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雑貨こもの屋さん [雑貨カフェ 新だち]
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■雑貨を楽しみ、喫茶で憩えるカフェ 新だちは、2008年の7月に八尾の旧町エリアにオープンした、知る人ぞ知るお店です。場所も決して分かりやすいとは言えず、宣伝も多くは出していないのですが、口コミを通じて徐々にファンを増やしています。 店主の橘多恵子さんは、以前からインテリア系の雑貨が好きで、ご自分でもよく買い集めておられたそう。その磨かれたセンスを生かして、自らお店を始めました。雑貨をメインにしつつ、より気軽に入りやすいお店を目指し、喫茶もスタートすることにしました。 ■眼前に緑が広がる河原の眺望 開店のきっかけになった一つが、ロケーションの良さ。今のお店の建物は、以前はガレージとして使用していた場所でした。ところが隣家が取り壊されると一気に目の前の景色が開け、坂のまちの高台から井田川の河原を真正面に見晴らせるようになりました。「せっかくのこの眺望を、たくさんの人に楽しんでいただこう」、この思いもあって2階を改装し、今のお店ができました。 ■クリームあんみつや、パフェがおすすめ 喫茶メニューの一番人気は、クリームあんみつ。手軽な価格で食べられる背の高いフルーツパフェも人気です。喫茶の定番のコーヒーも、雑貨店ならではのセンスを生かした素敵なセッティングでお出ししており、女性連れのお客さんから歓声が上がることもしばしば。 その他、「食べるものはないの?」というご要望に応え、軽食のランチもスタートさせています。 ■「おわら」がつなぐ縁 実は、多恵子さんのご主人は、民謡腕自慢がズラリと居並ぶ八尾の中でも胡弓名人として知られている、「おわら」の名手。そんな橘家だけあって、全国の「おわら」ファン、民謡関係者との深いつながりを持っておられ、お店の商品にもそうした縁が密かに反映されています。 例えば、津軽と琉球。日本の南北と真ん中から、津軽三味線、沖縄民謡、越中おわらが集まった催しを機に民謡関係者同士仲良くなり、今でも交流が続いています。お店でお水を出すグラスは、その縁を通じて知り合った琉球ガラスの作家さんの作品が使われることもあるそうです。 ■家族的なおつきあい、それが八尾らしさ 津軽三味線のプロ奏者の高橋竹童さんも、民謡を通したご縁から橘家と10年以上のお付き合いが続いているお1人。「おわら」を愛し、毎年のように足を運んでおられます。 八尾の「おわら」では、各町内それぞれが揃いの浴衣に身を包んで技を競い合っていますが、竹童さんも沖縄の皆さんも、今では鏡町の浴衣で「おわら」に参加しておられるほどの深いお付き合いだそうです。八尾に来るときは「ただいま」で来てもらい、こちらも「おかえり」で迎える関係の中、息子さんの結婚式には、津軽三味線の演奏あり、琉球沖縄の民謡ありで、列席者から感激の声が集まりました。 「他から見ると、“面白い家や”と思われるかもしれないけれど、毎年おわらの時期になると家族が増える家は、八尾にはたくさんあるんです。これが八尾流のおもてなしかもしれません」 ■文化のまち「八尾」のセンスがあふれる店 店内には、高橋さんが作った携帯ストラップが並んでいます。三味線の撥(ばち)のミニチュアは、「おわら」で名高い八尾の思い出の品としてぴったりの小物です。 思えば、「越中おわら」の踊りも演奏も、1人ひとりの指先の隅々にまで神経が行き届いた洗練の賜物です。長年の指導や訓練、本物を追い求める厳しい目を持った八尾の人々に育まれてきたから、今日の姿があるのです。「新だち」は、その高い文化力を持った八尾のまちで生まれ育った多恵子さんが、雑貨の目利きで選んだ品々を並べている場所。ぜひ訪れてみたいお店です。 |
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