とっておきのプチ「エコツアー」八尾・山田の再発見

 <案内人のご紹介>
「エコツアー」とは、自然や文化・歴史などに親しみ、楽しみながら理解を深める活動を通して地域社会への貢献も両立(「地域の宝」の保全など)していく、新しい観光スタイルです。
そんな「エコツアー」では、ガイドによる様々なお話に耳を傾けたり、楽しいコミュニケーションを取れることも大きな特徴です。
そこで、このコーナーでは今回の“プチ”エコツアーのガイドを務める「案内人」たちをご紹介します。

案内人平野康美(ひらの・やすみ)さん [ナチュラリスト]
大沢野生まれ。小さい頃から自然が大好き。魚を捕まえていたら学校に行くのも忘れて没頭し、親が探しにきたことがあるくらい。
おばあちゃんが山の出身で、山菜やきのこ採りにしょっちゅう連れて行ってもらっていた経験が、身体に染みついています。

平野康美さんが案内人を務めるツアーはこちら
 ●1-「紅葉の白木峰を歩く」 10/30(土)開催!
 ●3-「紅葉の牛岳でブナ林散策」 11/6(土)開催!


蝶の種類が多い理由は?
 別荘を建てている場所には蝶が多いですね。食草がいっぱいあるので、いろんな種類の蝶がいます。蝶の幼虫が食べる草は異なっており、それによって異なる蝶が見られます。たとえばウラギンシジミがよくいる理由は、すぐ前にフジの木やクズがあるから。
 そんな知識があれば、「あそこにあの植物があるから、このチョウがいる」と気が付き、「その草を刈らないでおこう」と思うようになるでしょう。ヨツバヒヨドリの花はアサギマダラが来るので、切らないようにしています。

自然解説ガイドを始めた後も勉強中
 自然解説のガイドを始めてまだ2年目です。興味があるジャンルは動物。昆虫は好きですが知識としてはまだまだ。いい加減では駄目だと感じたので、捕虫網を持ち歩いています。実際に自分の手で捕まえて、よく見て観察してみないと分からないので、正確に知ろうとしています。手で触ってみるのが一番ですね。
 しょっちゅう行くのは『婦負(ねい)の里』。平成20年に一緒に学んだ仲間と、勉強のためにいろんなところを回っています。『婦負の里』では、自然塾で勉強しています。

恵まれた地域
 ニホンアカガエルやヒダサンショウウオなども、貴重な存在ですが、富山市で見ることができます。モリアオガエルも住んでいますが、地元の人は興味を示さない。地域は恵まれ過ぎているので、「大切なものだ」という意識はないのでしょうね。貴重なものであることを地元の人にも分かって欲しいです。
 地元の人にもいろいろな話をさせていただいていますが、サンショウウオについては「最近あんまり見ないね」とおっしゃいますね。

ナチュラリストになった契機
 数年前に、まちに熊が出てきて大量に殺されたことがありました。熊が人間の都合でただ殺されていることに疑問を感じ、「もっと生き物のことを知りたい」と思うようになりました。対策情報も交錯しており、本当はどうすればよいのか、知識が無いせいで分からず、「そういうことを教えてくれるところがないのかな」と思っていた時に、『婦負の里』の湯浅館長さんの連載記事(北日本新聞)が目に止まりました。「こういう人であれば、私の疑問に答えてくれるのでは?」と、北日本ナチュラリストの講座を受講。さらに、県のナチュラリストの講習会も受講しました。
 最初は自分の勉強のために始めたことでしたが、徐々に「いろんな人に自然について関心を持ってもらえればよいかな」と思うようになり、ガイド役も引き受けるようになってきたんです。

“人と生き物の関わり方”を知ってほしい
 “人間と熊との関わりはどのようにあるべきか”を語り、伝える役割を担っています。毛虫も、「見苦しいから」とすぐつぶされたりしますが、「きれいなチョウチョになるのに」と思うともっと伝えたい。
 個人的には、生き物が殺されるのはイヤ!ですね。
 山菜など山の恵みも、子どもの頃から「来年のために残しなさい」とおばあちゃんに教わってきました。しかし、最近の人は根こそぎ採っていってしまう。販売のために採りにくる人がいるのが悲しいですね。山菜の採り方を学ぶべきだと思います。

世代をつないで楽しさを伝える
 山行きは、最初はおばあちゃんと、その後お嫁に行くまでは父と、キノコ採りや山菜採りに出かけていました。春は自然薯掘りもしていました。
 小さい頃は、クワガタ取りに行くとき、15歳ちがいの弟を連れていっていました。自分が好きだったからですが、弟にも知ってほしかった。木に蜜を塗っておいて、翌日探しに行くことをしていたら、弟も大好きになっていました。今はその弟が、自分の息子に伝えようとしています。
 実は、最近まで、「自分の息子には伝わってないかな」と感じていたのですが、先日クワガタを見せたところすごく興味を持って、名前を直ぐ言っていました。それからも何度もクワガタの入っている箱を開けてみていたので、「案外伝わっていたんだな」とうれしかったです。小さい時には、池掃除ですくい上げた泥の中から、「ヤゴ救出作戦だ!」とヤゴを見つけ出し、池に戻していました。
 最近は、娘も「山に行こう」と誘ってきたりするし、「ナチュラリストの資格を取ろうかな」とも言っています。

修繕の必要な家を買った
 この家は不思議な家で、昔、「八尾に住みたい」と家を見てまわった時、一番最初に見たのが現在の家なんです。その時はすでに横浜の人が買われていてあきらめたのですが、それから5年ほどして、山の中の家が売りに出ていると聞き、見に来たらこの家でした。しかし、15年も誰も住んでいなかった家だったので、床は抜け、雨漏りもひどかった。
 でも、それを修繕して活かすことに意義を見出しだし、買うことにしました。
 この家を手に入れてよかったのは、いろんな生き物と出会えること。最大の魅力です。野鳥も昆虫も多いし、山菜も豊富で、珍しい植物も自生しています。花屋で高い値で売られているような山野草もいろいろ生えています。いろんな植物があるから、いろんな動物や鳥もやってきます。
 鳥も小さい頃から好きでした。特にツバメ。家に毎年巣を作ってくれたので、それが待ち遠しかったんです。また、実のなる木にムクドリなどがやってくるのが楽しみで、それを庭でずっと眺めていました。知識があったわけではなく、鳥を見ているのがただ楽しかったんですね。

自然とともに不便に暮らしたい
 私はできるだけ不便な生活をしたいです。水は谷の水を使い、薪で風呂を焚き、かまどでご飯を炊くような暮らしをしたい。自然を利用し、自然を使って生活してみたい。布団は陽の光に当てて干したり、干しイモも梅干しも天日で干して、味噌も手作りして。
 手間がかかって不便だけれど、自然とともに暮らしたい。

自然の中へ遊びに来てもらえる場を創る
 山で呼吸すると、なんだか酸素濃度が高い感じがして、空気がたくさん入ってくるように感じます。都会の人はそうじゃないかもしれませんが、山の方が呼吸しやすいと思いませんか。
 今後は、家族で遊びに来てもらい、タケノコを掘ったり、美味しく料理をして、みんなで楽しむという活動のお手伝いを、人数限定で行いたいですね。このような地域に遊びに来ていただく場を設けることで、「こういうところに住みたい」と思う人が出てくるかもしれない。そんなことに期待しています。



白木峰



白木峰





牛岳のブナ林




牛岳のブナ林




牛岳のブナ林


(インタビュー時期:2010年10月)
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「八尾まちめぐりバス」時刻表 http://www.takayamasen.com/ymb/img/yatuobus2010.pdf