◆地元・珠洲の野菜でヘルシーなパン
2007年頃からは、地元の農産物などを使ったヘルシーなパンに力を入れている。お客さんの反応も良く、「やっぱりお客さんはこういうものを求めてるんだな」と実感したそう。冬場は、さつまいも、じゃがいも、さといも、キクイモなどの根菜を使った。珠洲の地酒「大江山」の酒粕シフォンケーキや、幻の大浜大豆の豆乳クリームパン、大粒な能登大納言あずきのあんぱんなどにも、地元の素材を生かす工夫が生きた。
◆アレルギーや塩分制限にも対応
アレルギー体質の方の要望に応える商品も作った。砂糖も卵も乳製品も使わず、珠洲のじゃがいもの甘みだけで作る「じゃがいもとくるみのパン」は、温め直すとでんぷんのもっちり感がさらに出ておいしい。塩分制限のある方には、予約のみの「無塩食パン」が喜ばれる。「年配の方が多いこのまちで商売するからには、塩加減ってすごく気になります」
◆お土産にヒット。黒糖こげパン
黒砂糖とバターをたっぷり使った「黒糖コゲパン」は、一度食べたらまた食べたくなり、食べ始めたら止まらない。以前の袋に入れただけのパッケージの頃から土産品に使われるようになり、「それなら」と新パッケージを手づくりしたところ、まとめて注文が入るヒット商品になった。こげパンは、珠洲のお店のほか、道の駅「桜峠」などでも買える。
手作りのパッケージ「黒糖コゲパン」
◆記憶に残るパンをWEBで販売
WEBでの予約制注文を始めた。「他県の人が食べて、能登を感じられるパン」がテーマ。たとえ値段が高くても、食べたときに能登の風景や優しさが伝わる味を目指した。時間と手間をかけた商品だからこそ、価値を分かってくれる方にまで届けたい。店頭では、地域の方の要望に合わせたパンを出すから、WEBのお客さんが珠洲に来たときには、店でしか買えないパンに出会える。 |
季節限定。珠洲の白菜入りの蒸したて豚まん。
肉汁ヤケド注意!
珠洲産たまねぎで甘みを出したカレーパン。揚げたてを並べるために10回揚げる日も。
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ご主人や奥様の手書きの商品紹介はユニークでかわいい。 |
古い道具も生かしてDIYした店内
ご主人の古川一郎さんと奥様真美さん
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