[ 金沢便り2008.1月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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1月31日(木) 価値の創出
ソフトな仕事の価値は新たな知や価値の創出にある。そのためには蓄積した知が必要であり、どれだけの経験を積んできたかが、確かな仕事をする前提となる。直感的なひらめきで仕事ができるのは天才であり、多くは経験の蓄積と学習により獲得したものがベースとなるであろう。そして、新たな知を生み出すための方法論をしっかり身につけると同時に、価値を創造できるためには、関係する当事者の意向や欲求を認識する感覚的なセンスも重要である。当事者と対話し、観察する行為の蓄積が必要ともなる。そのようなことを踏まえての提案をどこまでできるか、ターゲットを絞り込み、コンセプトを設定し、商品や事業の価値の核を明確に提示できないといけない。このような仕事のプロセスは相当な時間がかかる。提案をまとめる以前の、対話や観察、情報収集、それらを読み込み、その上で考え醗酵させる時間が不可欠だ。ソフトな仕事のプロセスへの理解がないと正当な評価はできないであろう。そのような想像力を是非もっていただきたいものである。


1月30日(水) ソフトの価値
企画の仕事の評価は難しい。行政等に提出する見積りは人件費単価×日数で計算することになっている。しかし、ソフトウエアの価値は時間だけでは評価できない。少なくとも、当人の人件費だけで積算されると、会社組織として仕事をしている人間にとっては売上として極めて少ないことになる。間接部門のスタッフやサポートスタッフがいるおかげで仕事ができていることを考えると、そのような経費も含めて単価を設定しないと、企業経営として成立しなくなる。ソフト産業の振興とか、ソフトを重視した施策の展開とか言われるのであれば、ソフトビジネスの評価の仕方、仕事の対価の設定について新たな基準が必要であろう。実績や民間企業における契約等も参考にしながら、価格設定をすべきではないか。経費削減ということで、人件費を削ることを優先していると大切なソフトウエアが地域や組織内から流出することになるであろう。


1月29日(火) タンカン
沖縄の島袋次郎さんから「タンカン」が届いた。みてくれは悪いが、甘みも酸味も強い。東京の生協では見たことがあるが、金沢では販売されていることはなさそうだ。以前、沖縄にお邪魔した際に、タンカン狩りに連れて行っていただいたことがある。気軽に体験したいとお願いしたところ、伊計島から1時間半ほどかけて連れて行って下さいました。自家消費用に作られているタンカン畑は自然な感じでとっても美味しく感じた。あの時は収穫できるだけ収穫し、大きなカバンをホームセンターで買って詰め込み持ち帰ったものでした。あの体験が懐かしい。


タンカン

1月28日(月) 郡山
福島県の郡山に初めて行く。福島県そのものが初めてです。金沢を7時過ぎの列車で出て、越後湯沢、大宮で乗り換え、郡山には12時前に着く。最初に昼食をいただいたのは、裏通りにある「隆仙坊」(郡山市清水台 TEL024-932-0194)というお蕎麦屋さんでした。二色せいろをいただく。ゆずの変わりそばで、そば田楽やかき揚げ、きのこのてんぷらもついていました。落ち着いた老舗の雰囲気で、目の前には曹洞宗の大慈寺がありました。講演会場は郡山市役所で、市長や議長さんにご挨拶させていただいた後、「郡山地方広域市町村圏組合」(12市町村が参加)の研修会で、講演させていただく。最初に、八尾での取り組みや能登の状況についてパワーポイントで紹介し、お話をさせていただいたので、ご理解いただきやすかったようだ。それでも時間が足りなくなり、お話しようと考えていたことを言えずじまいでした。講演の後、ホテルハマツにチェックインし、1時間ほど散歩に行く。駅近くにりっぱなお宮を発見。「総鎮守」(安積国造神社)という額がかかっており、古い舞殿もありました。「和久産巣日命(わくむすひのかみ)」(農業の神様)ほか4つの神様を祭っておられます。お稲荷さんもありました。参道が駅方向にあり、鳥居がいくつも見えました。夕方からは、ホテルの近くの「魚菜の大蔵」(郡山市清水台1-8-10 TEL 024-922-2081)という料理屋さんで懇親会。肉や魚が大盛りになった山海鍋が名物料理のようで、お刺身、焼き魚などと一緒にいただきました。元気のよいご主人のいるお店です。明治以降に出来た郡山ですが、成長著しく人口は30万人以上で、美味しい店もありました。郡山で観光するというよりは、周辺の市町村で楽しむための拠点として活用できそうです。


隆仙坊のそば

総鎮守の舞殿

大蔵の山海鍋

1月27日(日) 朝食
7時前に起きて、まず温泉に入る。昨晩は入り損ねたので、朝ゆっくりとつからせていただきました。露天風呂で半身浴を楽しませていただいたが、長時間入っていられました。温泉旅館でいただく朝食は美味しく、沢山食べられることが多いが、あらやの朝食も美味でした。温泉がゆを2杯いただき、自家製の温泉たまごやとうふサラダなど、少ない量をいろいろといただきました。最後のフルーツとコーヒーもさりげなくて良かったですね。10時前には、あらやを一足早く出発し、山中温泉のかよう亭を訪ねる。こちらも贅沢な空間づくりをされているが、サロンで上口さんと意見交換。雪が降る中、昼過ぎには金沢に戻る。


あらやの朝食

1月26日(土) あらや滔々庵
高校の同期会を山代温泉のあらや滔々庵で行わせていただく。調理人として同期のメンバーが御世話になっているので、一度は彼の作る料理が食べてみたかった。由布院の皆さんの視察研修の際にもお泊まりいただいているし、遠方からお越しのお客様を案内し、館内を見学させていただいたことも何度もあった。ようやく、宿泊がかないました。夕食をじっくり食べさせていただき、その後、「有栖川山荘」で二次会を行う。デザートもこちらで出していただきました。掘りごたつ式になったコーナーには床暖房が入っていて、あたたかでした。11時過ぎには一旦部屋に戻り、着替えて外に出る。同期の人間が経営しているスナック喫茶「プレリュード」に繰り出す。歩いて2、3分のところでした。帰りは雪の中を歩いて帰る。部屋に戻り、寝たのは1時過ぎでした。


お造り

焼きガニ

ブリの茶漬け

1月25日(金) 介護
問屋センターでの介護ビジネス研究会に参加した。県の健康福祉部長寿社会課在宅サービスグループの一原課長補佐にゲストでお越しいただき、介護制度について基本的なことをうかがう。初めて体系的にお話をうかがったので、制度の仕組みがよく分かりました。儲かる事業ではないかもしれないので、介護ビジネスというタイトルに違和感があるかもしれないが、持続可能な制度にしていくためには、事業として、仕事として関われるようなフレームになっていないといけない。問屋センターには介護関連の商品を持っている企業も多く、要介護の方用の商品・サービスだけでなく、介護予防のための商品・サービスの開発も期待されます。そちらは保険が適用にならないかもしれないが、健康で自立して生活することを追求することも制度を維持するためには必要なことであり、顧客がそれだけ多くなります。


1月24日(木) 穴水
朝一番に穴水に行き、商工会の事業のお手伝いで商店や企業を回る。最初にお邪魔したのは中居の森川仁右エ門商店。ご主人の森川仁九郎さんとは、20数年前に「展奏会」というイベントの際にお会いして以来のおつきあいである。「なまこ」から「くちこ」や「このわた」、「みずわた」などを取り出す作業は地味で根気のいる仕事です。寒い時期の水仕事は手が痛そうですが、海水のため水温が水道水に比べ高く、塩分があるため肌も荒れないとのこと。実際に水に手を入れてみたが、たしかに冷たくはなく意外でした。きんこ(干したなまこ)を炊いたものをいただいたが食べやすかった。次に能登ワインにお邪魔する。高台の上にあるので窓外の眺めは素晴らしいのだが、雪が降ったりやんだりで変化が激しかった。昼は穴水駅前の幸寿しで海鮮丼1600円をいただく。いろんな魚介類がのっており、食べ応えがありました。午後は七海屋、フレッシュフードキタカワ、吉村商店と回る。新しいことに挑戦しようという意欲のあるお店があることは素晴らしいことです。少しでもお手伝いできればと思う。帰りの能登有料は白くなっており、温度表示もマイナスで、ゆっくり運転でした。


幸寿しの海鮮丼

1月23日(水) 手仕事屋再建中
久しぶりに門前にお邪魔した。手仕事屋の再建の様子をまず見学に。外観はほぼ出来てきており、足場をはずすと、お店らしい雰囲気になりそうです。内部はこれから仕上げていく雰囲気でした。裏庭は広くなっており、こちらはぼちぼち作っていけばよい感じです。前面はセットバックしてあり、道を歩く人にとって圧迫感のない店構えになっています。小屋根が出ているので、雨宿りも可能です。総持寺通りは震災の被害がひどかったために、一気に立て替えや修繕が進んでおり、きれいな町並みになっています。問題はどのような魅力的な商売を皆さんが展開して下さるか、新たなお店を開発できるかです。星野豆富店にもお邪魔したが、外観が板張りになり、雰囲気が良くなっていました。その後、輪島に移り、「輪食」の安原さんと会食しながら、今後の展開について意見交換を行い、そのまま輪島に泊まる。


外観が出来てきた手仕事屋

1月22日(火) カホン
県庁の近くにあるので、時々昼食に寄っている「カホン」。沖縄の島料理が売りだ。ランチは沖縄の料理が盛り込まれた健康的なメニューです。今日いただいた「島の昼ごはん」は、自家製ゴマ豆腐の揚げ出し、やわらか鶏つくねの旨煮、ハンダマと島人参の酢の物、古代米入り玄米ごはん、お味噌汁、香の物、黒糖全粒粉のサーターアンダギー、メインディッシュに椎茸と鶏モモ肉の沖縄酢豚風、それにドリンクにウーロン茶がついて、1380円であった。ハンダマとは金沢で言う金時草である。沖縄のスーパーや道の駅、市場でよく売っていました。懐かしい感じがするのは、最近沖縄に行っていないからかな。今年は是非行きたいものだ。


島の昼ごはん

1月21日(月) シンプルに
なすべきことはシンプルに表現できないといけない。多くの言葉を費やしても、内容が伴わなければ価値はない。内容が空疎なことほど、たくさん語りたくなるものである。言葉で説明しただけで理解できることは限られている。理解の前提は共感だ。直感的にたしかさを感じられるかが重要である。そのような核になる概念をしっかり設定できることが出発点として必要だ。その上で細部を描くための表現行為の蓄積が必要になるのかもしれない。


昼食は今年初めてのしん馬でした

1月20日(日) 情報発信
地域からの情報発信はいろいろなメディアから多様な情報が流れることが基本となる。一つのメディアに集約する必要はないし、一元化し過ぎると限られた情報しか発信できなくなる。ネット、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、メディアは多様化しており、ネットだけでも、行政や団体、民間企業、個人のブログにいたるまで、情報が飛び交っている。検索をかけて、どれだけの情報が出てくるか。メディアへの信頼や評価が背景にあって、情報の利用が異なってくるであろうが、いろいろなメディアで紹介されていることが、一定の評価を形成する要因となる。もちろん、これはというメディアを持っていて、そこの情報に基づいて判断する人もいるから、どのようなメディアに取り上げられるかも重要なポイントであるが。とりあえず、いろんなメディアが混在している状況が普通だと考えていることでよさそうだ。


1月19日(土) 地域政策
地域の自立を考えると、重要なのは地域でどこまで生活の基盤を構築できるかである。道路や港、橋などの整備や医療、教育、福祉、交通などのサービス制度、そして、暮らしを支える産業形成を地域自らが行えるようにすることが基本として必要だ。そのようなことを地域の人たちで構想し実践するだけの気概と能力があるかどうか、そのことが問われている。これまでは、道路も港も橋も政府の予算で作ってきたものが圧倒的に多く、医療も教育も福祉も国の制度として設定され、その中で行われてきたので、国を当てにすることが当然のようになっていた。しかし、政府の言うことや政府から出てくる政策を当てにして動いている限り、地域の自立も分権もありえないであろう。地域での新たな政策形成を進め、自らの判断で優先順位をつけられるようにならないといけない。住民の生活を守るために何が優先することか、そのようなことを議論する場が、時には地域を越えて必要でもある。地域が連携して、真に地域住民のために必要な施策を構想することが必要だ。例えば、高齢化が進む地域で、高齢者やこどたちの交通手段の確保は重要な課題になっているが、民間に任せてしまうだけでは、バス路線などは廃止されるだけだ。そのような現状を踏まえ、いかに新たな仕組みを作れるか。新たな施策展開が可能な規模としてどのような自治体、連合組織が構想できるか。


久しぶりに食べた「神楽」のラーメン

1月18日(金) 港町
能登半島はあちこちに港があるが、大きな漁船が停泊している様子を眺められるのは小木港の周辺が一番かもしれない。遠洋に出かけるいか釣り船がまとまって泊まっていることが多い。それも小木港そのものではなく周辺の入り江になっている小さな港などに泊めてあります。能登の風景の典型のように思う。天然の良港と呼ばれるところも多いが、 内浦の港は特にそのように形容するに相応しい場所だ。


大型の漁船が停泊する港

1月17日(木) 九十九湾
朝から能登にお邪魔した。能登町商工会で打ち合わせの後、九十九湾の百楽荘にお邪魔して女将さんからお話をうかがう。海に面した談話室からは眼下に九十九湾が見下ろせて素晴らしい眺めです。穏やかな海へ出て行く小さな舟や停泊中の大型船が見えます。冬場の風の強い時は雪が舞い上がることもあると言われていたが、ちょうど、そんな光景を眺めることができました。運が良かったですね。いつきても良い場所です。若い女性たちがスタッフとして増えてきているとのこと、素晴らしいモデルになっていただけそうです。一度は泊まってみたいものだ。夕方には、能登島に行き、民宿せがわでるるぶの広告のために写真を撮影、メールで事務所に送り、デザインを作ってもらう。便利な時代です。


百楽荘からの眺め

1月16日(水) 発想の視点
事業を考える時の視点をどのように設定するか。それによって、構成もアプローチの仕方も大きく異なるであろう。それがキーワードであったり、コンセプトであったりする。そのような概念を抽出する能力が企画や計画、政策などを仕事とする人間に問われることである。常に核になるのは何か、価値はどこにあるか、将来はどのように描けるかを考え続ける必要があるであろう。そのような思考の蓄積により、ひらめく、直感的にポイントを把握できるようになる。もちろん、得手不得手ということもあるであろうが、基本は経験であり、ひらめいたことをメモし、整理することを習慣にしていくべきだ。午後の山中での研修会のテーマは「連携」であった。そのポイントはどこにあるかを図解しながら考えてみたが、分かりやすく整理できたのではないかと思う。最初は手書きで図解すること、そのためのノートを持つべきですね。最初からパソコンに向かうと発想が縛られるおそれがる。ソフトを使いこなす能力によって、描ける図が限られるし、フリーハンドで描く図と、パソコンで描く図はニュアンスが異なる。


予約の確認に寄った山代の「あらや」

1月15日(火) たてもの探検隊
かつて「建築探偵団」(赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊、杉浦日向子、他)という活動があり、何冊も本が出されていました。それをヒントに考えたのが、福井県勝山市で6年間行われた「勝山探検隊」です。概念の違いによって微妙にニュアンスは異なるもの。「探偵団」をヒントにしつつ、あえて「探検隊」としたのは、探偵という概念には専門的な知見を背景に調べるというイメージが伴っていますが、探検隊は危険を覚悟すれば、誰でも参加できそうな雰囲気がありました。異質な視点を持ち込むことで地域の魅力を再発見しようという観点での事業提案でしたので、探偵よりは探検隊が相応しいと考えたのです。これからやってみたいと思うのは、「たてもの探検隊」です。「建築」と言わずに「たてもの」と表現することで、アプローチしやすそうなイメージを出せればと思います。どんな村や町でも可能なことです。みんなで回れば、面白い気付きや発見があることでしょう。そんな、地域の楽しみ方もあるのではないかと思う。


1月14日(月) 知恵と愛情
最近手に入れた古い本を読んでみた。大学の時の保証人になっていただいていた高峯一愚氏の『知恵と愛情』(理想社 昭和41年)である。何冊か、学生時代から著書を持っているが、読み切れていない。この本は「人生論ブックス」というシリーズに入っているだけあって読みやすい。その一節につぎのような表現がある。「敗戦のもたらした最も大きな教訓は、われわれ日本人は、もっともっとみずから考える聡明な叡智の訓練が必要であるということだ」。今から40年ほど前に著された本であるが、現代と課題はあまり変わっていないように思う。概念が一人歩きし、都合のよいように解釈されていくと、本来の意味とは正反対のことが行われていくおそれがある。平和も民主主義もヒューマニズムも同じような運命をたどっている。そのような状況を変えるためには、一人一人がもっと考え、自分なりの考えを持って行動しないといけない。結果に責任が伴うとはそのようなことだ。知恵とは観察や洞察を加え、考えることによって形成されていくものであろう。寂しいことであるが、亡くなってから出会うこともある。


今日もやってきていたオナガ

1月13日(日) ギターコンサート
音楽堂で行われた金沢市民ギターオーケストラの「ニューイヤーグランドコンサート」に行く。3階席の一番高い位置から拝見させていただいたが、素晴らしい眺めであった。目の前にパイプオルガンが見え、ギターを演奏する手元もよく見えた。客席はだいたいうまり、10周年ということもあり、沢山のお客さんが駆けつけて下さった感じだ。事務所のスタッフもウクレレとギターを演奏していたので、なんとか確認できた。いい趣味です。ZARDの「負けないで」を演奏した際には、色とりどりの私服で演奏されていたが、服装のカラーバリエーションがよい具合でした。久しぶりに雪が降り、寒い一日でした。しばらくは雪が降る予報が出ています。


「負けないで」の演奏風景

1月12日(土) プロとアマチュア
単純化して言えば、正当なお金をいただいてする仕事がプロであり、お金をいただかないのはアマチュアである。例えば、企画制作会社である当社の仕事は何か、お金をいただける核にある価値は何かと言えば、企画力、デザイン力であろう。事業、商品、店舗などの企画の場合、コンセプト設定、全体構成、細部を描くこと、そして、その実現に向けての推進力がトータルに期待されている。私の肩書きに「プランニング・ディレクター」をいただいている意味である。プランを作るだけでなく、それを実施するところまでサポートすることに価値がある。実現されない計画は価値が無い。デザインの価値は、新たなイメージを創出することで、関係構築を促進する触媒的な効果を発揮するところにあるはずだ。伝統的な形やデザインパターンを活かしつつ、常に新しさを追求しないといけない。そのような創造力がデザインには期待されている。そのようなお客さん(お金を払っていただける人たち)の要望や表現されない願望にどれだけ応えられるか、想像力も大事だ。


1月11日(金) デコボコ
昭和30年代の道路は舗装もされていないデコボコ道が多かった。少なくとも高峰が育った富山の大場という小さな村には舗装道路はなく、学校までの道もそうだった。そんな道路で自転車の練習をして、肘に石が入った傷跡が今でも残っている。中学生から小学生前の子どもまで、ごちゃ混ぜでサッカーをしていたのは稲刈り後の田んぼだったりした。こどもがかくれんぼにつかっていたのは背の高い笹のような植物が密生した島のような場所だったり、木や蔓が生い茂った川原であった。木の橋の下には秘密基地が作られていたし、大きな木の上にツリーハウスを作っている人もいた。いずれも、曖昧でデコボコな空間で過ごすことで鍛えられたことがあるように思う。そのような場を取り戻すこと、今の子どもたちのために新たに用意していくことが大切ではないか。そのようなデコボコな道づくりを違う意味でも行っていきたい。変化に富んでいるのが本来の自然や環境であり、それらに柔軟に対応していくことの蓄積で、想像力、創造力は鍛えられる。


事務所の前の公園にやってくるオナガ

1月10日(木) 考え続けること
何度も書いていることであるが、我々の仕事は考え続けることである。考え続けることで、ひらめくことを核に、企画や計画をまとめる。そのためには、それぞれの現場を観察し、当事者の話を聞き、そして関連ありそうなことを調べて、読み込む作業も必要だ。そのようなものをため込んだ上で考える、それは醗酵させるということでもあろう。閃くとはそのような時間と蓄積してきたことの一部が作用しておこることではないかと思う。常にインプットしていかないとアウトプットも難しい。それと、ひらめいたことを表現する場合、しゃべるだけでなく、書くことも大切だ。書いてみてはじめて整理がつくことだって多い。それも縷々書き続けることではなく、図解して分かりやすくまとめられるか。それが企画者の能力の基本だ。そのような技は常に磨いていくしかない。そのためには、以上のような行為を繰り返すことだ。


1月9日(水) 湯の本町商店街
山中温泉の総湯から下手にある商店街が湯の本町商店街。20数店の商店の集まりであるが、昔から飲食店が多いところでもある。以前はマルエーというスーパーもあったので中心商店街と言えたが、今はマルエーがバスターミナルのそばに移転したので、お客様の絶対数は少なくなっている。商店街の勉強会に4回シリーズで参加してきたが、今日は古くて新しい話が出た。地元の人を対象に商売をするのか、観光客相手の商売をするのか。どちらかに明確にシフトするということではなくて、地元の人が愛用している店だからこそ、旅の人も立ち寄るということになるのではないか。それと、温泉旅館に泊まる客だけが、旅の人ではなくて、福井や金沢方面から遊びに来る人もいるでしょう。そういう目的になるような店を目指して欲しいものです。そのためには、個々の店の強化が基本。商品力を高め、柱となるロングセラー商品を育成すべきだ。一方で、店舗のレイアウトやディスプレイを定期的に変えたり、ネットを活用しての情報発信なども継続的に行っていくべきです。そのような地道な活動を展開できるお店がお客様との良好な関係を深化発展させられるのではないか。数年前に関わった際は、ブログで発信するという活動につながったようだが、今回は手作りマップを作ることになっているので、それを契機に新たな展開を次々に考えていって欲しいものです。


1月8日(火) GazooMura
トヨタ自動車が運営している地域紹介サイト、それがGazooMuraです。昨年、北陸での展開可能性をリサーチに来られた際に、 震災復興関連で集めていた情報を提供して、これはという方々にお会いいただきました。五箇山観光協会の山崎さんからの紹介でしたので、きめ細かく対応しました。その結果、石川では珠洲を舞台にスタートし、富山では五箇山氷見が参加されています。GazooMuraはその地域の人がブログで記事を書き続けることを通じて地域の情報発信を行うという仕組みです。珠洲では、炭焼きの大野さんや、農家民宿の奥野さん、農家の末政さん、典座の坂本さん、珪藻土の鍵主さん、酒造の櫻田さんなどが参加されています。時にはのぞいてみて下さい。


1月7日(月) 森林環境税
石川県では今年度から森林環境税を創設し、人工林の緊急的な枝打ち間伐を進めています。個人では枝打ち間伐を行うお金を出せない人が増え、放置されている森林が増えています。せっかく先祖が植えてくれた森林を保全し有効に活用していくためには、枝打ち間伐が不可欠です。そのために県民が1人500円、企業も1000円から40000円を負担しています。3.8億円ほど集まっているようですが、おかげで、のと森林組合に若手スタッフが9名入り、枝打ち間伐作業に取り組んでいるようです。人工林比率の高い能登で、林業の担い手が増え、森林の保全が進むことは素晴らしいことです。この制度がますます充実し、実効を上げることを期待しています。


1月6日(日) セイモアスキー場
下の子がスキーの練習に行くというので、朝早くに起きてセイモアスキー場まで送っていく。さすがに早いと、一番奥の駐車場まで入れた。8時10分前にスタートしたレンタルスキーを借りて、ゲレンデに送り出して帰ってきた。8時からリフトも動きだしていたが、帰ってきた8時半には、奥の駐車場は満車で、手前の駐車場にも続々と車がやってきていた。天気も良くて、県民スキーの日とかで、リフト券が安くなっていることもあってか、大勢のお客さんでした。午後は3時をめどに迎えに行く。せっかく行ったので、「清流」で温泉に入る。二日酔い気味であったが、気持ち良くリフレッシュできた。


セイモアスキー場

1月5日(土) 初詣
遅ればせながら、白山さんに初詣に出かけた。上の駐車場に向かう車は渋滞していたので、中心街を通る道を行き、能登一宮駅の先にある駐車場に車を入れる。しばらく待つことにはなったが、長い石段を登って参拝するというのはありがたみが増すように感じる。おみくじをひいたら「末吉」であった。「目の前には吉利はなくとも、一生懸命に骨を折り、人の為に尽くしておけば、後に必ず良き報いを受けて幸福になる」とのことである。人生の基本のようなお告げだ。帰りには、「おはぎや」に入り、「油揚うどん」と「草餅ぜんざい」をいただく。座敷に上がっていただいたが、出てくるのも早く美味しかった。天気にも恵まれ、よい初詣でした。夜、夕食を食べようとしていたら、近所のスナック「かぐや姫」(三馬2丁目294 TEL076-245-232)から電話がかかってきた。20年以上前、リクルートで仕事をしていた時のお客様が遊びに来ているとのことであった。さっそく出かける。主計町の「えんや」、その近くの「栄寿し」(尾張町2-13-9 TEL076-262-6646)と初めて入るお店ばかりをはしごし、帰ったのは11時ぐらいでした。



白山さんのたき火

おはぎやの油揚うどん

草餅ぜんざい

「えんや」の餅、沢庵、生ハム

「えんや」の照明

「栄寿し」のあじ

1月4日(金) 源流を訪ねる
能登での新たなお楽しみプログラムとしてどのようなことが可能か?一つのアイデアは「源流を訪ねる」ことです。以前、興能信用金庫さんのカレンダーのために、きれいな水の風景を求めて能登の山を探し回ったことがあるが、その際に発見したことは源流がたくさんあるということ。周囲の山の風景も変化に富んでいるし、途中の橋の上から魚が見られたり、季節によっては花が咲いているところもありそうだ。半島にある小さな川を一つ一つ歩いてみて、魅力的なポイントを発見していくという旅でもよい。何が見つけられるかは歩いてのお楽しみだ。そのようなプログラム実験をまず行ってみたい。


1月3日(木) 「フラジャイル」
「こわれもの注意!」という帯の表現につられて買ってしまった本が松岡正剛著の『フラジャイル』(筑摩書房)。フラジャイルとは弱さを意味する。強者が大きな顔をしている日本社会にあって、あえて弱さに注目するところに、オリジナリティがある。人間存在を考える時、強い時は少なく、弱い時の方が多く、長いのではないかと思う。生まれたての赤子は自分だけでは生きていく事もできず、何年も世話になって生きている。年老いた後も同じような状況になる人も多い。さらに、精神的にも強く、安心感に満ちて生きていることが少なく、どこかに不安を抱えながらということの方が多いのではないか。人間は弱い存在であるということを基本にした方が、可能性が広がるし、柔軟にしなやかに生きられるのではないか。そのように考えてみると、「フラジャイル」というコンセプトは魅力的だ。強い物は壊れやすく、弱い物はしぶとい、とも言える。弱さにこそ多様性や魅力を生み出す要素が多く含まれているのではないか。常に弱い存在として生きてきたと感じている自分の人生を振り返り、つくづくそう思う。


1月2日(水) 「多中心の思考」
表題に惹き付けられて本を買うことも多いが、その一つが矢萩喜従郎著の『多中心の思考』(誠文堂新光社)である。740ページもある本なので、全てを読み切ることは最初からあきらめているが、そのタイトルに魅力があった。中心が一つあって、他はその中心から派生してくる存在として上下関係、前後関係を前提にした捉え方が一般的で、理解しやすい。しかし、すべてをそのようにとらえることは難しく無理がある。人間も自然も宇宙も、概念的に中心を一つ設定することは可能であるが、それは相対的なものでしかなく、立場を変えれば、中心であったものが辺境の一つの存在でしかないということが普通ではないか。自分自身も当人は中心に存在しているが、遠方の関係のない他人から見れば、存在すら認識されないということがほとんどであろう。そのように考えるならば、一つの中心は相対的なものでしかなく、多中心こそ、物事の実態を認識するための発想としては正しいのではないかと思う。魅力的なコンセプトとして「多中心」を深めてみる価値は高そうである。『多中心の思考』の最初の方に次のようなくだりがある。「「未定義」の余白について語ることは、必ずや新たに見いだされる中心を語ることになるであろう(p87)」。未定義の世界を探り、新たな概念の獲得や創造に取り組みたいものである。


1月1日(火) 読む
本を読むことが重要になっているように感じています。ネット時代であるがゆえに余計、まとまった知識を獲得し、自らが考えるための基盤を形成するためには本を読まないといけない。断片的な知識の寄せ集めでは、確たる論を構築することは難しいのではないか。時間がある時こそ、まとめて本を読むことが可能なので、年末から断続的に本を読んでいます。これはという本を積み上げているが、全てを読破することは到底無理なので、気になる箇所をまず読んで、面白ければ、全体を読むという読書パターンだ。それでも、毎日1冊を目標に読んでみると新しい発見や出会いがあるものです。今読んでいる中尾茂夫さんの『ハイエナ資本主義』(ちくま新書)は年末に買い求めた1冊。初めて知った方ですが、魅力的な論を展開されています。本を通しての出会いも貴重です。社会の全体構造を把握するためには、知らないといけないことが多い。表現するためにも、インプット、蓄積が大切です。今年は、読むことにこだわっていきたい。


さらに前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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