能登への移住後に、夢みていた職人への道が見つかった

金井 優里(かない ゆり)さん   Iターン(東京都→七尾市) 

大阪府出身。東京で勤務していた会社を退職し、2015年石川県にIターン。2016年からは七尾市の椅子再生工場エフラボに勤務。

移住した当初は、まだやりたいことがはっきりしていなかったという金井さん。興味が持てる会社を見つけ、自分から積極的にアプローチして採用されました。魅力的な企業や仕事の見つけ方は、人それぞれに異なる。そんな一例が分かる移住体験談です。


同じものがないから面白い、椅子修理の仕事

現在、『エフラボ』という工房に勤務しています。日本最大の椅子リメイク再生工場であり、修理をメインに新規の製造も手掛ける会社です。個人の方のご依頼から国の機関やホテル、空港などからのまとまった発注まで幅広く受けています。その中で私が担当しているのは、修理と新規製造の木工です。
大学では木工手加工の実習も受けたので、そのときの経験も一定程度役立っていると思います。道具類の名前等も知っているものが多くありました。
椅子修理の仕事は同じものがないので、毎回考えなくてはいけません。同じものを作っていく仕事に比べ、そこが面白いと感じています。修理の対象となる品物は、持ち主さんにとって思い入れがある大切なものが多いです。ホテル等の椅子の場合は、雰囲気を変えたくないので、張替えなどをして使い続けたいというケースが多いようです。修理した後は再塗装もあり、新品のようになりますが、その一方であえて使い込んだイメージを残したいというオーダーもあります。
一品ずつ気が抜けない仕事ですが、むしろそれが魅力なのかもしれません。

 

前職ではやりたいことを見失ってしまった

高校時代からものづくりに興味があり、「職人になりたい」と思っていました。今はようやくそんな仕事にたどりついた感じです。でも、当時はその思いが漠然としていたせいか周りから反対され、とりあえず大学に進学。建築を勉強し、大手建設会社に就職しました。
半年間の研修を経て現場に配属、OJTで指導を受けながら現場監督の仕事をしました。建設現場にはいろいろな工程のさまざまな職人さんたちがいます。大学を出たばかりで、職人の皆さんを束ねたり管理監督したりするのは難しく、とても苦労しました。また、自分が実際に作ったことがないものを職人さんに製作依頼することに疑問を感じ、やりたかったはずのものづくりが何なのかよくわからなくなってしまい、退職しました。
再就職活動を始めるのを機に、思い切って移住も検討することにしました。そうして、たまたま参加した移住イベントで、『能登定住・交流機構』で当時事務局長を務めていた太田さんに誘われ、石川県の短期移住体験事業を活用して能登を訪れてみることにしました。

 

移住後はとりあえずインターンシップから

短期移住体験事業で地域の様子を案内してもらい、また、実際に移住された先輩移住者さんに紹介してもらい、いろんな方に直接お話を伺うなどしました。その際、就職相談にも話が及び、「仕事はどのようなことがしたいの?」と問われたのですが、そんな状態だったのでどうしたらいいか、これから自分は何をしていきたいのか、自分でもよく分からない状態でした。
そこで、「だったら、この地域にどんな会社があるのかを知ることができる仕事があるから、手伝ってみない?」と誘っていただき、とりあえず能登定住・交流機構の事務局を受託している会社『ぶなの森』で、インターンシップをすることになりました。移住だけ決めて、仕事が決まらない状況で能登にやってきたわけですが、インターンシップの後も引き続きその会社で仕事を続けることになりました。
そうして、原稿制作のお手伝いをするために2週間ほど企業の取材に同行した会社の一つが今の職場となるエフラボでした。その後もぶなの森に半年ほど勤めましたが、エフラボの「ものづくり」の仕事がずっと気になっていたので応募して、採用していただくことになったんです。

 

働きやすい職場で、充実した日々を手に入れた

シルバーさんから高卒入社の社員までが働いており、年齢層が幅広く、女性も多い職場です。能登の人は気さくな方が多いですね。とても親しみやすくて、楽しく働かせてもらっています。
移住をして、暮らしの部分で困ることがあるかなと思っていましたが、地域や職場の方が優しく、色々と教えてもらっています。雪が降る地域ならではのことや、季節ごとの楽しみや旬の食べ物のことなど。日常生活において、仕事のことだけでなく、暮らしのことにも目を向けられるようになったのは能登に来てからだなと、よく思います。能登に移住してきて本当によかったです。

 

株式会社エフラボ
〒929-2214 石川県七尾市中島町小牧19、1009番地3
TEL. 0767-66-2111(本社) TEL. 0767-66-8067(第二工場)
TEL. 03-6311-7153(東京事務所)
URL  https://f-labo.jp/
職人募集URL  https://f-labo.jp/about_us/chair_craftsman/
フェイスブックページ @flabonanao

(2020年1月に取材しました)