[ 金沢便り2009.11月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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11月30日(月) ろばた焼 あさ井
 飯田彩り市場の開店を明日に控え、その準備のために珠洲に泊まりました。夜はろばた焼あさ井に久しぶりに参りました。生で食べられる白子が夕方入ったと言われたので早速いただきました。他にもめがらすの串焼きやあぶらげの網焼きなど、ろばた焼らしいものを楽しませていただきました。カウンターがメインで一人で入っても楽しめる店はいいですね。昼はだんだんで北川さんが作られた沖縄料理をいただきました。あえて、沖縄ではなく能登半島の先端に来られたといういきさつが面白くて、息子さんが珠洲が良いと言われたとのことです。地域として、このような貴重な方々を大切にフォローしていただければと思います。


あさ井でいただいた白子

11月29日(日) 典座でそば
 昼は典座でそばをいただきました。そばを打たれているのは穴水の方で、あちこちのイベントに参加されてそばを打たれているようです。手打ちのそば屋が珠洲でも増えていくとよいのですが。典座でのそばには、寿司にぎりとおはぎ、けんちん汁、モツ煮などもついていましたので、おなかいっぱいです。11時には着き早めにいただきましたが、次から次とお客様がお越しになり、父上が駐車場整理をされていました。会場では足袋抜豪さんの写真展も開催されていて、同時に楽しめるのはよい企画です。


典座でのそば

11月28日(土) 要介護
 久しぶりにおばさんの家に行きましたが、ケアマネージャーの方もお見えになり、今後のことについて検討すべきことを教えていただきました。年齢とともに徐々に弱ってきているとは感じていましたが、1ヶ月入院していたせいか、一気にふけた感じです。意志決定支援者(キーパーソン)とか成年後見人などの役割を誰が担うかを早期に決めるべきとのアドバイスです。結局、私がすべきことなのでしょうが、そのために親族会議のような場を設けて、了解を得ることが必要なようです。成年後見人は家庭裁判所の選任により任命されますので、法的手続きも必要になります。これまで、いろいろとお世話になってきていますので、これからの人生を少しでも気持ちよく過ごしていただけるようにサポートしていきたい。


11月27日(金) 飯田彩り市場
 珠洲の飯田町の中心部にある旧佐藤水産さん(泉谷菓子舖隣り)の空き店舗を改装して、地域の農産物を販売する店を開きました。朝市に来られている方々の野菜・果物を中心に、米や塩田の塩、わかめなども販売できればと考えています。経営は飯田町商店街協同組合です。商店街の皆さんも積極的に参加し、盛り上げていただければと思います。店舗の空間づくりは完全ではありませんが、初日からお客様にお越しいただき、それなりの売上がありました。一方、朝市での販売台の使用実験も行いました。朝4時には朝市が行われる通りに出て、朝市の皆さんがお越しなるのを待ちましたが、最初に組合長の浜中さんがお越しになられたので、台を組むお手伝いを行い、徐々に来られた方々の販売台づくりを手伝いました。総じて好評です。お客様にも商品が見やすいし、買いやすいと言われました。朝市については、新たな出店希望もありますので、そのような方々にも加わっていただき、朝市の活性化を図っていければと考えています。


飯田彩り市場の店内

11月26日(木) 土から生まれる
 きれいな空間から生み出されるものはあやしい。人が生きていく上で日々食するものの多くは土の中から掘り出したり、濁った水中からすくい上げたものであったりします。大根も芋もネギも、土がついた状態で収穫されています。水耕栽培のような土を用いない方法もありますが、それは特殊な方法でしょう。生態系のシステムからすると、それは極端に隔離された状態で生産される工業製品のようなもの。同じ状態は作りようもないくらい複雑で、多様なものが混在しているのが土ではないか。そこから一定の形をもった野菜が生長するのは遺伝子に組み込まれたシステムが機能しているからで、一つの野菜に組み込まれる養分は土の状態や土に含まれる水分などによって微妙に異なります。土という渾然一体となった状態から掘り出される大根や芋は不思議な存在ですね。人が生きていく上でよりどころにできる発想や考えも、土のような社会の中からつかみ出す必要があるのかもしれない。


11月25日(水) 主役と脇役
 個人が主役たりうるのは、その人個人の人生という舞台においてのみであり、その他はすべて脇役です。多くの舞台で主役であろうとすると、無理が生じて破綻するであろう。反対に、他人の人生の脇役として関わろうとすることを通じてこそ、ささやかではあるかもしれないが、その人の存在意義が明確になるはずです。アイデンティティなどということも、他人との関わりの中でこそ、確認可能なことではないか。ほんの一瞬かもしれないが、深く関われることを幸いとすべきでは・・・。そのような役割を選ぶ覚悟があれば、人生は豊かになるような気がしています。もちろん、生存を維持するための基礎的なものが確保されての話ですが、そのような果実も、他人の役に立つことを徹底して追及することを通じて得られるのではなかろうか。


11月24日(火) 最後の講演会
 午後に「中部知財フォーラム2009in北陸」で由布院・亀の井別荘の中谷健太郎さんに講演いただきました。たぶん、健太郎さんが講演されることはもうないであろうし、そのようなことはやめたいと言われていました。家業に専念されたいようです。一時、私も、健太郎さんのお話を聞かれたい場合は由布院に行くべきであると申しあげてきたが、今後はさらに強く、そのようなお話をしていきたい。分科会でもパネリストをつとめていただき、すべてのプログラムが終了したのが、17:15でした。その後、車で山代温泉に移動し、あらや滔々庵に泊まりました。大聖寺の林さんにもご一緒いただき、楽しい一時を過ごすことができました。途中、由布院観光総合事務所に2年弱出向していたことのある出渕さんファミリーにもお越しいただきました。林さんと、由布院映画祭が行われていた時に由布院の人々を取材に行ったのは、出渕さんが由布院に出向している時でした。それから何年が経ったであろうか。


講演される中谷健太郎さん

11月23日(月) 事前打ち合わせ
 「中部知財フォーラム2009in北陸」のゲストの皆さんの事前打ち合わせにご一緒させていただきました。基調講演をされる中谷健太郎さんにも羽田経由の午後の便で小松にお越しいただいたので、お迎えにあがりANAクラウンプラザホテルにご案内しました。事前打ち合わせでは、途中からフリートーキングのようになったので、本番のパネルディスカッションにつながる話し合いが行われたのではないかと思います。その後の懇親会にも加わり、久しぶりに輪島の桐本さんといろいろお話しさせていただきました。このような事前打ち合わせを長時間行う意義は、事前打ち合わせで話された内容が本番でも語られるケースも多く、予行演習ができることでしょうか。話すことを確認できますし、パネリスト個々の視点や発言の際の特徴もつかめますので、コーディネートもしやすくなるはずです。


11月22日(日) 地域の将来像
 同じようなことを書き続けていますが、地域に関わり続けていく上で重要なことは、地域の将来像をどのように描くかということ。まずは、それぞれの地域に生きる人々が考えるべきことですが、他所から関わる人間もその地域の未来を想い描くべきです。日本全体で人口減少、高齢化が進み、その中でも能登半島地域はそれが顕著に表れています。そのような状況を踏まえ、今後どのような地域を目指していくべきなのか。地域の将来像を描き続けるべきなのだと思う。地域経済、産業と人口の相関、人々の暮らしの質の維持・向上をいかに図るかを念頭に、どのようなスケールの地域を基本にするか。人口減少により成立しなくなる事業もあるでしょう。道路や上下水道、電気・ガスなどのエネルギー、医療・福祉、教育などのサービス維持や質的向上は可能か、そのようなこともしっかり積み上げてみるべきなのだと思う。少なくともどれくらいの人が住んでいるべきなのか。人口減少とともに基準、レベル、方法を変えることも多いのかもしれない。さらに、一次産業が持続的にその質を高めながら展開され、一次産業が生み出す産物を付加価値をつけて商品化する二次産業や三次産業が成立する地域が理想です。もちろん、新たな産業の創出を既存の地域資源を活用して開発することも大きな課題です。その核になるのは、やはり人です。UIターンを含め、地域に愛着をもっていただける人を積極的に誘致すべきでしょう。いろいろな能力を有する人が力を合わせることで、新たなことやものを生み出すことも可能になります。険しく細い道かもしれないが、明るい将来展望はその先にあるように思う。人口減少社会は都市集中を促進するのではなく、地域分散社会を目指すべきではないか。


11月21日(土) 環状木柱列
 午前中は真脇遺跡縄文館の前の駐車場で行われているクリ木皮むき実験に参加しました。直径60cm、長さ9mのクリ木の皮をクリ木の枝で作った道具でむきました。直径5〜6cm程の太い枝の先端を平たくナタで削り、皮の隙間に入れてはいでいきます。最初は勢いがよくても徐々に疲れてきます。1時間もすれば、腕や手のひらがが痛くなってきました。原始的な方法かもしれませんが、そのような技術にも学ぶべきことがいろいろあるのではないかと考えながら作業をさせていただきました。学んだことは、枝で皮をはいで行く際に、芯の部分は簡単に傷つかないことです。皮と芯では堅さが違うこと、枝と幹の材質が同じであれば、傷つきにくのではないかと感じました。アテやスギなども、同じように枝で皮をむくときれいにできると、一緒に参加されていた能登で暮らし続けてきた方からうかがいました。生活の知恵として蓄積されてきたものが多くあるのだと思う。この実験は23日まで10:00から12:00、13:00〜15:00に行われ、昼食は美味しい縄文カレー(古代米)が楽しめます。問合せは真脇縄文館まで、電話0768-62-4800。


クリの枝でクリ木の皮をむく

11月20日(金) 事業経営と地域経営
 個々の店舗や企業などの法人の経営と地域全体の経営を関連づけて考える必要があります。基本は個別の事業体が顧客を開発、維持し、収支バランスをとり事業の継続発展を考えることです。そのようなことがしっかりできること、少なくとも将来展望が描けることで、後継者も現れ未来が見えてくるのではないか。その際に、地域の有り様も重要になります。個別事業体が立脚している地域のイメージが集客に影響する事業も多くあり、地域全体のことに関わらざるを得ないこともあろうでしょう。個が集まることで、地域イメージがふくらみ、発信力が高まることもあります。そして、そのようなことを促進するためには、行政や経済団体等(民間の有志であってもよいが)から地域全体としての方針やビジョンが明確に示され、具体的な活動が行われることで、相乗的に地域イメージが形成されていくのではないか。たとえば、県内では、白山麓はそばの里としてのイメージが定着し、そばを食べに行く人が確実に多くなっています。それは、手打ちそば屋のネットワークを作り、そば街道として発信していくことを目指した民間の人(唐変木の橋本さん)がいて、具体的にネットワークが形成され、そばマップをつくるなどの活動が継続されてきた成果ではないか。行政の活動としては、そば花まつりやそばまつりを継続開催してきた。さらに、そばの拠点施設(にわか工房)を作り、道の駅(一向一揆の里)に手打ちそば処「せせらぎ」を組み込んだり、施設を増やすことで、イメージ強化をしてきたと言えます。個人で新規にそば屋を開く人が集まってくることでもそば屋が集積されてきました。その結果、広い範囲からお客様がお越しになられるようになっています。一方で、能登は何を目指そうとされているのであろうか。能登全体、それぞれの地域はどのような地域を目指し、地域を支える事業をどのようなことに置こうとされるのか。頑張る民間、個人を応援することをベースにしつつも、人材、事業体の集積を図るためにも、方向性を示す必要があり、そのための議論・検討の場を継続的に設けるべきではないか。


11月19日(木) 農商工連携ツアー
 昼前から珠洲でのアグリファンド石川の農商工連携ツアーにお付き合いしています。農の現場を見ることを通して、農が主体となった連携を促進しようという趣旨です。昼前にご一行が珠洲に到着、まずはSHO-TATSUで昼食。地域の素材を活かした料理をコースでいただきました。その後、すえひろ、みなくちと見て回りました。さらに、二三味珈琲と交流施設狼煙も見学し、宿泊の谷野旅館へ。意見交換会の最初にぶどうの木の本さんに基調トークをしていただき、その後に全員に意見を出していただきましたが、皆さん熱心です。石川の農業の次代を担う人たちがたくさんいることを実感できる場になりましたね。


SHO-TATSUの能登大納言ハンバーグ

みなくちさんのいちご

谷野旅館の能登大納言の乗ったアイス

11月18日(水) 地域の未来を
 私たちに問われているのは、地域の未来をどのように描きうるかということ。都市集中がこのまま進めば、中山間地域は崩壊していきます。前の世代が培ってきた田畑やその背後に広がる里山、そして、連綿と受け継がれてきた文化や基礎的な産業も断絶していくかもしれない危機的な状況にあります。都市に集住し、コンパクトシティを推進することは、目に見える範囲は維持出来ても、その上流域や周辺を維持出来なければ、都市生活者の生存の基盤を危うくするでしょう。近年、頻発している都市部における洪水災害などが典型です。里山から下流の都市にいたる水系で、地域の生態系や物質循環、エネルギー循環を踏まえ、生存のための物資の生産と供給のあり方を考えるべきなのです。これまでの政策や産業評価、ライフスタイルを根本的に見直すべきですね。50数年の人生を振り返りつつ、未来を展望するならば、地域の未来を描き、実践を通して、新たな生き方を探り続けることが、今後のつとめのように感じています。しかし、それは一人ではできないことも確かです。どのようなネットワークを組み、可能性を追求できるか。課題は山積し、目の前の仕事も盛り沢山ですが、それらをこなしつつ、新たな境地を開いていきたいものです。連携と応援をよろしくお願いいたします。


11月17日(火) 鮮度感
 珠洲の二・七の朝市に朝4時に出掛け、新たな販売台のテストのための組み立ての手伝いをしました。すでに商工会議所の今井会頭ご夫妻が作業をされていました。率先垂範のよいモデルをお示しいただいています。あいにくの雨模様になりましたが、おかげで屋根付の販売台の効果を評価するよい機会になりました。一旦、夢のと2号館で仕事をした上で6時からは朝市出店者の皆さんへの説明に回りました。実際の説明はおかみさん会会長の川端玲子さんがされましたので、商工会議所の乙谷専務とついて回った程度ですが、参加の皆さんの写真を撮ってまわり、後ほど川端さんに届け、似顔絵を描いていただくことにしました。その際に撮影した写真を見ていて気付いたのは、皆さんの商品の鮮度感です。それぞれの皆さんの前に並べられた野菜や果物が新鮮に見えます。美味しそうに見えます。それは何故であろうか、それは空き店舗での事業においても重要なことですから、そのような印象を訴えられるような展示の仕方や照明を工夫しないといけません。朝市の魅力は、そこにものを作っておられる人がいて、その前に商品が並んでいることでしょう。「顔の見える商品」の基本がここにあります。そして、期間限定、数量限定にならざるを得ないですね。


販売台での実験

野菜を並べて販売

果物を盛って販売

11月16日(月) 人間多様性
 環境にアプローチする際の視点として、生物多様性がテーマになりはじめて久しい。生態系の安定性やバランス、そして、その可能性を保つためには多様な生物が共存する社会が望ましいのはたしかでしょう。それと同時に人間社会の安定性やバランス、その可能性を維持するためには人間多様性も重要ではないか。地球上に多様な人種、民俗習慣、文化、産業、宗教などが共存していること、さらに、地域社会の中でも多様な人がいることで、バランスが保たれ、新たな可能性や文化創造が可能になる面もあるでしょう。今後は生物多様性と同時に人間多様性も追求すべきではないかと思う。ユニークな発想ができる人や個性的な人がいることが地域の魅力になるはずです。そして、一人ひとりの人は、誰もが個性的で独自の存在ですから、そのことをお互いに尊重しあいながら、触発的に関われるとよいですね。


11月15日(日) 視察研修
 福井県あわら市商工会商業部会のみなさんが能登半島の先端に視察に来られた。珠洲市飯田町商店街と能登町宇出津商店街でご一緒しました。商工会長さんをはじめ総勢29名、片道3時間以上かけての来訪ですが、どれだけのことを得ていただけたであろうか。私があわら市商工会で講演させていただいた内容を現場でご確認いただき、少しは具体的なイメージをつかんでいただければ幸いですが、何店舗も新たな取り組みをされている店をご覧いただいたので、少しは参考になるはずです。ハード、ソフト両面での取り組みがマッチして魅力的な店、商店街が形成されていくことが基本です。そのようなことをご理解いただるとありがたい。あわらの商店街も個性的なお店は何店舗もありましたから、そのようなお店をクローズアップして発信していただくことが有効です。歩いて楽しいまちづくりのためには商店だけでなく、一般住宅のみなさんの参画も大事です。そのような面については富山の八尾の取り組みがよいモデルですね。地域の中に魅力的な街が増えていくのは望ましいことですから、今後も交流を重ねていただき、相互触発効果を発揮していただければと思います。


宇出津・干場金物店での包丁研ぎ

11月14日(土) 地域に関わる意義
 地域に関わる意義はどのようなところにあるのであろう。一方に東京のような大都会があり、中間に金沢のような都市があり、一方の極に能登半島の先端のような地域があります。過疎化、高齢化が進み、課題が多いと言われる地域の中にも、いろいろな情況があります。石川県内だけでも、能登と白山麓と加賀では異なるし、能登半島の中でも相当違う。そのような地域ごとの情況を踏まえて、どのような将来展望を描けるか。その将来像をともに創り、共有しつつ、地域での活動を続けるべきなのだと思う。何をすべきかを考える前に、どのような将来像をいかにして協創するかが大事ですね。地域内での議論や検討がどれだけ行われているのか、そしてそのような活動に、どれだけ多様な方々が参画しているか、地域の未来を担う若者たちや、日々の暮らしを支えている女性たち(男もそうですが)、そして地域の価値や魅力を客観的に(異なる視点から)評価できうるであろうよそ者の参加があるであろうか。地域内での議論の場によそ者を加えることで、醗酵が促進されることもあるだろうし、時には白熱した議論を整理することも可能かもしれない。大きくなること、拡大する方向で動いてきた社会が行き詰まっているのはたしかであり、いわゆる過疎化した地域で未来のモデルを創ることは価値があり、そのようなモデルを能登で構想することも、有意義なことであろう。それも地域に暮らす人々が自信をもって暮らすことにつながらないといけない。適度な人の住みぐあいと、よそ者の入りぐらい、その交わりの中に新たな社会の有り様を描けないであろうか。経済のスケールは小さくとも、地域外にも開かれ、触発的な場が用意されているコミュニティ、人が関わることで環境が保全され、伝統的な文化や基礎的な産業が維持されている地域、そのような地域の本来の姿を再生させ、未来に受け継いでいくための仕組みづくり、基盤づくりが求められているのではなかろうか。大都会に集住している人々が地域に分散して暮らすことを可能にするためには、価値観、人生観も含め、次代に通用する形を描き、実践することではなかろうか。そのような活動そのものに、大都会に暮らす人々の参画も得て進める仕組みも必要でしょう。よそ者である私の立場は、全体像を緩やかに描きつつ、地域での議論から実践にいたる活動をコーディネートすることなのかもしれない。


11月13日(金) 森本金網製作所
 ネットで検索していて見つけた森本金網製作所を訪ねました。中能登の東往来(旧鹿島町)からさらに山側に上がった山裾にあります。能登スタイル・のとびとでご紹介させていただいている亀井ちょうちんさんの横を上がっていくと工場はありました。外から見ると小さな町工場のようでしたが、中は広かったです。事務所も一番奥にありました。工場内は金網専用の織り機械が並んでいます。一見布を織っているように見えます。繊維産地としての技術の蓄積が活きている仕事で、金属素材の糸を織って金網を作られています。布用の糸より10分1以上細い金属製の糸で作り、濾過装置に組み込まれることが多いようですが、基盤などにも活かされているとのこと。社長の森本陽介さんはブログも書かれていて、意欲的な方です。専業メーカーとして、その技術力、開発力を高めていただき、今後の活躍が期待されます。


森本陽介さん

金網を織る

織り上がった金網

11月12日(木) 場を創る
 能登での活動を通じて感じることの一つは、いろいろなジャンルで活動している方々の共通の場を設けることの必要性です。個々でいろいろ考え、実践していただくことが基本ですが、それを深化発展させる契機を創るという意味では、異なるジャンルの方々と交わる機会を設けることが有意義ではないか。ご同業の方々が集まる場に異業種の人が加わるとか、地域の人々の会合によそものが加わることで、触発効果を発揮できることもあります。人口減少が進む地域にあっては、限られた人材がその能力を発揮し、可能性を広げるようにつとめることです。そのためには触発的な場の設定と、そのような場に加わることを通じて連携を模索していくことが重要ではないか。


11月11日(水) 風の記憶
 以前、由布院で中谷健太郎さんにうかがったお話で記憶に残っていることがあります。それが「風の記憶」ということ。その意味することをご当人からはうかがっていないが、風のようにあいまいで不定形だが、しっかりと痕跡を残すことを、まとめておきたいと言われていたように思う。自らを振り返ってみても、はっきりと記憶していることはほとんどなく、曖昧なことを断片的に覚えているだけです。かすかに覚えていることを糸口に広げていくことでしか、連続したことにはならないし、それは想像の世界に入り込むことになるのかもしれない。願望も含め自分に都合のよいように変形されていくことも多く、違う時期のことがくっついていたりすることもありそうです。「風の記憶」という概念をたよりに、自らの人生を時々振り返っておくこともよいのではないか。かつて、書き貯めていた日記のようなノートを読み返してみると思いだすこともありそうだ。


11月10日(火) しいたけ小屋ひろきち
 夜は珠洲で人材育成塾の3回目がありました。しいたけ小屋ひろきちさんにお邪魔して、料理を楽しませていただき、奥野さんご夫妻から、お話をうかがいました。今回、初めて手打ちそばをいただきました。典型的な田舎料理ですが、これが都会から来られたお客様には好評なのだと思います。もちろん、奥野さんご夫妻の人柄や手伝いにきている末政さんのキャラクターも人気の秘密でしょうね。


ひろきちさんの手打ちそば

11月9日(月) 晩秋の鉢伏山
 朝早くに金沢を出て能登に向かう。穴水町商工会にお寄りした後、能登事務所へ。昨日の竹取物語に参加できなかったので、今日は鉢伏山に行き、竹刈りを行う。昨日、刈っていただいた部分からさらに奥の方に刈り進めました。前回、刈った場所にたどり着きましたので、見通しが良くなりました。その後、ブナ林エリアに戻り、法面に生えているブナの小さな木を5本だけ移植してみました。頂上エリアにブナ林を再生するためのささやかな活動です。次には種も蒔きたいと考えています。


紅葉も終わりかけている鉢伏山

11月8日(日) 松江
 朝風呂を浴びた後、出雲大社に参りに行く。砂利道を下り、修復が行われている出雲大社に参りましたが、朝は清々しくて気持ちよいですね。朝早くから、女性の参拝客が目立ちます。朝食の後、稲根さんに出雲まで送っていただき、商店街にあるなぎら長春堂旭日酒造さんに寄りました。なぎら長春堂さんでは、若旦那夫妻(若女将は地域づくり企画セミナーの受講生でした)やお母さんにお会いすることができました。旭日酒造さんでは昨日まで病院に入院さえていたご主人の元気そうなお顔を拝見できました。旭日酒造さんでは、店を徐々にきれにしていただき、ディスプレイを変えていただいています。今後の展開を楽しみにしていましょう。出雲市駅からJRで松江に行き、松浦さんと松江市内を観て回りました。イングリッシュガーデン、宍道湖しじみ館を見学、しじみ館の2階にある「こ根っこや」で昼食をご馳走になりました。その後、松江城のそばにある「ちろり」「ぢげもん」を訪ねました。「ちろり」の2階からの眺めは格別です。「ぢげもん」では隠岐の海士町の商品を沢山販売されています。最後に、中心商店街の一角で行われていた交通実験の様子を拝見に参りました。昨日のスタッフとして活躍していただいた勝部さんが、仕事をされていました。天気にも恵まれ、楽しい一日でした。


「ちろり」の前面

「ちろり」の2階からの眺め

「ぢげもん」の店内

11月7日(土) 神在月サミット
 今年も神在月になり、出雲に出かけました。一昨年から始めた「神在月サミット」が出雲市大社町で行われました。出雲大社に八百万の神々が集まってこられるのにあわせて、地域で頑張っている人にも集まっていただき、今後の地域のあり方を議論しようという趣向です。今年のテーマは「地域への思い(情報)を表現する」で、映画監督の錦織良成さんが「故郷で映画をとる理由」と出して講演されました。その後は、井戸端会議、交流会と続きました。会場は、旧大社駅です。最後は、きんぐで二次会でした。錦織監督は、島根を舞台にした映画を撮り続けており、「白い船」が脚光を浴び、来年初夏には「RAILWAYS」が全国200館で公開の予定です。一方「しまね映画塾」を2003年より開催しておられ、映画を身近な表現手段にすることに取り組まれています。講演の内容も刺激的でした。


サミットの様子

11月6日(金) 鉢伏山再び
 最近では珍しく、一昨日に続き、鉢伏山に行きました。今日初めて入ったブナ林を見ました。100年以上は生き続けているブナが生えているゾーンです。ブナが林立している尾根がまだありました。なだらかに下っていけそうですので、次回は歩いてみたい。まだまだ足を踏み入れていないブナ林もありそうです。こまめに歩いてみるしかありません。その後、頂上エリアでネマガリタケを刈りました。大きな栗の木の回りを広げて行ったら、かなりの広場ができました。来春までには、三角点までを刈り進めたいものです。


初めて立ち入ったブナ林

栗の木のまわりの竹を刈る

頂上エリアへの入口

11月5日(木) 政策形成研修3
 県庁で政策形成研修の最終プレゼンがありました。最初に練習を行い、その上でプレゼンを行っていただきました。午前2グループ、午後2グループです。参加メンバーの上司の方々に、聞いていただき、コメントや質問をいただきましたが、そこでの質疑で足りない部分が明確になることもありました。金沢大学や中小企業団体中央会、金沢商工会議所からも参加いただきましたので、行政以外の視点も入れて政策形成を試みていただきましたが、今後は政策の当事者の意見や現場を把握することや、政策形成の過程に参画いただいてまとめるというアプローチも考えていただきたいものです。彼ら若手の皆さんの活躍に期待したい。


11月4日(水) 秋の鉢伏山
 朝早くに家を出て能登事務所に向かう。天気が良かったので、午前中に鉢伏山に上がりました。すでに山は紅葉が進み、落ち葉がいっぱいです。ブナの木はまだ青い葉もつけていますが、ミズナラは葉を落としています。頂上エリアに登り、日曜日に取り組んでいただく竹取物語の場所を設定するべく、柳田側の歩く道沿いに広場を2つ作ってみました。そこを中心に広げていただければ、日が差す場所が作れるので、ブナの実をまいても大丈夫だと思います。来春に種をまく準備として、可能な限り明るい広場を作りたい。午後はエコツアーの体験として、ブナ林エリアに登りました。水源まで行きましたが、まだまだルート設定に改善の余地があります。


鉢伏山の星稜広場(学生さんたちが竹刈り)

ブナ林の様子

色づくブナの葉

11月3日(火) 八世乃洞門(はせのどうもん)
 11月1日に八世乃洞門(はせのどうもん)の新トンネルが完成し、開通式が行われました。予定より2ケ月早い完成とのこと。これまでは、能登半島地震で岩盤が崩落し、夜間だけ通行規制が行われていましたが、それもなくなりました。輪島と珠洲を結ぶ海沿いのルートとして重要です。これで少しでも輪島から珠洲に向かうお客様が増えることを期待したい。半島の先端の海沿いの道をゆっくり走ると、昔ながらの風景が広がっています。一番お気に入りの道で、おすすめです。


11月2日(月) 二・七の朝市
 柳田の能登事務所に泊まっていたので、5時前には事務所を出て珠洲に向かう。夢のと2号館で作成していた説明用の原稿を出力し、商工会議所の乙谷専務、おかみさん会の川端会長と相談。朝市強化事業(正確には地域流通モデル構築支援事業)の説明に回りました。朝市に出ておられるお母さん、おとうさんたち一人ひとりに事業の説明をし、参加意向を聞き取りました。もっぱら説明されていたのはおかみさん会会長でしたが、それを専務と私がフォローする感じでした。今日はあいにくの天気でしたが21名の出店があり、まだまだ可能性を感じることができましたが、後継者の発掘が課題であることはよく分かりました。7時過ぎからは雨が降り出し、一日雨が降り続いていました。


リンゴやナシもたくさん並ぶ

大根などと一緒にたまねぎの苗も

説明される川端さんと乙谷さん

まつたけ

色がきれいなラディッシュ

大きなレンコン

11月1日(日) 金曽農園
 和倉温泉に向かう途中、宝達志水町の山の中にある金曽農園に立ち寄りました。ちょうどリンゴが熟して収穫が始まっていました。一昨日から収穫を始められたようです。さっそく、一個試食させていただき、リンゴ園で写真を撮りました。作業場の目の前には富士の木がたくさんあり、いずれもたわわに実がついています。同じ富士でも種類が微妙に違う物が混ざっているようで、リンゴの表面の色が少し異なっているものがあります。さらに、葉っぱの様子で木の元気さが違っていて、葉っぱが黄ばんできている木はリンゴが熟するのが早いとのことです。といっても、まだまだ強い緑色をした葉っぱがいっぱいです。金曽農園では、玉回しと言って、実の全体に日光が当たり色づくように少し回転させておられますが、そのような手間をかけただけあって、いずれもいい具合に色づいています。それだけでは駄目なようで、まだ数日しないと美味しくならないとのお話でした。プロの目は表面の色づきだけでなく、深いところを見ているようです。


色づいたリンゴ

さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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