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RE MAKE MEMORIES
生まれ変わった陶磁器と、よみがえる記憶。
2種類の金継ぎプラン
スタンダード・コース
金・銀によって、破損個所を装飾する王道的な金継ぎ。
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プレミアム・コース
蒔絵らしさを陶磁器にプラスする金継ぎ。
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工房 | アメイジングギャラリー(代表:更谷富造氏) 石川県加賀市山中温泉荒谷町ヌ33‐2 |
価格 | 破損状況や修復内容に応じてお見積りします。 |
お預かり方法 | ・工房での直接受け取り、もしくは ・配送 |
備考 | 事前にお問い合わせください |
金沢から車で約1時間
加賀温泉郷の片隅にある、山間に隠れた工房。
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加賀温泉郷に広がる田園を奥に進むと、赤瓦の古民家が残された東谷地区に辿り着きます。
2011年、重要伝統的建築物群保存地区に指定されたこの地域には、製炭を生業とした人々が暮らしていた歴史があり、近世には藩の御用炭を生産していました。明治前期から昭和30年代までに建てられた、赤瓦の屋根に煙出しを設けた農家が、周辺の山林と調和した風景を保っています。
その古民家を改装した工房は、建物全体がひとつの芸術品のように仕上がっています。
※最寄り駅の加賀温泉駅もしくは動橋駅からは車で約20分。
PROFILE
世界各国で活躍してきた更谷氏が手掛ける金継ぎ
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更谷 富造
Tomizo Saratani
陶磁器は割れるものです。その宿命を乗り越えていくときに、金継ぎが必要となります。漆芸の世界では約270種類もの金鈖・銀鈖が扱われており、粒の大きさや輝き方によって細かく分類されています。こうした材料に対する深い知見に基づいて、漆芸品の価値を高めていく方法が「蒔絵」です。
金継ぎは、この蒔絵技術を基盤としており、漆の接着力によって破損器を修復していきます。割れや欠け、ヒビといった傷跡を隠すのではなく、むしろ金や銀できらびやかな意匠へと生まれ変わらせるところに極意があります。
京都府出身の更谷氏は、かつてオーストリアやイギリス、アメリカなどを拠点としていました。そこで漆芸品の修復を行い、のちに日本へ帰国します。2020年8月には石川県加賀市にて、漆芸教育や工房、漆文化の発信地として「アメイジングギャラリー」をオープンし、世界各国の漆芸品を修理する傍ら、オリジナル作品も製作しています。
漆芸品や陶磁器を修復する傍ら、ときには古民家も生まれ変わらせる生き方には、ある種の哲学を感じます。その考え方は、古めかしいものを永く使う修復文化に根差しているのではないでしょうか。
います。います
MISSION
文化を次世代へ繋ぐ後進育成
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更谷氏は、これまで培ってきた知識・技能を次の世代へ手渡しするため、アメイジングギャラリーにて漆芸教室を開講しています。学べる内容は多岐に渡り、漆の初歩的なことからトップレベルの内容まで、各人の希望に合わせた講習を行っています。
たとえば塗りや蒔絵、螺鈿に金継ぎ、漆芸品の修復方法などレクチャーしており、そこに通う人はプロの漆芸作家を目指す方もいれば、趣味や勉強のために習っている方もおり、実に幅広い人々に技術を開放しています。
このように文化の担い手を育成し、新たな仕事を作っていくために、漆芸の価値を発信する活動にも邁進しておられます。
金継ぎとは、陶芸と漆芸の出会い。
割れるという宿命を越えいき
100年後の骨董品を育てる。
このプロジェクトでは、金継ぎを普及させることによって「大切なものを永く使う」というライフスタイルを実現する人を増やしていきたいと考えています。
壊れても捨てられない未練や、再び使いたいという愛情に応える方法が金継ぎです。そこには、破損を陶磁器の寿命にさせない、という決意が表れています。陶磁器は割れるものです。しかし割れやすさが欠点とは限りません。むしろターニングポイントと捉えることもできます。使い捨てられる工芸品ではなく、壊れても直したい工芸品となる、その分かれ道に、金継ぎという選択肢があります。
陶芸と漆芸が根付いた石川県加賀市では、「陶磁器の性質を、漆によって支える」ようなパートナーシップの構築が見込めます。九谷焼を生産し、破損した器は金継ぎするという産地内連携を強めることによって、割れるという宿命を共に乗り越えられるのではないでしょうか。