ぬのうら百貨店
Tel. 0768-62-0278


 所在地 ◇ 石川県鳳珠郡能登町宇出津新140
 〒 ◇ 927-0432

 
営業時間 ◇ 9:00〜20:00
 
定休日 ◇
 
お話しくださった方 ◇ ご主人


神様に捧げて福を招く、港町の宝来(ほうらい)

◆切り絵で作る宝来
 「宝来(ほうらい)」ってご存知ですか。神様棚の下に掛けるもの。字を書いたものが掛けられているのはよくありますよね。宇出津では、それがカッターを使った切り絵になっています。彫りじゃなくて、切りなんです。
 切り絵の元になるのは彫り。昔は先の鋭い刃ものがなかった。ナイフなどはあっても、通常昔からノミ。ノミでいろんな形を作って彫っていった。彫り絵を伝承している人は少ない。

◆彫り絵は全国的にも珍しい
 彫り絵というのは、全国にあるようなものでは無く、非常に珍しいと言われている。東北や北海道の一部には、能登から伝わっています。こちらから向こうへ行かれた方が持って行かれて、それで広まったと言われています。

◆型の更新
 彫り絵は、一応私が今作っておるんです。地区によって好まれる絵柄が異なるので、年末にはいろいろなデザインのものをたくさん用意します。
 昔の、代々残った型を元にして彫って、常に型を残しています。型は元のカミですから、何回も使ってると型にならなくなります。
 ただ、見るからに古い型、「あーこれは年季ものですね」っていうものは、私は家宝的にとっておいてあります。先人が残していったものですから、私も先人になる前に、大切に残してあります。

◆赤まさ
 彫り絵を立体的に見せる方法は、例えば縁起モノですから真っ赤な紙を後ろに置きます。それによって彫り上がった部分が空間になります。これは「赤まさ」って言うんですが、赤い紙をポンと当てることによって、白と赤のコントラストが際立ちます。

◆和紙の良さ
 西洋紙は、貼ると表面が波打つ。糊が乾燥するのに引っ張るんですかね。和紙はそういうのを吸収しますから、波を打たなくて、加工もしやすい。やっぱり和紙の長所です。



◆キリコの浮き字
 紙を加工しているのは、祭りのキリコの細工。厚い奉書紙を加工して、字を浮かす浮き字加工みたいなのをしています。昔からの紙細工というか、代々伝わってる技術です。

◆お祭り用の和紙
 祭り用に加工する和紙も、入手困難。まず、ものすごく厚いんですが、大判を作られる方が、もうほとんどいない。越前和紙などでしたら、まだいらっしゃいます。でも越前和紙だと、切り絵や彫り物に関しては適してますけれども、書くのに適さない。祭細工をするということになると、全く適してないんです。

◆工夫して新しい宝来も
 昨今は、掛け宝来と昔からの彫り宝来を私の方でミックスさせた、彫り字と彫り絵を入れた宝来を作っています。輪島の弟子の方が熱心にやってますけど、「やっぱり彫りじゃ能率悪いから、切り絵にしましたわ」と言う。私の彫り絵なんていうたら、一彫り、8枚から10枚彫るのに4時間も5時間もかかるんですよ。

◆文化を守り伝えたい
採算は合わんですけど、残していかなならん文化というか、風習、風俗があります。簡素化されたと言いながらも、地域に残っている伝統的な冠婚葬祭を継承していきたいし、そのために後方支援、応援をしていきたいな。
大事に伝わってきたものの重みは、すごく感じます。能登で創りあげた能登の風俗、文化、芸能。例えばゴイタもその一つかも知れん。やはり後世に伝えたい財産や。

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