[ 金沢便り2011.5月 ]
最初のページの金沢便りのバックナンバーコーナーです。
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5月31日(火) 能登めぐり
 昼前に金沢を出て能登に向かう。最初に先日取材したあんな整体院で撮影をさせていただく。自分が実際に施術されている様子を撮影する。30分程、整体をしていただきました。おかげで足が軽くなりました。その後、宝達志水町役場で簡単に打ち合わせ。昼は羽咋のお食事処川原でHFOラーメンをいただく。お菓子屋さんをめぐりUFO関連商品を買い集める。次に中能登町役場に行き、食のスタンプラリーについてお願い。次に山を越えて志賀町役場に行き、写真データを預かる。その後は、七尾市役所に行き、能登ふるさと博のスタンプラリーについての書類データをお渡しする。その後、能登町に向かうが、横田インターで下りて、能登鹿北商工会にも寄り、スタンプラリーについてお願い。能登町では、能登高校の地域創造クラブのメンバーと意見交換。最後は、珠洲に移動し、飯田町商店街協同組合の総会に出席しました。長い一日でした。 


5月30日(月) エコツーリズムとヘルスツーリズム
 石川県でもエコツーリズムとヘルスツーリズムについての取り組みを進めています。昨年はエコツーリズムについてのセミナーや研究会、体験会を行ないました。今年は、ヘルスツーリズムの研究会や体験会を行う予定です。ヘルスツーリズムについては、珠洲でもビーチホテルを拠点に具体的に実施していく予定です。県内では、加賀市、能美市、七尾市、能登町でも取り組みが進んでいます。そのような活動をされている方々のネットワークを形成し、地域全体で、ヘルスツーリズムに取り組んでいく動きを盛り上げていければと思う。民間主導で事業化を促進しつつ、担い手の育成や情報発信は行政が担うというような連携がしっかりできるとよいですね。エコツーリズムについても同じことが言えます。 


5月29日(日) 地域振興の基本は産業振興
  地域振興の基本は産業振興にあります。地域づくりという言葉で語られる活動の内容がそうような志向性をもって、具体的な事業構築を進めておられるか。その点を、関わる意義があるかどうかを評価する指標としています。スタートはボランティアであっても、持続されるためには、事業としての採算がとれ、仕事として関われる仕組みになっていないと続かない。片手間仕事では、次の代には受け継がれないことが多い。もちろん、地域に伝わる祭や伝統芸能はコミュニティ活動として連綿と受け継がれており、そのことに対価を求めることは基本的にはない。しかし、そのような活動も地域内に定住したり、仕事があることで、関われるようになるのであって、地区内の人口が減少し、高齢化が進むと難しくなっています。地域の伝統を次代に伝えるためにも、定住可能な産業振興が不可欠です。能登半島では、その一つが交流産業の振興を通じた定住者の拡大という方向性です。宿泊業や飲食業、ツーリズム事業、伝統工芸、農林産物加工やその販売、交通運輸等で交流産業が構成されています。飲食業、宿泊業、農林産物加工業、販売業の前提には、一次産業がしっかりしていることも重要です。飲食業、宿泊業、販売業などが集客力を高めるためには、空間づくりの建設業の空間創造センスも問われます。さらに集客のための情報発信、広報宣伝を担うサービス業の力も必要になります。そのような形で、周辺への波及効果が大きいのが交流産業です。そのことを突破口に地域振興を図るべきではないか。


5月28日(土) 日本酒まつり
  日本酒まつりが珠洲商工会議所で行われ、30名ほどの能登杜氏の皆さんに集まっていただきました。能登杜氏さんが醸された酒を味わうことができましたので、地元だけでなく、全国からのお客様も多く、400人から500人ほどは来場されていたのではないか。これまでにお会いしていない能登杜氏にお話をうかがうこともできました。杜氏を引退された天保正一さんやNHKプロフェッショナルで紹介された農口尚彦さんもお越しでした。もちろん、超有名な彼らだけでなく、美味しい酒を醸すことができる熟練の杜氏からまだまだ若い杜氏さんまで、いらっしゃいます。能登杜氏は減っていますが、いかに彼らが培ってきた技と職業としての仕組みを展開していけるか、大きな過渡期にあります。そのことを考えるよい機会になりました。新たな提案をしていきたいものです。


大勢のお客様で賑わう

酒造り唄の披露

杜氏さんとの歓談

5月27日(金) オムライス
  午前に宝達志水町であんな整体院をされている堀田さんを訪ねた。ヴィラ千里浜ガーデンの中にあるので、遠来の方かと思いきや、地元羽咋の方でした。カメラマンや製造の仕事、リハビリの仕事を経て、整体にたどり着いたという感じでしょうか。試しに整体をしていただいたが、そんなに痛くもなく、身体が軽くなった印象でした。身体の歪みを整えるという趣旨ですから、姿勢の悪さや足くみの癖などで、多くの人が、あちこち歪んでいるようですから、痛みがある人や姿勢の悪い人は試みてみるとよさそうですね。整体院は6階にあり、窓からの眺めは抜群で、日本海を一望できます。帰りに昇竜でオムライスをいただきました。オーソドックなオムライスですが、定番メニューにも盛り込まれており、他のお客さんも注文されていました。昇竜さんはオムライスの郷プロジェクトにも参加しています。夕方には車検に出していた車を取りにいき、その足で珠洲に向かう。珠洲商工会議所2階ホールに日本酒まつりの会場設営の様子を見にいったが、ほぼできあがっており、本番を待つばかりという感じでした。日本酒まつりは28日10:00〜15:00、珠洲商工会議所で行われ、能登杜氏の皆さんとお話を楽しみながら、能登杜氏さんが醸された酒を味わうことができます。


あんな整体院の堀田さん

昇竜のオムライス

日本酒まつりの会場準備

5月26日(木) 鉢伏山
  今年初めて能登事務所に泊まっていたので、6時前に起き、鉢伏山に行く。途中、大箱集落にお住まいの方と林道で出会う。朝早くから長距離の散歩を日課にされているようです。気持ちの森の中を歩く感じで気持ちのよい散歩ですね。頂上エリアの奥のゾーンでネマガリタケの刈り取りを行う。2時間半をほど行うがさすがに疲れてきたのでやめました。2時間程度が限界かもしれない。明るいスペースは広がっていくのは気持ちよいです。機会をみつけて取り組んでいきたい。帰りには、ブナ林エリアに入ってみたが、日の光が差し込み、清々しい雰囲気でした。まだオオイワカガミが咲いていましたが、時期が遅い為か花の色が白っぽい感じでした。午前は能登事務所で打ち合わせを行い、昼は珠洲ロータリークラブで卓話をさせていただきました。


ネマガリタケを刈り取る

ブナ林の様子

オオイワカガミ

5月25日(水) まつ食堂
 宝達志水町に出かけたので、昼は「まつ食堂」(宝達志水町敷浪ハ-120-4 0767-29-4121)でいただきました。オムライスを従前から提供されているようですが、オムライスの郷プロジェクトにも参加いただいています。オーソドックスなオムライスでした。店内もこざっぱりとしていて、小上がり、小部屋もあります。家族連れでも利用しやすいお店ですね。午後は羽咋のハッピーバランスを訪ね、院長の山田三知子さんにお話をうかがいました。「リセット療法」と呼ばれるボキボキしない整体を実践されています。整体をされている方は多いが、一度試してみる価値はありますね。今年の「能登人と過ごす能登時間」には、健康によいプログラムを提供されている方々を新たに紹介していければと考えています。夕方からは能登高校で地域創造クラブのミーティングに参加、高校生たちが地域に関わる活動を行うことのサポートをできればと思う。  


まつ食堂のオムライス

5月24日(火) 開放性と創造性
  地域が意識すべきは開放性と創造性である。生活と経済のための既存産業の振興や教育や医療、福祉を含めた社会資本の整備が一方に必要であるし、そのことに大きな力が注がれている段階かもしれないが、新たな産業や仕事を創出し、地域で暮らせる人を増やすためにも、外に開かれた地域を意識した活動、事業構築が不可欠だ。地域住民の言われることが、ネガティブではなく、前向きな発言が多くなるためには、どうすべきか。トップリーダーや指導的立場にある人は常に前向きな発言を心掛け、常に働きかけ、自らも実践することを通して共感を得るようにすべきである。そのような共感が、新たな動きを支えるのではないか。人生の諸先輩方には、ブレーキを踏むばかりでなく、アクセルを踏む車を後ろから押していただくことも是非心掛けてしていただければと思う。創造性とは、異質な人が集まることで高まるので、外からの人を積極的に招き入れるつもりで取り組んでいただければ、必然的に形成されるはずである。開放性と創造性はこれからの地域の両輪である。


5月23日(月) 既成の概念を疑う
  当たり前、当然、仕方がないと思われているようなことも、一通り疑ってかかろう。最近の一つは、原発がないと電気は安定的に確保できない!という話や、原発はクリーンで一番安く、温暖化防止の切り札!という表現。どうも怪しい。一つひとつ検証してみないといけませんね。多くの反論も試算も出されていますから、そのような資料を丹念に見て行けば、違う側面がしっかり見えてくるはず。観光業界で言われているのは、インバウンドのお客を増やさないと日本の観光業は成立しない!みたいな論調も疑ってみるべきではないかと感じている。昔から違和感を持っているのは、日本では林業は成立しない、農業の将来もない!という捉え方をされていることも、どうだろうか。一次産業をないがしろにしていて、生存を維持していけると思っているのであろうか。特に都市に住む人にとっては死活問題だと思う。いつまでも食糧や材木が輸入されてくると思ったら大間違いだ。気候変動や自然災害が世界中で頻発しているので、そのことを思い知る日も近いのではないか。


昼は志庵でそばをいただきました

5月22日(日) 地域再生から国の再構築へ
  天下国家を論ずる前に地域のことを語るべきである。地域の再生無くして国の存立もありえない。大都市だけで社会が成立するなら、地方が消滅しても構わないであろうが、現実的にはそれはあり得ないのではないか。人口減少が続く地域が生産する食糧やエネルギーがあるから大都市も成立しているはず。地域が持続的に食糧生産やエネルギー生産だけでなく、充実した人生が送れる場として成立し続けられるようなフレームを再構築することが、最終的には大都市を支えることになるのかもしれない。しかし、重要なのは、地域でのあらゆる活動の持続性を念頭に、産業構成のバランスと地域の自立を促進するような施策、政策の立案導入ではないか。一次産業からサービス業にいたる仕事、生業の存在、生活上の楽しみとしての文化活動の多様性、そしていざという時の医療や福祉、後継者を育成するための教育や学びの場の設定、地域で活躍する人の顔が見え、地域の魅力を発信する情報発信活動など、行政も企業も住民も参加した地域活動を、重層的に連携して展開する地域をしっかり創っていくことではないか。そのような地域の集合体として国家が成立するようになることが理想だ。国としてすべきは、国全体の大きなフレームづくりであり、そのことが今こそ求められている。持続性のある、未来を担う人々のことも考えた政策立案を期待したいし、地域からそのような提案をしていくべき時代なのだと思う。


5月21日(土) スローライフ学会
  スローライフ学会から会員更新の案内が届いた。設立総会に参加したのが2006年6月6日、筑紫哲也さんが会長をされ、神野直彦氏が学長を務められるということで、事務局をされていた川島正英氏(フードピア金沢の最初の年からおつきあいいただいています)からお誘いいただいたので、東京まで出掛けて参加しました。その時の「金沢便り」には、神野氏の次のような言葉が引用してあります。「人間は「学び」向上していくために生きている。経済成長はそのための手段にすぎない」(『二兎を得る経済学』)。その後も、新宿歌舞伎町で行われたフォーラムにも参加してきました。昨年は富山でフォーラムが行われたのですが、参加できずでした。昨年4月からスタートした「スローライフ瓦版」にも原稿を書かせていただいています。今後も継続的に参加していければと思います。


スローライフ学会設立総会で講演される神野氏

5月20日(金) 桂湖のブナ林
  打ち合わせのために、五箇山の奥にある桂湖の湖畔にあるビジターセンターまで出掛けた。道の駅上平の「ささら館」で拾ってもらい、連れて行ってもらいました。桂湖を訪ねるのは2度目。最初は、商工会の広域の事業で体験型のプログラムが可能な所を見て回るツアーで訪れています。ボートに乗って湖にこぎ出した記憶があります。湖がメインになっているようだが、裏山に登るとそこはブナ林でした。すぐそばまでブナが生えています。今年は実がいっぱいついているようです。山の中には平坦な遊歩道が設けられているので、歩きやすく、歩道の上下にブナが生えており、道路際には小さなブナがいっぱいです。数年前に発芽したようなものから5年以上経過したそこそこの背丈になったものまで、とにかく数が多い。ブナが成長しやすい森のようです。歩道を設けたおかげで、日がさしこみやすいからかもしれません。途中に森の中で休憩できるポイントを設けることができれば、もっとゆったりとした時間を過ごせるでしょうね。


大きなブナ

小さなブナが生える

眼下に桂湖を見下ろす

5月19日(木) オムライスの郷
  オムライスの郷プロジェクト実行委員会設立総会が宝達志水町商工会で行われました。設立総会後に30分間お話をさせていただきました。町長はじめ、議長、商工会長、観光協会長など町を代表する方々にご参加いただきましたが、いろいろご意見も出していただき、有意義な総会となりましたね。総会の中での議長のハッパをかけるご意見が効いていました。町議会議員さんの役割を心得た発言でしたし、前向きにもっと頑張れとのお話でしたから、こちらも思い切り話がしやすくなりました。当方の話には飲食店さんも参加いただいたので、今後が楽しみですね。総会の前には伊兵衛どん(宝達志水町子浦甲33−3 TEL 0767-29-4188)で「オムうどん」をいただきましたが、うどんが短くカットされていて食べやすくなっており、お皿も上品な感じです。のぼりやPOPもオリジナルで作られ、積極的に取り組んでおられます。朝日新聞の記事もご覧下さい。詳しくご紹介いただいています。


伊兵衛どんの「オムうどん」

短くカットされたうどん

伊兵衛どんの外観

5月18日(水) 人材と可能性
  地域で新たな事業を企画し、実行しようとする時、一番問題になるのは、その主体となる人の存在です。基礎能力、スキル、そして意欲、積極性のある人材がいれば、可能性は大きく広がります。能力はあっても、意欲が弱く、ネガティブな発想しかできない人では、新たなことは動かない。応用がきくためには、常に頭を柔軟にしておくトレーニングが必要かもしれません。当事者から話をきいたり、観察などを通じて新たな情報を仕入れる作業を一方で行い、一方でそれらを踏まえて考え、醗酵させたことを書いていく活動を繰り返していくこと。対話を通じてひらめくことも多いので、いろいろな人との対話を繰り返すことも大事だ。その際に、可能性を追求する姿勢を持ち続けることだ。そのようなことが習慣として身に付いていれば、新たなことを発想しやすくなるのではないかと思う。珠洲ビーチホテルの前にある「珠洲焼館」の若いスタッフたちと話をさせていただきましたが、スキルと意欲と両方を兼ね備えた人たちと拝見しました。面白くなりそうですね。


5月17日(火) 珠洲ビーチホテル
  久しぶりに珠洲に参りました。朝一は能登町商工会に寄り、打ち合わせ。珠洲でも打ち合わせをはさみながら、わくわく広場で仕事をさせていただきました。夜は急遽、珠洲ビーチホテルに泊まることにしました。現状では、急に予約を入れても部屋が確保できるところがありがたい。これをいかに、早めに予約しないと部屋がとれないようにするか、難題かもしれないが、泊まり続けることで、課題を、改善点を抽出していくことも必要ではないかと考えています。大きな方向性はすでにお示ししてありますので、具体的な肉付けをきめ細かくしていければと思う。今回の宿泊で気づいたこともいろいろあります。収穫ですね。


大浜大豆豆腐定食

イカ刺し

地酒の大慶

5月16日(月) 新任課長補佐研修
  午前中は市町村職員研修所での新任課長補佐研修で「地域づくりについて」講義をさせていただきました。受講者が72人もいて大変です。何が大変かというと、後ろの人はホワイトボードに書いている字が見えないのではないかということが気がかりでした。まあ、それと同級生が受講生にいるというのも、少しは気になるのですが、逆に気合いを入れ過ぎたかもしれません。2時間の講義の間に10分休憩を入れて、前半、後半で違う話をさせていただきましたが、少しはお役に立ったであろうか。最初にお話したのは、政策形成や地域経営という観点での仕事の遂行、知識創造について。後半にお話したのは、コンセプト「小規模分散開放型社会の創成」についてでした。とりあえず名刺交換をしたお二人にはメールをお出ししておいたら、好意的な感想が帰ってきたので、安心しました。次回は事前に参加者の名簿をいただいて、話す事例を考えておきたいですね。


5月15日(日) 製造業
  地域産の素材を活かした製造業が多いのが三陸地域です。メインは海産物で、地域の港で水揚げされた海産物を新鮮な状態で流通させるだけでなく、加工して保存したことに始まるのだと思う。冷凍技術の進歩とともに、冷凍した状態で出荷することも多くなっているのかもしれないし、冷凍しておくことで、年間を通じて加工品もつくれるようになっていたのではないか。そのような加工場が先日行った陸前高田にはありました。津波の被害にあったので、建物はひどく痛んでいましたし、冷凍保存されていた魚介類も電源が駄目になったので、廃棄処分になったのだと想像されます。そのような製造業の存在は地域の経済を支える意味で大きい。水揚げした魚介類を買い取ることで、漁師の皆さんの収入を支えるとともに、製造に従事する人たちの雇用を作っています。もちろん生産物を流通させることで、外貨の獲得に貢献していますね。製造業が復活する事は地域全体にとって重要なことです。海産物加工だけでなく、それ以外の製造業も多く立地していますが、雇用と地域経済の柱であることはたしかだ。


5月14日(土) 農業
  食糧生産と農地の保全は農業の基本機能です。米が日本国内で足りているから、減反政策で農地が荒れていくような現状は間違っています。多様な農作物生産を基本にすべきではないか。例えば、私が生まれた家も農家であったが、米だけでなく、大豆、小豆、黒豆などの穀類や葉物(ホウレンソウやコマツナ、白菜、キャベツ、ネギなど)、夏野菜(ナス、キュウリ、トマト、カボチャ、ウリなど)、根菜類(じゃがいも、さつまいも、人参、里芋、大根など)、果物(柿、プラム、梨、柚子、梅、ハルグミ、栗、クルミ、ビワなど)、生活樹(榊や椿など)を植えて、自家消費用に活かしてきたはず。自給率(集計の仕方はいろいろあるようだが)を高め、いざという時も地域内で食糧をまかなえるようにすべきです。余裕をもっていることで、他の地域にも緊急的には融通できるような生産量を確保していくことも必要だ。次年度以降の生産に活かせる種や苗の確保も重要になります。日本の農業は食糧を輸入することを前提に語られることが多く、最近輸出ということも言われるようになってきたが、自給率を高めると同時に、加工品としても輸出することを積極的に進めるべきではないか。生産量は少なくても質のよい農作物を作り続けている農家には後継者は出てきています。そのような農業を目指していただきたい。法人化することで、就職できる場にすることも、後継者確保という面では有効ではないか。のれん分けして、自立した農家が増える仕組みがセットになっている法人経営もよいのではないか。


5月13日(金) 林業再生と漁業再生
  先日、東京の本屋で見つけた畠山重篤さんの『鉄が地球温暖化を防ぐ』(2008年、文芸春秋)は貴重なヒントを与えてくれます。被災地の産業復興を考える上で重要な視点は産業連関を促進することで、価値を高めることです。三陸沿岸は漁業が基幹産業になっていますが、壊滅的な被害をうけた産業再生のためには、まず三陸にそそぐ川の上流域の森を整備することからすぐ始めるべきです。人工林は枝打ち間伐し、活かせる材は、今から乾燥させ蓄積すること。100年木までもっていくつもりで、持続可能な林業経営の観点で計画をつくり、選択して伐採していくことだ。林業でも食っていけるようにすることを産業再生の一つの柱にしたい。その生産物である材木を住宅、商店等の再建に活用すること。そして、そのように森林を保全することで、混交林を形成し、海に注ぐ栄養分を富ませます。森林が作り出すフルボ酸鉄(腐葉土があれば形成されます)が海に流れ込むことで、海藻が豊かになり、その結果として魚介類が豊富になります。これは、畠山さんと一緒に金沢にお越しいただいたことがある松永勝彦氏(四日市大学教授)が研究されてこられたことです。町の再生、漁業再生のためにもすぐにでも始めるべきことです。そして、海藻類が豊かになれば、二酸化炭素の固定も進みます、これが畠山さんの著書のタイトルの意味です。


『鉄が地球温暖化を防ぐ』

5月12日(木) 小規模・分散・開放型社会
  次代の社会モデルとして「小規模・分散・開放型社会」を提案したい。この間、日本社会が政策的に進めてきたことは大規模化だ。経済のグルーバル化に対抗するためには不可欠な選択ということで、小泉政権下において規制緩和とセットで進められてきた政策だ。その結果、企業の大規模化、東京一極集中が進み、地方の疲弊が加速された。その対抗軸もいろいろ提案されていたであろうが、それが実現できていない状況の中での大震災である。中央政府は速やかな対応ができなくて、地方政府がいらだっているという状況が続いている。地方の側からの、新たなコンセプト提案、政策立案をしっかりする仕組みに代えていかないといけない。その基本コンセプトとしての提案が「小規模・分散・開放型社会」である。政府も産業もエネルギーも、小規模を基本にして、それらが連携することで、新たな知や価値を産み出しやすくするようなネットワーク型の社会を構築していくことである。食糧やエネルギーなどの基本資源は自給することを目指すべきである。小規模分散型のエネルギー創造の仕組みを優先的に開発すべきだ。質の高い小規模な飲食や宿泊、加工製造業、農業生産においても小規模な経営体を基本にしたい。漁業も定置網や養殖のような小規模で良質な水揚げが期待できる生産システムを基本にすべきではないか。もちろん、畠山重篤さんの実践されているような森づくりと連携した漁業でもあるべきだ。地域内の産業連携が進む事で、小規模な事業体同士が相互に付加価値を高められるような関係を持続的に展開できるようにすべきである。


5月11日(水) こころ
  昨日の夜は仙台に泊まり、「こころ」(仙台市青葉区国分町2-9-16 TEL 022-264-5075)という食事処で、仙台で被災された知人より、復興についてお話をうかがう。夜の街のお客様はまだまだ少ないようだ。仙台も相当な被害があり、余震で繰り返し痛めつけられているようです。飲みに出かけるということ自体が少なく、お陰で痩せたとの話でした。一方で被災地では義捐物資のおにぎりなどを食べられる時に食べろということで、太ったとの話もあるとのこと。これも避難所によって差が激しいようです。被災地に関わる場合、対象を決めて、継続的に関わることがよさそうですし、実際に成果を出していくためには、そのような活動を通じて、継続される関係につながることが理想だ。


9日の夕食をいただいた「こころ」

つまみの一品

お酒にもこだわりあり

5月10日(火) 気仙沼・陸前高田
  東京から東北新幹線で一関まで来て、一関でレンタカーを借りて気仙沼に行く。男山本店の店があった場所は港のすぐそばでした。建物の3階部分が残っていました。周囲の建物の多くも倒壊し、がれき状態です。港のそばには小高い島状の場所があり、そこに五十鈴神社が祀られ、そこからは眼下に湾内の様子がよく見えました。海のそばに遊歩道が設けられていますが、いろいろなものが引っ掛かり歩けなくなっています。この五十鈴神社を挟んで両側に港に面した町があり、片側にひどく燃えたあとがあります。海沿いの町はどこも津波に巻き込まれ、倒壊した店、倒壊しかかった店、建物はしっかり残る店などが混在しています。今でもつぶれた車があちこちにあり、瓦礫も積み上がっています。これを片付けるには相当な時間かかりそうですが、手付かずの店も多い。一部ではボランティアの方々が家の片付けの手伝いをされていましたがほんの一部ですね。市役所横の道路には多くの車が列を作って順番待ちをされていました。罹災証明等の手続きがあるのでしょうか。その後、唐桑半島の先端・御崎まで参りました。半島の途中にある海沿いの集落は津波の被害をひどく受けた集落が点々とありますが、高台にある集落はなんともなかったような雰囲気で、極端にちがっています。それは、気仙沼の中心部も一緒で、海から離れると被災状況がほとんどみられないエリアも広がっています。同じ地域の中でも被災と無事が混在しています。最後に岩手県の陸前高田に参りましたが、ここは町全体が壊滅していました。山際に少しだけ建物が残っているだけで、あとは荒涼とした風景が続いています。津波のすごさを実感させられます。このような状況にある地域の再生をいかに進めるか。すべきことは多いが、復旧、復興ではなく、新たに創るということにせざるを得ないでしょう。生活の再生は簡単ではなく、着実に計画づくりから進めないといけないですね。


港のそばでも高台にある家は健在

陸に上がった船と海に浮かぶ船

陸前高田の津波に流されてしまった街

5月9日(月) 宮城ふるさとプラザ
  日本エコツーリズム協会の震災復興会議があったので、東京に参りました。午前中は池袋の宮城ふるさとプラザを訪ね、珠洲での東北応援フェアにご協力いただいたことへのお礼と今後の展開について相談させていただきました。「東北屋」(仮称)を県庁所在地に開設する企画案についてご意見をうかがわせていただきました。受け皿さえ用意できれば、ご協力いただけそうです。午後はまず、日本ヘルスツーリズム振興機構の事務局をされている方にお話をうかがう。貴重な情報をいろいろとお教えいただきました。その後、日本エコツーリズム協会の震災復興会議でした。愛知会長、田川副会長にもご参加いただき、2時間以上にもわたる議論が行われ、具体的に行う活動について決定いただきました。遠慮無く真摯な議論が行われる貴重な場です。


賑わう宮城ふるさとプラザ

5月8日(日) 見舞い
  七尾からの帰り、当方の結婚式の仲人をしていただいた方を氷見の病院に見舞う。米寿を迎えられ、相当体力的に弱っておられるようでしたが、少し会話は可能でした。点滴を受けられていましたが、食事もされているとのこと。毎日新聞も読んでおられるようでしたので、当方が制作の手伝いをした印刷物をいくつかお預けしてきました。1時間ほどであろうか、体調のこと、病院暮らしのこと、親族のこと、仕事のこと、地域のことなど会話を続けました。最後に再訪を約束し、握手を繰り返して、病室を後にしました。意識はしっかりしておられましたので、近々に再訪したいものです。


5月7日(土) 田植え
  毎年恒例となっている田植えのお手伝いに、七尾市東浜町に参りました。田植機で植えた後に、補植していきます。3枚ある田んぼの一番小さな田はすべて手植えでした。土を入れたので、一部深いところがあり、田植機が入らないとのこと。それでも大勢で行えば、早く終わりました。田植えも稲刈りも大勢で行うと、早く終わって楽ですね。昼食を挟んで、午後も作業を行いましたが、3時過ぎには終了。近くの温泉にも連れていってもらい、ゆっくり温泉につからせていただきました。富山湾越しに立山連峰が望めて、いい風呂です。贅沢な時間の過ごし方でした。


森を背景にした田んぼ

みんなでやれば

美味しい昼食の一品

5月6日(金) 東北へ
  ゴールデンウィークも終わるので、東北に行くことにします。どのようなことができそうか、何を優先すべきかを考えるためには、現場に立たないことには始まらないのではないかと感じてきました。被災された当事者のお話もうかがえればと思う。来週月曜日に東京で会議があるので、その足で東北へ行く事にしました。仙台に泊まろうとして宿泊予約に苦労しました。まだ、被災者や避難されている方々がお泊まりのようです。一方で、復旧、復興のために応援に来ている方々も多いのだと思います。東京から近い東北なのでしょうが、三陸は遠いのかもしれません。そのような距離感もつかめればと思う。以前お邪魔したことがある岩手県の旧大野村や遠野市、宮城県の旧志津川町は遠かった記憶があります。生活再建、産業再生、街の再生が優先課題でしょうが、文化の伝承や知の伝承も重要な課題ですね。そして、地域の持続可能性をいかに高めるか、新たな産業や仕事づくりも必要なのだと思う。


5月5日(木) 城端曳山祭
  街の経済力を表していたであろう祭の姿が受け継がれている典型が城端曳山祭です。国指定の重要無形民俗文化財になっています。一番古い御神像と曳山が1716年作と伝えられ、295年前には存在していたことになります。曳山には立派な彫刻が施され、漆で仕上げられ、金具が取り付けられています。屋根は折り曲がるようになっていて、細い小路を通る時は、折り曲げて動かします。御神像も立派で漆塗りです。下世話な話ですが、曳山は一台だけで億単位のお金がかかっているのではないかと思いますが、それらはすべて地域の人々がお金を出し合って造り、維持されてきたのです。そして、祭の際には相当なお金が使われ続けています。絹織物の町として栄えた城端にはそれだけの財力が江戸時代からあったし、今でもあるのです。もっと重要なのは、曳山に先行して曳かれる庵屋台の存在です。京都や江戸の茶屋をイメージして創られており、その中で唄われるのが庵唄です。各町内の若衆が担い手となっていますが、相当な期間練習を重ねて本番を迎えていますから、素晴らしい演奏になっています。町内ごとに異なる唄を唄われますが、これが粋なのです。そして、若い時にこのような芸を身につけた人たちがたくさんいる街が城端ですね。そのことがまた素晴らしい。変遷はあるのでしょうが、国指定の無形民俗文化財として、今年も例年通り斉行されました。善徳寺の門前の屋台もたくさん並び、いつもの年と同じような賑わいでした。祭はこうでなくてはいけません。地元の人々の楽しみとして、季節の風物詩として周辺の人も楽しみにしていることでしょう。城端曳山祭は日本を代表する祭の一つと言ってもいいと思います。懐かしい人たちとお会いすることができ、楽しい一時でした。


細い小路を曳かれる曳山

御神像のひとつ・布袋

曳山が並ぶ出丸の通り

5月4日(水) 持続可能な森林経営
  東北地域の震災からのよみがえりのためには、基礎的な産業の再構築からスタートすべきではないか。能登でも提案し続けていることであるが、一次産業がしっかりすることから、その産物を活かした加工業、製造業、建設業の価値が高まる。さらに、その産物を販売する流通、素材や加工品を活かしたサービス業が評価を高められる。持続可能な地域とは、産業連関が構築できている地域だ。一次産業の無い大都市はその意味で持続可能な地域たりえない。逆に、一次産業の場がある地域にこそ、次代を担うべき地域のモデルがあると言える。そのような地域として東北での取り組みを促進できるとよいのではないか。その出発点は、産業的に最も弱くなっている森林業の再構築である。気仙沼の畠山さんの実践のように、漁業資源を豊かにするためには、森林が保全されていることが不可欠である。森林に業として関われる仕組みが必要で、林業が業として成立するようにしなければならない。低コストで環境保全型の作業道の入れ方をもっと研究すること、枝打ち・間伐の技術を高めること、伐裁機器のオペレーション力や、伐採後の搬出、保管、加工の仕方をしっかり描くこと、最後はいかに加工品等を販売・活用するかをトータルに計画することだ。そのような持続可能な産業として再構築することをまず、明確に打ち出すべきだ。森林を産業のフィールドとしてだけでなく、保健休養や、エコツアー、そして環境について学ぶ舞台として機能させるためにも、生物多様性に配慮した保全、活用の方策のモデルを創りたい。そのようなことを東北エリアにおいて実践していただくことが、今後の地域の産業再構築、定住者を維持した上での地域再生には不可欠であると思う。


5月3日(火) ノドが
  東北応援フェアが終わって、気持ちが緩んだのか、昨日からノドが痛かったが、本格的に調子が悪くなってきました。典型的な風邪の症状です。今日は、出掛けるのはあきらめて、一日家で寝ていました。洟も出てきて、かみ過ぎて痛くなってなってきました。しばらくはおとなしくしていることにしましょう。


5月2日(月) 必要なのは具体策
  震災復興の議論があちこちで行われているが、一番必要なのは単純で分かりやすい具体策だ。被災された方々や避難されている方々が自立に向けて動きやすい状況をいかに作るか。自然災害に強い地域をいかに作るか、これまで蓄積されてきた経験知を活かすととともに、新たな施策が必要なのだと思う。地域の保守性をベースとしつつ、開放的な精神性、外に開かれた地域を目指した取り組みを行うことで、外部からも新たな人が担い手として地域に関わりやすい地域を創ることだ。内外の人材を活かす為には、そのような意識的な施策を導入することも大事だ。例えば、新たな人材育成拠点を設けること。長期的に地域の担い手を誘致するためには、学びの拠点や研究拠点を設けることだ。地域の産品やサービス業に付加価値を高めるために、ソフト事業育成ネットワークづくりなども必須かもしれない。能登半島地震の後に能登で行ってきた事業の中で、これはというものがいくつかある。東北地域全体に活かせることもあれば、個々の地域で取り組む方がよいこともある。そのようなことを提案していければと思う。


5月1日(日) 水中歩行
  今日は1週間ぶりにプールに行きました。今日は、連休のためか、多くの人で賑わっていました。水中歩行される方も多くて、歩きにくのが難点ですが。1週間に1回では成果が弱いのかもしれない。水中運動だけでなく、生活習慣を修正していくことも同時に進めないと、体重が減少することも期待薄です。よく言われるのは、体重と体脂肪を記録することです。データを確認することを通じて、動機づけすることが大切です。喉が痛いのが気になるところですが、よく寝て体調回復を図りたいものです。


以前の金沢便りはこちらをご覧ください。

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