片山津温泉 総湯 ― 潟の水景に溶け込む贅沢な時間

片山津温泉 総湯とは?美術館のように佇む共同浴場

片山津温泉 総湯は、石川県加賀市の柴山潟のほとりに建つ共同浴場です。ガラス張りのモダンな外観は、まるで美術館のよう。設計を手掛けたのは、世界的に知られる建築家・谷口吉生氏。ニューヨーク近代美術館新館などを設計した巨匠の手により、地域住民の日常を支える「総湯」が生まれました。

目次

朝風呂とパン屋めぐり ― 片山津温泉 総湯の住民の日常

片山津温泉 総湯は、住民の暮らしに根差した存在。朝風呂に癒され、帰りにパン屋に立ち寄る。湯上がりのほかほかの身体に焼き立てパンの香りが重なり、都会では味わえない、優雅な日常を体験できます。

朝風呂とパンをセットにしたこの習慣。

まるでシュワっとした炭酸の泡のように、日常が小さな幸せで弾ける瞬間。

山並みや湖畔、空が一枚の絵画のように調和する温泉空間。

ぜひ体験してみたくありませんか?

その建物に吸い込まれていく人の多くは、片手にカゴをぶら下げ、そこへシャンプーやタオルを入れています。建物は人の生き方を物語っており、温泉とともに暮らす贅沢さを伝えています。

湯上がりに楽しむカフェと湖畔ビュー

総湯の2階にはガラス張りのカフェがあり、湯上がりに柴山潟を眺めながら一服できます。冬にはカモの群れが水面を行き交い、鳴き声が合唱のように響きます。春には風が湖面をキラキラと揺らし、季節ごとに異なる自然の表情を味わえるのも片山津温泉 総湯の大きな魅力です。

冬にはカモの群れがパシャパシャと水面を叩き、大合唱のような声が響き渡る──潟のミュージシャンは、春になると北へと旅立ち渡り鳥、湖畔には新しい季節の旋律が流れます。

湯上がりにコーヒーを片手に、その自然のオーケストラをBGMに過ごすひとときは、まさに贅沢。観光客であっても、まるで住民の一員になったかのような錯覚を覚えるでしょう。

2つの浴室「潟の湯」と「森の湯」

片山津温泉 総湯には、異なる魅力を持つ2つの浴室があります。

  • 潟の湯:湖に面し、湯船と柴山潟、山並みが一体となったような開放感が魅力。
  • 森の湯:木々を眺めながら入浴でき、緑に包まれる癒しの空間。

これらは偶数日と奇数日によって男女で入れ替わり、訪れるたびに異なる景観を楽しめます。まるで総湯そのものが「片山津のジオラマ」。山と潟、街と人を映し出すミニチュアのような世界です。

温泉たまごと朝食に宿る「片山津の情緒」

片山津温泉の源泉は約70℃の塩気を含むお湯。その熱を活かしてつくられる「湯の花たまご(温泉たまご)」は、総湯の定番土産です。とろりとした黄身に北陸の甘い醤油を垂らして、炊き立てご飯にのせて食べると格別。これぞ温泉地の卵かけご飯。じんわり「片山津の情緒」が舌の上に広がります一品です。

この記事を書きながら閃いたのですが、TKGもいいけど、BLTも意外といけるかも。ベーコン、レタス、トマト&卵のサンドイッチです。朝食はパン派という人は是非チャレンジください。

まるでこの町の暮らしに溶け込んだような気持ちになるはずです。

建築家・谷口吉生氏による設計

片山津温泉 総湯を設計した谷口吉生氏は、「東京国立博物館 法隆寺宝物館」や「ニューヨーク近代美術館 新館」を手掛けた建築家。総湯が美術館のように佇む理由は、この“ミュージアム建築”の巨匠による設計にあります。さらに父の谷口吉郎氏も石川県金沢市出身の著名な建築家で、九谷焼窯元に生まれた背景から、地域とのつながりも深いのです。

片山津温泉 総湯で味わう「住むような旅」

観光で訪れるだけでなく、片山津温泉 総湯では住民の日常そのものを体験できます。朝風呂、パン屋、カフェ、温泉たまご。どれも特別な観光体験ではなく、ここで暮らす人々の当たり前の風景です。総湯は、旅人に「もしこの町に住んだら…」と想像させてくれる場所。片山津温泉 総湯は、観光と暮らしをつなぐ“町のシンボル”なのです。

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