ醤油、煮物・鍋物の調味料として使われます。また、水で薄めてきゅうり・大根を漬ける「いしり漬け」、「いしりの貝焼き」等の伝統的な料理にも用いられます。

つけ醤油 ……… 刺身や浅漬けに
調味料 ………… 煮物・鍋物
いしりの貝焼き
大きなホタテ貝の殻にいしりを煮沸させながら、千切りにしたナスや大根を加え、少し柔らかくなった時点で食べる独特の郷土料理。
能登の名物料理の一つになっています。
いしりの仲間(世界の魚醤) 
<アジア>
しょっつる ・・・[秋田県]
いかなご醤油 ・・・[香川県]
カン醤(ジャン)・・・[韓国]
魚露(ユイルゥ)・・・[中国]
ヌォクマム(ニョクマム)・・・[ベトナム]
ナンプラー ・・・[タイ]
ガビィ ・・・[ミャンマー]
パティス ・・・[フィリピン]

<その他>
南米・南欧 アンチョビーソース
古代ローマ ガルム、リクアメン


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